おにゃのこが改造されるシーン 3スレ目

このエントリーをはてなブックマークに追加
154SM
「はあ・・・」
私はため息をついてデスクの上に持っていたファイルを放り出した。
パソコンの画面に表示されたデータも、ファイルに綴じられたデータも信じられない物ばかり。
これが事実ならば私の研究なんて児戯にも等しいだろう。
「どうなんですか? 先輩。何かわかりましたか?」
部屋の隅の方で今まで黙って私を見つめていた三倉由梨乃が口を開く。
「わかるも何も、いったいこれは何なの? まるで人間の遺伝子に何か別のものを混ぜてぐちゃぐちゃにしたみたいじゃない」
私はそう言って首を振った。
警察に務めている由梨乃からサンプルを預かったのは二週間前。
グロテスクな肉片はところどころ溶けていて、元が何だったのか想像も付かないものだった。
ある事件の証拠品ということだったが、どうやら由梨乃は上司にも内緒で持ち込んできたらしく、警察からの正式な依頼ではないらしい。
西城医大で遺伝子を学んでいる私の元へ持ち込んだのも、高校の時の先輩後輩という間柄だったからだろう。
155SM:05/02/02 23:21:05 ID:AJP2/so5
「これが何なのか・・・と言われると、私にも困るんですが。今、この町に何かが起こっているのは確かなんです」
「何かって・・・あの人食い細菌とか?」
人食い細菌とは最近巷を騒がせている謎の伝染病のことだ。
幸い感染力は弱いのだが、一旦感染すると細胞が破壊され腐るように溶けてしまったりする恐ろしい病気である。
つい先日その細菌を研究していた浅芝教授は謎の死を遂げ家は全焼。奥さんと娘さんは行方知れずということらしい。
「はい・・・あれもその一つだろうということでした」
由梨乃の歯切れが悪いのは確証が掴めていないということなのだろうが、いったいどういうことなのだろう。
「その一つってまるでいくつもの事件が起こっているみたいじゃない? 何が起こっているの?」
「それは・・・先輩、それは訊かずにそのサンプルの分析結果だけ教えてくれませんか?」
「ずいぶん都合がいいじゃない? これが何なのかぐらい教えてもらいたいものだけど」
ちょっと意地悪かもしれないが、私はこれが何なのかを知りたかった。
この肉片は只者じゃない。
人間の遺伝子と何か・・・そう昆虫の遺伝子のようなものが混ざり合っていて、しかもそれがきちんと活動できていたようなのだ。
私の知る限りこんな生物は地球上に存在しない。
まるでファンタジーに出てくるキメラのような合成生物・・・
「何かのいたずらとも思えないしね・・・出来がよすぎるわ」
私はメガネを指で直し、口ごもっている由梨乃を見つめる。
困ったような表情の由梨乃は高校時代と変わらなく見えた。
「・・・わかりました。ですが、これからお話しすることについては、絶対他言無用に願いますね」
「ええ、わかっているわ」
私はうなずいて了承した。
156SM:05/02/02 23:22:03 ID:AJP2/so5
「実は・・・最近の事件の背後にはグロンと呼ばれる組織が関わっているようなのです」
「グロン?」
聞いたことの無い名前だわ。マフィアとか言うのと同じなのかしら。
「はい、私たち警察でも何も、その存在さえもが知られていない謎の組織です」
「存在さえも?」
「そうです。警察庁や警視庁。そのほか防衛庁などにも問い合わせましたが、グロンなどという組織は聞いたことが無いと・・・」
由梨乃が言うからには間違いは無いのだろうけど・・・そんな組織が存在するものかしら?
「で? そのグロンだかゲロンだかがこの肉片の持ち主だと?」
「瑞穂先輩には信じられないでしょうけど、その肉片は以前は人間だったらしいんです」
「ええっ?」
私は思わず声を上げた。
確かに人間の遺伝子は含まれているようだけど、別の遺伝子を組み込まれたというの?
「グロンは人間を改造して別の生物と合成し、改造人間にして操るというのです。このサンプルは改造されてゴキブリと合成された女性のものなんです」
「そんなことが・・・」
できるというの?
いったいどうやってそんなことが・・・
ううん・・・そんなことができるわけが・・・
もし万が一できたって・・・許されるはずが・・・
「グロンならできるらしいんです。私も彼に聞くまでは・・・」
「彼?」
私が聞き返したら由梨乃は慌てて口を押さえた。
「あ、いえ・・・」
「こらぁ、そこまで言ったんなら言っちゃいなさいよね」
私は由梨乃を問い詰める。
157SM:05/02/02 23:23:02 ID:AJP2/so5
「あうう・・・実はグロンのことはその彼から聞いたんです。グロンのことを知り、ただ一人で戦っているんですよ」
「ただ一人で?」
「ええ、研究者だった父親がグロンの接触を受けたことがあったらしくて、将来グロンの脅威が増大する時に備えて強化スーツを開発していたらしいんです」
由梨乃の目が輝き始める。
「強化スーツ?」
「はい、きちんと見せてもらったことはありませんけど、グロンの改造人間にも立ち向かえるスーツとか・・・」
「改造人間ってそんなにすごいの?」
確かに人間に他の生物の能力を移植すれば、それなりの強さにはなるだろうけど・・・
「すごいらしいです。戦車なんかじゃ歯が立たないってくらい・・・」
「嘘・・・」
私は驚いた。そんなにすごいとは。
「それで彼の父親と研究所はグロンに破壊されちゃったんですけど・・・その時に破壊しに来たのが研究所で働いていた女の人が改造された改造人間だったらしくて・・・」
「それって・・・もしかして、静浜研究所のこと?」
「ああ、やっぱりわかりますよね・・・」
驚いた・・・まさか静浜研究所の火災がそのグロンとかいう組織の仕業だなんて・・・
「すると静浜博士の息子さんがグロンとやらと戦っているというの?」
「そうなんです。博士の息子の静浜健太さんがその強化スーツを着て戦っているんです」
由梨乃の言葉は力強い。
158SM:05/02/02 23:24:04 ID:AJP2/so5
なぞの組織に立ち向かう孤独なヒーローといったものに共感しているのだろう。
この娘は昔から正義という言葉にあこがれ、正義を行なうために警官になったのだから。
「だから・・・私は少しでも彼のお役に立てるならと思って・・・」
「ふうん・・・あんた、その彼に惚れたね?」
「ば、ば、ば、馬鹿なことを言わないで下さい! 誰が、あんなやつ・・・」
顔を赤くして言葉尻が小さくなっていちゃ丸わかりじゃないの。
まあ、由梨乃はあんまり男に免疫がなかったから仕方ないかもしれないけどね。
「そ、それよりも瑞穂先輩、その遺伝子を分離するってできるんですか?」
「はあ?」
私は思わず訊き返してしまった。
「グロンに改造された人間を元に戻すことができるかなって思って・・・」
「無理よ、そんなの」
できるはずがない。ここまで見事に一つの生物となっている以上、分離したら死んでしまう。
「そうですか・・・やっぱりそうですよね。わかりました」
「でも、これが本当に人間と別の生物を合成したものだというの?」
「そうみたいです」
「信じられないわ・・・」
そう、とても信じられることではない。
そんなことができるはずがない・・・
「分析結果をいただけますか? これで上の連中も少しはグロンのことを信じるでしょうから」
「それはどうかしらね・・・分析した私だってまだ信じられないもの・・・なんとも言えないわよ」
私は分析結果を綴じたファイルを由梨乃に渡す。
「そうかもしれません・・・でも、少しでも彼の手伝いができれば・・・」
ファイルを受け取り由梨乃は立ち上がる。その表情には決意が伺えた。
「はいはい。ノロケはそれぐらいにね。こっちは一人身なんだから」
私はポットを引き寄せてコーヒーを注ぎ、ミルクを入れる。
「せ、先輩、違うって言ってるでしょ」
「いいからいいから。その彼と一緒にグロンとやらを退治しておくれ。私ができることならば手伝うからさ」
真っ赤になる由梨乃を横目に私はコーヒーを飲んだ。
159SM:05/02/02 23:25:05 ID:AJP2/so5
「ふう、寒・・・」
駐車スペースに車を止めて私はマンションの玄関へ向かう。
夜空には満天の星。
綺麗だが、寒いことこの上ない。
もうすぐクリスマスか・・・
町は華やいで浮かれているっていうのにわたしは研究室で遺伝子とにらめっこ・・・
色気も欠片もあったもんじゃないわね。
私は苦笑して玄関をくぐろうとした。
「お帰りなさい。片桐瑞穂さん」
不意に声をかけられて私は驚いた。
しかもその声は幼さを感じさせている。
「だ、誰?」
私が振り向くとそこには奇妙な姿をした少女? が立っていた。
全身が黒く、それでいてお腹の部分だけが緑色をして二列に並んだ突起がうねうねと動いている。
まるで芋虫の脚のよう。
額にはこれも触覚のような突起。
背中側には黒く鋭い針のような毛がびっしりと生えているよう。
まさしく少女が毛虫と一体化したような姿だった。
「あ、あなたはいったい?」
私の脳裏にある単語が思い浮かぶ。
「グロン・・・」
「はわぁ・・・お姉さんってあたしたちのこと知っているんだぁ。そうだよ。あたしは地獄軍団グロンの毒毛虫女なの」
無邪気な笑みを浮かべる少女。いや、毒毛虫女なのか。
「お姉さんっていろいろと難しい研究をしているんでしょ? あたしたちのところで研究して欲しいってナイトナイト様がお呼びだよ」
160SM:05/02/02 23:26:06 ID:AJP2/so5
「ナイトナイト?」
私が気が付くと少女の周りには全身を黒いタイツで固めた男女が数人立っている。
「そう、あたしたちの司令官でナイトナイト様って言うんだよ」
「グロンの司令官ってわけね。断るって言ったら?」
少女の目が鋭くなる。
「死んじゃうよ」
少女は背中から針のような毛をスッと抜いた。
やばい・・・
これはやばいなぁ・・・
どうする・・・
このまま玄関に入るのは無理そうだし・・・
大声をあげても誰も近くには居ないみたいだし・・・
「おとなしく来てくれれば何もしないよ。ナイトナイト様からも連れて来いって言われているだけだから」
少女、いや毒毛虫女は二本の指で針を挟み、いつでも投げられるように身構えている。
「わ、わかったわ」
私はおとなしくすることにした。
どの道逃げられそうにないし、この毛虫と少女が一体になった生物にも興味がある。
グロンというのがどんな技術を持っているのかに私は惹かれていたのだ。
「はわぁ・・・よかったですぅ。お前たち、このお姉さんをお連れしなさい」
「ギギッ」
黒尽くめの連中が私の腕を掴む。
「な、何を・・・」
私がもがこうとした途端、ガスのようなものを吹きかけられて私は意識を失っていた。
161SM:05/02/02 23:27:10 ID:AJP2/so5
覚醒してくる意識。
起きなきゃ・・・
仕事に行かなきゃ・・・
私はベッドの上で目を覚まし・・・??
こ、ここはどこ?
「ギギッ。目が覚めたようね」
上半身を起こした私を黒尽くめの全身タイツの女が見つめていた。
「趣味悪いわね。ずっと寝顔を見られていたのかしら?」
私はメガネをかけなおし、服装を整える。
「ギギッ。くだらないわ。人間がどう寝ようとわれらには関係がない」
無機質な声が不気味に感じる。
「そう。あなたも改造されたのかしら?」
「ギギッ。無用の詮索だわ。おとなしくついて来るのよ」
「はいはい。わかったわ」
私は肩をすくめると彼女のあとに従った。
寝起きで髪も乱れているけれど、それを言っても相手にはされないだろう。
162SM:05/02/02 23:28:14 ID:AJP2/so5
部屋を出た廊下はひんやりとしていた。
薄暗い通路を私は黒タイツの女の後についていく。
考えてみれば奇妙な光景だろう。
小さい子向けの特撮番組のようだ。
やがて私たちは扉の一つに行き当たる。
「ギギッ。入りなさい」
「はいはい」
逆らっても無駄だろうし、私はおとなしく部屋に入る。
そこには部屋の中央に椅子が設えられていて、周囲を何かよくわからない機械が取り巻いていた。
椅子には美容院で使われるドライヤーのようなものが付いていて、座ったものにかぶせるようになっている。
「あわぁ・・・お姉さん目が覚めたんですね? よかったですぅ。ずっと眠ったままだから戦闘員が殺しちゃったのかと思っちゃいましたぁ」
部屋にはあの毛虫少女がいて、トテトテとやってくる。何となく可愛い。
そのほかにはさっきの黒尽くめと同じような姿だが色が白いのが二人ほど。
そしてどこかの洋館の玄関先にでも立っていそうな西洋の甲冑が一つ。
西洋の甲冑?
なんというミスマッチだろう。組織の偉いさんの趣味なのかな?
「お姉さんお姉さん、紹介するね。我が地獄軍団グロンの極東担当司令官のナイトナイト様だよ」
毛虫ちゃんがそばに来て私の袖を引く。
「あ、ちょっと・・・」
私は苦笑しながらついていくと彼女はその甲冑の前に私を引っ張っていった。
「我が地獄軍団グロンのアジトへようこそ。片桐瑞穂よ」
「へ?」
私はおそらく目が点になっていたのじゃないだろうか。置物とばかり思っていた甲冑が突然しゃべったのだから。
163SM:05/02/02 23:30:03 ID:AJP2/so5
「われはグロンの幹部にして夜の騎士、ナイトナイトである」
「あ、はい。初めまして。よろしくお願いいたします・・・」
は? へ?
何でこんな挨拶してんだろ私。相手は私を誘拐した犯人グループの偉いさんだよ。
私は思わず苦笑した。
「あたしは毒毛虫女よ。よろしくね」
私のそばで私を見上げている毛虫少女。
なんだか変な気分だわ。
「お姉さんにはこれからグロンの一員になってもらうの。お姉さんならきっとグロンの優秀な科学者になれるよ」
「私をグロンの科学者に?」
私はもしかしてスカウトされたということ?
「うむ。お前が寝ている間に適性を調べさせてもらった。お前は優秀な頭脳の持ち主だからな。我がグロンの一員となってもらおう」
「ち、ちょっと・・・勝手に決めないでくれる。私は西城医大に籍があるんですからね」
私は両手と首を振って否定する。こんな胡散臭いところは願い下げだよ。
「ふむ・・・医大でお前が望むようなことができるのかな?」
「えっ?」
「医大レベルの遺伝子研究で満足できるのかな?」
「そ、それは・・・」
私は言葉に詰まった。
164SM:05/02/02 23:31:02 ID:AJP2/so5
あの肉片・・・
あの肉片の遺伝子の美しさは私には魅力的だった。
「ナイトナイト様ぁ。お姉さんに一度お勉強してもらえばいいんじゃないですかぁ? きっとお姉さんも我がグロンのすばらしさをわかってくれると思いますぅ」
「そうだな。我がグロンの技術の一端を自分自身で感じてもらおう」
甲冑が顎をしゃくると私の両脇には黒タイツの二人が現れ、私の両腕を押さえつけてしまう。
「え? ちょ、ちょっと! やめてよ! ちょっとってば!」
私は腕を振りほどこうとしたが、力でかなうはずもなく中央の椅子に座らせられてしまう。
「うふふ・・・心配ないよお姉さん。お姉さんもすぐにグロンのことが大好きになるよ」
「い、いやよ。やめて」
私は両手両脚を固定され、頭からはあのドライヤーのようなものがかぶせられた。
「始めろ」
「ギギッ」
その声とともに私の目の前にはちらちらした光が現れ・・・
何かが・・・
私に流れ込んで・・・
165SM:05/02/02 23:32:04 ID:AJP2/so5
あれ?
私はどうしたんだっけ?
確かグロンに誘拐されて・・・
遺伝子融合の勉強をさせてもらったんだっけ?
どうやらその後部屋に戻ってソファでうたた寝をしていたらしい。
でもすごかったなぁ・・・
私もやってみたいよね。
人間と別の生物を遺伝子レベルで融合し、強化することで無敵の戦士を作り出す。
そんな夢がここでは叶うのよ。
強力な戦士を生み出し、グロンによって世界を支配する。
人類が生きていくためにはグロンによって支配されることこそが必要なのよ。
その中で真に適性のある人間はグロンによって改造され、改造兵士として生まれ変わる。
なんてすばらしいのかしら・・・
私もグロンの一員になりたいものだわ・・・
166SM:05/02/02 23:33:03 ID:AJP2/so5
「片桐瑞穂よ、起きているか?」
ノックの音とともに声が聞こえる。
グロン極東司令官のナイトナイト様の声だ。
「は、はい。起きております」
私はすぐに起き上がってメガネをかけ、掛けてあった白衣を身にまとって部屋を出る。
「お呼びですか? ナイトナイト様」
「うむ。これより改造手術が始まる。見学をしたくないか?」
うわぁ・・・なんて嬉しい・・・
「はい、もちろん見学させてください。お願いします」
「うむ、来るがいい」
私はすぐにナイトナイト様の後に続く。
167SM:05/02/02 23:34:03 ID:AJP2/so5
手術室には白戦闘員が三名と裸で台の上に固定されている女の人がいた。
若くみずみずしい体の持ち主で、大学生くらいかもしれない。
「いやぁっ! 放して! 放してよぅっ!」
両手両脚を固定されているからもがいても無駄なのに、彼女は何とかして逃れようとあがいている。
「あの娘は鷹村恵といってな。銀行の窓口業務をやっているのだが、まさにおろかなこと以外の何ものでもない。改造兵士へのあれほどの適性を持っているのに生かすことができないのだからな」
おろかなこと・・・そうかもしれないわ・・・
適正があるのに生かすことができない人間とはなんて無駄な存在なんだろう・・・
改造されることで人間を超える存在になれるのならば、改造されるべきなはず・・・
「おろか・・・人間はおろかな存在・・・」
「そうだ。人間はおろかだ。だからグロンが管理してやらなければならないのだよ」
私の脇にいるナイトナイト様の言うとおりだと思う。
人間は管理されるべきなのよ。
「助けてぇ! お願い、助けてぇ!」
「始めろ」
「ギギッ」
ナイトナイト様は彼女の叫びなど全く無視して指示を下した。
私は彼女が改造されるのをわくわくしながら眺めていた。
168SM:05/02/02 23:35:09 ID:AJP2/so5
白戦闘員の手で彼女の体は変えられていく。
遺伝子の融合があんな薬品などで行なえるのは全くの驚きだった。
内臓も筋肉も強化され、表面が徐々に変わっていく。
肌色だった彼女の皮膚は節くれだち茶色になっていく。
すごい・・・
なんてことだろう・・・
遺伝子をいじり、人間を改造することがこんなにすばらしく楽しいことだったなんて・・・
「どうかな? 人間が改造されていく様は?」
「すばらしいわ・・・改造・・・これこそが私の求めていたもの・・・」
私は夢見心地で彼女の変化を見守っていた。
169SM:05/02/02 23:36:03 ID:AJP2/so5
彼女の姿は美しかった。
人間を超え、新たな生命となった彼女には機能的な美しさがあった。
茶色の節くれだった肉体は強靭な脚力でビルの十階ぐらいまで飛び上がることもできるだろう。
獲物の血を吸い、不要な人間を始末していくのだ。
「ノミ女の完成ですね」
「ククク・・・最後の仕上げが残っているのだよ」
「最後の仕上げ?」
私は何のことかわからなかった。彼女の肉体はすでに変化を終えているのに・・・
「洗脳チップを埋め込むのだ」
「洗脳チップ?」
「ククク・・・こいつだよ」
ナイトナイト様が小さな機械部品を取り出して見せてくれる。
ICチップのような感じだ。
「これを埋め込めば彼女の思考は変わり、我がグロンに忠誠を誓うことのみを考えるようになるのだ」
「なるほど・・・」
「だが、こいつには欠点がある」
「欠点?」
私は聞き返した。いったいどんな欠点があるのだろう・・・
「思考が硬直化するのだ。自ら考えて行動することが苦手になるのだよ」
「そうなんですか・・・それは何か対策を考えなければなりませんね」
「ククク・・・楽しそうだな? どうだ? 我がグロンの一員となり、自らの手で改造兵士を生み出してみたくはないか?」
思いもかけない言葉・・・
私にとっては夢のよう・・・
「もちろんですわ。ぜひともお願いしたいです」
私はすぐに返事をしていた。
「ククク・・・いい返事だ。お前なら女白戦闘員よりも改造兵士となり、自らの手で素体を集め改造するのがよかろう」
「私を・・・私を改造してくださるのですか?」
すばらしい・・・なんてすばらしいのだろう・・・
「うむ。改造を受けるがいい」
「ありがとうございます。ナイトナイト様」
私は深く頭を下げていた。
170SM:05/02/02 23:37:03 ID:AJP2/so5
私は手術台の上で目を覚ました。
上半身を起こして自分の体を確かめる。
今の私は地獄軍団グロンの改造兵士ムカデ女。
紫色の体節に覆われた体はしなやかで柔軟。
体の両脇には小さな脚が節にそって生えている
私の口には牙が生え、そこから毒を注ぎ込む。
そう・・・私は人間などとは違う生き物になったのよ。
これからはグロンに役立つ人間を見つけ出して、私がじきじきに改造してあげるわ。
地獄軍団グロンこそが人間というくだらない生き物を管理してやれるのよ。
われらに従いひれ伏しなさい。
私は生まれ変わった時分の姿に満足すると、ゆっくりと立ち上がった。