>>70のつづき
20 同・外(早朝)
豹牙が飛び出してくる。
と、そこにバイクのクラクション音が。
ふと振り返ると、女ライダーの乗るバイクが疾駆してくる。
豹牙「おっとっと」
女ライダー、バイクを急停止させると、ヘルメットを脱ぐ。
その下からは、まだ幼さを残す少女の顔があらわれる。
陣川茜(17)、豹牙のクラスメートだ。
茜「豹牙、また遅刻なのぉ?」
豹牙「茜かぁ、いやー、グッドタイミング、乗せてってくれ!」
茜「(そっぽむいて)んー、どうしよっかなー?」
豹牙「頼むよ、俺の幼馴染のよしみで、さ」
茜「(またそっぽを向いて)幼馴染ねぇ…」
豹牙「神様仏様茜様、天才レーサーの娘様、ホント、頼む」
茜「あら、誉めてんの、お父様のことだけかしらぁ?」
豹牙「うーん、とっても知的で、とっても優しくて、とっても綺麗な茜様、どうかお願いいたしますぅ!」
茜、ニコッとして、豹牙にヘルメットを渡す。
茜「後、帰りのチョコパフェのおごりも宜しくねっ」
豹牙、ヘルメットを被る。
豹牙「了解了解、宜しく頼む!」
豹牙、後部シートに座る。
豹牙のモノローグ(以下M)「ヘヘッ、こいつ、ガキん頃からおだてだけには弱いんだよなぁ」
茜「じゃあ豹牙、つかまってなさいよぉ!」
ヘルメットを被った茜、フルスロットル!
突っ走っていくバイク。
(つづく)