>>97のつづき
46 喫茶店・中
豹牙の真向かいの席に、茜と七美がいる。
茜は、ちょいと不機嫌そう。
茜「いいの、豹牙。水瀬さんも巻き込んで、勝手に早退して」
七美は、相変わらず無表情。
七美「私は、いい」
豹牙、汗をふいている。
豹牙「ま、こういうのは今日が最初で最後だからね……」
茜のM「……バカ、あたしは豹牙と二人っきりでいたかったのに。小さい頃から、こ
いつ、にぶいんだから」
茜、眼前のチョコパフェをヤケ食い。
豹牙、コーヒーを啜って、
豹牙「おいおい茜、そんなにがっついたらみっともないぞ」
茜「あんたこそ何よ、まだガキのくせにコーヒーばっか飲んで!」
豹牙「しょうがねぇだろ、コーヒー好きの親父の遺伝なんだからよ!」
七美「(ポツリと)おやじ……?」
豹牙「ああ、親父、コーヒー好きだったんだ。伯父さんも言ってたよなぁ、ジェット
ジャガー作ってた頃は、よくコーヒー飲んでたって」
七美「じぇっと、じゃがー……」
豹牙「まぁ、ジェットジャガーは後でゆっくり見せてやるからよ、もうちょっとマッ
タリといこうや!」
七美「まっ、たり……」
(つづく)