562 :
544:
「グスッ、グスッ・・・おうちに帰してよう・・・」
泣きじゃくる夏実はすでに手術台に固定されてしまっていた。
戦闘員の力に彼女に力でかなうはずがない。
あっという間に固定されてしまったのだった。
「お願い・・・おうちに帰してぇ」
「うるさい! いい加減にしなさい!」
ぴしゃりと言い放つ毒毛虫女。
その周囲では白尽くめの男女が機械を制御し始めている。
機械が明滅し、さまざまなアームが手術台目掛けて伸びてくるのを夏実はなすすべもなく見ているしかできなかった。
がしゃり・・・
そのとき金属が触れ合うような音がして、一体の西洋型の甲冑が現れる。
「ヒッ!」
夏実は新たな恐怖に身がすくんだ。
563 :
544:2006/06/28(水) 23:55:13 ID:UxQKHj970
「ナイトナイト様ぁ」
甘えるように甘い声を上げる毒毛虫女。
振り返ったその表情は夏実からは見えないが、嬉しそうにしているに違いない。
「この娘を改造するというのか?」
無機質な声が甲冑のヘルメットから聞こえる。
ヘルメットの隙間からは、中に人がいるのかどうかすらわからなかった。
「はい。この娘ってば泣き虫なんですけど、結構素体としては見所があると思うんです。私の妹みたいにしちゃおうかなって思って」
再び夏実の方に振り返る毒毛虫女。
その笑みは無邪気なだけに恐ろしい。
564 :
544:2006/06/29(木) 00:13:09 ID:vDh63mNX0
「いやだ・・・いやだよぉ」
泣きじゃくっている夏実。
必死に手足をばたつかせるが、固定された手足はまったく自由にならなかった。
「ふむ、どんな改造人間にするつもりだ」
「それなんですけどぉ。データを見たら蛾、ミミズ、ツェツェバエ、蚊と候補が上がってきたんです」
ナイトナイトの問い掛けに手元の装置でデータを取り出す毒毛虫女。
「ふむ・・・しかし、ハエ女はいまだ活躍中だし、蛾はお前が将来なる存在。となるとミミズか蚊ということになるかな」
ナイトナイトが顎に手を当てる。