>>88のつづき
38 同・隅の席
七美と面する状態で、豹牙と茜がいる。
豹牙は焼肉定食をがっつき、茜は野菜定食を食べている。
茜「狂牛病で大騒ぎなのに、よく牛肉を食べる気になるわね」
豹牙「へっ、そんなことに一々ビビッてちゃ、なーんにも食えねーぜ」
豹牙、茜の腹の辺りを見る。
豹牙「それより茜、野菜ばっか食ってるって事は、やっぱ体重を気にしてんのか〜?」
茜「(顔を真っ赤にして)な、何よそれ、余計なお世話よ、セクハラだわ!」
豹牙「(せせら笑って)ヘェ〜、やっぱダイエットだったんだ〜」
茜「あんたねぇ!!」
と、茜、豹牙の胸倉をつかもうとする。
騒ぎをよそに鮭とワカメを食していた七美、箸を止める。
七美「……で、伊吹君、私に何のようなの?」
豹牙「(向き直って)あ、すまねぇ。いやね、何で君がジェットジャガーの事を知ってる
のかって思って」
茜、ビクリとする。
茜「え? ジェットジャガーを!? (七美を見て)あなた、知ってんの、ジェットジャガ
ーを!!」
七美、コクリと頷いて外に出て行く。
豹牙「あ、ちょっと待って」
豹牙、七美の後を追う。
茜「わ、私を置いていかないでよ!」
茜も二人を追いかけていく。
七美の定食には、鮭やワカメや貝の姿が消えているが、御飯や味噌の汁がそのまま残
されている……。