302です。久々に少し投稿したいと思います。
他の方がSS投稿中の中失礼します。
「やはりお前では無理だったか。」
大首領の声が胸に響く。それに対して何も言い返すことの出来ない蠍女。
万全を期したと思われた作戦だったが、ライダーを倒すことは出来ず、
戦闘員は半数以上が倒され、人喰い蠍も多くが踏み潰された。
「蠍女、お前に本郷抹殺作戦を任す事は出来ない。
明日からは再び要人暗殺と改造人間の素体に選ばれた者の拉致を行ってもらおう。」
“このままじゃ、昇進どころか、メンツが丸潰れだわ。本郷は絶対わたしが倒してみせる・・・”
「大首領様、お願いです。わたしに作戦を続けさせてください。
今回はわたしが本郷のことを甘く見ていたのも敗因の一部です。
ですが、言い訳をするわけではありませんが、
今のわたしの能力では本郷に勝つことは不可能です。
改造されたこの身体に不満はありませんが、
人喰い蠍やわたしの身体から発射する溶解液が本郷には効果がありませんでした。
本郷の強化されたボディーを溶かすことの出来る溶解液を持つよう人喰い蠍の改良や
わたしに再改造を施してさえくれれば、次こそは必ず本郷を倒してみせます。
ですから、お願いします。再改造の許可をどうか、どうかわたしに本郷を倒す力をください。」
「なるほど・・・ よかろう。再改造を許可する。すぐに手術室へ向かうのだ。今度こそ失敗は許されないぞ。」
「ありがとうございます。次こそは必ずや期待に答えてみせます。」
“次こそ、次こそ、本郷を倒して幹部に昇進してやるわ。”
胸に熱い思いを秘めながら、蠍女は手術室の前に到着した。
手術室は改造人間用が3つ、戦闘員用が2つ用意されているが、
全て使用されているようだ。
「シュシュシュシュシュ・・・
改造人間用のほう、ちょっと覗いてもいいかしら?」
「イーッ 構わない。」
医師が無表情のまま答える。
最初の手術室では若い男性が手術台に固定されていた。
“男の裸を見るのは、蜥蜴男さんとの夜以来ね。まさかあれが最期になるなんて・・・”
蠍女は蜥蜴男の命を奪った本郷への復讐に燃えているのだ。
次の手術室では若い女性が改造されていた。少し年上で25、6歳だろうか。
紫色の体節や腹部に生えた節足から、彼女が百足の改造人間に改造されたことが分かる。
身体の改造は既に終了したようで、顔から頭部にかけての改造が行われていた。
レーザー光線が当てられた顔は変色し、頭部からは触覚が生えてくる。
眼は複眼のように変化していく。 蠍女は彼女の手術が終了するのを
見届けるつもりだったが、 隣の手術室からの激しい物音を聞くと、
そちらへ向かった。
「イーッ!早く蟷螂女を取り押さえろ!」
「グギャーッ!」
「そんな名前で呼ばないで!元の身体に戻してよ!」
「黙れ、ショッカーに選ばれたことに感謝し・・・ウワーッ!」
通常、改造人間は脳改造が終了し、組織に忠誠を誓った状態で
目を覚ますように麻酔が打たれるが、 どうやら麻酔の量が足りなかったらしく、
脳改造前に目覚めた蟷螂女が暴れ始めたようだった。
自分の能力を把握していない蟷螂女ではあるが、医師たちではとても歯が立たない。
蟷螂女の鎌で次々と身体を引き裂かれる医師たち。
プスッ!プスッ!
背後から麻酔銃が撃たれ、気を失った蟷螂女は再び手術台に固定され、脳改造を受ける。
頭部が切開され、制御機器が埋め込まれた。再び目を覚ました蟷螂女は、
組織に反抗するこのない完全なるショッカーの改造人間となっていた。
蟷螂女の手術が終了すると、数分で蠍女の再改造手術が開始された。
沙希の姿に戻り、着衣を全て外して手術を受ける。手術は30分程度で終了した。
“ふふっ。今度こそ完璧ね。緑川の娘がいれば、本郷も何も手を出せないわね。”
再改造手術を終えた蠍女は、本郷の協力者である緑川博士の娘を人質にとり、
本郷を誘き出す作戦を実行に移すことにした。