おにゃのこが改造されるシーン 素体6人目

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405ショッカー代理人
「こんなものをどうしようというのかしら・・・」
南城大学助教授の素襖実咲(すおう みさき)は首をかしげながらも、床に口を開けた大きなタンクに薬品を加えていく。
彼女の専門は毒性植物。
その中には厳密には植物ではないものの、毒キノコの研究も含まれている。
とはいえ、今回大学の上層部を通しての以来のは少々首を傾げたくなってしまう。
毒物ということで危険回避のために山の中に設けられた施設。
そこで彼女に依頼されたのは、地下のタンクにさまざまな毒キノコのエキスを抽出した液体を作って欲しいというものだった。

彼女に製作を指示した白髪交じりの老紳士は、態度こそ丁寧であったものの、どことなく不気味であったし、完成まではここから出てはならないということで、食事も着替えも全て相手が用意してくれるというものだった。
多少の薄気味悪さはあったものの、大学の上層部も了解済みで、このエキスの作成がうまくいけば、教授への昇格と結構なボーナスがもらえるということで、実咲はしぶしぶ受け入れたのだ。

「これって・・・遺伝子の構成を壊すと言われている奴よね・・・こんなものまで足すなんて・・・」
紅テングタケ、テングタケ、笑いタケ、ドクツルタケにタマゴタケモドキ。
猛毒を持つ毒キノコを煮詰めて抽出したり、あるいはそのまま薬品に溶かして加えたり・・・
どこから集めたのかと思うほどの量の毒キノコがここには運び込まれ、それを実咲はタンクの液体に溶かしていったのだ。
そして、白髪交じりの老人の指示で毒性をさらに強めることも忘れない。
彼女の今までの研究の中でも、異様なことには違いなかった。
406ショッカー代理人:2007/02/16(金) 22:11:03 ID:z6slbFv/0
「どうかね? 素襖教授」
階段の上から声がする。
今日はあの老人が来る日だったらしい。
ここに缶詰になっていると曜日の感覚すら忘れてしまう。
「何度も言いますが、私は助教授です」
メガネを指で持ち上げながら彼女は階段の上を見上げた。
紳士然としている老人であるが、黒マントを羽織り、白いスーツを着ているあたり、どうも不気味に感じて仕方が無い。
「このエキスの製作が終われば君は教授だ。楽しみにしていたまえ」
「それはどうも。ところでそろそろお名前とこのエキスの目的をお教え願えませんか? 名前も教えてくれないクライアントはどうも・・・」
階段を下りてくる老人をにらみつけるように実咲は見つめる。
最初に会った時には車椅子を使っていたというのに、階段を下りる足取りに不安なところはまったく無い。
「名前と目的かね? 名前は・・・そうだな、死神博士とでも呼んでいただこう」
「死神博士?」
実咲は呆れてしまう。
だが、笑い出すことをしなかったのは、その死神博士という呼び名がこれほど相応しい人もいないだろうと思ったからだ。
「そう、死神博士だ。目的については・・・今の君にはまだ教えることはできない」
「ハア・・・」
肩を落としてため息をつく実咲。
「そうだな・・・このエキスが完成し、実験が成功したときにはこのエキスの目的を教えて差し上げよう。同時に君を新たな世界に招待しようとも」
「引き抜きですか? 私は今の大学に結構満足しているんですけど」
これは事実。
まだ二十四歳という実咲にそれなりに自由なことをさせてくれている大学は結構居心地がいい。
「そうかね? まあ、その時がくればわかることだ」
それっきり黙りこむ老人。
実咲は肩をすくめると、エキスの製造に戻る。
薄緑色の液体は、相当な毒素を持っている。
気を付けて作業をしなくては・・・
407ショッカー代理人:2007/02/16(金) 22:12:46 ID:z6slbFv/0
「ふう・・・」
あれから一週間。
エキスはだいぶ濃い緑色にまで濃縮されてきた。
毒素もかなり強いだろう。
後は最終調整をするだけでいい。
実咲は完成間近のエキスのタンクを見下ろす。
いろいろな薬品を混ぜるのに都合がいいように、タンク自体は床に埋まっているのだ。
内部を確認する時は地下に下りればタンク全体を見渡せる。
ぐう・・・
タンクを覗いていた実咲のお腹の虫が鳴く。
あ、そうか・・・
朝から何も食べていないんだっけ。
部屋に戻ってサンドイッチでも・・・
そんなことを考えたら愛用のペンが手から落ちる。
もう一月近く会っていない彼からもらった大事なものだ。
実咲はとっさに手を伸ばす。
「あ・・・」
バランスが崩れた。
実咲の躰が宙を舞う。
大きな水音が室内に響いた。
408ショッカー代理人:2007/02/16(金) 22:13:53 ID:z6slbFv/0
「イーッ! 女はどこにもおりません」
「どういうことだ? 逃げられたとでも言うのか?」
戦闘員の報告に首をひねる。
だが、それはありえない。
この施設はショッカーによって見張られている。
万が一にも脱走されることなどありえない。
だが、素襖実咲が消えた。
施設内には見当たらない。
どこへ行ったというのだ・・・
「待てよ・・・」
死神博士にある考えが浮かぶ。
もしかしたら実験の手間が省けるかもしれない。
その口元に笑みが浮かんだ。
409ショッカー代理人:2007/02/16(金) 22:15:00 ID:z6slbFv/0
ゴボ・・・ゲホ・・・
緑色の液体が容赦なく実咲の中に入ってくる。
猛毒の液体だ。
実咲は必死になってタンクから出ようともがく。
しかし、手足はあっという間に痺れ、内臓が焼けるように痛み始める。
肺はもう呼吸するたびに液体を吸い込み、痛くて熱い。
失敗したなぁ・・・
朦朧となる意識の中で実咲はふとそう思う。
私・・・こんなことで死ぬんだ・・・
もう躰を動かすこともできない。
後はもう毒が躰に回って心臓が止まるだけ。
先ほどまで感じた痛みも感じなくなってきた。
『やはりここだったか・・・』
あの老人の声が聞こえる。
確か死神博士といったわね・・・
『好都合だ。素襖教授、あなたにはこのままこのエキスの試験を行なってもらおう』
試験?
このエキスは猛毒よ。
私はもうじき死ぬわ。
試験なんて意味が無い・・・
実咲は目をつぶる。
もう苦しくない。
私は・・・
私は・・・
410ショッカー代理人:2007/02/16(金) 22:16:08 ID:z6slbFv/0
                  ******

「クックック・・・実験は成功だ」
タンクからエキスが排出されていく。
あれから一週間。
前回の囚人は失敗に終わった。
エキスの調合に問題があったのだ。
だから今回は彼女を使った。
本当ならエキスの完成と同時に彼女をショッカーに引き入れようとも考えていたが、彼女自ら実験台になってくれるとは好都合。
エキスの調合の最終調整は彼自身が行ない、完成したエキスにどっぷりと浸かってもらったのだ。
エキスが排出されていくタンクには新たな存在が目覚めるのを待っている。
若く美しかった顔は胞子を飛ばすひだとなり、つややかだった黒髪は赤黒いキノコの傘に変化した。
両の胸は形良く盛り上がり、先端には小さなキノコが乳首のごとく開いている。
滑らかなラインを描く腰まわりも赤黒いキノコの傘がスカートのように広がり、両手と両脚はそれぞれ手袋とブーツのように変化した。
そう、素襖実咲は毒キノコのエキスによって生まれ変わったのだ。

ゆっくりと目を開ける実咲。
その口元に歪んだ笑みが浮かぶ。
エキスを排出され空になったタンクを、彼女は内側からいとも簡単に破っていく。
鉄製のタンクがまるで紙のようだ。
そして穴の開いたタンクからゆっくり姿を現すと、死神博士のそばによる。
「クックック・・・気分はどうかな? キノコモルグよ」
「キノコモルグ? それが私の名前なのね?」
キノコの化け物と化した実咲が自分の躰を愛しそうに抱きしめる。
「そうだ。お前はショッカーの改造人間キノコモルグとなったのだ」
「悪く無いわ。いいえ、むしろ素晴らしいわ。私はショッカーの改造人間キノコモルグ。どうか何なりとご命令を」
邪悪な笑みを浮かべるキノコモルグ。
その美しい毒キノコは自らの猛毒を撒き散らすことを想像し、歓喜にうち震えるのであった。