>>78のつづき
教師、黒板に“水瀬七美”と筆記。
教師「水瀬七美くんだ。御両親が仕事の都合で外国で生活されていたため、まだ日本
語が得意ではない。だから皆、日本語を教えながら仲良くしてやってくれ」
七美「(たどたどしく)よろしく、おねがい、します」
男子生徒達、「かわいいじゃん」「俺、好み」と口々に。
教師「席は……」
豹牙「ハイハイハイ、ハ〜イ!! 俺の隣、空いてますぜ〜」
茜、呆れ顔で振り返る。
教師「おう、伊吹の隣が丁度いいな」
豹牙、やりぃ!と指をパチンと鳴らす。
七美、じっと豹牙を凝視する。
七美「(ポツリと)いぶき……」
七美、無表情のまま歩き出して、茜の席の前を横切る。
茜、一瞬だけアッカンベーをする。
はしゃぐ豹牙の前に、七美が足を止める。
七美「いぶき……」
豹牙「そう、俺、伊吹豹牙。宜しくな!」
七美「いぶき……。じぇっと……、じゃがー……」
豹牙、目が点になる。
豹牙「へ?」
(つづく)