325 :
?:
宇宙の彼方・・・・。ドルズ星人は激怒していた。メモールによる地球侵略は失敗したばかりか、
メモールになる寸前の真理は北島にすべてを明かしてしまったのだ。メモールだけではない。ZATも、
タロウも憎い。自らの計画をつぶされたドルズ星人はタロウ、ZAT、そして宇宙のどこかを彷徨い続けて
いるであろうメモールを始末すべく、邪悪な奸計を廻らせていた・・・・・。
所変わってZAT本部。ZATのメンバーは指令室で昼食をとっていた。ZATの面々が座る円卓(?)の真ん中には
ラジオが置いてあった。ラジオ番組は童謡の特集を放送していた。のどかな雰囲気のなか昼食はすすむ。
するとその時「赤い靴はいてた女の子・・・・・」と、聞き覚えのある曲がラジオから流れてきた。
表情が変わる北島。はっ、と気づいた光太郎はラジオを止めた。
「おいおい、別に僕は気にしてなんかいないぞ」
北島は笑顔を作り光太郎に告げた。
「さてと、飯も食い終わったし、僕はパトロールにでも行ってくることにします」
そう言うと北島は指令室をあとにした。
326 :
名無しより愛をこめて:2005/08/23(火) 03:25:58 ID:SNlK2ehy
「北島さん、やっぱりこの前の事をまだ気にしてるみたいだな」
南原が言う。
「人は大切にしていた思いとさよならする時が来る・・・・か。確かにそうかも知れない。だが、
別れようと思って簡単に別れられるものでも無い。別れたつもりでも、また思いがけず再会して
しまう・・・・。なかなか難しいもんだな」
荒垣が続ける。沈黙する一同。
北島は別れた「過去」との思いがけない再会を前に、なんとかそれを振り払おうとするが如く、ウルフ777
を走らせていた。すると北島の目に不意に女の子の姿が飛び込んできた。
「!」
思わず刮目する北島。その子は、北島の記憶の中に残っていた真理の姿そのものであった。
目が合う両者。すると、その女の子は無言で走り去って行った。思わず車を止め、あとを
追う北島。
だから全部作ってからうpしる!
まあ、そう言わんと。気長に待ちましょうや。
329 :
名無しより愛をこめて:2005/08/24(水) 01:56:01 ID:+5t8ZR+2
北島は後を追う。逃げる少女だったが、彼女はその場に転んでしまった。駆け寄る北島。遠目には
真理かと思われた少女だったが、近くでみるとやはり真理ではなかった。安心したような、少し寂し
いような。北島はそんな気持ちに駆られた。
「お嬢ちゃん。大丈夫かい?」
「うん」
見たところ大丈夫そうだ。だが膝小僧のあたりに青い鱗のようなものが見えた。
「・・・・!!!」
驚く北島だったが、後ろに気配を感じると素早く振り返った。後ろには醜悪な姿の宇宙人が立っていた。
北島は腰のZATガンを抜こうとしたが、それよりも早く星人の怪光線が北島にヒットした。
その場に崩れ落ちる北島。
330 :
名無しより愛をこめて:2005/08/24(水) 02:40:02 ID:+5t8ZR+2
夜になってもZAT本部に北島は帰還しなかった。森山隊員の再三にわたる呼びかけにも
全く反応がない。
「副隊長。もしかしたら、北島さんの身に何かあったんじゃ・・・」
「ああ。その可能性は十分あり得るな」
そこへ怪獣出現の連絡が届く。
直ちに出撃するZAT。
怪獣は大暴れしている。コンドルとスカイホエールによる一斉射撃が行われた。口から火を吐いて
応戦する怪獣。その姿は色あいこそ違えど、メモールによく似ていた。
(メモールに似ている。しかし、メモールは宇宙へと去って行ったはず・・・・じゃあ奴は・・・?)
怪訝に思う光太郎。しばらく交戦が続いた。が、しかし。怪獣は突如姿を消した。
ZATはしばらく捜索を続けたが、結局何も見つける事ができないまま、基地へと引き上げた。
基地へ戻った荒垣たちは再びの出現に備えつつ、今後の方針について話し合っていた。
基地の通信へ謎の怪電波がキャッチされたのはその時だった。
「ははははは・・・ZATの諸君よ」
「何者だ!!」
「ドルズ星人だ。先ほどの怪獣はどうだったかね?」
「やはりあれは貴様の・・・・?」
「その通り。地球侵略のための我が僕よ。メモールのような役立たずとは訳が違うぞ。
・・・・あの裏切り者め、宇宙を彷徨っていたのをやっと捕らえたわ。明日貴様たちの
目の前で処刑してやる。そうそう、貴様らの仲間も一緒だ。奴も、幼なじみと一緒に
死ねるのだから本望だろうて。ふふふふ・・・・」
331 :
名無しより愛をこめて:2005/08/24(水) 03:04:48 ID:+5t8ZR+2
「じゃあ、貴様が北島さんを!?・・・この野郎・・・!!」
怒りをあらわにする光太郎。それをみて星人は続けた。
「なんとでも言うがいい。この前はよくも邪魔をしてくれたな・・・。ZATよ!!私は邪魔者
は徹底的に潰す!!もちろんそれはタロウもだ!!ふふふふふ・・・・」
そういって通信は途絶えた。
「くそっ!!このままじゃ北島さんが・・・」
「よし、何としても北島およびドルズ星人を発見する!!俺と南原はホエールで、東、森山君は
それぞれコンドルとスワローで直ちに出撃だ!!」
懸命の捜索が続いた。やがて夜は明け、朝日が見え始めていた。時間はもうわずかしかない。
その時、先ほどの怪獣が再度出現したとの報が届いた。現場へ急行するZAT。
現場には二匹の怪獣がいた。一体はさきほどの怪獣で大暴れしている。もう一体はぐったりとその場に
突っ伏していた。メモールだった。さらにメモールの横には北島が十字架にかけられていた。
上空にいた円盤から声が響いた。
「見るがいい!!貴様らの仲間の最期を!!やれい!!」
命令を受けた怪獣が口から火の玉を北島に放った。そのときだった。メモールが起き上がり、火の玉に
向かって行った。直撃をくらうメモール。
「・・・・真理・・・ちゃん!?」
北島は思わず呼びかけた。ふりかえるメモール。その目には一筋の涙が光っていた。
完全に目が合った。だが、次の瞬間、メモールは倒れると事切れてしまった。
明日の晩まで来ないかな?いい話になってきた
真理さんがなんで幼女に戻ってるのかと思ってたら、ほんとに別人だったのか
今日はもう来ないかな
ここまで来たらあとちょっとではないんだろうか
…というか、代わりに書けちゃえそうで怖い
336 :
名無しより愛をこめて:2005/08/25(木) 10:05:45 ID:YiJqliYh
>>311 一応考えてみました。
ウルトラマンエイジ
エイジ・ウィルソン(ウエンツ瑛士)
銀河警備隊の女性ばかりのレディース斑の雑用係。
弱虫で臆病。それでもお茶くみなどの仕事を楽しんでいる。
気絶するとウルトラマンエイジに変身する。
ただ本人はその事を知らない。
ハーフだが日本語以外はしゃべる事はできない。
エイジはレディース斑のキャップの早田紀子に頼まれた報告書の作成を
パソコンでやっと仕上げた。印刷が終わり時計を見ると12時を回っていた。
ちなみに早田紀子はあのハヤタの一人娘である。
エイジは大変な臆病物である。
エイジの住んでいるワンルームマンションまで最寄りの駅から自転車で
5分程度であるがエイジはビクビクしながら自転車をこいでいた。
そしてその日はエイジを脅かそうとしてレディース斑の女子隊員たちが
怪物の特殊メイクで待ちかまえていた。
そしてエイジのマンションの駐輪所で「エイジ」と呼びかけた。
エイジはそれを見ぬなり気絶した。
その時、夜空からウルトラマンがやってきた。
「私は地球の平和を守る為にやってきた。しかしこの姿のままだと3分間しか地上にとどまる事は出来ない。
この男の体を借りる事にする。もし私の力が必要な時はこの男を気絶させてくれ。ただしこの事はこの男には黙っていてくれ、何故ならばその事をこの男が知ってしまった時には私は地球を去らなければ成らないからだ。」
そしてこの日からエイジは危険な任務にも就かされるように成ったのだ。
>>336 タロウだとちょっとアレだけど、オリジナルだとなんかすごく面白くなりそうですね!
変身する条件とか、何故本人に知られると帰らなけるばいけないのかとかを作っておくと、いいんじゃないでしょうか?
あ、気絶って書いてありましたね。失礼しました。
339 :
?331:2005/08/27(土) 03:10:16 ID:UMXTrXpx
「何!?奴に人間の心が残っていたとでもいうのか・・・?まあいい、殺せ!!」
星人の命令を受けた怪獣が再び攻撃をしようとする。そこへ光太郎の乗り込んだコンドル
が猛攻をかける。怪獣は一瞬ひるんだがすぐに立ち直りコンドルに攻撃を仕掛ける。被弾する
コンドル。脱出した光太郎は地上に降りるとともに変身した。
変身したタロウはまず北島を救出すると、怪獣にスワローキックをおみまいした。その場に突っ伏す
怪獣。さらにタロウの連続攻撃が続く。が、そのときである。
「ええい、タロウめ!!!これならどうだ!!!」
星人は円盤からさらにもう一体の怪獣を繰り出した。
「タロウよ、よく聞け!!この怪獣どもも、もとはこの星の子供だったやつらだ。
2匹もいてはメモールの時のように宇宙へ返すこともままなるまい!!」
メモールは北島の幼なじみだったとは言え、元々は人間の子供だったうえに、星人による
被害者でもあった。それゆえタロウは殺さなかった。だが、2体もいてはそう簡単にはいかない。
しかも上空には星人の円盤もいるのだ。タロウは悩んだ。そこに隙ができた。そこへ怪獣のはなった
火の玉がヒットする。倒れるタロウ。そこへさらに怪獣の攻撃が続く。
「いかん、タロウを掩護する!!」
「しかし、副隊長。奴らは・・・」
「もはやあれは人間では無い。これ以上の被害を出さないためにも、ここで倒さねばなら
ん!」
ZATが怪獣の背後をミサイルで攻撃した。怪獣の動きが鈍り、タロウは体制を立て直した。
340 :
?:2005/08/27(土) 03:50:24 ID:UMXTrXpx
なおも怪獣とタロウの戦いは続いた。タロウは一か八かブレスレッドの力にかけてみること
にした。過去に多くのピンチを救ってきたブレスレッドである。その力を使えば、あるいは
2体の怪獣も元の人間に戻るかもしれない・・・・。タロウはブレスレッドの光線を怪獣に
照射した。・・・だが。怪獣に変化はなかった。
「ふはははは・・・わがドルズ星の科学力を甘く見るな。この程度の事で怪獣どもをどうにか
できると思うな!!・・・やれ!!タロウを、ZATを葬れ!!」
命令する星人。だが、2体の怪獣は動かない。どうやら、ブレスレッドの力は、怪獣の戦意を
失わせることはできたようだ。
「ぐぬぬっ!!役立たずめが!!」
星人の叫びとともに、怪獣の体内に仕掛けられていた爆弾が爆破し、2体の怪獣は四散した。
爆弾は最悪の場合タロウもろとも自爆させるために怪獣に仕掛けたものであったが、戦意をなく
した怪獣に対しては、単なる制裁の手段にすぎなかった。
341 :
?:2005/08/27(土) 03:54:14 ID:UMXTrXpx
「なんて奴だ!!」
「ほざくがいい。まだまだ我が手元には怪獣はいるのだ!!行け!!」
星人は次の怪獣を繰り出そうとしたが、タロウはそれより早くストリウム光線を放った。
円盤は吹っ飛んだ。するとその砂煙のなかから、醜悪な宇宙人が姿を見せた。
「やってくれるなウルトラマンタロウ。こうなればこのわしが直々に貴様を始末してやるわ」
タロウと星人の戦いが始まった。タロウのエネルギーはもうあまり多くない。だが、策ばかり
を弄する卑劣な星人など、タロウの敵では無かった。タロウカッターが星人の両腕を切り落とし、
ストリウム光線が炸裂、星人は粉々になった。
タロウはメモールの亡骸にむけてリライブ光線を撃とうとした。だが
「タロウ、待ってくれ」
北島の声がした。目が合う両者。静かに首を横に振る北島。タロウは全てを悟った。
人間に戻ることもできないのに、再び命を与えても、結局それが一番残酷なことなのだ。
ならば、安からに眠らせてやったほうがいい。タロウはメモールの亡骸を宇宙に運んでいった。
それを見送る北島たち。
「東。思い出とさよならしたつもりでも、案外心の中に残っていたりするものだな」
全てが終わり、いつものパトロールの帰り、釣り糸を垂らした北島が言う。
「それも、わるく無いんじゃありませんか?」
「だが、否応なしに別れなければならないときもある。今回、俺はそれを思い知らされたよ」
そこへ荒垣から通信が入る。
「二人とも、何をしている?さっさと戻ってこい!今日は森山君が晩飯をつくってくれたんだぞ」
「そうよ、早くもどってらっしゃいよ。せっかくのご飯がさめちゃうわよ」
立ち上がる北島。
「さあ、帰ろうか」
「ええ、そうしましょう」
光太郎もそれに続く。平和な夕方だった。だが、もうすぐ荒垣が転任になることも、光太郎が
ZATを去る日が近づいている事も、まだ誰も知らなかった。
終
>>325-326 >>329-331 >>339-341 GJ!!でーす。
ちょっと間があいたんで不安だったけど、完結して下さってありがとう。
自分はZATの中では北島隊員が1番好きな隊員だから面白く読めました。
でもやっぱりメモール絡みは切ないなぁ。・゚・(つД`)・゚・。。
今週のマックス「龍の恋人」、「ウルトラ盆踊り」と似たところがありましたね。
村に伝わる怪獣の伝説、禁忌を警告する死んだ筈の少女、壊される怪獣を封印する物、祭の夜に復活する怪獣、とか。
マックスだと自然破壊の話になり、タロウだと怪獣の盆踊りになるとゆー。
∧_∧
⊂(´・ω・`)つ-、
/// /_/:::::/
|:::|/⊂ヽノ|:::| /」 真面目に書いてた割にはつまんねぇな
/ ̄ ̄旦 ̄ ̄ ̄/|
/______/ | |
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「怒りの一撃に愛を込めて」宇宙武者・モノノフ星人 登場
これまでウルトラマンタロウによって悉く地球侵攻を阻まれてきた、カタン星人、メドゥーサ星人、
テロリスト星人等の凶悪宇宙人が、暗黒星雲の一角に集結していた。タロウ抹殺のため彼らは
一時結託することにし、更に、用心棒を雇い、差し向けることにした。
必殺の刺客、モノノフ星人は、東京の市街地に巨大な姿で突然現れた。鎧兜に長刀を背負った巨人。
市民はパニックに陥るが、星人は、突っ立っているだけで暴れ出しはしていない。ZATが出てきて
迎撃のために取り巻いて構え、一歩後ろの報道陣も現場中継を始めたところで、星人は懐に手を
突っ込み、取り出したものを路上に叩きつけた。妙に軽い音がした。
星人サイズの、人間からすればそれでも巨大な、達筆な墨書きの果たし状だった。差し出す相手、
ウルトラマンタロウの名が書いてある。タロウの所在が判らないので、取り合えず人の目が集まった
場所に放り投げた。ZAT陣の中、目を見張る東光太郎。星人は親切に、果たし状の大意まで
口頭で大声で語り出した。曰く。
地球人はこれまでウルトラ戦士達の活躍によって守られてきたが、それは、余りと言えば余りにも
一方的な図式ではないか。結果、多くの怪獣や宇宙人が倒され、その中には、地球人側の一方的な
都合で、元々加害者ではなかったのに理不尽に殺された者も多かった。
駄目押しで、トータス夫婦やパンドラ親子やキングゼミラやオルフィなどが人間からの迫害を
受ける回想、更に過去のウルトラシリーズからのそれっぽいシーンが次々モノクロでフラッシュバック。
「かつて、地球人類は決して邪悪なだけの存在ではない、そんな状況を黙ってみているだけでなく、
何とか改善しようと努力している者達もいると語った者もいたが・・・一向に事態が改善される
気配はなく、相変わらず犠牲は出続け、にも拘らず地球人はのうのうと庇護される側の恩恵を
むさぼっているのみではないか! 拙者はそれを見かねて此処に来たのだ!
口でだけなら何とでも言える。ウルトラマンタロウ、聞こえているなら、出てきて拙者の挑戦を受けよ!
貴様が敗れたら地球を去り、以後、ウルトラ戦士は一切地球と他勢力の関わりに介入するな!
尚、貴様が出てこなければ、拙者を雇った者どもが近々地球を全面攻撃することになる。
肝に銘じておけ!」
それだけ言って、星人はドロンと煙を上げて姿を消した。
タロウは、かつてウルトラの国で伝え聞いたことがあった。モノノフ星人は自分達同様、その
卓越した宇宙武術を以って、邪悪な怪獣や宇宙人に苦しめられている惑星を助けて回っている
義の星人である。自分から地球を攻撃してくるとは思えない。彼を雇った星人達によって
情報が歪められているのだろう。だが、モノノフ星人の言ったことが全面的に間違っているとも
言えないのが辛いところだった。タロウ自身が誠意を示さない限り、モノノフ星人は退かないだろう。
ならば。
ZAT基地では、モノノフ星人の果たし状が格納庫にクレーンで吊られ、一応分析が続けられていた。
その光景をバックに、
「何だよそんなの個人の自由だろとか、人類は万物の霊長だから他の生き物は人類のために皆死ねとか、
タロウもZATも俺達のために永久に戦って死ねとかやけくそになって喚いてる市民もいるが、
まあ取り合えずほっとこう」
言いながら腹ごしらえにカレーを食っている朝日奈隊長に、光太郎は休暇願いを持って来た。
朝日奈はおひやを啜った後、黙って休暇願いを見詰め、
「この非常時にか?」
「事態を解決するために、僕自身の手でどうしてもやらなければならないことがあるんです」
「具体的には?」
「・・・・・・・・・」
言えるわけがない。
黙って、真摯な視線を逸らさないしか術がない光太郎を、朝日奈は睨み返し続けた後、溜息を付き、
「生きて帰って来い」
「隊長・・・!」
「まあ、こっちはわしらに任せとけ」
「有難うございます!」
太平洋上の名もない孤島。
そこにやってきた光太郎。空を見上げ続ける。
やがて、モノノフ星人が降りてきた。
「貴様がタロウか」
人目で見抜いた星人は、光太郎の後ろに、もう一人の人物がいるのに気付いた。
「その男は?」
「立合いだ」
大谷博士・・・に偽装した、ゾフィー。事態を聞いてやってきた。
「まあ、よいわ。さあタロウ、拙者と戦え」
「判った」
光太郎は、ZATガンを抜いて構えた。
タロウには変身しない。
「・・・・・・何のつもりだ」
「これは何時もの戦いじゃない。決闘だ。お前と僕の私闘だ。
地球を守るためのタロウの力を、僕は、私闘には使わない」
ウルトラバッジは大谷に預けてある。大谷も、了承した。
「ふざけるな、貴様・・・!」
激昂したモノノフ星人は剣を抜き、振り下ろした。
巨大な剣の切っ先が、光太郎の鼻先で止まる。
それでも、光太郎はタロウになろうとはしない。大谷もバッジを渡さない。
「ははははは!」
不快な笑い声と共に、凶悪星人連合の放った円盤が降下してきた。
「馬鹿なタロウめ、自ら不利を招くとはな! モノノフ星人、下がれ。我々がタロウを始末してやる!」
円盤は光太郎に向かってビームを撃とうとした。だが。
発射する前に、モノノフ星人が放った居合い抜きに斬られて爆発した。
モノノフ星人は、忽ち縮小して等身大になり、更に、人間の姿になった。裃に袴の若武者だった。
背負っていた剣も傍らに捨てた。
拳の撃ち合う音が響き続ける。ボクシングで慣らした光太郎に対し、モノノフ星人は柔道、空手、
合気道など、修得した武術全てを駆使して来る。
生傷だらけになって血を流すが、両者の口元からは、次第に敵味方を越えた満足の笑いが
零れ出していた。
「もういい!」
凶悪星人連合にとって、そんな健康的な状況が面白いわけがなかった。なんか無性に腹が立ったので、
皆巨大化して降下してきた。光太郎とモノノフ星人を取り巻く。
「貴様などを雇ったのが間違いだった。一緒に地獄に送ってやる!」
だが、そこへ、ZATが駆け付けてきた。
これだけ一遍に巨大星人が現れれば当然だろう。
「攻撃開始」「了解!」
スカイホエールに乗り込んだ朝比奈と荒垣が、星人達に果敢にミサイルを放つ。
「生意気な!」
カタン星人が反撃しようとするが、死角から来た森山のスーパースワローのビームがそれを牽制。
「地球人の底力、見せてあげるわ!」
地上にも部隊は展開し、
「食らえ!」
上野が仕掛けたトラップの地雷が炸裂し、メドゥーサ星人が悲鳴を上げる。そこへ、南原の火炎放射器の
炎が追い討ち。北島も後方からZATガンで援護。
「ざっとこんなもんよ!」「左様左様」
モノノフ星人は、そんなZAT隊員達の本気を見ていた。
「タロウ!」
大谷は、光太郎にウルトラバッジを投げ渡した。今こそ、腕のバッジが輝くとき。
受け取った光太郎、バッジを掲げ、
「タロウーーーーーッ!!」
現れたウルトラマンタロウは、星人軍団に格闘戦で挑み、ばったばったとなぎ倒す。
星人軍団は援軍に円盤部隊を呼び、周囲からビームで砲撃させるが。
その円盤軍が、次々真っ二つに切断され、堕とされる。
元の巨大な姿に戻ったモノノフ星人が、連続で居合いを放ち、タロウ達を助けていた。
「畜生・・・畜生、畜生! こうなれば最初からの手筈通り、地上に全面攻撃を掛けてやる!」
宇宙に待機していた星人軍団の大円盤部隊が進撃を開始。
だが、大谷の姿から自身も転じて飛んできたゾフィーが、それを阻んだ。
「M87光線!!」
突き出した右腕から奔った極太の光の激流が、大軍団を一掃した。
地上のカタン星人はZATの総攻撃で爆砕。
メドゥーサ星人はモノノフの渾身の斬撃で袈裟懸けに両断。
「おのれ・・・おのれ、タロウーーーーー!!」
残ったテロリスト星人が巨大な曲刀を振りかざし、タロウに駆け迫る。
激しく金属が打ち合わされる音を残し、擦れ違った両者が止まる。
ブレスレットランサーを構えたまま、不動のタロウ。
その背後で、テロリスト星人は正中線から左右に裂け、遅れて大爆発した。
孤島を照らす夕陽は水平線に沈み行き、ZATの編隊が赤く染められながら帰還していく。
見送る光太郎と大谷。
「これからも地球は様々な宇宙の悪意や災厄に見舞われ続けるだろう・・・が」
「ええ、判っています、兄さん」
光太郎は笑顔で答えた。
「大丈夫です。心強い大勢の仲間がいますから」
見届けたモノノフ星人は、多くを語らず、又宇宙の彼方へ義の戦いのために飛び去っていた。
オリジナルのタロウに「白い兎は悪い奴!」という話がありました。
本放送で見たときから、幾ら大泉晃の大家が兎を毒殺したからといって、それを人類全体の悪にして
鼻ロケット弾や巨大トンカチで街を破壊するなよピッコロ、という文句がありました。ので、
自分なりにもう少し整理してやってみました。
GJ!
ゾフィーとZATが活躍してくれただけで僕の中では名作です。
関東地方で地震が頻発していた。大きな被害は出ていないが、ヨシナガ教授は疑問を感じる。
「震源地が浅く、しかも同じ場所なの。何か怪獣と関係があるんじゃないかしら?」
それは関東北部の緑地帯だった。調査に向かうコバとカイト。上空からエネルギー反応を確かめる。僅かながら地球の物ではないエネルギーを感知した。
「む、あれは?」
コバは、数人の年配の男女に追いかけられる若い女性の姿を見つけた。
「カイト、着陸しろ。女性が追われている」
女性を助けようと、二人は暴漢達を止めた。
「君達、止めなさい」「DASHは引っ込んでいろ!いや、DASHならそいつを捕まえろ!」
驚くカイト。「何を言ってるんですか?」女性をかばうように胸に抱くコバも声を荒げた。「我々の敵は怪獣だ!」
笑う暴漢達。「その娘は怪獣の娘なんだよ!怪獣を操って地震起こしていやがるんだ」コバが怒る。「何を?こんな可愛い女の子が、怪獣の娘なもんか!」
しかし、女性は悲しそうな目でコバを見つめると、彼の腕を降りほどいて逃げ出した。「!?」「ほれ見ろ」
追いかけようとする人々と揉合う二人。そこに年老いた警官が自転車で現れた。「みんな!止めんか!」
老警官の仲裁でその場は収まった。
駐在所で、老警官は二人に話した。
「あのコは平田啓さんっていう偉い博士の娘さんで、サユリさんと言いましてね。お父さんがちょっと変わり者なんで、あらぬ誤解を受けてるんですよ」
コバは驚いた。
「平田って…あの平田啓博士ですか?」
カイトがコバに聞く。
「平田博士って誰なんですか?」
「二十年ほど前に、怪獣や宇宙生物の存在を予想し、対策の必要性を主張した人だ」
「そんな人がいたんですか!?」
「当時はまだ、怪獣なんて夢物語だったからな。博士は子供扱いされ、学会を追放された」
「だが、怪獣は現実に現れた!」
「世界は博士の研究に注目し、DASH設立の際も招こうとしたんだが、博士はもう行方不明になっていたそうだ」
「云わば、我々の先輩…もしかしたら、一緒に戦っていたかもしれないんですね?あれ、その手に持っているのは?」
カイトはコバの手に握られているペンダントを見つけた。
「ああ、さっきあの人が落としていってな。なあ、カイト、これを届けに行こうと思うんだが?」
警官が口を挟んだ。
「落とし物なら私が…」
「いえ。ここは我々DASHに任せて下さい」
「またあ、サユリさんに会いたいだけなんじゃないですか?」
「ば、馬鹿を言うな!我々の先輩、平田博士に会ってみたいだけだ!お前も興味あるだろう?」
「ま、そういうことにしておきましょうか?」
その頃、エリーは宇宙の彼方から、エネルギーの塊が近付いて来るのを察知していた。
「強力なエネルギー反応。三ヶ月前にも同じ反応がありました。」
356 :
ゼットンの娘:2005/08/31(水) 13:55:39 ID:LRHn068/
カイトとコバは、博士の家を見つけた。呼び鈴を鳴らす。出てきたのはサユリだった。二人を見て驚くサユリ。
「あなた方は…先程はありがとうございました。すいません。お礼も言わずに」
「いえ。当たり前のことをしただけです。」と言うカイトをさえぎるようにコバが前に出て彼女にペンダントを差し出した。
「サユリさん…っておっしゃるんですね?あの、これを拾いましたので届けに来ました」
「ありがとうございます。これ、大事なペンダントなんです」
と、ペンダントを受け取ってサユリは少し微笑んだ。コバも笑った。
「良かった。あの、平田博士はいらっしゃいますか?是非、お会いしたいのですが?」
「父は誰にも会いません。体を壊しているんです」
と、家の奥から男の声がした。
「サユリ!DASHの方が来ているのかね?話がしたい。上がってもらいなさい」
その頃、村では親娘を快く思わない一部の人々が、他の村人を扇動していた。
「DASHまで来たんだ!村に怪獣がいるに違いないぞ!」
「けど、決めつけはいけないなあ」
「そうだ、そうだ」
その時、地中深くに動く巨大な影があった。地震が起きる。
「うわあっ!」
怯える村人達。
「ほれみろ!これもあいつらの仕業だ!」
そこに、村の若者が大声を出しながら走ってきた。
「おおい!大変だ!DASHが博士の家に向かってるぞお!」
扇動者のリーダーが叫んだ。
「ほれ見ろ!DASHも連中を怪しんでいるんだよ。なあ、俺達もひとつ、DASHに協力といこうじゃないか!」
「そうだ!もう地震はまっぴらだ!」
「そうだ、そうだ!」
357 :
ゼットンの娘:2005/08/31(水) 15:47:31 ID:LRHn068/
書斎に二人は通された。話し始める平田博士。
「DASHの活躍は耳にしてるよ。私もDASHと連絡を取りたいと思っていたんだよ」
カイトが博士に尋ねる。
「博士、村の人達は、何故サユリさんを目の敵にするんですか?」
「もともと、他から来た人間には冷たい場所だった。怪獣の研究を続けている内はまだ、偏屈なよそ者で済んだのだが」
サユリが言葉を続けた。
「日本に怪獣が現れ、被害が報道されると、みんなは、私達を恐れるようになって…私達が怪獣を操っているという噂が立ってしまったんです」
博士がため息をついた。
「可哀想にサユリも、ゼットンの娘と言われるようになってしまった。」
カイトが不思議そうに言った。
「ゼットン?ゼットンって何ですか?」
博士は遠い目をしながら言った。
「二十年前、私が学会に、宇宙生物が実在するサンプルを見せると公言したのを知っているかね?」
コバが大声を出した。
「あ、確かその生物をゼットンと博士は名付けていらっしゃいましたね!?でも、博士は約束した日にゼットンを見せることができなかった」
「そう。その時の騒ぎをネットで知った人間が噂を流した。私がゼットンを育てている、と」
コバが怒りながら言った。
「とんでもない奴らですね!」
「ふふ…それが当たらずとも遠からずなんだよ。DASHと連絡を取りたかったのも…」
ガラスが割れる音がした。石が書斎に飛び込んでくる。村人達が手に手に棒切れや石を持ち、押し寄せていた。
扇動していた男が喚きたてる。
「出てこい!捕まえて化けの皮をひんむいてやる!」
コバはサユリと博士に言った。
「サユリさんと博士はここに居て下さい!私が皆を説得してきます。カイト!お前はお二人を守るんだ」
「はい!」
出ていくコバ。カーテンを閉め、隙間から外をうかがいながらカイトは博士に尋ねた。
「博士、さっき何か言いかけましたね?当たらずとも遠からずと、あれはどういうことですか?」
「何故、私はゼットンの実物を学会に発表できなかったか…分かるかね?」
「いいえ」
表ではコバが村人の前に立ち塞がっていた。
「君達!帰りたまえ。博士は怪獣なんかじゃないぞ!」
「DASHはあいつらの味方すんのかよ?」
「解散しないと…!」コバは自慢の二挺拳銃を抜いてしまった。笑う村人達。
「面白え!何の罪も無い一般村民をDASHさんがどうするつもりですかねえ?」
「む、むむう」
逆にコバは押され気味になり、村人達に詰め寄られた。
「どうしたアンちゃん?二挺拳銃が泣いてるぜ?」
書斎からサユリが、コバを心配そうに見つめている。博士は暗い顔で話していた。
「私は、隕石からゼットンの細胞を見つけ、培養に成功した。ゼットンは1ミリまで成長したが、学会に発表しようという前日に、培養カプセルを高熱で破壊して逃げようとしたのだ。」
「何ですって!?」
「幸い、逃げ出す前に捕獲することができたが…コンピューターは、このままゼットンが成長を続けると、人間の手に負えない怪獣になると答えを出した。
私は恐ろしくなり、ゼットンを粉々に砕き、レーザーで破壊した」
「そんなことが…」
「私は学会を追われたが、怪獣の研究は続けていた。そしてこの村の地下で、ゼットンが成長しているのを発見してしまったのだ!」
「何ですって!?」
「私はゼットンが目覚める前に、倒す方法を見つけようと研究を続けてきたんだ。」
「そうだったんですか。大丈夫です!DASHとウルトラマンがいれば、怪獣の一匹や二匹なんて退治してみせます!」
「それが、私の計算だと、成長したゼットンはウルトラマンの力をも超えてしまうんだ。奴は凶暴な、恐竜のような存在なんだ。そう。宇宙から来た恐竜、宇宙恐竜なんだ。」
ここまで書いて、本物のウルトラマンマックスでは「ゼットンの娘」にゼットン星人が出ることを知りました。
急遽、ゼットン星人を出す展開に変えます。
気づかずに読んでたんだけど、「放映予定分を考えましょう」ストーリーだったのね
面白いし、続きも気になるんだけど…さすがにスレ違いではないんだろうか
でも、今回はもう最後までイって下さい。中断失礼
>>359 別に気にしなくてもいいのに。元よりIFなんだし。
※結局、ゼットン星人出さない展開で
その時、これまでに無い揺れが村を襲った。博士が叫ぶ。
「来る!ゼットンが目覚める!」
地中から、ゼットンがその姿を現した。コバを取り囲んでいた村人達も恐れおののく。
コバは、二挺拳銃をゼットンに向けた。ゼットンは両手を広げ、静かに立っているばかりだ。
口だろうか?顔の一部が黄色く発光している。鳴き声だろうか?無機的な高い音がそこから出ているようだった。タキシードを思わせる姿の、黒と白の怪物。暴れるでもなく、不気味にただそこに佇んでいた。
カイトが表に飛び出してきた。
「コバさん!あれはゼットンです!平田博士が言うには、最悪の怪物だそうです!」
「何!?あれがゼットンだって?…カイト、お前は空から援護しろ!俺は地上から攻撃する!」
「はい!」
カイトのDASHバードが飛び立つ。ゼットンの周りを旋回する。DASHライザーの狙いを定めるコバ。
DASH司令室でもゼットンの出現を感知していた。エリーが淡々とゼットンを分析する。
「怪獣の体内温度が上昇しています」
ゼットンが、火球を放った。辛うじてかわすDASHバード。火球は山の湖に飛込み、一瞬の内に湖は蒸発し、湖底を晒した。
「なんて威力だ!」
と、司令室のヒジカタ隊長は叫ぶ。エリーが抑揚の無い声で隊長に報告した。
「あの球状エネルギーの温度は一兆度と推定されます」
「そんな馬鹿なことがあるか!?太陽より熱いじゃないか!」
「あくまで推定です。データによる計算です」
「うわあぁっ!」
コバが叫び、DASHライザーの引金を引いた。二挺拳銃が火を吹く。続けてカイトがミサイルを撃ち込む。幾筋もの光弾がゼットンを襲う。
しかし、攻撃の効果は無かった。ゼットンの体を光の壁が包み、全ての攻撃は跳ね返された。カイトは舌打ちしながら言った。
「何て奴だ!ならば至近距離で!」
DASHバードは旋回し、ゼットンに近づいた。コバが叫ぶ。
「カイト!無茶過ぎるぜ!」
しかしコバも銃を撃つ手を止めない。ゼットンが二発目の火球を放った。辛うじてかわすカイト。
しかし恐るべき火球のパワーは、DASHバードをかすめただけでダメージを与えた。DASHバードの片翼が爆発した。墜落。
「カイトー!」
コバは怒りに任せて、更に激しくDASHライザーを撃ち込んだ。
燃え上がる機体からはい出し、カイトはマックススパークを空にかざした。…『ゼットンの力はウルトラマンを超える』…平田博士の言葉が頭をよぎる。
「迷ってる場合じゃない!守るんだ…!地球を!」
光の中から現れるウルトラマンマックス。ゼットンと対峙する。先制攻撃のマクシウムソードを放った。
しかし、光の壁がいとも容易くマクシウムソードを跳ね返す。
ジャンプするマックス。キックをゼットンに喰らわそうとする。しかしゼットンの光の壁はキックをマックスごと弾き返した。地面にうつ伏せに倒れるマックス。
マックスは立ち上がり、格闘に持ち込もうと高速移動で接近した。ゼットンに至近距離から拳と蹴りを叩きつけた。しかし、ゼットンには通じなかった。
ゼットンの口が、胸が光り始めた。危険を察知して飛び退くマックス。しかし一瞬遅く、火球が二発放たれた。
肩に、足にま火球の洗礼を浴びるマックス。ダメージは大きかったが、倒れる訳にはいかない。マクシウムカノンの構えをとった。
迷わず光線を放つ。しかしマクシウムカノンでさえ光の壁は突き破れなかった。ゼットンの口と胸が不気味な音をたてて光る。
幾つもの火球が放たれた。バリヤーを張るマックス。しかし、マックスのバリヤーは火球を防ぎきれなかった。
バリヤーを突き抜け、火球がマックスを襲う。胸に、左手を直撃した。カラータイマーとマックススパークにひびが入った。
マックスは目の光を失い、仰向けに倒れた。
「マックスー!」
あまりの事態に驚愕するコバ。力無く、二挺拳銃を持ったまま両手をだらりと下げた。
「何てことだ!もうこれでおしまいなのか?」
「やはり、ゼットンはウルトラマンよりも強かったか…」
博士とサユリがいつの間にか表に出ていた。「博士、危険です!あれを見て下さい。マックスが、マックスが…」
「彼はまだ死んではいない。見たまえ。胸の光が消えてはいない」
僅かにカラータイマーが明滅していた。
「でも平田博士、おそらくマックスはもう立ち上がれない。ここからは我々DASHだけであいつを倒します!」
「その手伝いをさせて欲しい。君の銃を貸してくれ。サユリ、ペンダントを…」
「はい。お父様。」
サユリは胸のペンダントを外し、平田博士に渡した。
長くてすいません
m(__)m
その時、DASHバードが飛来した。ショーン、ミズキが救援に駆け付けたのだ。ショーンが驚く。
「ワーオ!なんてこと。マックスがやられるなんて!」
ミズキ隊員も泣きそうな顔で言った。
「頑張って!マックス!あ、あれは何?」
上空から、赤い光の玉が現れた。地面に降りていく。マックスを包み込み、再び空に舞い上がった。司令室でヒジカタ隊長は呟いた。
「あれは…?」
トミオカ長官がヒジカタの肩を叩きながら言った。
「私には分かる。あれはマックスの生まれ故郷からの使者だよ」
赤い光球の中で、マックスは仰向けに倒れていた。足元に何者かが立っている。それは銀と赤の巨人だった。楕円刑の目が光っている。マックスは巨人に尋ねた。
「誰だ…?」
「私はゼノン。マックス、君を迎えに来た」
「ゼノン?私に光の国に帰れと言うのか?」
「そうだ。地球は地球人の手で守るべきだ。君の傷は癒してある。帰るのだマックス」
「まだだ。まだ地球人は幼い。私の助けが必要なのだ」
「何故、そうまでして地球を守ろうとする?そんなに地球人を好きになったのか?」
「彼等が兄弟だからだ。いつか地球人は進化して、我々と共に宇宙の正義と平和の為に戦ってくれる。その可能性を感じたのだ」
「お前の言葉を信じよう、マックス。しかし、地球人が歪んだ進化をした時は…我々の力は地球人そのものに向けられる。それを忘れるな」
「ああ。しかしそんなことには絶対にならないだろう。私と共に戦ってくれるカイト、そしてDASHの仲間。皆、素晴らしい心の持ち主ばかりだ」
「ならば行くがいいマックス。その手ではまだマクシウムカノンは撃てない。これを右手に付けるがいい」
ゼノンはマックススパークに似た武器をマックスに渡した。
「ありがとう、ゼノン」
一方地上では、DASHの必至の攻撃が続いていたが効果は無かった。地上で焦るコバ。
「ううん、どうにもならないのか?」
「これを使いたまえ」
博士がDASHライザーをコバに渡した。
「博士、これは?」
「対ゼットン弾を込めてある。ペンダントに隠しておいたんだよ」
「よく、DASHライザーの口径に合いましたね?」
「それはそうさ。その銃は、私が二十年前に考案した、対怪獣兵器の第1号が原型なんだからな」
「そうだったんですか!」
「弾丸は一発しかない。頼むよ」
「任せて下さい!」
慎重に狙いを定めるコバ。その時、空の彼方からウルトラマンマックスが飛んできた。
DASHのメンバーは声を揃えて叫んだ。
「マックス!」
一人、エリーだけがワンテンポ遅れて、冷静に言った。
「分析の結果、あの飛行物体はウルトラマンマックスと思われます…」
コバは銃を持つ手に力を込めた。
「マックスが来てくれたら百人力だぜ!喰らえ!ゼットン!」
対ゼットン弾が真っ直ぐ放たれた。ゼットンの胸を直撃する。ゼットンの胸の、二つの発光体は砕け散った。
地面に降り立つマックス。ゼットンに情け容赦無く拳を叩き込む。後退りするゼットン。
マックスは右手のマックスギャラクシーを構えた。残った力でゼットンはバリヤーを張った。
マックスの右手から、虹のような光の奔流がほとばしる。光はバリヤーごとゼットンを包み込み、体を空に吹き飛ばした。
爆発。四散するゼットン。
「やったぜ!」
「やったわ!」
ショーンが、ミズキが歓声を上げた。司令室でもトミオカ長官とヒジカタ隊長が肩を叩き合った。
飛び去るマックスを見送るコバに村人達が近づいてきた。コバは博士とサユリをかばう。
「お前ら、まだやる気かよ?」
扇動していたグループが、帽子を取り、頭を下げながら言った。
「博士、お嬢さん、俺達は誤解していたようだ。博士のおかげで俺達は助かったんですね?ありがとうございました」
博士は笑った。
「いいんだ。分かってくれて嬉しいよ」
…何日か経ったDASH司令室。コバ隊員は何やら浮かない顔だ。カイトが近づいてくる。
「どうしたんですか?サユリさんとはその後どうなんです?」
「博士は、招かれて、アメリカTDFの研究所に行ったよ。サユリさんと一緒にな」
「そうなんですか…残念ですね」
「バカ野郎!博士にとっては、いいことじゃないか!俺は喜んでるんだよ!」
「ええ〜?そんな風には見えませんでしたよ?」
笑うカイト。ミズキ、ショーン、ヒジカタ隊長も釣られて笑った。コバも苦笑いをした。
皆の笑顔を見ながら、カイトとマックスは思った。
(ゼノン、君も地球を見守っていてくれ。この素晴らしい仲間を。知恵と勇気に溢れた地球人を…)
おしまい
これは予想と言うより、題名と事前情報から思いついた話なんですよね。
最初はメカゴシラの逆襲+怪獣使いと少年+さらば愛しき魔女(ルパン三世)をイメージしてたんですが、マックスっぽくしようと思っていたらどんどんぬるくなっていきました。
本物は上原さん脚本で前後編で、しかも後編にキングジョーが出るそうなんで、相当期待してます。
遅レスながら
>>321-323、
ありそうでなかったミッシングリンク乙。
なんだかあの
マン「見たまえ、あれが宇宙で最も美しい星…地球だ!
私に替って地球を他の星の侵略から守る、それが君の使命だ。
しっかりたのむぞ。」
セブン「うむ。」
にも繋がりそうに見えて、桑田版セブン好きには嬉しいな。
保守age
次の三つだったら、どの話を読みたいですか?
@ニセウルトラマンタロウの話。
Aウルトラマンに憧れる宇宙人が、光太郎に弟子入り志願する話。
Bつぶれかけた町工場に、不思議な機械部品の注文が来る話。
三つともネタがあっての話ですか? 欲を言えば全部ですが、
選べというなら、うーん、2。
展開次第で3。
ありがとうございます。とりあえず、2を近日中(と、言っても週末になるかも)に書いてみます。
モノノフ星人がヒントになって思いついた話でした。
1と2はよく見る展開だなあ
3がよかったんだな
377 :
?:2005/09/08(木) 02:21:33 ID:tEy7y8uU
おおとりゲンがトオルたちのもとを去ってはや2ヶ月が過ぎた。ゲンはヨットで船出をして、今は
西日本のとある島に滞在していた。海がきれいな、自然が美しい島だった。
折々で触れる人の暖かみ。毎日がゲンにとって「第2の故郷」の新しい面の発見だった。
木賃宿に宿泊しては、また船出を繰り返す。そんな日々だった。だが、最近になって異変が
起き始めていた。かつて、ゲンがウルトラマンレオとして戦っていたころの仲間たちがしきり
に夢枕に立ち、自分を呼んでいる気がするのだ。そして、それは段々エスカレートしていく。
「どういうことだ・・・・?」
ゲンはかすかな胸騒ぎを感じつつも、また明日の船出に備えて眠りについた。
378 :
377:2005/09/08(木) 02:38:49 ID:tEy7y8uU
「おおとり、おおとり!!」
ゲンを誰かが呼んでいた。朧げな意識の中だったが、ゲンはその声の主に思い当たりがあった。
ゲンのかつての同僚で、特に親しくつき合っていた梶田隊員と白戸隊員の声だった。
「・・・・・?梶田・・・・白戸・・・・」
その二人の声に加えてまた他の声が耳に入る。
「おおとり隊員、おおとり隊員」
「おおとり、おおとり!」
佐藤隊員、白川隊員、松木隊員といった、いずれもMACの同僚たちの声だ。
「おおとりさん!」
「おおとりさん!」
「ゲン!!」
さらに呼ぶ声が加わる。
・・・・・百子さん、猛、隊長!!はっと目を覚ますゲン。
「夢か・・・・!?」
しかし、声はまだゲンの耳に響いている。そして、夢の中ではあちこちから聞こえていた
声が、宿の外から聞こえてくる気がした。外へ出るゲン。声のする方向へ歩いて行く。すると
目の前には黒い影法師の姿があった。
「誰だ!?」
ゲンが叫ぶ。しかし、影は答えることなく、ゲンに向かってガス状の物体を吐きかけた。
ゲンの記憶はここで途切れた。
379 :
?:2005/09/08(木) 03:15:41 ID:tEy7y8uU
ここはどこだ!?ゲンは妙な感覚の中、目を覚ました。
どこかの小屋の中だった。
「お目覚めかね、おおとりゲン。いや、ウルトラマンレオ」
さっきの影だった。ゲンは自分が捕らえられていることに気づいた。
「何者だ!!・・・・お前は人間じゃないな!?」
ゲンの問いに影は不気味に笑って答える。
「2ヶ月まえ、お前はブラックスターを破壊した。だが、それで全ての円盤生物が死んだ
とでも思ったかね?」
「じゃあ貴様は・・・・」
「その通り。ブラックスターの生き残り、ブラックサタンよ。ひどい目に遭わせてくれた
貴様に復讐してやる。ブニョの時程度で済むとおもうなよ、ふふふ・・
それにしても、見事に引っかかってくれたな。お前の愛した者どもをダシにすればうまくいく
とふんでいたが、これほどとはな」
「くっ・・・百子さんたちを利用したのか・・・!許さんぞ!!」
「なんとでも言うがいいさ、さてと。どうしてくれようか。まずは・・・・」
ブラックサタンの両手から黄色い液体が吹き出てゲンの足元にかかる。
「うをおおっ!!」
「これはシルバーブルーメの液体に似ているだろう。だが、溶解性は低いから、じっくり
苦しむがいい」
激痛のなか、睨み付けるゲン。
ブラックサタンの両腕が鋭利な刃物に変わり、サソリのような尻尾が生えてきた。
「これもお前の記憶のなかにあったろう」
ゲンに軽く斬りつけながら語るブラックサタン。尻尾の針もゲンの体を貫く。
「ぐっ・・・おのれ・・・・っ」
傷
380 :
?:2005/09/08(木) 03:17:01 ID:tEy7y8uU
傷ついていくゲン。もう2時間近く続いていた。サタンは体から今度は触手をのばしてゲンを締め付ける。
「さあて。本当の地獄はここからだ。ゆっくり絞め殺してやる・・・あ、そうそうこの星だが、お前が死んだら
じっくりと潰してやるよ。よかったなあ、第2の故郷とやらの最期を見ずに済んで」
だんだん意識の遠のいて行くゲン。すると再び声がこだまする。
「ゲン。今一度気を取り戻し戦え!!戦うんだ!!お前の故郷を守るために、お前の
仲間や恋人を利用した卑劣な敵を撃て!!」
ダン隊長・・・・セブン!!
「ゲンよ。かつての特訓に比べれば、この程度なんて事あるまい!さあ、戦え、レオ!!
お前の故郷のために!!」
刮目するゲン。ゲンは腰のあたりをまさぐり、MACナイフを探り、取り出した。触手を切り、
そしてサタンの眉間目がけて投げつけた。光の一閃がサタンの眉間を貫いた。
「おのれレオ!!」
サタンは巨大化した。
「うをおおっ!!」
↑おもすれーwww
MACマンセー
382 :
続き:2005/09/09(金) 01:17:34 ID:uIFPaEsQ
ゲンの足下にサタンの眉間を穿ったMACナイフが落ちる。MAC全滅の後、MACの形見代わりに車共々
高倉司令官から譲り受けたものだ。それを拾って身構えるゲン。しかし、巨大化したサタンと人間大の
ゲンとでは、半ば勝負はついたようなものだった。
そのときだった。空が一瞬光ると、赤い光がゲンを包み込んだ。そしてゲンはレオの姿になっていた。
「何いっ!?獅子の瞳も無いのになぜだ!!」
驚くサタン。レオは空を仰ぐ。空にはマント姿の銀色の超人の姿がうっすらと浮かんでいた。
(・・・・キング・・・)
「ぬうう!!」
サタンは触手を延ばす。素早く躱すレオ。反撃の一撃としてダークシューターを放つが、避けられてしまう。
「ふふふふ・・・・レオよ!!私の能力は記憶の中に入り込み、それを自在に操ることよ!!つまりは貴様の
技など全てお見通した!!!」
サタンはレオの記憶の中にあった星人・怪獣の力の中で優れたものを自分の技として組み合わせて使ってくる。
苦戦するレオ。技のポーズから何を使うかを見破られてしまうのだ。
383 :
?:2005/09/09(金) 01:39:34 ID:uIFPaEsQ
その場に倒れ込むレオ。打つ手は無いのか!?ゲンの心の中でダンの声が響いた!
「奴は確かにお前の今までの戦いの記憶を盗みとった。だが、お前の経験までは奪って
いない!!今までの経験を生かせ!それができるのは奴ではなく、お前だけだ、レオ!!」
そして、ダンだけではなく、MACの隊員たちや、百子、猛、カオルの声も聞こえた。今度は
無機質な呼びかけ声ではなく、暖かい激励の声だった。
レオは立ち上がり、空高くジャンプした。
「レオキックか。お見通しだ」
サタンは余裕を見せながら躱そうとし、さらに触手を延ばしてレオを絡めとろうとした。
だが、空中でにわかに構えを変えるレオ。
「!!!」
次の瞬間、サタンの両腕と触手は吹っ飛んだ。レオは、サタンが構えをみてレオキックを躱す
動きを見せたときに生じた隙をついて、空中で構えを変えてきりもみキックを繰り出したのだ。
さらに間髪いれずにハンドスライサーがサタンの尻尾を両断する。もうこうなってはいかにレオの
記憶からレオの能力を知る事ができても、どうしようもない。
「!!!」
とどめの一撃を加えようとするレオのポーズをみたサタンは恐怖のあまり円盤状に姿を変え逃げ出した。
それは、ブラックスターをも粉砕した必殺技・シューティングビームのポーズだった。
だが、もう遅い。レオの両腕から放たれた深紅の光線はサタンに命中、サタンは四散してしまった。
戦いが終わるとともに、レオはゲンの姿に戻った。
384 :
382:2005/09/09(金) 01:52:15 ID:uIFPaEsQ
翌日、ゲンは再び船出していった。その様子を遥か宇宙のキング星で、一人の老人が見ていた。
「レオ、いや、おおとりゲンよ。お前は何人もの仲間の心を背負って生きているのだ。それを、
ゆめゆめ忘れるでないぞ」
そっと呟くキング。ダンや百子たちの激励はキングが彼らの魂の声を届けたものだった。伝説のウルトラマン
にとっては、それは容易いことだった。しかし、ゲンの若さはどうやっても得る事はできないし、熱い正義
の心を打ち砕くことはできない。太陽の光を浴び、ヨットを操るゲン。そんな様子を好ましく思いながら、
キングはいつまでも見ていた。
おしまい
ご苦労様でした。
欲を言えば、ブラックサタンがエースの単眼超獣とかぶってるとか、
ゲンは最終回でレオリングを捨てたわけではないのでまだ変身は出来るんじゃ
ないかとか細かい部分が気になりますが、まあ瑣末な部分です。
後日談としてはよかったと思います。心底キングに愛されてますね、レオ。
…あ、ゼットンの娘じゃなくて、「バラージの預言」の内容とかぶってしまった。
388 :
名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/10(土) 19:11:49 ID:4M/FMmln
ウルトラの母が、真下を見て、僕の存在に気づいた時、いきなり自分の胸と股間を手で押さえブルブル震えだした!
「怪獣を食べたい!?」巨畜・ミートン 登場
宇宙科学警備隊ZATは、マゼランやアンドロメダなどの宇宙用装備や宇宙ステーションV7などの
宇宙基地を有し、地上のみならず宇宙の異変にも目を光らせている。そして、宇宙に長期滞在する
隊員の生活を快適にするための研究も続けられているのである。
その一環が、宇宙食。栄養バランスだけでなく、味や食感においても隊員を満足させる、より水準の
高い食品の開発だった。そのため、実際に試食品を食べてもらって反応を窺うためのモニターが
必要であり、今回、東京基地の何時ものZATメンバーが、そのモニターに選ばれた。
「美味しいなあ!」
輪切りにされたハムのようなその試食品を口にした東光太郎は、正直な感想を漏らした。
他の隊員達にも軒並受けがいい。鶏と豚と牛の肉の味と食感が絶妙なバランスで美味しいとこ取り
されたような味。試供品を持って来た北島も満面の笑み。
北島「これが実用化されれば、宇宙勤務隊員の食生活は大きく改善されますよ」
南原「いやー、正直、宇宙に回すのが勿体無いぜ」
朝日奈隊長「是非カレーの具にしたいところだな」
だが、試供品のため、味見は申し訳程度でおしまい。白鳥家に帰ってからも、光太郎は新食品の味が
忘れられず、心此処にあらずな調子で機械的に食事を口に運ぶ始末であり、さおりを大いに憤慨させた。
それだけで済めばよかったのだが。
後日、東京近郊に突然怪獣が出現した。急行してその怪獣を直視したZATは、目を丸くした。
「マンガ肉」という比喩をご存知だろうか。ギャートルズなんかに出てくる、外側に毛がボツボツ
生え残った大きな肉に、太い骨が一本突き出した奴。それそのものの胴体につぶらな目が一対付き、
四肢が生えた、そういう感じの巨大な、多分生き物が、森林をうろついている。暴れる様子もなく、
くーくーと鳴いている。
その怪獣から、匂いが漂ってきた。凄く美味しそうな匂いが。
匂いを嗅いだZAT一同は、猛烈に食欲を刺激され出した。口の中でよだれが溢れて止まらず、
空腹感も襲ってきて、戦意が湧かない。
「どうしたんだ、お前ら! ・・・ど・・・」
檄を飛ばしていた荒垣副隊長も次第に釣られ、指をくわえてじっと怪獣を見詰め出した。
「・・・情けなくて涙出てくらあ・・・でも・・・美味そう・・・」
そして、一番刺激されていたのは、光太郎だった。パトロールに出ていてたまたま事前に食事を取る
暇がないまま此処に来て、他のメンバー以上に腹が減っていた。
光太郎の乗るスーパースワローが、ふらふらと怪獣に近付き出す。
「いかん! 東!」
状況を見て正気に戻った荒垣が叫ぶが遅く、驚いた様子の怪獣に回避され、スワローはそのまま墜落して
爆発。
その爆炎の中から、ウルトラマンタロウが出現した。
「おお、タロウ!」
爆発寸前に本能的に命の危機を察知したのか、ちゃんと変身したのは流石・・・と思いたかったが、
現れたタロウも、じっと怪獣を見ている。
キングブレスレットを外し、ナイフとフォークに変化させた。
それを両手にかざして、「ショワーッ!!」
おもむろに、怪獣に迫り出した。怪獣は慌てて逃げ出し、その場でおっかけっこが続く。
「どうしたんだ、タロウ!?」
そんなことをしているうちに3分のタイムリミットが過ぎ、ずんぐりしている割に素早い怪獣は
遁走し、姿を晦ましてしまった。
森の陰で、一人の少女が状況をはらはらと窺っていたが、彼女も直ぐその場から姿を消した。
程なく、事態が理解できる報告が、北島のほうに齎された。
何のことはない。先日ZATの面々が食べた宇宙食の試供品。その原料が、出現した怪獣・
ミートンだったのだ。
宇宙食の開発部の主任、大泉博士は、地球上のあらゆる生物の身体の蛋白物質を研究していた。
これまでZATと接触した怪獣や、実際に倒された怪獣の破片から採取された資料も含めて。そして、
自身の持てるバイオテクノロジーの粋を集め、実際にサンプルの人工生物を作り上げたのだ。
食用の家畜にするための。
ミートンを原料にした宇宙食の生産が実用段階に移るまで、研究の詳細は極秘とされていた。
だが、博士の娘、あきらが、研究現場に出入りしているうちにミートンに対して次第に情が移り、
こっそりミートンを連れ出してしまったのだ。人間に対して従順に作られたミートンは、あきらの
指示に素直に従った。
暫しの捜査の継続の後、逃げたあきらとミートンの足取りが掴まれ、両者は、奥多摩の山奥に
追い詰められた。
ZATと共にやってきた大泉博士が呼び掛ける。
「あきら、これ以上皆に迷惑を掛けるんじゃない! これは仕方のないことなんだ!
ミートンは、皆に美味しく食べてもらうために生まれてきたんだ!」
「違う! そんなのおかしいよ!」あきらは反論する。
「この子は食べられることを望んで生まれてきたんじゃない! そういう風に作ったのは、
お父さん達じゃない! 勝手に体や心をいじって、人間に逆らえないようにして!
そんなの、絶対間違ってるよ!」
不毛な言い争いは一向に決着の兆しを見せず、
「ミートン! あなたがみすみす黙って食べられることなんてない! 構わないから、皆に
思い知らせてやりなさい!」
ミートンは悩んでいたが、やがてあきらの指示に従い、迷いながらもじりじりとZATの方に向けて
迫り出した。
一触即発かと思われたとき。
光芒が迸り、両者の間に、大きな影が立ちふさがった。しかし、不思議と威圧感は感じない。
現れたのは、半透明の自身の虚像を送る、ウルトラの母だった。
(母さん? 何故此処に?)
テレパシーで問い掛ける光太郎。
(タロウ。この怪獣の安住の地は地球にはありません。となれば、私達の取れる解決手段は
自ずと導き出されるはず)
その言葉の意味を光太郎は直ぐ理解した。ミートンを、ウルトラの国で保護しようというのだ。
これまでの幾らかの前例同様に。
ZATの方でも、悟った表情になった荒垣が、大泉博士に、
「博士。計画は白紙に戻しましょう」
「しかし・・・」
「此処で無理やりなやり方をするのも適切とは思えませんし、それに、我々の任務遂行に支障が
出るほどの食欲をそそる食材と言うのも、ある意味問題ではないかと」
やがて、大泉は黙ってうなだれ、了承した。
(さあ、タロウ)
母に促された光太郎は、ウルトラの母の虚像に注目している一同の目を盗んで物陰に隠れ、
タロウに変身して現れた。ミートンをウルトラの国に送るため。
あきらに見届けられ、ミートンは神妙にしている。それをじっと見詰めるタロウ。
哀れな怪獣だ。遺伝子レベルで抵抗する意思を奪われ、只食べられるためだけに作られた。
・・・抵抗する意思を奪われ・・・
つまり・・・今自分がこの場で押さえ付けても、ろくに抵抗もせず・・・
ごくり、と喉が鳴る。
リライブ光線で後から生き還らせれば・・・一口くらいは・・・
後日。
非番の光太郎は、白鳥家で、魂が抜けたようにぼーっとしていた。
ミートンは、あきらに別れを惜しまれ、ウルトラの国に引き取られていった。勿論、その身は
一切無事で。
当たり前である。本当に食ったらヒーローじゃない。
当たり前なのだが。
(よく我慢しましたね、タロウ)
母の去り際の褒め言葉も、今の光太郎には空しい。それほどまでに試供品のあの味は格別だった。
さおりと森山隊員が競って自分の自慢の料理を出し続けるも、光太郎はその後一週間に渡って
呆けた状態が続き、大いに周りの野郎どもの不興を買ったのであった。
「牙の十字架は怪獣の墓場だ!」の、減量中の光太郎を想像して読んでもらえると幸せです。
527 :名無しさん@そうだ選挙に行こう :2005/09/10(土) 22:13:07 ID:hC9TyVd8
>>524 しかし、地球人は他の有機生命体全てを絶滅状態、もしくは滅ぼす過程の域に追いやっている。
当然、生態系の破綻はもとより、地球のあらゆる対流圏内を破壊しつくし、地球:ガイアの
表層の恒常性を機能停止に追いやる寸前だ。勿論、人間達自身もその後に絶滅するのは確実。
これは地球人より遥かに高い論性性、合理性で活動している宇宙人達にとっては看過出来ない
状態であろう。
だから、地球の1部でありながら地球の毒虫となっている矛盾した存在:人間を大量殺戮し減少
させ、正常な状態となるように尽力していると思われる。
対してウルトラ族は核融合による機械文明を発展させ濫用したが、原因不明の暴走により惑星も
人間達も突然変容してしまった。
恐らく、何らかの電磁エネルギーがM78星雲銀河の機能を狂わせている為、宇宙の意志が
彼らを異形の者に変えて物質文明に走らないように制御したと見るほうが筋が通っている。
しかし、本人たち自身は全く自覚が無くて、地球人に物質至上主義のかつての自分達を発見し
肩入れしているだけではないだろうか?
恒星、惑星、小惑星の超巨大意識体たちの声(意志)を確実にキャッチ出来るのは
番組では悪者の宇宙人の方だろうな。確実に。
ウルトラマンたちは宇宙自身に疎まれ呪われた虜囚どもとして、他の似たような自己破綻タイ
プの知性生命体どもへの見せしめとなっていると見る方が妥当だろう。
だから、明らかにそれなりに高い重力下の惑星に適応した肉体であるにも関わらず、地球上で
の活動時間は3分しかない。これはウルトラマン達だけの足かせだ。
ウルトラマン達を反面教師とし自分達の愚行を正す切っ掛けとなるように。
だから、根はゴジラと同じだと思う。
528 :名無しさん@そうだ選挙に行こう :2005/09/10(土) 22:20:21 ID:hC9TyVd8
>>527 だから、本当はウルトラ族が肉体を破壊されるシチュエーションの方が
他の星系では多いと思われる。
地球だけが弱い敵が多いだけで w
>389-394
>朝日奈隊長「是非カレーの具にしたいところだな」
ハゲワロス(w
>>396 何でこんなカキコが来てるのかは判りませんが…
地球人がその事実を知っても、「だったら、もっと物質文明化を加速させれば
自分たちもウルトラマンになれるんじゃないか?」と思って、いい気になって
物質文明化を加速させるだけだと思います。
ホリイ「一度楽することを知ってしもた人間は、そう簡単に元には戻れへん」
ミーd
テラワロスwwww
牛や豚…家畜
いいテーマを選んだと思います。
地球防衛軍・TDFの一小隊。その女隊長・カツムラは、地球に密かに侵入していた侵略者の
アジトを発見し、先制攻撃をかけんと、部下達と共に潜入を敢行した。しかし、宇宙人達に見付かり、
取り囲まれ、危機に陥っていた。
「くっ・・・!」
と、鈍く鋭い打撃音がして、宇宙人の一人が崩れ落ちた。
「!?」
カツムラ達が見る前で、倒れた宇宙人の後ろから、手刀を振り下ろした姿の、ワイルドな風貌に
不敵な笑みの若い男が現れた。
でど〜ん でど〜ん ずじゃあああああ〜〜〜〜〜ん
ぱーん ぱーん ぱぱーんぱんぱん ぱんぱぱーん ぱんぱぱーーーーーん
「風来坊の罠」宇宙無頼・スカル星人 登場
双子山・TDF本部。ヤマオカ長官から直々に、ウルトラ警備隊に通達があった。
宇宙人によって日夜起こされる事件に、幾らTDFきってのエリート部隊とはいえ、若干6名の
ウルトラ警備隊で当たり続けるのは限界がある。そこで、サポート兼、次の世代を育てるための
二軍とでも言うべき予備部隊を編成し、今後実戦訓練を兼ねて警備隊のサポートに当たらせるという。
話を聞いて待っていた警備隊の下にやってきた件の部隊は、カツムラ隊長旗下の部隊だった。
元々一般兵士上がりの小隊だったのだが、此処暫くの活躍が目覚しいため、今回の計画に抜擢
されたという。順にメンバーが紹介され、最後に、あのワイルドな男・ナガイが紹介された。
つい最近防衛軍に入隊したばかりだが、部隊の中でも特に優秀な戦績を上げており、仲間からの
信頼も厚いらしい。
「貴方がモロボシ・ダン隊員ですね」
ダンに対し、ナガイはフレンドリーに話し掛けてきた。
「ご活躍は聞いております。どうぞ宜しく御指導の程を」
「ああ、こちらこそ」
ダンは気さくに求められた握手に応え、手を握り返した。
その瞬間、ナガイの別の声なき声が、ダンの手を経由して脳に直接伝わってきた。
(宜しく頼むよ、ウルトラセブン)
(!?)
(俺は、地球防衛軍の破壊工作にやってきた、スカル星人だ)
テレパシーで堂々と明かす。ダンは何とか表面は気さくな笑顔を崩さず、
(ぬけぬけと・・・そんなことを僕が許すと思っているのか。TDFがお前の正体を知れば・・・)
(明かすかね? どうやって明かす? お前が精神感応能力を持つウルトラセブンだから、俺の
正体を見抜くことが出来たとでも?)
(!!)
(何なら、俺のほうから明かしてもいいんだがね。序でにお前の正体も)
(・・・貴様・・・)
(それが嫌なら、黙って俺のすることを見ているんだな。ははは・・・)
ダンはその後、ナガイのプロフィールを独自に調べた。ナガイからの妨害は入らなかった。
余裕を見せているらしい。
入隊以前の経歴は一切不明。遊撃中に敵に対して苦戦していたカツムラ隊の危機に突如介入し、
格闘のみで全て敵を倒し、隊を救ったことでその腕を見込まれ、自らの希望とも一致して
入隊したらしい。今にして思えば、防衛軍の信頼を得るための策だったのだろう。
「おかしいと思いませんか? 彼の素性も一切判らないのに・・・」
ダンは危機感を覚え、ナガイ達がいないところでウルトラ警備隊の仲間達にそれとなく問うてみた。
何とかナガイを警戒させねばTDFが危ない。
だが、アンヌはきょとんとした顔で、
「そんなの、ダンだって同じじゃない」
「・・・!!」
ダンは、真の意味で自分の迂闊さを呪った。これこそがナガイの狙いだったのだ。
ソガ「そうそう。ダンだって、最初は凄く唐突に俺達の前に現れたもんな。その後の行動も
意表を突くものばかり。まさにミラクルマン」
フルハシ「でも、そんなダンの勇気ある行動によって、俺達は何度も危機を切り抜けてきた」
アマギ「だから俺達はお前を信じてるんだよ、ダン。そのことと、ナガイの行動と何が違うんだ?」
キリヤマ隊長「というより、ダン。お前、何故今回に限ってそこまでムキになる?」
無垢にダンを信じきっている。言い返せないダン。
アンヌ「ダン。陰口を聞くのは良くないと思うわ」
無力を感じて通路を歩くダンと擦れ違いながら、ナガイはテレパシーで挑発してくる。
(お前が思っている通り、地球人は本当に美しい心の持ち主だな。浅はか過ぎて涙が出るほど笑えるわ、
ははははは)
しかし、此処でムキになって無理に正体を暴くために強行的な手段を用いても、恐らく逆効果である。
ナガイの狙いにむざむざ嵌まり、自分の正体を暴くことになりかねない。
ダンは考えた。そして・・・
ウルトラ警備隊、そしてサポートのカツムラ小隊に、ユシマダイオードを導入して遂に実用化された、
建造中の新型レーダー基地を警備せよとの命令が入り、一同は基地施設の哨戒を行っていた。
カツムラ「しっかり頼むわよ、ナガイ隊員」
ナガイ「・・・ええ、任せてください」
カツムラ「どうしたの? 汗をかいてるけど」
ナガイ「いえ・・・」
ダンを牽制したまま、まんまと基地中枢に潜入して爆破工作を行うつもりだったナガイは、
内心動揺していた。ダンも当然基地の警備についているのだが、これまで挑発するたびに乱れた反応を
見せていたダンの精神の波動が、ぷっつりとなくなっていた。それどころか、テレパシーを送ることさえ
出来ない。ダンの心の声も聞こえない。
他の人影が消えた通路で、ダンと出くわしたナガイは、
(何を考えている?)
心の声を送ってみるが、反応はない。ダンは微妙な間合いを取ったまま、静かに笑い返すのみ。
ダンの考えが読めないナガイは、底知れない不気味さを覚えた。周りに誰もいないことを
確かめた後、
「何を考えていると聞いているんだ!」
声を出して恫喝し、明らかに地球人の能力の範疇を超えたダッシュを掛け、ダンに体当たりを食わせた。
ダンは人形のように吹き飛び、受身も取れずに転がり、呻いた。
おかしい。常人以下の肉体能力だ。その正体がウルトラセブンであるダンの反射神経も体力も
こんなものではなかったはずだ。
何かを企んでいる。だが、その企みが読めない。
「・・・何を企んでも無駄だぞ」
自分に言い聞かせるように言い、懐からウルトラガンを出す。
「どういうつもりか知らんが、その様子ならろくに抵抗も出来まい。いい機会だ、今この場で
始末してやるぞ、セブン」
ダンに銃口を向けたとき。
「何をしているの、ナガイ隊員!?」
カツムラが、ナガイの背後から叫んでいた。
呆然と振り返るナガイ。
カツムラは、別にナガイの動向を怪しんでいたわけではない。汗をかいていたナガイの体調が悪いのかと
思って、心配で見に来ただけだった。丁度出くわしたフルハシや数名の兵士も伴って。
目の前で倒れて苦しんでいるダン、そしてそれに銃を向けているナガイを見て、先日のダンの言動を
思い出したフルハシは、
「どういうことなのか、詳しく聞かせてもらおうか」
「・・・・・・」
後は、何時もの流れである。自分のシナリオの流れを乱されて自棄になったナガイは、追われながら
外へ飛び出し、巨大なスカル星人の正体を現した。装甲で覆われた体に、ドクロのような不吉な顔。
直接基地を破壊しようと迫ってくる。
応戦し始めた警備隊の目を盗み、ダンは物陰に駆け込み、ウルトラアイを装着。
「デュワッ!!」ぶゆんぶゆんぶゆんぶゆん
ウルトラセブンも巨大化、星人を迎え撃つ。
戦いながら、星人はテレパシーでセブンに尋ねる。既に脳波の応酬が可能になっている。
(どういうことだ!?)
(お前に僕の考えを読ませないため、精神にウルトラ念力のシールドを張ることに全ての能力を集中した。
そのために戦闘能力が発揮できなくなり、さっきはお前にいいようにされたが・・・お前は、
絶対僕の挑発に乗ってくると判断した。見事に図に乗ったわけだ)
(おのれ・・・ならば、真っ向からの勝負だ!)
直接対決は、拮抗の様相を見せる。格闘戦は互角。セブンが手持ちで斬りつけるアイスラッガーを、
星人は装甲をつけた腕で器用に弾いて受け流す。両者空に飛び、空中戦でも互角。
セブンのハンディショットと、星人が手から放つ光線が弾きあう。
埒が開かないと見たスカル星人は、着地し、右手を巨砲に変化させた。
「はははははははは!!」
哄笑しながら、砲弾を連射してくる。必死に牽制するセブンの姿が、湧き上がる爆煙の中に掻き消える。
煙が消えると、セブンの姿はない。
「跡形もなくなったか! 俺の勝利・・・」
言い終わる前に、星人の巨砲が暴発した。
苦悶のうめきを上げて仰け反る星人の、破裂した右腕の中から、セブンが巨大化して出現。
爆煙で視界が悪化した隙を突き、ミクロ化して巨砲の砲口に飛び込んだのである。
降り立ったセブンは、エメリウム光線で星人を吹き飛ばし、決着を付けた。
谷あいで、ダンは粉々になった星人の破片を見詰めていた。
その状態になっても、星人は未だ生きていた。その命の灯ももう直ぐ消えるが。
「俺の・・・負けだ・・・だが」
「だが?」
「セブン・・・お前が地球人どもに自分の正体を偽っていることに変わりはない」
「・・・・・・」
「お前と地球人との絆は、未だ偽物のままだ・・・その絆が何時まで持つか、楽しみだ・・・
地獄の底で見届けさせてもらうとしよう・・・はははは・・・」
捨て台詞を残し、星人の破片は泡になって蒸発した。
黙っているダンの所に、
「ダン!」「大丈夫か!」
アンヌやフルハシや、警備隊の仲間達が駆け付けてきた。心底ダンの身を案じる想いが痛い。
仲間に囲まれたダンの前に、カツムラが現れ、
「ダン隊員・・・申し訳ありませんでした」
詫びる彼女に、ダンは笑顔を返して握手で応えた。
(そうさ、スカル星人。ウルトラセブンである僕の正体は、誰にも言えない秘密なのだ)
だからこそ、地球を守る戦士として仲間達と共にある自分の想いだけは真摯であり続けようと、
ダンは改めて誓った。
何でセブンをやるとこんなに拒否反応が出るんだろうね?
他の職人の皆さんがやってることとそんなに変わらんと思うけど。
でど〜ん でど〜ん ずじゃあああああ〜〜〜〜〜ん
が無かったら、もっと良かったと思います。
>>410 >>409はちょっと知能が低いひきこもりの子でな。新マンスレで煽られて、
キレてあちこちで暴れてるんだわ。
「みんなで南光太郎という苦難を乗り越えていくスレ」とかにもいた。
>>411 >でど〜ん でど〜ん ずじゃあああああ〜〜〜〜〜ん
昭和ウルトラシリーズは、主題歌→本編
平成ウルトラシリーズは、導入→主題歌→本編
昭和のセブンならこれはやはりトップに持ってくるべきだと
まぁ、出来自体はかなりイイ方に入ると思うけどなぁ…?
>>413 こまかいこというと、他にも
・「○○星人登場」のテロップはセブンにはない
・人間ドラマのあった宇宙人とも格闘シーンになるとただのプロレス、が普通
など、「ちょっと違う」箇所があった。
ただ、ダンの策略→キレて脱走し巨大化、というシークエンスは
「おお、いかにもありそう!」というくらい本編ぽかったかと
それ以外にも、内容としては面白かったです。
416 :
名無しより愛をこめて:2005/09/17(土) 01:20:39 ID:nbR2yI+0
「死闘!タロウ対ハヌマーン」
「超獣・怨念の大逆襲」
「冒険野郎再び(レオ)」
どれがいい?
「超獣・怨念の大逆襲」 に1票!!
ハヌマーン希望。
どれもよさげですが、敢えて一つと言うなら、ハヌマーン。
「白猿風神ハヌマーン対ウルトラ6兄弟」に1票。
俺もハヌマーンに一票、
当然、仏様を大切にするキャラで。
は沼ーんをぼぼこにするタロウが見隊「
ハヌマーンが悪ウルトラマンのミレニアムと共謀して、
チャイヨー星人に光の国を売りとばす話とか…(嘘)
424 :
死闘!タロウ対ハヌマーン:2005/09/18(日) 02:29:40 ID:Z4myXPq+
12月。世間はクリスマスがどうのこうのと大騒ぎである。そんな中、はるばる南国タイから一人の少年が
日本に来ていた。名をコチャンと言った。タイの人たちは熱心に仏教を信仰しているが、彼もまた例外
ではなく、それどころか、タイの中でも特に深い信仰心の持ち主であった。そんな彼がなぜ日本にいるのか。
それは、日本の奈良という街に大きな仏様がいると聞いて、いてもたってもいられず、一目会ったみたいと
思ったからであった。
「これが奈良かあ。しかし、寒いなあ。はやく大仏様にお会いしなくちゃ」
コチャンは地図で場所を確かめながら奈良の街を行くが、とにかく寒い。南国育ちのコチャンにとって、日本
の冬は未知のものだったのだ。その時である。
「きゃああああああっ!!泥棒〜っ!!」
女性の叫び声だ。凶悪な顔の男が女性から奪い取った鞄を手に走っている姿がコチャンの目に写る。立ちはだかる
コチャンだが、「どけい、ガキンチョ!!」の一声で、まさに文字通り一蹴されてしまった。
コチャンは許せなかった。泥棒という行為も悪だが、それ以上に、大仏様が住んでいる(=見ている)前で、堂々
と悪事を働くなんて。仏様を何だと思っているのか。コチャンは変身した。
425 :
??タロウ対ハヌマーン:2005/09/18(日) 02:47:56 ID:Z4myXPq+
「うわああっ!!なんだ」
ビックリする泥棒。無理もない。突然目の前に巨大な白猿が姿を現したのだから。泥棒に襲いかかる
ハヌマーン。最初から勝負ははっきりついていた。ハヌマーンは泥棒を手に取るや、「仏様を大切にしない
奴は死ね!!」の一声とともに泥棒を握りつぶした。ハヌマーンは人間大の大きさになって、女性に鞄を返そうと
したが、女性はあまりの恐ろしさに失神してしまった。
「???」
なぜ女性が恐れてのびてしまったのか理解出来ないハヌマーン。仕方ないので彼はコチャンの姿に戻った。
その頃ZAT本部に、緊急連絡が入っていた。奈良に巨大な猿が出現、人間を一名殺害、と。
「猿・・・・・一体どういう事だ、森山君」
荒垣副隊長が、連絡を聞いていた森山隊員に問う。
「それが何でも、いきなり奈良の街に白いお化け猿が出てきて、泥棒を握りつぶしたと」
「怪獣じゃなくって猿だなんて・・・・、何かのイタズラじゃないですか?」
猿と聞いて、メンバーが思い浮かべたのはニホンザル。懐疑的になってしまうのも、尤もなことだ。
「でも声は必死というか、嘘じゃなさそうでした」
光太郎は白い猿と聞いて、まさかと思った。この前現れた怪獣軍団をやっつけたあの白猿じゃないのか!?
「一応行くだけ行ってみましょう、万一ということもあります」
光太郎の進言に、副隊長も応じ、直ちに光太郎、南原隊員、北島隊員の三人が奈良へ急行した。
426 :
タロウ対ハヌマーン:2005/09/18(日) 03:06:44 ID:Z4myXPq+
奈良に到着した3人は早速調査を開始した。が、それらしいものは全く発見出来なかった。
「やっぱ猿だなんて、イタズラだったんだよ」
南原隊員が言った。しかしである。
「南原さん、北島さん、こっちへ来てください」
「どうした東?」
光太郎に呼ばれるまま駆け寄る両名。そこにはさっきの泥棒の亡骸が転がっていた。
「ひどいな・・・・。体中の骨が砕かれてる」
「何かに握り潰されたみたいです」
「う〜む、じゃあやはり猿とやらが・・・?だとしたら早いとこ奴を見つけないと!」
3人は奈良の街のパトロールを続ける事にした。
一方コチャンは・・・・。ついに念願の大仏様に対面して感無量であった。他にもこの街には
仏様がたくさんいると聞いて、それらとも対面したいという思いに駆られていたのだった。
が、しかし・・・・。コチャンは不思議だった。大仏様を見に世界中から人が来ているのに、誰一人
敬意を払っている様子が無いのだ。いるのは写真を撮影して浮かれたり、だるそうに欠伸をしながら
とろんとした目でみている学生ばかりである。彼らは有り難いと思わんのか?さらに街へ出れば、仏様
のお膝元だというのに、ぜんぜん違う神様のお祭りである「クリスマス」に盛り上がっている。さっきの
泥棒にしてもそうだ。誰一人大仏様に敬意を払っていない。少なくともコチャンにはそう、見えた。
「これじゃ大仏様が気の毒だ。いっその事、ようし」
コチャンは再び変身した。
427 :
タロウ対ハヌマーン:2005/09/18(日) 03:22:32 ID:Z4myXPq+
突然奈良に猿が出現、街は大パニックに陥った。ホエールで偵察を続けていた光太郎たちの
目にも、はっきりとその姿は見えた。街を破壊する気は無さそうだ。だがハヌマーンは大仏殿
の前に立つと大仏殿を持ち上げようと試みた。
「あいつ、何をする気なんだろう?北島さん、東、とりあえず攻撃を」
「だがこれでは大仏もただじゃ済まなくなるぞ」
ハヌマーンもホエールに気づいたようだ。
「邪魔はさせないぞ!!仏様を蔑ろにする奴らのところから大仏様をお助けするんだ!!」
ハヌマーンはフォーク状の得物からビーを放つ。主翼を掠めたために、やむを得ず脱出する光太郎たち。
そのとき、地震が起きた。そして地底からムルチが出現した。この騒ぎで目を覚ましたのだろうか。
「なんてこった、こちら北島。本部!応答願います」
「はい、こちら本部」
「例の猿の他にも怪獣が出現した!!応援を!」
「了解!」
副隊長と森山隊員をのせたコンドルが急行した。
ハヌマーンと対峙するムルチ。だら、彼を相手にしたのがムルチの運の尽きだった。
428 :
名無しより愛をこめて:2005/09/18(日) 03:32:32 ID:Z4myXPq+
「仏様をお救いする邪魔はさせないぞ怪獣!!」
ハヌマーンはムルチを捕まえるや、その力でムルチの右腕を強く引き抜いた。ドラゴリーの時は
鮮血と共に引き裂かれたムルチだったが、今度は皮と肉がもげて腕は骨だけになってしまった。
さらに容赦のないハヌマーンの攻撃が続く。ムルチは再び地底にのがれようとしたがもう遅い。
ハヌマーンの必殺技ウインドスラッシュで足を両断され倒れたところにハリケーンガンをくらい、
哀れムルチは骨だけになってしまった。あまりに凄惨な光景に唖然とするZAT。
ムルチを倒したハヌマーンは再び大仏殿を持ち上げようとしていた。コンドルも到着するがやはり
手のつけようがない。大仏は貴重な文化財である。簡単にバラバラにするわけにはいかないのだ。
「ようし、こうなったら」
光太郎は変身した。
429 :
名無しより愛をこめて:2005/09/18(日) 03:42:03 ID:Z4myXPq+
「タイの勇者じゃないか君は、なぜそんな事をするんだ!!」
ハヌマーンを説得するタロウ。だが
「何を言う。僕は大仏様に会いに日本に来たけれど、だれひとり大仏様に対して敬意を払ってない
じゃないか!仏様を蔑ろにする奴らのところになど大仏様も居たくないはずだ!」
聞く耳を持たないハヌマーンはタロウに向かって来た。
互角に戦う両者。太郎がアロー光線を撃てば、ハヌマーンはウインドスラッシュで食い止める。
そのうちに経験と技の威力で勝るタロウがハヌマーンに対して優位に立つ。
「もうやめて、タイに帰るんだ」
「黙れ!!大仏様をお救いするんだ!!」
再び戦う両者。タロウがストリウム光線を放とうとしたその時だった。
「やめなさい!!二人とも!」
宇宙から一人の宇宙人がやって来た。
「あ、あなたは・・・」
430 :
名無しより愛をこめて:2005/09/18(日) 04:01:27 ID:Z4myXPq+
「母さん!!」
来たのはウルトラの母だった。
「タロウ、ハヌマーン。二人とも何ですか。貴方たちが本当に戦わなければならないのは
悪い怪獣や、侵略者たちでしょう。なのにどうしてお互いに戦い合うのです?」
「だって・・・それは、大仏様を誰一人大切にしないから・・・」
「ハヌマーン、わかりませんか?ZATの皆さんがなぜあなたを攻撃出来なかったのか。
大仏様がいたからなのですよ。それに下をご覧なさい」
ハヌマーンが下に目をやると、人々や僧侶たちが仏像を守ったり、ハヌマーンに仏像を持って行かないで
と頭を下げている。
「わかりましたか?みんな心の底から大仏様の事を信じ、大事にしているのですよ。タロウもタロウです。
ストリウム光線を撃とうとするなんて、ハヌマーンの身に何か起きたらどうするつもりです」
反省する両者。
「わかったらハヌマーン、あなたはタイへ帰りなさい。みんなあなたを必要としています。
タロウも、地球のためこれからも戦うのです」
ハヌマーンは例のスタイルでタイへ帰って行く。タロウも飛んで行く。それを見届けた母も去って行った。
「いやあ、しかし大仏も無事でよかった、よかった」
「一時はどうなるかと思いましたよ」
「あら、どうしたの東さん?神妙な顔して」
「いや、ちょっとハヌマーンを思い出してね。・・・・そうだ、これからも地球の平和と、
みんなの無事を大仏様にお願いしてみるのはどうでしょう!?」
笑顔で頷く一同。大仏様は何事も無かったかのような穏やかな顔で、そんな光太郎たちを
見守っていた。
おしまい
この話も実写化したら笑えるだろうな。
子供にはいらんトラウマを植え付けてしまうかもしれないが。
ウルトラ史上最狂の必殺技「ウルトラリンチ」は出なかったか…
面白かったな。
ハヌマーンの思い込みの激しさがウルトラマンタロウっぽくていい!
できたら、大仏様が立ち上がって、ハヌマーンを諭す展開にして欲しかったっス。
そりゃ無茶か。
面白かったですよ。
まぁ、少々ハヌマーンからピッコロ臭を感じてしまったけどね。
>>435 たしか実際の「タロウ」未使用脚本にも、タロウのピンチに大仏様が動き出して
強豪怪獣をとっちめてしまう話があったはずだが…
実相寺?
ズルズラー?
440 :
ロンリー星人(青年):2005/09/19(月) 15:28:02 ID:Eorpm1dO
>>430・・・奥さん(ウルトラの母)、待ってましたよ!どうして、来る事を、前もってぼくに、いってくれなかったんですか!会いたかった。
441 :
ロンリー星人(青年):2005/09/19(月) 15:29:58 ID:Eorpm1dO
でも、今度、地球に来る時は、ほっときませんよ!覚悟しておいてください。
442 :
ロンリー星人(青年):2005/09/19(月) 15:30:52 ID:Eorpm1dO
奥さん(ウルトラの母)今度は、ぼくが、相手ですよ!
>>393で既に登場しています。追っかけの割にチェックが甘いです。
444 :
ロンリー星人(青年):2005/09/19(月) 15:39:59 ID:Eorpm1dO
ウルトラの母が、地上に降り立った時、上空で、円盤を停止させ、はっきり、いってやる。「奥さん、今度は、ぼくみずから、相手になってやる」。
445 :
ロンリー星人(青年):2005/09/19(月) 16:47:51 ID:Eorpm1dO
威嚇怪獣ギガンをリバイブ光線で、もとのペット生物にもどし、立ち去ろうとしたその時、一機の円盤が、上空に現れた。
リライブ光線ね。
447 :
ロンリー星人(青年):2005/09/19(月) 16:52:14 ID:Eorpm1dO
「なかなか見事な光線技でしたよ!奥さん。次はぼくがあいてだ」こう言い放った。
448 :
ロンリー星人(青年):2005/09/19(月) 16:58:19 ID:Eorpm1dO
ギガンも、地球の子供たちも、ぼくは、危害を一切加えて欲しくない。ただ、奥さんとお手合わせしたかっただけなんです。
449 :
ロンリー星人(青年):2005/09/19(月) 17:34:24 ID:Eorpm1dO
円盤から、ウルトラの母を金縛りにする超音波を放ってやる!それから、ぼくが、等身大で、ウルトラの母にいどんでやる。
死ね。連レスすんな
>>425 ハヌマーンのキャラクターだから仕方ないけど、
日本のウルトラワールドでは殺人はさせない方が
良いな。
何か危機一髪で泥棒を助ける方法を挿入すると、
より「タロウ」らしくなると思う。
>>451 いや、でも初期のタロウは一般人が結構むごいやり方で怪獣に
食い殺されてるし。コスモリキッドとかライブキングとかバードンとか。
それでも話が明るいのは凄い。
453 :
名無しより愛をこめて:2005/09/21(水) 10:15:29 ID:4dp8RAkn
ウルトラの母を地球に誘き寄せる方法ないかな!
454 :
名無しより愛をこめて:2005/09/21(水) 10:18:39 ID:4dp8RAkn
威嚇囮怪獣ギガンと金縛り音波を発する円盤を使ってウルトラの母捕獲作戦を実効したい!
455 :
どうするお前ら:2005/09/21(水) 20:01:28 ID:EgJqkUdU
「ZAT全滅!?隕石は生物だった!!」
「超獣・怨念の大逆襲」←前に出てたタイトルみて思いついた
「(番外編)もしもMacが全滅しなかったら?」
>>455 ZATの全滅だけは勘弁して…って「全滅!?」なのね。なるほど。
んーでも「超獣・怨念の大逆襲」にイピョーウ。ノシ
MACが全滅しなかったらのIFも興味深い。
最後にブラック指令の水晶球をMACの隊員みんなで奪う
459 :
名無しより愛をこめて:2005/09/23(金) 01:52:01 ID:85qpjadk
「超獣・怨念の大逆襲」
ヤプール人はAに敗れ、その後タロウにも敗れた。だが、その怨念は未だ消えておらず、いや、
それどころかどんどん増幅していた。タロウに円盤ごど吹っ飛ばされたヤプールであったが、
かろうじて生きていた。そして、宇宙に漂いながら最後の力を振り絞り、自らの怨念をベースに
超獣を作り出した。Aとタロウさえ倒せれば後はどうでもいい。超獣を誕生させると、ヤプールは
事切れた。超獣・キングドラスは早速地球へ向けて発進した。
一方、それをいち早く察知した男がいた。ウルトラマンAだ。彼はすぐさま超獣のもとへ急行した。
キングドラスはAの姿を確認するやいきなり怪光線を放った。躱すA。今度はAの番だとばかりに必殺
技メタリウム光線を叩き込んだ。キングドラスは一瞬ひるみはしたが、倒すことはできなかった。
ドラスは右腕からバラバの鞭のような鞭を出すとAを捕捉し、左腕に一撃を浴びせた。Aの腕が音を
たてて砕ける。Aはウルトラサインを出そうとしたが、その前にドラスの光線を食らい、力つきてしまった。
ドラスは再び地球へ向かった。残るタロウを倒すためである。
460 :
名無しより愛をこめて:2005/09/23(金) 02:38:08 ID:85qpjadk
そのころ地球では、丁度非番だった光太郎は、北島隊員とともに釣りに興じていた。
東「北島さん、本当にここは釣れるんですか?」
北島「東。釣りってのは忍耐と集中力が大切なんだ。・・・・ほらきた。・・・んっ、なかなか大きいぞ」
本日初の当たりである。そこへ本部から連絡が届く。
森山「怪獣が東京C地区に飛来しました。すぐに基地へ来てください」
北島「了解・・・あっ!!」
魚は一瞬の隙を突き逃げてしまった。
森山「北島さん、どうしたんですか?」
北島「あちゃ〜、せっかくの魚が逃げちまったよ。・・・・とにかくすぐ行く!!」
大急ぎで戻る光太郎たち。北島隊員は少し残念そうな顔だ。
大暴れするキングドラス。ZATの攻撃にもくじけず、ひたすら暴れ続ける。キングドラスの姿は
頭部がベロクロン、両腕はバラバ、体は巨大ヤプール、足はドラゴリーである。
その姿からZATもキングドラスの正体が超獣だと気づいたのだった。
南原「超獣?アストロモンスに食われちまったあれと同類ってことか」
荒垣「だが油断は禁物だ。今回の奴はオイルドリンカーとは訳が違うぞ」
怪光線が飛ぶ。荒垣、南原隊員の搭乗していたホエールに命中した。
たまらず脱出する両人。森山隊員のスワローと光太郎と北島隊員のコンドルがなおも
攻撃を続けるが一向に効果はなかった。
461 :
名無しより愛をこめて:2005/09/23(金) 03:06:11 ID:85qpjadk
ついに光太郎たちの乗るコンドルまでもが被弾してしまった。脱出した光太郎はタロウに変身する。
タロウの姿をとらえて攻撃にかかるキングドラス。タロウも応戦するが、タロウへの恨みに満ちた
この超獣の前に、次第に劣勢に立たされるタロウ。
「・・・・ここは、どこだ?」
キングドラスに敗れたAは北斗の姿に戻った状態で目を覚ました。どこかの一室のようだったが、
見覚えは無かった。が、何となく懐かしい感じがする部屋だ。
「星司さん」
北斗はその聞き覚えのある声がするほうを振り返った。そこには月の住人の姿をした南夕子がいた。
北斗「夕子!・・・てことは、ここは月かい?」
南「ええ。あなたは超獣と戦って、傷ついて月に落ちてきたの」
北斗「そうだったのか。で、超獣は!?」
南「それが、いま地球にいるの。タロウが必死に戦っているけど、多分このままじゃ・・・」
一室の画面に地球での戦いの様子が映し出される。
北斗「なんだって!?じゃあ、俺もすぐに・・・・・。!!」
南「その腕じゃ無茶よ!」
北斗「だが、このままではタロウが・・・!!俺は行くぞ」
北斗は変身しようとする。
南「まって星司さん!!」
呼び止める夕子。
北斗「止めるな、夕子。行かせてくれ」
夕子は北斗の左指のリングを外すし、自らの指にはめる。
南「どうしても行くというなら、私も一緒に行くわ。これなら左腕も大丈夫かもしれない」
北斗「だけど、俺、北斗星司は君と別れてからAと完全に融合したんだ。だから、
もう俺は俺一人で戦うしかないんだ」
南「私だってかつてはAに選ばれた一人。一か八か、やってみましょう」
二人の目が完全にあった。二人のリングが火を放った。
462 :
名無しより愛をこめて:2005/09/23(金) 03:32:06 ID:85qpjadk
絶体絶命のタロウ。そこへAがやってきた。怨念のキングドラス、Aが生きていたことを知り、
俄然殺気立つ。タロウ・Aのタッグ相手にも一歩も引かず応戦するキングドラス。
タロウ・Aがキングドラスめがけて飛び上がり、空中でタロウカッターとバーチカルギロチン
を放った。両腕が吹っ飛ぶキングドラス。そこへストリウム光線とメタリウム光線の同時射撃
が炸裂した。黒い光を放ち四散するキングドラス。ヤプールの怨念だった。
最後にタロウはAの腕にリライブ光線を当て、北斗の怪我を治した。
戦い終わって。光太郎はZATのメンバーたちとともに互いの無事を祝い合う。
そのころ月では・・・・
北斗「今回はありがとう。おかげで助かったよ」
かるく微笑む夕子。
北斗「また機会があれば来たいけれど、それまでタロウを見守っていてくれ」
南「ええ、もちろんよ」
北斗「タロウといい父さんといい、手間かけるけれど頼むよ」
南「はい、星司さん、これ」
リングが北斗に返された。
北斗「それじゃ俺はこれで」
Aに変身し、去って行く北斗。南はいつまでもそれを見送っていた。
463 :
名無しより愛をこめて:2005/09/28(水) 19:18:27 ID:Y+/77dac
保守
>>459-462 タロウが完全に脇に回っているけど、
客演ウルトラマンと共に強力合体怪獣と闘う、というシチュは燃えますね
夕子の出方も、「ウル父の愛人」みたいな扱いよりはずっといいかと(w
「甦る炎の拳」
自律要塞・トレスフォー、超科学参謀・トレス星人、迎撃怪獣・ファランク 登場
冒頭から、東京が壊滅状態になっていた。
最大幅800mの金属の塊が宇宙から飛来し、都心の建造物を根こそぎ押し潰して腰を据えていた。
MACは勿論航空部隊を放って迎撃したのだが、金属塊の外装はミサイルもレーザーも全く受け付けず、
悠々と侵入されたのである。
地球侵略を狙う邪悪な宇宙人、トレス星人の建造した移動要塞、トレスフォーであった。
兵士達が内部を行き来する中、司令官が語る。
「MACなど問題ではない。警戒すべきはウルトラマンレオだが、奴の得意は怪獣や巨大宇宙人に
対する圧倒的な格闘能力。わざわざ同じ土俵に上がる等下策」
そこで、守りに徹するための堅固な要塞を用意した。おおとりゲンはレオに変身してこの要塞に
対抗したが、パンチもキックも、虎の子のシューティングビームやエネルギー光球などの光線技も、
要塞の外装には通用しなかった。更に、迎撃のため、トレス星人は要塞内から自分達の用心棒怪獣、
ファランクを転送した。
レオはファランクに挑みかかったが、ファランクはレオを寸前まで引きつけ、口を開けて強力な
破壊光線を不意討ちで発射。空高く火柱が湧き上がり、その後には、レオの姿はかけらも見当たらなかった。
「最大の障害は排除した。最早恐れるものなどない、ははははは!」
MACや市民からも死傷者が続出し、各地の臨時の診療所に多くの怪我人が担ぎこまれる中、モロボシ・ダン
隊長は、不自由な足で杖を突きながらゲンを探していた。
(ゲン・・・レオ、何処へ行ってしまったのだ。お前はきっと未だ生きている。生きていなければ
ならんのだ! 地球を守れるのはお前しかいないのだ!)
だが、ゲンの姿は見えない。そうしているうち、MAC本部から召集が掛かった。今のダンはMACの
隊長である。ゲンのみにかまけているわけには行かない。隊員達に指揮を下さねばならないのだ。
本部での激務が一段落付き、憔悴しているダンの下に、高倉長官がやってきた。
「おおとり君は、見付からなかったのか」
「・・・・・・」
「こちらにも情報は入っていない。残念だが・・・覚悟をしておいたほうが」
「ゲンは生きています! あいつがそう簡単にやられるはずがありません!」
声を掛けかねる高倉の前から、ダンは去っていく。
ダンは、何時もゲンを特訓していた採石場に来た。ひょっとしてと思ったのだが、見渡してもやはり
ゲンの姿は見えなかった。
その代わり、別の人物が歩いてきた。
「ダン隊長! ・・・いえ」
(ウルトラセブン!)
突然、テレパシーに切り替えて脳内に語りかけてきたその男に、ダンは覚えがあった。
内田三郎。かつて、宇宙探検に向かい、アトランタ星人の攻撃によって殉職したはずの。その後、
アトランタ星人は三郎に偽装して地球に戻り、MACステーションの破壊工作を行おうとしたが、
レオとアストラによって阻止された。はずだったのだが、何故三郎が此処に・・・
「貴様・・・アトランタ星人か!? 性懲りもなく又攻めてきたのか!?」
「いや、待ってください! 誤解されるのは無理もありませんが・・・」
ダンを制止する三郎の背後に、半透明の宇宙人の姿が浮かび上がった。それは・・・
「・・・アストラ!? アストラなのか?」
「はい。地球の状況を聞いて馳せ参じました。この男の姿を借りて」
アストラはある程度情報を把握していたようで、意思の疎通はその後はスムースに進んだ。
レオの所在が掴めないことも。
アストラは、それでも消沈することはなかった。
「でもセブン。貴方は信じているのでしょう。兄が生きていることを」
「・・・それは」
「僕も信じています。レオ兄さんはきっと、地球を守るために直ぐ再び姿を現します。だから、それまでは
僕が戦います。セブン、いえ、ダン。貴方はMACの隊長として、東京奪回のために出来ることをしてください」
「アストラ・・・」
市民達が疎開し、死んだように静かになった廃墟の街に陣取るトレスフォー。
トレス星人は追い討ちを掛けるため、要塞から小型円盤を次々転送し、絨毯爆撃の輪を広げる用意を始めた。
それを阻止するため、ダン指揮下のマッキー3号大隊のみならず、高倉下の通常兵器部隊も展開し、
攻防が開始された。
一方、アストラも参戦。要塞を守っている怪獣ファランクと戦う。
不意を突いて破壊光線を吐いてくるのは判明しているので、慎重に間合いを取るが、ファランクは
突進して格闘攻撃も仕掛けてくる。回避できない速さではないが、踏み入って要塞に攻撃を仕掛けるには
聊か邪魔だった。千日手が続く。
「うるさいアストラめ・・・円盤部隊、援護しろ!」
円盤がアストラを包囲し、光線を撃ち込もうとしたとき。
円盤が、一斉に爆発した。
「・・・レオ兄さん!」
回し蹴りを放ったウルトラマンレオが、地響きを立てて着地し、アストラを庇った。
ダンと高倉も歓喜の表情を見せる。
大爆発によって一度瀕死の重傷を負ったレオだが、絶命する寸前、あの伝説の超人のやんごとなき
力によって、時間を超越した別空間に救い上げられていた。
伝説の超人、ウルトラマンキングは、キング再生光線によってレオの回復を行った後、力を取り戻した
ばかりのレオに、無敵の要塞トレスフォーを下すための教えを授けることにした。
ゲンの姿になったレオは、異空間の中の、空気が澄み切った美しい山野で、ボロボロの道着で精神と肉体の
修養に励んでいた。異空間の中では時間の経過は地球に比べて極端に遅くなっているが、止まっている
わけではない。ゲンがキングの教えた技を完成させられなければ、いずれにせよ敵を倒すことは出来ず、
地球は陥落する。
そして。
巨大な滝が水煙を上げる谷で、ゲンは、特訓の成果を試されることとなった。
キングの念力によって、遥か頭上に、ゲンの二回り、三回りほども巨大な、自然石が浮いている。
これより、ゲンの上にこの巨岩を落とす。ゲンはレオに変身してはならない。避けてもならない。
拳で岩を粉砕する。
レオリングを預かったキングの声が響く。
「今度は私ももう手は貸さない。失敗すればお前は死ぬ。地球も運命を共にし、滅ぶだろう。
判っておるな、レオ」
念力が途切れ、巨岩が落ちてくる。
その影が濃くなっていく中、ゲンは真上に向けた目を逸らさないまま、拳を腰だめに構え、叫んだ。
「一度取り落とした命です! もう、取り落としません!」
突き上げられた拳に、巨岩が木っ端微塵に粉砕された。
時間帯が戻る。
レオはアストラに顔を向け、アイサインのみで意図を伝える。
アストラも即座に了解。
レオはファランクをアストラに任せ、高く跳び、そして、トレスフォーの上に膝を付いて降り立った。
その程度の衝撃で破壊されるトレスフォーではないが、レオはそのまま動きを止め・・・否。
しゃがんだまま拳を腰に据え、闘気を貯めている。全身から真っ赤な炎のオーラが吹き上がっていく。
そんなレオの隙を突かせないため、アストラはファランクを牽制し、MACも円盤部隊を総力を挙げて
排除していく。
一瞬、風が止まった後。
レオは、裂帛のレオパンチに全ての力を込め、トレスフォーの下の地に向けて垂直に叩き込んだ。
ブラックホールレベルの高重力もものともしなかったはずの絶対無敵の要塞が、割れた。
皹は忽ち要塞全体に広がり、爆発が連鎖し、内部で逃げ惑う星人達が巻き込まれていく。
「馬鹿な・・・こんな馬鹿なああ!?」
絶叫しながら、トレス星人司令官は炎に焼き尽くされていった。
コントロールを失ったファランクは暴走し、アストラに突っ込み、死の光を蓄えたあぎとを開く。
その瞬間が、アストラの狙いだった。
瞬時にミクロレベルに縮小したアストラは、ファランクの口から体内に飛び込み、巨大化。
必殺のウルトラリダクションで、ファランクを跡形もなく破裂させた。
トレスフォーの大爆発寸前に跳び離れたレオは、勝利を納めた直後のアストラの前に再び降下。
見守るダン達MAC勢の前で、燃える大要塞の炎を背景に、熱い握手を交わした。
「おおとりさん!」
百子、トオルとカオル、大村、城南スポーツクラブの家族達の下へゲンは帰っていく。
再会の喜びの中、ゲンはふと空を見上げ、彼にしか見えない弟が又宇宙へと飛び去っていくのを、
微笑みながら見送っていた。
>>465-470 以前アストラ編を書かれた方でしょうか?
「レオ」の基本的なプロセスを上手く踏襲しつつ、娯楽としても見られる構成で
素晴らしいと思います。最後はベタですけど、やはり熱い展開でいいですね。
内田三郎を再び使ってやったりと、レオ愛に溢れているということがよくわかりました。GJです。
「獣の心」融合怪獣・バルモス 登場
「連続強盗殺人犯?」
MATでの仕事が一段落付き、坂田家に帰ってきてくつろいでいた郷秀樹は、新聞を読んでいた
健から、最近起こった事件について聞かされた。
健「ああ。逃走しながらもう何人も殺していて、犯人は未だ見付かっていないそうだ」
アキ「それ、回覧板でも触れてたわ。危険だから夜はなるべく出歩かないようにしてくださいって。
怖いわね」
次郎「大丈夫さ。強盗がどんな奴だって、郷さんなら一発でやっつけてくれるもんね」
アキ「ふふ、そうね」
郷「おいおい、勘弁してくれよ。それに、そういうのはMATじゃなくて警察の仕事だろ」
健「ははは、全くだ」
郷も、この時点ではそう思っていた。
夜、皆床につく時間になり、自分も自室でベッドに寝そべっていた郷は、気配を感じ、
起き上がって窓を開けた。夜景は群雲で薄暗い。
その雲間に、ウルトラセブンの姿が浮かび上がった。
セブンとテレパシーで通じ合える新マンである、郷にしか見えない。
セブンは、宇宙警備隊員として警告をしてきた。地球侵略を狙うインベーダー、デッド星人の工作員が、
宇宙警備隊の追跡を振り切り、地球に潜伏したという。しかも、密かに開発していた侵略用生物兵器として
試作された怪獣を保持しているらしい。
只、デッド星人は宇宙警備隊に追跡された際にセブンの攻撃を受け、既に手負いということらしい。
「早いうちに見付け出して始末したほうがいい。今のうちなら星人も大した反撃は出来ないだろう。
ぐずぐずしているうちに侵略用怪獣を投入されるのも厄介だ」
「判った。MATでのパトロール活動に乗じて探ってみる」
「頼んだぞ」
東京郊外の森林の奥まった場所に、小さな洞穴があった。
その中の薄闇に、獣のような呼吸の音が響く。
薄汚れた身なりの、眼光もまた獣のような、尋常でない雰囲気の中年の男・佐々木。
問題の、逃走中の強盗殺人犯である。この洞穴を隠れ家にしようとし、探るために入り込んだのだ。
そして、洞穴の中で、
「・・・なんだよ・・・こりゃあ?」
そうコメントするしかないものを見つけた。
怪獣ショーなんかで使うチャチな着ぐるみかと、最初は思った。だが、人が入っていたような
形跡がない。ファスナーもない。怪獣というより、宇宙人の様相のフォルムだが、ともかく明らかに
本物の生物の質感で、しかも腐りかけているのか、強烈な腐臭がする。
「うっぷ・・・こりゃたまらねえ。仕方ねえ、他の隠れ家を探すか・・・ひっ!?」
振り向いた佐々木は、短い悲鳴を上げた。
何時の間にか背後に、又別の、等身大の怪獣としか見えないものが立っていた。転がっている死体に
比べ、こちらは如何にも怪獣。赤や緑のまだらの悪趣味な配色で、前に突き出した頭は大きな耳に
不細工な駄犬のような顔で、牙が並んだ口でせわしなく呼吸し、生臭い匂い。闇にらんらんと光る目。
「な、何だ手前は!? 妙な真似すると只じゃ・・・」
ナイフを取り出し、突き付けて虚勢を張って脅すが、怪獣はそのまま突っ立っていて、襲ってくる
様子はない。
「・・・?」
数日後。
MATも、妙な匂いがするという通報を切っ掛けに洞穴に辿り着き、異形の死体を発見した。
分析の結果、明らかに地球上の生物ではないと判明し、更に調査が続行されるが、郷のみが、
セブンから報せられた情報から、デッド星人の死体であることに気付いていた。無論口には出さない。
恐らく、地球侵略を始める前にセブンに負わされた手傷により、生き延びることが出来なかったのだろうと
推測したが、では、星人が持って来た生物兵器とやらは何処へ行ったのか。洞穴には、それらしい形跡は
なかった。佐々木もいなくなっていたことも、郷は元より他のMATの面々も気付かなかった。
怪獣・宇宙人関連の事件の調査であって、人間の犯罪者の捜査ではなかったから、初めから眼中になかった。
郷は独り生物兵器の所在について懸念していたのだが、それは最悪の形で判明することになる。
更に日が経過した後。
市民が夜な夜な通り魔に襲われ、次々死者が出るという事態が発生。間接的に離れた場所から目撃した
市民の証言によると、素早く逃げ去る通り魔は人間の姿をしておらず、直立した醜い猛獣にしか
見えなかったという点で共通していた。しかし、殺された被害者からは金品の類が奪われている。
岸田「被害者の死体はひどい有様で、確かに猛獣に襲われたとしか思えない損壊ぶりだ」
南「しかし、猛獣が金品を盗んでどうするのかね?」
聞いている郷は、更にセブンの情報を思い出していた。
デッド星人の作り上げた生物兵器は、邪悪な意思を持つ者のその意思に反応し、反応した相手と融合して
一体になることで邪悪な意思そのものをエネルギーとする機能を持つという。
(ということは・・・別の邪悪な何者かが生物兵器をデッド星人に代わって手に入れ、それと一体化して
動かしている・・・?)
考えていたとき、作戦室に警報が鳴った。
丘「問題の通り魔と思われる怪物が、都内に表れました!」
ビハイクルでMATが駆け付けた現場では、等身大の異様な化け物が、人間の下種な笑いのような鳴き声を
上げ、市街の真ん中で暴れ回って人々を襲っていた。左手が大きなナイフのような刃物になっていて、
既にそれで殺害されたり傷つけられたりした市民が路上に転がっている。
上野「白昼堂々かよ!」
伊吹隊長「攻撃開始!」
MAT一同、一斉にマットシュートで撃つが、化け物はものともしていない。
それどころか、哄笑と共に巨大化した。
郷はウルトラマンの超感覚で感じ取った。ノコギリンの時のように、攻撃のエネルギーを吸収して
巨大化したのではない。エネルギーは怪獣の内部で発生し、充填された。
地上から攻撃を続けるMATだが、降り注ぐ建造物の瓦礫の中、劣勢になっていく。
MATや街を守るため、郷は目を盗んで物陰に隠れ、腕を掲げてウルトラの光を体から放った。
帰ってきたウルトラマンがビル街にそそり立つ。
怪獣と対面した新マンは、眼光を放って敵の体内を透視。
はたして、神経中枢に、その細胞組織と融合している、等身大の人間がいた。
つい最近テレビのニュースで見て、郷もおぼろげに覚えている何とか言う強盗殺人犯が、げらげら笑っている。
(お前は何だ?)
テレパシーを送ってみる。
(ああ? 何だ? 誰が何処で喋ってやがる・・・)
思念が帰ってくる。凶悪犯はテレパシーなど使えないので怪獣の体内で口で叫んだのだが、外には聞こえない。
しかし、新マンが心の声を感じ取るのに支障はない。やがて、男は新マンを見て、
(まさか・・・手前が話し掛けてやがるのか!? 手前こそ誰だ!?)
(誰でもいい。お前は何故そんな怪物と一体化している?)
(知らねえよ。適当に拾ったんだよ。いきなりこんな姿の奴と出会って最初は驚いたが、別に俺を襲って
くるわけでもねえ。それどころか、こんな便利な使い道があることが判ったんだ)
男はけだものそのものの目でにやけた。
(いいぜ、こいつはよ。全て俺の思い通りに動く。俺の気分一つで気に入らねえ奴らを幾らでも殺し、
たっぷり金を奪い取ることができるんだ)
(・・・・・・・・・)
(最高だぜ、ぎゃははははは!!)
言っている間も腕を振り回してビルを崩し、瓦礫からMATや人々が逃げ回る。既に死体となった人々は
逃げられないので潰されて埋もれていくしかない。
(手前も邪魔するんなら、こいつでぶっ殺してやる!)
凶悪犯・佐々木は、逃走の際に殺した警官から奪った拳銃も持っていた。佐々木の要望に応じ、
右手も変形し、拳銃そのものの形になり、新マンを狙って弾丸を撃ってくる。何発も。新マンが避けると
流れ弾で更に街が壊れる。
(ほれほれ! さっさと死んじまえ、ははははは!)
新マンの心が、佐々木の醜い心に曝される。地上で倒れて死んでいる人々が、視界の脇に映り続ける。
このままでは際限なく街は壊される。MATも市民も危ない・・・
いや、それ以前に。
新マン=郷の激昂が、不快な心の声を聞き続けて、最高潮に達した。
しゃこん、という音が響いた。
両手でスライスハンドを閃かせた新マンが、怪獣と擦れ違った。
(・・・え?)
佐々木は、斬り飛ばされて落ちていく、凶器に変形した怪獣の両腕を見た。
同時に、怪獣と感覚が同調している佐々木の両腕に激痛が走り、鮮血が噴出した。
(ぎゃああああああッ!?)
もがく怪獣。
(痛ぇ! 痛ぇ! 痛ぇーッ!)
郷の頭は怒りに満ちながら、同時に異様に冷めていた。佐々木がその邪悪なイメージで怪獣に新しい
武器を与える前に、両手を合わせて伸ばし、ウルトラフロストを放つ。冷気で怪獣の全身に霜が張って
凍え、動けなくなっていく。
動きを封じたところで接近し、殴る。蹴る。
佐々木の悲鳴が脳内に際限なく響いてくるが、構わず、殴る。蹴る。殴る。蹴る。殴る。蹴る。
ウルトラマンの筋力で。
他のウルトラ戦士なら、佐々木と怪獣を分離できる能力を持った者もいただろうが、生憎新マンには
その類の超能力はない。そして、多くの無辜の人々を殺し傷付けた佐々木に対し、自発的にそんな情けを
与える気もかけらもない。
佐々木が人間のレベルの範囲内に留まっていたなら、人間のレベルで裁きを受けることも可能だったろう。
だが、佐々木は己の欲のために人間のレベルから逸脱し、巨大な怪獣となって人々を蹂躙した。
自分の意思で。
だから、新マンも相応の対応をした。
カラータイマーが点滅を始めるまで、新マンは怪獣を殴り蹴った。凍った怪獣は罅割れて地に倒れ、
中の佐々木ももう生命活動を停止していたが、更に、スペシウム光線で木っ端微塵に爆破した。
(・・・ウルトラマン)
燃える炎を見詰める巨人。
(お前が俺を選んだのは正しかったのか? 俺はお前の言うような、真の勇気を持った人間なのか?)
返事はない。
何処まで自分とウルトラマンが混ざり合って一つの存在になってしまっているのか、郷にも
判らなかった。
人間に戻り、MAT隊員として任務の場に戻り、事後処理を済ませた郷は、何時も通りに坂田家に戻り、
疲労感に満ちながら、早めに床についた。
テレビからは、件の強盗殺人犯が一向に発見されず、事件は迷宮入りの様相を見せているという
ニュースが流れていたが、もう郷には聞こえていなかった。
新マンです。
すんません。原体験での新マン、特に例の11月頃というと、どうもこういう感じで。
次は明るい話を書きますので許してください。
481 :
名無しより愛をこめて:2005/10/09(日) 10:08:43 ID:OrBmYNr5
ウルトラの母の話作れ〜〜!
>>480 真面目な書き方がいいですね。良かったです。主人公とウルトラマンがどこまで同化しているのか?
ファンとしては、気になるところですよね!
「11月〜」風としては、懸命説得→改心→分離しかし直後に警官隊に射殺…てのもアリかな?
おお、その手があったか! そのほうが突き落とされるショックでかいか。
えー、書いてる側としてちょっとアンケートしたいんですが、
皆、タロウの全53話でどの話が好きですか? 今後の参考にしたいので。
宜しければご回答お願いします。
当然、ライブキングとバードンがでてくる回、ウルトラの母がでてくるから。
>>485 「天国と地獄島が動いた!」
「牙の十字架は怪獣の墓場だ!」
「怪獣の虫歯が痛い!」
「ウルトラのクリスマスツリー」
「歌え!怪獣ビッグマッチ」
南原隊員とか北島隊員が面白おかしいのが好きなのでとりあえずここら辺
をあげさせてください。
保守age
>>485 「血を吸う花は少女の精」
「必殺!タロウ怒りの一撃!」
タロウが普段明るい話で楽しませてもらっているゆえタロウにはめずらしい重い話が結構好き。
「赤い靴はいてた・・・」も最後にドルズ星人をぶっ飛ばしてくれたら文句なしの名作だったんだが。