ピラニーアの前に委員長であるメガネをかけて七三分けのステロタイプの秀才みたいな青年が出てくる。
と言っても自主的に着たのではない。周りに突き飛ばされるかのようにやってきたのだ。
「お、僕が・・・いや、僕たちが悪かった!いじめのことはみんなで謝るし、もう二度としない。しかし君は先生を
殺してしまっているから、その罪を君は償わなくてはならない・・・」
「五月蝿い」
その一言と共に。彼の急所にピラニーアは蹴りを入れる。ただしただの急所蹴りではない。肉体を強化された者の
蹴りだ。そのまま急所を潰すだけでなく、蹴りは肋骨で止まるまで貫通した。
「うーん、力加減が弱すぎたわね。もっと力を入れてれば真っ二つにできたのに・・・」
残念そうな顔をしながら、次の標的を定める。目に入ったのは今殺した委員長の近くにいた彼の友人・・・というより
取り巻きのリーダー。
「次はあなたで試すわね。それ!」
委員長と同様に急所に蹴りを入れる。今度は肋骨すら貫通し、さらには頭を潰した。彼の体は曲がりなりにも真っ二つ
となった。
「やったわね。ふふん、ざまあみなさい。つぎは〜あなたたち。二人同時にいってみましょう」
いじめグループの主犯格である羽村のとりまき。太った女子とやせた女子。どちらにしても陰険さが滲み出ている。
「ご、ごめんなさい!」
「あたしたちが悪かったです!なぎさ様!」
「なぎさ?違うって言ったでしょ。今の私はレディーピラニーア。二人には罰ゲームとしてキスしあいなさい。
とろけそうなディープキスを!」
「「えっ?」」
戸惑う二人。ピラニーアはため息を出すが、その次に出たのは悪魔のような微笑だった。
「なら私が手伝ってあげるわ。二人にらめっこして・・・」
二人をにらみ合わせる。そしてそれぞれの後頭部を掴み・・・
「はい、ディープキスー!」
顔面をぶつける。その衝撃で、二人のあたまは粉々に砕けた。
「ハハハハハ!弱すぎ!この程度で死んじゃうの?他の連中もそうだけど、みんな弱すぎ。お笑いね」
この惨状に声が出ず、動けなくなる生徒が続出。ピラニーアにとっては願ってもないチャンスだった。
次々とクラスメートたちを惨殺するピラニーア。ある者は五体をバラバラに、ある者はミンチ状に、ある者は
そのまま心臓を貫かれたりと、様々な殺され方をした。唯一つわかることはその酷さの度合いはその者から
かつてどれだけの仕打ちを受けたかというのは一目瞭然だった。
本能のままかのように殺戮を繰り返し、気づけば残り二人、ピラニーアの眼に入ったのは、若干背の高いショートカットの少女、
坂倉仁美。よく見るとスカートとパンティーが濡れており、惨状で失禁してるのは見て取れた。
「た、たすけて・・・私だけは助けて・・・いつも見えないところで助けてあげたじゃない・・・ね?」
彼女の言っていることに嘘はない。彼女は人間だった頃のピラニーア・・・つまりなぎさを陰で助けていたことが幾度もあった。
人格こそ変わっても、変化以前の記憶はあるピラニーアは彼女を殺すのはためらった。
「そうよね。しっかり覚えているわ。あなた、私が人間だった頃、助けてくれたわよねえ・・・いいわ。あんただけ見逃してあげる。
ただし、私の忠実なる下僕としてだけど」
「え?あ、ああああ!・・・うむっ!」
ピラニーアは怯える彼女にキスをした。ひとみは血の味を感じたのも束の間、唾液をピラニーアに注がれてることを感じた。
その味はこの世のどんなものより甘ったるい味がした。
「い、いや!」
危機感を感じた仁美は力いっぱいピラニーアを弾き飛ばす。彼女は女子空手部の期待の星と言われてるし、ピラニーア自体
そんなに力を入れてなかったのか意外にも飛んでいった。
「人間の体のままなのに、いい戦闘能力ね・・・私直属の部下にするにはぴったりだわ」
「ぶ、部下って!?」
「体が教えてくれるわ。よーく見て御覧なさいよ、あなたの手を」
「手?・・・ああああ!」
仁美の体・・・首より下が赤く、手先からが黒く染まってきている。BIOのL3・4ソルジャーには
体内に細胞変化薬を生成する器官が作られる。その器官で薬を作り、体液に混ぜることにより
L1・2ソルジャーを簡易的に作ることが可能なのだ。今回の赤い色はL2のものである。
仁美が変化に戸惑っている間に、またピラニーアは彼女にキスをし、変化のスピードを促す。
さらにパンティーを剥ぎ取り、彼女の秘所をいじくる
「あ、あああああ!き、気持ちいい!もっとやってぇ!!」
「ふふふ、あなたにもこの良さがわかるみたいね。もうこんな邪魔なもの取っちゃいなさいな」
と言ってピラニーアはひとみの制服を下着ごと剥ぎ取った。その下はまるでを着ているかのように
真っ赤に染まっていた。
また、靴下と上履きを突き破った足は黒いハイヒールのブーツ状になってるし、腕は同じく黒い
ロングスリーブのブローブになっていた。
「最後の変化が来るわね。おもいっきりいっちゃいなさい。私のかわいい操り人形、ヒトミ・・・」
「あん!あん!ああああああああああっ!!!」
絶頂と共に瞳から輝きが消えて虚ろになり、目には切れ長の目に見えるような赤いアイシャドー状の
模様と、肌は陶磁器のように美しいほどに白くなり、唇も真っ赤に妖しく染まっていた。
そして最後に残ったのは羽村だった。恐怖から足がすくんで動けず、ひとみ同様失禁していた。
「わ、わたしも・・・助けてよ、仁美みたいに・・・ね?なんでもする!なんでもするから!」
「黙れ!」
ピラニーアは羽村の右目を爪をもって潰した。
「!」
「こんな状況でもまだいい気になって・・・友達が、クラスメートがこれだけ殺されてるのに
自分だけ命乞い?醜い!実に醜いわね!」
「仁美だって命乞い・・・」
言いかけるものの、今度は両耳たぶを引きちぎられた。それで言おうとしたことはストップする
「好きな子を助けちゃいけないかしら?あら、何か臭ってきたわね・・・」
羽村を中心に悪臭が立ち込める。あまりにもの激痛で脱糞したのだ。
「ふふふふ、良家のお嬢様がはしたない事・・・でも、いいザマね。あえて言っておくわよ。ただ闇雲に
殺してたわけじゃないの。最後の前に仁美が、そして最後にあんたが来るように殺してたのよ!」
「ひっ!」
残ってる力で、教室から逃げようとする羽村。しかし、すぐに右膝をピラニーアに踏み潰された。
「ぎゃっ!」
スジ一本でつながっている羽村の右脛。それを無慈悲にピラニーアはブチッっと引き離した。
「!!!!!」
とてつもないほどの激痛が走る。またしても股下から生暖かい液体が流れ出た。それを横目に
ピラニーアは彼女の右脛をむさぼっていた。
「さすがにお嬢様だけあっていいもの食べてるわね。体のほうもなかなかの珍味だわ」
「く、狂ってる・・・こ、この悪魔!」
搾り出すかのような声でピラニーアを羽村は糾弾する。それをピラニーアは鼻で笑う。
「はっ!笑わせないでよ!悪魔だって!?それはあんたの方じゃない!?個人のエゴでなんの落ち度も無い私を
幾度となく追い詰めておいて・・・他人を悪魔呼ばわりする立場だと思わないでよね!」
「!!!!!!」
そう言って、羽村の右腕をねじ切った。更なる激痛が彼女を襲う。そしてまたしてもそれをピラニーアはむさぼる。
「あと狂ってるって言ったわよね?誰のせいでこうなったと思ってるの!?私が狂ったのはあんたの仕業よ!自業自得!
他の連中もね!」
さらに両乳房をもぎ取る。衣服・下着に相応する部分を剥ぎ取りしげしげと見つめる。そしてまた鼻で笑った。
「ふん!偉そうにしてたわりには品がなくて貧相なおっぱいね・・・こんなもの・・・食べる価値もないわね」
両乳房を羽村の前で握りつぶした。そしてミンチ状になった乳房を羽村の口に無理やり突っ込んだ。
「この私がごちそうしてあげるわ!食べやすくなったでしょ!?あんたのおっぱいよ、まさか食べられないとかいわないわよね!?」
のどの奥に指が引っかかり、羽村は吐き気を催した。その場で乳房も今朝の朝食だったものも昨夜の夕食だったものも、
また爪で喉をひっかけられて血も床一面にぶちまけた。
「なにやってのよ!?汚いわね!!」
ピラニーアは腹に蹴りを思いっきりお見舞いした。失神こそしないものの、脳が揺さぶられたような感じになる。そんな状況で
ありながらも彼女はなにかぶつぶつつぶやくようになった。
「・・・・・・・・・・コロシテ」
「はあ!?聞こえないわよ!」
「殺して・・・」
「へえ?」
「殺してください!もう殺してください!もう十分じゃないですか!もうこれ以上痛いのは嫌です!」
「ふふふふふ・・・おばかさんねえ」
「?」
「ちゃんと栄養、頭に届いてるのかしら?あんたのような人間、そう易々と殺すと思って!?
あんたは基地に連れて帰って、死ぬよりも辛い実験動物にするのよ」
「ひっ!」
「地上生物の頂点に君臨する我々の礎となるのよ。ありがたく思いなさいな。まあそれでも
死ねばゴミ同然に捨てられる運命なんだけど。うふふふふふふ」
「ひぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!」
残った羽村の手足をもぎ取ったピラニーアは彼女を気絶させて机の上に放置した。
「ヒトミ!この学校の生徒、使えそうな若くてきれいな子は戦闘員・・・つまりあんたの部下にして
あげるから捕まえてきなさい。あなたの運動能力ならこの程度楽でしょう。
残りのゴミはゴミで始末しなさい!私はこいつらをいただくことにするわ。」
「イエッサー!!」
教室からヒトミが飛び出す。その直後、隣のクラスから悲鳴が聞こえてきた。しかしこんな惨状でも
警察は絶対来ない。すでにBIOが寝まわしているからだ。
そして東城高校で生徒・職員の惨殺及び行方不明事件が報じられるのはこの日の夕方のことであった。
その頃にはピラニーアのために作られていたアジトでは彼女とヒトミ、そしてかつて東城高校の女生徒で
あったL1ソルジャーたちが世界制圧のための作戦を着々と進められていることは誰も知る由もなかった。
−完−