おにゃのこが改造されるシーン 素体6人目

このエントリーをはてなブックマークに追加
210PRIME
では続きを。
 時を同じくしてプログレッサーが設置されている部屋にキメラが駆けつけた。しかし、プログレッサーは大量の放熱と放電を繰り返しその熱気で近づけない。
「キメラ様、危険です。お下がりください」シッポ兵に阻まれキメラは近づくことが出来ず遠巻きに見守るしかない。
 とその時。大轟音とともにプログレッサーから一体の進化獣が飛び出してきた。進化獣は言葉を発する。「進化獣、ゼノビアシンカ」
 それはゾンビのようにおぞましい姿だった。手足の長い爪。うろこに覆われた緑色の全身。耳のあたりまで裂けた口からは鋭い牙がのぞいている。
さらに頭にはギリシャ神話のメドーサのように7匹の蛇が髪の毛代わりに巻きついていた。それはあの7本の尻尾が蛇に姿を変えたものである。
そのあまりにもおぞましい姿にキメラたちも恐怖で固まっていた。
「グルルルル…」ゼノビアシンカは獰猛なうなり声をあげる。そして「うぎゃああああ!!」
突然雄たけびを上げて部屋を飛び出す。「追え、追うのだ」キメラの命令でシッポ兵たちが後を追いかける。ゼノビアシンカは帝王の間に飛び込む。そこにはアトンがいた。
「これがゼノビアシンカか」アトンが問う。そこにキメラがやってくる。
「アトン様、ゼノビアシンカでございます。しかし、精神のバランスを崩しているようです」キメラは息を切らせながらそう報告する。
精神のバランスを崩し暴れ回るゼノビアシンカをシッポ兵たちが必死に抑えている。
211PRIME:2006/11/05(日) 00:28:07 ID:ke6yrWU+0
「やはりな」うなずくとアトンは手にしていた金属製のヘアバンドをゼノビアシンカに投げつける。ヘアバンドはゼノビアシンカの額にはまる。それと同時に電撃がゼノビアシンカを襲う。
「うぎゃあああ!!」ゼノビアシンカは転げまわっていたがやがて意識を失う。
「アトン様、そのヘアバンドは一体…」怪訝そうに聞くキメラにアトンは答える。「これはMCヘアバンド。カー将軍がゼノビアシンカが反逆した時に備えて残しておいたもので遺品の中から見つかったのだ。これさえあればゼノビアシンカをコントロールできる」
 やがて意識を回復したゼノビアシンカはよろよろとアトンの前に跪く。「アトン様、この命アトン様のものにございます。この命に代えましても必ずや憎きダイナマンを抹殺してごらんに入れます」従順にゼノビアシンカは述べる。
「よし、ゼノビアシンカ。お前はダイナマン討伐に向かうのだ。キメラ、そなたも行け」アトンはゼノビアシンカとキメラに命令する。「はっ!!」二人は部屋を出て行く。
 この一部始終を物陰でうかがっている者がいた。仮面の剣士ダークナイトである。
「ゼノビアめ、進化獣になったか。これからどうなるか見ものだな」ダークナイトは小声でつぶやくとその場から離れた。

 一方ここはダイナステーションの司令室。「みんな見てくれ」夢野総司令が呼ぶ。ダイナマンの5人はスクリーンを見る。
 それはジャシンカの襲来だった。街を襲ったシッポ兵たちが殺戮を行う。空からはギズモスキートが工場地帯に空爆を行っている。
「ジャシンカめ、カー将軍が死んだことで焦っているのかもしれない。それでこんなゲリラ作戦を」弾北斗はスクリーンを見ながら言う。
「とにかくこのままでは被害はさらに拡大する。ジャシンカを食い止めるんだ。ダイナマン出動!!」夢野は5人に出動命令を下す。
「よし、みんな行くぞ」弾が叫ぶ。「ダイナマン!」その場で5人はダイナマンに変身して出動した。
「頼むぞみんな」5人を見送りながら夢野がつぶやく。

 
212PRIME:2006/11/05(日) 00:32:07 ID:ke6yrWU+0
 その頃ジャシンカは勢いに乗って進軍していた。「地上のすべてを破壊してジャシンカの支配下に置くのよ」キメラは叫ぶ。
 その時5色の火の玉が落下して大爆発を起こした。その爆発の中から現れたのは正義の戦士ダイナマン。
「現れたな、ダイナマン!」叫ぶキメラにレッドが言葉を返す。
「キメラ、お前たちの悪行もそこまでだ。俺たちダイナマンがいる限りお前たち尻尾を持った悪魔にこの美しい地上は渡さん!!」
「黙れ、わがジャシンカの最強進化獣の餌食になるがよい」キメラも言い返す。
「進化獣、メカシンカではないのでござるか?」ブラックがびっくりしたように言う。
「進化獣を引っ張り出すなんてジャシンカも先が見えているな」ブルーが言う。
「本当、進化獣相手なら絶対負けないぜ」イエローも余裕の表情で言う。
キメラは含み笑いを見せる。「そんな大口を叩けるのも今のうちだけだ。出でよ、進化獣ゼノビアシンカ」その言葉と同時にゼノビアシンカが姿を見せる。「ゼノビアシンカ!!」
「ねえ、ゼノビアシンカってまさか…」ピンクが不安げに言う。
「そのまさかよ。ゼノビアシンカはゼノビアが生まれ変わった姿なのよ。ダイナマン、お前たちもこれでおしまいよ。ははは」キメラは高らかに笑う。
 ゼノビアが改造されたと聞いて5人に戦慄が走る。「あのゼノビアが悪魔の進化獣になるなんて…」レッドが恐怖のあまり小声でつぶやく。
しかし、「たとえ相手が誰であろうとダイナマンは負けるわけにはいかない。俺たちが負けたら誰がこの世を守る。」自らを奮い立たせるようにレッドが叫ぶ。正義の戦士ダイナマンに逃げることは許されないのだ。
「ダイナレッド」
「ダイナブラック」
「ダイナブルー」
「ダイナイエロー」
「ダイナピンク」
「爆発!科学戦隊ダイナマン!」レッドが叫ぶと同時に5色の爆発が起きる。
213PRIME:2006/11/05(日) 00:37:25 ID:ke6yrWU+0
「行け!」キメラの号令とともにゼノビアシンカがシッポ兵がダイナマンに襲い掛かる。
だが、シッポ兵はダイナマンの敵ではない。あっという間に片付けられる。ダイナマンとゼノビアシンカは対峙する。
「レッドファイヤー!」レッドがダイナロッドで火炎攻撃を行う。しかし、「ゼノビアファイヤー!」ゼノビアの頭の蛇から高熱火炎がレッドを襲う。
レッドは火炎攻撃を受けかろうじてかわす。「くそ!」レッドが悔しそうに言う。
「なら次は拙者が。ブラックスターフラッシュ!」ブラックがダイナロッドでフラッシュ攻撃を行うが「ゼノビアフラッシュ!」
頭の蛇から発せられる閃光でブラックは目がくらみ「うわっ!」ブラックは崖を転がり落ちる。
「ブルー水竜巻!」ブルーがダイナロッドで高圧水流攻撃を行うが「ゼノビアストリーム!」蛇から出る高圧水流でブルーは押し流され岩に激突する。「うっ!」
「イエロー雷光おとし!」イエローがダイナロッドで電撃攻撃を行うが「ゼノビアサンダー!」蛇から発せられる電撃にイエローが感電してしまう。「し、しびれたぁ…!」
「今度は私よ。ピンクショッキングメロディ!」ピンクはダイナロッドで超音波攻撃を行うが「ゼノビアソニック!」蛇から発せられる超音波にピンクは転がりまわる。「あ、頭が割れそう…」
「お前たちダイナマンのパワーなどその程度か。行くぞ、ゼノビアボム!」ゼノビアは火炎弾を蛇から発射する。火炎弾はダイナマンめがけて落下して爆発する。
「うわっ!」5人は爆発する火炎弾に苦戦する。
「ダイナキック!」5人はキック攻撃を行うがゼノビアのボディはびくともしない。「ははは、無駄だ無駄。どんな攻撃も私には通用しない」ゼノビアは高らかに笑う。
「よし、こうなったらそれぞれの得意技で攻撃だ」レッドが言う。
214PRIME:2006/11/05(日) 00:44:45 ID:ke6yrWU+0
「まずは私が。ピンクハートブレイクショット!」ピンクがローズサーベルでゼノビアシンカの胸を突く。「うっ!何のこれしき」ゼノビアシンカは動じない。
「じゃあこれでどうだ。イエロー電光ボール!」イエローがチェーンクラッシャーにエネルギーを集めてゼノビアシンカにぶつける。
「フリスビースパーク!」ブルーがブルーフリスビーをゼノビアシンカにぶつける。
「ショットクロス!」ブラックがクロスカッターを合体させてゼノビアシンカにぶつける。
 しかし、ブラック、ブルー、イエローの技を食らってもまだ持ちこたえるゼノビアシンカ。「どうした、まだ私は何ともないぞ」
「ならば、ドリーム返し!」レッドがダイナ剣でゼノビアの額を十文字に切り裂く。その時、「チャリーン」。金属音と同時にゼノビアシンカの額からMCヘアバンドが落ちた。
「はっ、私は一体…」ゼノビアシンカはあたりを見回す。それはゼノビアが自分の意識を取り戻した瞬間だった。
ゼノビアは水溜りに映った自分の姿を見る。次の瞬間「きゃああああ…!!」
 自らの姿を見たゼノビアは恐怖のあまり叫び声をあげる。そしてプログレッサー内部での出来事を思い出した。あの苦しみ、痛み、そして進化獣に堕とされることへの屈辱。「お、おのれ…、カー将軍め…。」
「どうした、ゼノビアシンカ。早くダイナマンをやるのよ」キメラがゼノビアシンカに命令するが「誰がゼノビアシンカだ。私は将軍ゼノビア。やがてジャシンカの王となるべき存在だ」恐怖と絶望が怒りに変わったゼノビアシンカは叫ぶ。
「ま、まさか記憶が戻ったの!?」キメラも異変に気づく。
「おのれ、カー将軍。よくも…よくもこんな姿に…。こうなったらもどうなってもいい。皆殺しにしてやる!!」
怒りのあまり錯乱したゼノビアシンカはダイナマン、ジャシンカ問わず無差別攻撃を開始する。7匹の蛇から火炎が、高圧水流が、電撃が、レーザーがダイナマンやジャシンカを襲う。
「うわあ!」「助けてくれ!」シッポ兵たちは逃げ惑うが次々と攻撃されやられていく。
「きゃあ!」キメラも狂気のゼノビアの攻撃に怯えながら必死に逃げ惑う。
215PRIME:2006/11/05(日) 00:53:04 ID:ke6yrWU+0
「ゼノビアの奴、なんて恐ろしいパワーだ。」レッドが言う。「だが、俺たちは逃げるわけには行かない。行くぞ!」レッドが叫ぶと「おう!」他の4人も叫ぶ。
5人はゼノビアシンカに立ち向かう。「こい、ダイナマン!」ゼノビアシンカが迎え撃つ。
「ロッドビーム!」ダイナロッドを変形させた光線銃でゼノビアシンカを一斉攻撃するダイナマン。ロッドから発せられた光線はゼノビアシンカの体を貫く。「ううっ…!」ゼノビアシンカはうめく。
「よしとどめだ。ニュースーパーダイナマイト!」レッドが叫ぶ。5人は爆発とともにジャンプする。
「レッド!」
「ブラック!」
「ブルー!」
「イエロー!」
「ピンク!」
飛び上がった5人は空中で合体して巨大な火の玉になりゼノビアシンカに体当たりする。
「来い!!」ゼノビアシンカは両手両足を大の字に広げて迎え撃つ。ゼノビアシンカと巨大な火の玉がぶつかる。そして「ぎゃああああ!!」
大爆発とともにゼノビアシンカの絶叫が響き渡る。ゼノビアシンカとぶつかったダイナマンは合体が解けてバラバラに散らばる。
「ハアハア…」傷だらけのダイナマンが立ち上がる。同時にゼノビアシンカも立ち上がるがすでに両腕はなく、7匹の蛇も吹き飛んでいた。
「お、おのれダイナマン、カー将軍め…。私は将軍ゼノビア…。私こそ地上と地底の王となるべき存在。進化獣などではない…!!」
自分の妄想に狂いながらそして進化獣になった現実を受け入れずゼノビアシンカはその場所に倒れた。直後に大爆発が起きた。さすがの彼女も巨大化する力は残っていなかった。こうして女将軍ゼノビアは滅びた。
「おのれダイナマン…」キメラは悔しそうにつぶやくとその場を後にした。
216PRIME:2006/11/05(日) 00:57:44 ID:ke6yrWU+0
 その頃ダークナイトは少し離れた崖の上で情勢を見守っていた。そしてゼノビアシンカの最期を見届けた。ゼノビアの死を冷ややかに見つめるダークナイト。
「ゼノビアめ、ダイナマンに敗れるとは。口ほどにもない奴だ。共倒れを狙っていたのだがまあいい。俺がじきじきにダイナマンを倒せばいいだけのこと。特にダイナレッド、弾北斗の命は必ずこの俺の手で奪ってやる」
ダークナイトはあざ笑うように言うといずこへともなく姿を消した。ゼノビア、そしてダイナレッドを異常なまでに憎悪するダークナイトの正体は一体何者なのだろうか。
 ダイナマンはボロボロの状態だった。勝つには勝ったが辛勝、全身傷だらけだ。
「ゼノビア、恐ろしい敵だった…。だが、まだ俺たちの戦いは終わっていない。帝王アトンを倒して平和をつかむまでは。」
レッドの言葉に全員うなずく。ダイナマンは最後の戦いに向けて闘志を燃やす。
217PRIME:2006/11/05(日) 01:02:25 ID:ke6yrWU+0
 その頃グランギズモではキメラがアトンに報告を行っていた。
「そうか、ゼノビアはダイナマンに敗れたか。」アトンがキメラに言う。
「はっ、ダイナマンを追い詰めたのですが、MCヘアバンドを破壊されコントロール不能になり…。ほとんど自滅です」キメラが報告する。
「ううむ…。まあ獅子身中の虫が滅びただけよしとするか。これでジャシンカに禍根はなくなった」アトンは自分に言い聞かせるようにいう。
 とそこへ「アトン様、カー将軍が残されたマニュアルで最強最後のメカシンカファイヤースフィンクスが誕生しました」科学者が腕が火炎放射器になっているライオンのメカシンカ、ファイヤースフィンクスを連れてきた。
「ファイヤースフィンクス。カー将軍の御遺志に従って必ずやアトン様の夢を実現させてごらんに入れます」ファイヤースフィンクスは跪いてアトンに忠誠を誓う。
「ファイヤースフィンクス、期待しておるぞ」そういうとアトンは立ち上がり叫ぶ。
「皆の者、いよいよ最終決戦だ。ジャシンカが天下を取るか滅びるかはこの戦いにかかっておる。全員心してかかるのだ!」キメラやシッポ兵はそれに応じて雄たけびを上げる。
 アトンはカー将軍のことを思い出していた。死んだ後まで自分に忠義を尽くす部下への感動、そしてそんな部下を死なせてしまったことへの悔やみがアトンの心に去来する。
だが帝王たるもの、そのような感情は表には出せない。アトンは叫びたくなるような感情を押し殺して帝王としての威厳を保とうとしていた。
(カー将軍、必ずそなたの義に報いるぞ)アトンは心の中でカー将軍に呼びかける。
 ダイナマンとジャシンカ、それぞれの明日をかけた最終決戦はまもなく始まろうとしている…。

「軍神、忠義の遺産」(終)