>>72のつづき
23 同・特殊車両課室
部屋中に研究用のパソコンや図面が並び、多くの課員が従事している。
司令官席に、制服姿の陣川博(53)がいる。
ネットから送られてきた報告結果をパソコンでチェックしている。
陣川「ネオメーサー車、配備完了。スーパーマーラカイトジャイロ、配備完了……」。
と、女性副司令官・南原明子(26)がお茶を持ってくる。
南原「司令官、お茶ですわ」
陣川「ああ、すまんねえ」
南原「メカゴジラUとチタノザウルスの事件からもう28年……。あれ以降、ゴジラは
姿を現さず、自衛隊特殊車両の開発も封印同然なのに、今頃どうして……」
陣川「シートピアだよ。シートピアの動きが気になるんだ」
南原「シートピア? それは、司令官が……」
陣川「ああ、俺がレーサーで好き勝手やってた頃に、地上を襲撃してきた地下王国の
連中さ」
南原「確かあの時は、メガロとガイガンという怪獣が……」
陣川「うん、それをあのゴジラと、大学の先輩の開発したジェットジャガーが撃退し
たんだ」
南原「それをきっかけに、司令官は自衛隊で特殊車両の操縦士に志願されて、現在は
それを統括される司令官……」
陣川「ほう、さすがは若いのに抜擢されたエリート副司令官だけのことはある。生前
の社会事情のことなのに、やけに詳しいな」
南原「(微笑んで)ええ、エリートですから」
陣川、苦笑して茶を飲みつつ、モニターを覗き込む。
(つづく)