声はか細く、目はうつろ。影山ザビーは試合後、沈痛な面持ちで、この日最大の決定機を振り返った。
「ぼくのチャンスはあの一回だけだった。急に加賀美にヘンシーン!されたので。
落ち着いて戦えばよかったが、びっくりしてしまった」
悔やんでも悔やみきれない。わずか一分、ガタックに放ったパンチは空を切った。部下もひより確保さえ完了することもできず、マイザーでやられてしまった。シャドウのヘタレっぷりを象徴するシーンだった。
好機はありながら、ドレイク戦に続き頼みのライダースティングが沈黙。満身創痍の影山は、それでも気丈に言った。
「シャドウ隊長としていい指チュパができた。全体的に歌もうたったし、三島さんにも誉めてもらった。
ワーム戦も良かったが、それが持続できなかった」
しかし、展開がどうあれ、わずかな勝機に賭け、それを生かすのがシャドウ本来の職責だろう。
1回のミスが命取りになった矢車に加え、加賀美はガタックに。
ゼクト専属という高度に専門化されたゼクターでは、こうした悲観的な思考が影山の余裕を奪う。
実際に集結した他のライダーを見れば分かる。襲い来る敵の動きを逆手に取ったり、
クロックアップでシューティングを蹴り飛ばしたり。人を食ったようなふてぶてしさと冷静さを併せ持つ。
三島さんに誉められた後の数か月間、練習で最も力を注いだのが指チュパだったが、
相変わらず「明らかに性犯罪者じゃね?」という疑念は収まらない。
「なかなか落ち着いてキャストオフできなかった」。影山の嘆きに触れ、ガタックとの歴然とした実力差を思い知った。
(2006年06月19日)優しいぜくと通信
・・・影山隊長・・・・゜・(ノ∀`)・゜・