>>81のつづき
30 同・リビングルーム
陣川と伊吹がコーヒーを飲んでいる。
伊吹「早いもんで、Jジャガーが完成して30年目ですよね」
陣川「ああ、あん時は先輩も健在で、電子工学はますます発展すると思ってたんだけ
どなぁ」
伊吹、朝方整理していたアルバムを見直している。
伊吹「あの後、俺と兄貴はジェットジャガーの良心回路と巨大化の原理を探るため、
研究に没頭していったんだよな」
陣川「そして俺はレーサーを廃業して、自衛隊の特殊車両の操縦士に……」
伊吹「でも陣川さんが出世してくれたお陰で、ジャガーの研究費用がだいぶ助かりま
したよ」
Jジャガーが二人の前に立っている。
伊吹「あの良心回路は、シートピア人が自国で開発して仕掛けていった物って判った時は、驚きでしたよ」
陣川「操作装置のあるここを奪回されても、Jジャガーに自我を持たせて地上を攻撃
するよう仕向けさせようとしたんだろうが……、その前に人類防衛の感情を持ってく
れて助かったよ」
伊吹がジェットジャガーの研究レポートを広げている。
伊吹「そして、これまたシートピア人がコーティングしていった増幅物質……、良心
回路と連動して、巨大化する形状記憶合金と判った時も、衝撃的でしたよ」
陣川「沖縄のメカゴジラ、そして天城山のメカゴジラUとチタノザウルスの時には、
あいにくオーバーホールが重なってジャガーの出番はなかったんだよな」
陣川が、メカゴジラやチタノザウルスの記録写真を眺めている。
伊吹「いや、ジャガーを戦いに巻き込む機会がなかったのは、却って良いことですよ」
陣川「そうだな、平和に越したことはない……」
(つづく)