【果てしなき】ライダー共闘SSスレその8【戦い】

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632名無しより愛をこめて:2005/04/26(火) 20:30:33 ID:xqvH3QHr
>>631
初めてカキコ中に遭遇しました。
守山はやはり最後は…


次回、泣くかもしんない。GJ!!
633スーパーライダー大戦 ◆rAbda18lAE :2005/04/26(火) 23:33:07 ID:EDbAzI1o
>>『狼と人間の黒い牙』作者さん
新作掲載お疲れ様です。
いつもながらの素晴らしい出来栄えに、ただ感心するばかりです。
最終回も頑張ってくださいね

















でも、これだけ完成度の高い作品が投稿されると…自信無くすなぁorz
634スーパーライダー大戦 ◆rAbda18lAE :2005/04/28(木) 01:42:31 ID:v72/rbb+
>>584-586
>>590-593

 ガイがショッカーとの交渉を成功させていたその頃、クライシス帝国との交渉に当たっていた村上とレオは、クライシス帝国地球攻撃兵団最高司令官ジャーク将軍の提案で、クライシス帝国の代表と一線交える事となった。
「そちらの代表と戦い、こちらが勝利すれば同名の件を検討していただけるのですね?」
 村上が再度ジャーク将軍に条件を確認する。その声からは揺ぎ無い自信が感じられる。
「さよう、貴公らが勝利すれば同盟の件、皇帝陛下に進言し前向きに検討させてもらう」
 その問いに答えるジャーク将軍も同様だ。
「わかりました…レオ! It is time of work(仕事の時間です)」
 村上の声に応えるように前に進み出るレオ。その腰にはスマートブレインが開発した『帝王のベルト』の1つ『天のベルト』が既に巻かれている。
「怪魔ロボット、キューブリカンMK−U出撃せよ!」
 ジャーク将軍の一声で、クライシス側の代表も姿を現す。以前、仮面ライダーBLACKRXと戦い、善戦空しく破壊された怪魔ロボット『キューブリカン』の2号機だ。
 しかし、レオはキューブリカンの巨体を前にしてもまったく動じず―
「After all,you are only a machine(お前は所詮、ただの機械だよ)」
 そう呟きながら、持っていた『サイガフォン』にスタートアップコード『315』を入力した。
『Standing by』
 電子音声が響く中、サイガフォンを投げ上げてキャッチすると―
「Henshin!!」
 サイガドライバーのバックル部に装填した。
『Complete』
 再び電子音声が響き、レオをフォトンストリームが包み、その姿を変えていく。
 帝王のベルトの戦士『サイガ』へと!!
「Now the iodination including the game(さあ、ゲームを始めようか)」
 変身完了したサイガはそう言いながら、右手で首を掻っ切る仕草をして見せた。得意の挑発だ。
 それに反応した為かどうかはわからないが、キューブリカンは右手のビーム砲を乱射してきた。ビームがサイガの周囲に着弾し、爆発が起きる。
635スーパーライダー大戦 ◆rAbda18lAE :2005/04/28(木) 01:48:33 ID:v72/rbb+
 その光景にクライシス側から声が上がる。だが、村上は余裕の態度を崩していなかった。事実、爆煙が晴れると―
「Cannot you hit it also even to the stopped target?(止まった的に当てる事も出来ないのか?)」
 そこには無傷のサイガの姿があった。サイガは背中の飛行ユニット『フライングアタッカー』を起動させ、空へ舞い上がると―
「This blockhead(この木偶の坊)」
 『フライングアタッカー』に装備されているビームライフル『ブースターライフル』を構え、地上のキューブリカンへ連射した。
 強烈なビームによるダメージがキューブリカンの全身に刻まれていく。
「It ends(終わりだ)」
 そして、その呟きと共に放たれた一撃がキューブリカンの頭部を貫き、頭部を破壊されたキューブリカンは、その機能を停止した…かに見えた。
「What!?(なんだと!?)」
 驚愕の声を上げるサイガ。頭部を失ったキューブリカンが再び動き出したのだ。破壊された頭部が強制排除され、重火器を装備した第2の頭部が出現。圧倒的な火力で上空のサイガに攻撃を仕掛ける。
「There is no problem. if not hitting(当たらなければ、どうという事はない)」
 キューブリカンの対空砲火を類稀な機動性で回避するサイガ。しかし、圧倒的な弾幕の前に反撃が出来ずにいる。その時―
「レオ! The use of the imperial memory is approved(インペリアルメモリーの使用を承認します)」
 村上から指示が下った。すぐさまサイガは、左腕に装備した篭手型の新兵器『サイガガントレット』から新型のミッションメモリーを取り外し、サイガフォンのメモリースロットに装填した。
『Standing by』
 電子音声が響き、サイガギアが再起動を開始。青い閃光に包まれ、サイガが新たな姿へと『転身』する。
 ファイズ・ブラスターフォームに匹敵するその姿の名は『サイガ・インペリアルフォーム』!!
636スーパーライダー大戦 ◆rAbda18lAE :2005/04/28(木) 01:50:39 ID:v72/rbb+
「レオ、The instruction is only one(命令はただ1つ)
「Destroy the enemy in the presence completely(目の前の敵を完全破壊しなさい)」
 『転身』を終えたサイガに村上が指示を送る。サイガは静かに頷くと、こう叫んだ。
「Go! Blasterpod!!(行け! ブラスターポッド!!)」
 次の瞬間、サイガの両肩と背中から合計10基の小型メカ『ブラスターポッド』が射出された。
 ブラスターポッドは、それぞれが縦横無尽に飛び回りながら、キューブリカンに接近。全方位からビーム攻撃をしかける。
 高速で飛行する物体からの全方位攻撃に成す術もないキューブリカン。
 それに追い討ちをかけるようにサイガは、背中の飛行ユニット『ネオフライングアタッカー』に装備されているビームライフル『メガブースターライフル』を構え―
「Blow off by the death(死ぬほど吹き飛べ)」
 引き金を引いた。
 『ブースターライフル』の倍以上の威力を持った強烈なビームが、キューブリカンの両腕を吹き飛ばす。
 間髪を入れずにサイガは『ネオフライングアタッカー』を起動し、瞬く間に高度1000mの高空へ舞い上がる。
「Sky impact…」
 数秒後、サイガ必殺の鉄拳『スカイインパクト』が、スクラップになりかけていたキューブリカンを完全に破壊した。
637スーパーライダー大戦 ◆rAbda18lAE :2005/04/28(木) 01:53:49 ID:v72/rbb+
 サイガの勝利が確定していたその頃。ゴルゴムとの交渉に向かっていた木場勇治は―
「では、同盟の件は成立という事で宜しいのですね」
 交渉をほぼ成功の形で終わらせようとしていた。
「ああ、MRAを倒すその日まで我らは同志という事になる」 
 木場の言葉に静かに答える世紀王シャドームーン。その言葉は木場の言葉を肯定する。
「では、同盟の条件など詳しい事は後日、こちらから使者をお送りします」
 そう言って去っていく木場。その姿をシャドームーンは静かに見つめていた。
「(スマートブレイン、予想以上の勢力のようだ……敵対すればこちらも危うい。ここは手を組み力を蓄えるが大事か…)」
 心の中でそう呟き、視線を横にやる。
 そこには5体をバラバラに斬り裂かれ、絶命したビルゲニアの姿があった。その表情は恐怖で無残に歪んでいる。
 クライシス帝国同様、ゴルゴムもスマートブレインが同盟を汲むに相応しい組織かどうか見極める為に、勝負を挑んでいた。
 ゴルゴム側の代表は剣聖ビルゲニア。ゴルゴムの中でもかなりの兵だ。
 だが、木場勇治…いや、オーガの力はビルゲニアを大きく上回っていた。そして―
「(インペリアルフォーム…そう言っていたな。あの力、警戒せねばなるまい…そして、いずれは……)」
 再度、心で呟くシャドームーンの心には闘争という炎が燃え始めていた。。

 
 サイガ同様、新たな力を手にしていたオーガ。
 だが、その真の力は、未だベールに包まれている。


 第2話完
638スーパーライダー大戦 ◆rAbda18lAE :2005/04/28(木) 01:55:18 ID:v72/rbb+
第2話はこんな感じになりました。
続きはまた後日…


まだまだ俺って未熟だorz
639名無しより愛をこめて:2005/04/28(木) 18:41:20 ID:6TjDdwh1
>>スーパーライダー大戦
新作乙。そして、俺の説を聞いてくれ
サイガ新フォーム獲得→その武装にはファンネルらしき物が→全方位からのビーム攻撃=オールレンジ攻撃…

    ,ィィr--  ..__、j
   ル! {       `ヽ,       ∧
  N { l `    ,、   i _|\/ ∨ ∨
  ゝヽ   _,,ィjjハ、   | \
  `ニr‐tミ-rr‐tュ<≧rヘ   > そう、これはレオがオルフェノクであると同時に
     {___,リ ヽ二´ノ  }ソ ∠  ニュータイプであるという証明なんだよ!
    '、 `,-_-ュ  u /|   ∠
      ヽ`┴ ' //l\  |/\∧  /
--─‐ァ'| `ニ--‐'´ /  |`ー ..__   `´
    く__レ1;';';';>、  / __ |  ,=、 ___
   「 ∧ 7;';';'| ヽ/ _,|‐、|」 |L..! {L..l ))
   |  |::.V;';';';'| /.:.|トl`´.! l _,,,l | _,,|  , -,
    ! |:.:.:l;;';';';'|/.:.:.:||=|=; | |   | | .l / 〃 ))
    l |:.:.:.:l;';';'/.:.:.:.:| ! ヽ \!‐=:l/ `:lj  7
    | |:.:.:.:.l;'/.:.:.:.:.:.! ヽ:::\::  ::::|  ::l /





………自分がガンダムも好きなのでやってしまった。
ガンダムネタなら何でも良かった…今は反省している
640名無しより愛をこめて:2005/04/28(木) 21:35:18 ID:TOyVO6qZ
いきなり死んでるビルゲニアのかませっぷりにワラタ
641名無しより愛をこめて:2005/04/29(金) 13:07:25 ID:x/b65mVy
>>639
そうか、君もそう思っていたのか…
じゃあ、俺の説も聞いてくれ。
この作品に出てくるオリジナルライダー『シグマ』。
彼の足には刃が仕込まれている(>>358参照)→アストレイBF2ndの仕込みアーマーシュナイダー?
彼の腕には光の盾が装備されている(>>359参照)→ビームシールド?

    ,ィィr--  ..__、j
   ル! {       `ヽ,       ∧
  N { l `    ,、   i _|\/ ∨ ∨
  ゝヽ   _,,ィjjハ、   | \
  `ニr‐tミ-rr‐tュ<≧rヘ   > そう、これはスーパーライダー大戦の
     {___,リ ヽ二´ノ  }ソ ∠  作者自身がガンダム好きである証明なんだよ!
    '、 `,-_-ュ  u /|   ∠
      ヽ`┴ ' //l\  |/\∧  /
--─‐ァ'| `ニ--‐'´ /  |`ー ..__   `´
    く__レ1;';';';>、  / __ |  ,=、 ___
   「 ∧ 7;';';'| ヽ/ _,|‐、|」 |L..! {L..l ))
   |  |::.V;';';';'| /.:.|トl`´.! l _,,,l | _,,|  , -,
    ! |:.:.:l;;';';';'|/.:.:.:||=|=; | |   | | .l / 〃 ))
    l |:.:.:.:l;';';'/.:.:.:.:| ! ヽ \!‐=:l/ `:lj  7
    | |:.:.:.:.l;'/.:.:.:.:.:.! ヽ:::\::  ::::|  ::l /





………私もガノタで色々とニヤリとさせられたのでやってしまった。
だが、私は謝らない
642名無しより愛をこめて:2005/04/29(金) 13:08:56 ID:x/b65mVy
>>639
そうか、君もそう思っていたのか…
じゃあ、俺の説も聞いてくれ。
この作品に出てくるオリジナルライダー『シグマ』。
彼の足には刃が仕込まれている(>>358参照)→アストレイBF2ndの仕込みアーマーシュナイダー?
彼の腕には光の盾が装備されている(>>359参照)→ビームシールド?

    ,ィィr--  ..__、j
   ル! {       `ヽ,       ∧
  N { l `    ,、   i _|\/ ∨ ∨
  ゝヽ   _,,ィjjハ、   | \
  `ニr‐tミ-rr‐tュ<≧rヘ   > そう、これはスーパーライダー大戦の
     {___,リ ヽ二´ノ  }ソ ∠  作者自身がガンダム好きである証明なんだよ!
    '、 `,-_-ュ  u /|   ∠
      ヽ`┴ ' //l\  |/\∧  /
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………私もガノタで色々とニヤリとさせられたのでやってしまった。
だが、私は謝らない
643名無しより愛をこめて:2005/04/30(土) 00:21:57 ID:p2A0GNo+
ネタもないのにageる俺は悪♪
644ガノタでもある1読者:2005/04/30(土) 10:58:32 ID:FOWVgTJT
サイガがファンネル装備で、台詞がシャア。
シグマがビームシールドと仕込みアーマーシュナイダー装備。
となると、オーガの新フォームにはサテライトキャノンでも装備されているのだろうか?


正統派の外伝『狼と人間の黒い牙』
ある種パロディと言うかクロスオーバー的な外伝『スーパーライダー大戦』
どちらも新作に期待だね

645名無しより愛をこめて:2005/04/30(土) 11:07:08 ID:hziuKp7Z
ここはガノタ率の高いインターネッツですね
646名無しより愛をこめて:2005/05/02(月) 12:50:40 ID:KN2crplX
hosyu
647555外伝 もう一人の夢の守人:2005/05/02(月) 19:12:10 ID:cqaDEcP5
「・・・あ〜〜、やっと起きましたかぁ!」
氷川が意識を取り戻すと、そこは公道の上。
そして周りには5体ほどののライオトルーパー。
目の前には謎の女―――スマート・レディ。
「も〜ぅネ・ボ・ス・ケ・さん。」
氷川の頭を軽く叩くその女。
そうやら他の会員も、とらわれの身となったようだ。
氷川は唇を噛むと、琢磨達の状況を把握しようとする。だが、
「・・・居ない!?」
公道に並ばされているアギトの会メンバー、加奈の姿も見つけた、無論気絶中の沢木も。
だが、足りない。
後部座席に座っていたはずの琢磨だけが、忽然と姿を消している。
もしや―――
氷川は、この状況で、不謹慎ながらこう思った。
―――こんなところまで、北条さんに似ないで下さいよ―――
そう思ってばかりもいられない。氷川は気を取り直し、その女に尋ねる。
「・・・我々をどうするつもりですか!?」
「そんなことは、おしえてあげまっせ〜ん」
キャハハハハ、甲高い笑いが硬い道路に良く響く。
「・・・・ふざけるのも・・・」
いい加減にしろ、そう言い掛けた氷川の腹に迫るライオトルーパーの膝。
―――晩のご飯がなくなったのは、それはそれで運がよかったのかな?
648555外伝 もう一人の夢の守人:2005/05/02(月) 19:12:41 ID:cqaDEcP5
そして、衝突。
音も無く倒れこむ氷川。
「―――氷川さん!」拉致されかけている加奈の声が、氷川にはどこか遠くで聞こえる。
「あ〜あ、貴方はカンケーなかったのにねぇ〜」
「・・・関係・・・無い?」
地面に這い、消化しきった胃の内容物の代わりの息を吐く氷川。
「用があるのはアギトだけ、ただのヒトのアナタにはカンケーありまっせぇ〜ん」
しゃがみこみ、氷川を見る女。
アイシャドウの濃さが印象に残る。
「本当なら、もー帰っても良いんだけれどね〜」
そして、レディは立ち上がりライオトルーパーの方へ向かうと、こう言った。
「アナタとは・・・ココでお別れ。」
その言葉の真意を悟り、とっさに立ち上がる氷川。
だが、その体に叩きつけられるライオトルーパーの拳。
二度目の衝撃に、一瞬意識を失いかける氷川。
その意識をつなぎとめたのは、目の前のトラック。
その先には、今まさに連行されようとしている民間人。
―――沢木達。
そして、彼らの乗るトラックは走り出した。
「待・・・てぇ・・・」
氷川は、届くはずも無い言葉を口から捻り出す。
耳に届くのは、レディの高笑いだけ。
「やっちゃえ〜!」
笑い声を響かせながら命令するレディ。
その笑い声が、氷川にはとても、愉しそうに聞こえた。
この生死の係った状況には不釣合いな、その笑い。
649555外伝 もう一人の夢の守人:2005/05/02(月) 19:13:24 ID:cqaDEcP5
そして氷川の前に並ぶライオトルーパー。
銃口は、こちらへ向けられる。
―――やられる?
極度の緊張の中、引き伸ばされた一瞬の間に、氷川は思った。
―――沢木も、加奈さんも、葦原さんも、あの会員達も、ゲストとして巻き込まれた彼らも、
僕は―――誰も助けられないのか?
こんなところで―――
貫かれた右肩の痛みに耐えながら、立ち上がろうとする氷川。
誰も助けられないで―――
そして、立ちあがる。
―――終わってたまるかぁ!
その彼の思いを打ち砕くかのように、ライオトルーパー達の指は、軽く動き―――
光が、放たれた。
650名無しより愛をこめて:2005/05/04(水) 09:04:57 ID:Ft4wA8cD
新作キテタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
つーかダレモイナイ?
651447:2005/05/04(水) 15:25:22 ID:G4A7etLX
書けたクマー(AA略

『狼と人間の黒い牙』第6話。
最終話ディスよ。
652『狼と人間の黒い牙』第6話:2005/05/04(水) 15:26:31 ID:G4A7etLX
<第6話>

-1-

 その夜、アンデッドハンターの守山一明は、部屋で一人くさっていた。
彼はファングの最終テストに参加できなかったのだ。
今は、アンデッドハンターの銃器や装備の番をしている。
この国では、戦闘時以外に銃器を持ち歩くことは色々な意味で危険だった。
だから、何か隊員の集まりがある時でも誰か一人が番をしている。
今回たまたまそれが守山だったという事だ。
それは仕方の無いことだと分かっていたが、正直おもしろくなかった。
人間の作り出した最強の黒い牙の完成を、仲間と共にこの目で見たかった。
目の前のパソコンにはアンデッドサーチャーが入っているが反応は無い。

守山が呼ばれ部屋に来た時に、入れ替わりで新名が出て行った。
その後しばらくして森山は、
アンデッドサーチャーが動作していない事に気がついて起動させた。
あの人らしくないミスをするもんだ、と思った。

今夜何杯目かのコーヒーを入れようと腰を上げた時、
突然アンデッドサーチャーのサーチ音が鳴り響いた。
慌ててパソコンに向かうと、確かにそこにアンデッドの存在が表示されている。
「これは……上級アンデッド! 距離20m!?」

その出現位置は、新名達がブラックファングの最終テストを行っている場所を示していた。
653『狼と人間の黒い牙』第6話:2005/05/04(水) 15:29:17 ID:G4A7etLX
-2-

 新名はウルフアンデッド、カテゴリーJ(ジャック)と呼ばれる存在だ。
彼は他のアンデッドに勝利するためにブラックファングを手に入れ、完成の為に人間を利用した。
彼には強力な洗脳能力は無い。
あるにはあるが、それはわずかに暗示をかけるくらいのものでしかない。

人間を騙し共に過ごす中で、彼の意識は人間的なものに引きずられつつあった。
気まぐれと戯れで人間と接し、話し、その感情を知った。
奇妙で愉快な体験だったが、そもそも彼の戦いには不要なものであったので
そろそろこの茶番をお開きにする必要があった。

彼は、共に過ごし信頼を得た人間を自らの手で殺すことで、人間との決別と自己の存在意義を確認する。
彼は、アンデッドである。
654『狼と人間の黒い牙』第6話:2005/05/04(水) 15:32:15 ID:G4A7etLX

新名は躊躇することなくウルフアンデッドの姿に変わると、目の前の隊員達に襲い掛かった。
一瞬で彼らの懐に飛び込みその爪を振るう。
前列に並んでいた開発班の隊員達は、何が起こったのかも分からないまま
ポカンと口を開け唖然とした表情で死んだ。

パニックから一番早く立ち直ったのはやはり平井だった。
「アンデッド!」そう叫ぶと素早く腰に手を伸ばす。
絶望的な事に、そこに銃を収めたホルスターは無かった。
武器は全て別の部屋にある。
「逃げろ! 武器を取りに行くぞ!」
平井は出口へ走り出しながら叫んだ。
思考停止していた他の隊員達も、その声で弾かれたように走り出す。
新名は、前列の隊員を殺し終えると、逃げる平井達に背を向けた。
ブラックファングにまたがり、起動させる。
ラウズカードシステムとライダーマシンのデータで強化されたファングは、
これまでとは明らかに違う膨大なエネルギーに満ちていた。
満足そうにうなずくと新名は出口に向かってファングを突進させた。
655『狼と人間の黒い牙』第6話:2005/05/04(水) 15:33:37 ID:G4A7etLX

ガレージの外は既に日が昇り始めていた。
死を免れた隊員達が、息を切らせ走る。
彼らがピット脇を抜けようとした時、後方からエンジン音が聞こえた。
それは聞きなれエンジン音で、かつて彼らにとっては希望の音だったはずだが
今は絶望しかもたらさなかった。
「振り返るな! 走れ!」
先頭を走る平井が叫んだ。
エンジン音は瞬く間に近づき、背後で隊員の悲鳴が聞こえた。
同時に暴風、いや爆風のような凄まじい音と衝撃に襲われ、地面に叩きつけられた。
痛みをこらえ起き上がると、目の前に銀色の怪物がいた。
ファングの脇に立ち隊員の一人を掴みあげている。
左手で長髪の隊員の体を軽々と持ち上げると、するどい刃物の付いた右手を向けた。
「やめろォー!」
平井の絶叫を気に留めることもなく、ウルフアンデッドは隊員の心臓を貫いた。
隊員は一瞬痙攣して、すぐに動きを止め崩れ落ちた。
周囲を見れば、他の隊員達はすでに地面に倒れ動かなかった。
苦痛と怒りの呻き声を上げる平井の前に、ウルフアンデッドが立つ。
震えながら睨み付ける、その姿がウルフアンデッドから人間へと変わった。
「新名……さん」
「平井」
新名の声に、問う。
「なぜ」
だが全て言い終わらないうちに、新名の手が平井の体を貫いた。
656『狼と人間の黒い牙』第6話:2005/05/04(水) 15:37:56 ID:G4A7etLX

新名は、平井の目を覗き込みながら鋭い爪で内臓を突き刺した。
ずぶりと肉を貫く感覚がする。
驚愕に見開かれた平井の目から力が失われ、倒れた。

新名はブラックファングに跨り、再び走り出した。
背後に平井の追いすがる視線を感じたが、気にも留めなかった。
あの男はもうすぐ死ぬだろう。
アンデッドハンターの隊員達を殺す事に、案外と悔恨は感じなかった。
ここまで来るまでに、ファングが完成するまでに感じた煩悶は、殺し始めれば消えていた。
それはいつもの彼だった。
彼は、自分がアンデッドであるという当たり前の事実を改めて確認した。
657『狼と人間の黒い牙』第6話:2005/05/04(水) 15:39:47 ID:G4A7etLX
-3-

 部屋から外に飛び出した守山の耳に、ファングのエンジン音と悲鳴が聞こえた。
思わずその場で凍りつく。

彼は、部屋を出る時、T細胞活性弾の銃を持ち出すつもりだったが───無かった。
その銃が無いという事は有り得ないし、無ければアンデッドと戦う事など出来ない。
その事実に部屋の真ん中で立ち尽くし、思考が停止する。
まるで、BOARDが壊滅したあの夜の様に、隠れていれば命は助かるかもしれない。
だが、何も出来ずに見過ごす事は、もう出来なかった。

腰のホルスターにそっと手を伸ばした。
硬く冷たい銃の感触が伝わってくる。
これが、以前の自分と今の自分を分ける象徴だった。
あの時には無かった力の象徴だった。

なんとかして、仮面ライダーの二人を呼びに行かなければならない。
しかしそのためには外に出てガレージまで走る必要がある。
倉庫の脇を抜け、道路の手前まで来た。
ここからガレージまでは遠く、身を隠すものも無い。
一気に走りぬけようと身構える。
先ほど聞こえたエンジン音は聞こえず、辺りは静かなままだ。
「よし!」
意を決して飛び出した瞬間、真横でエンジン音が鳴り響いた。
658『狼と人間の黒い牙』第6話:2005/05/04(水) 15:42:23 ID:G4A7etLX

反射的に左を向くと、ブラックファングとそれに乗った銀色の怪物が見えた。
「!……あいつ!」
ホルスターから回転式拳銃を抜き、素早く目標に向けた。
アンデッドと相対した恐怖は強かったが、ファングを奪われた怒りが勝った。
両手でしっかりと保持すると、躊躇せず引き金を引いた。
44マグナム弾が次々とアンデッドに命中し、火花を散らす。
銃口からのブラストで目標が見えなくなっても、そのまま撃ち続けた。
だが、気がつけばアンデッドとファングは一瞬で目の前に迫り、守山の手から銃を弾き飛ばした。
「うあっ!」
手首がひねり上げられ、激痛が走る。

顔の数十センチ前にアンデッドがいる。
守山は死を覚悟し、体がぶるぶる震えた。
その時、アンデッドが言葉を発した。
「カズアキ。ヒーローごっこは終わりだな」
嘲笑うようなその言葉で、わかってしまった。
わかりたくも無かった事が全て明白になった。
今まで薄々感じていた違和感は、アンデッドが人間の姿になった事で決定的になった。

新名はアンデッドだ。
659『狼と人間の黒い牙』第6話:2005/05/04(水) 15:45:16 ID:G4A7etLX

「新名さん!?」
わけのわからないまま叫ぶ。
新名は答えない。ただ、黙ってこちらを見据えていた。
守山はパニックに陥っていた。
新名はアンデッドであるという現実と、自分がこれから死ぬという予感と、
裏切られた屈辱や怒りや悲しさや腕の痛みが全てごちゃ混ぜになっていた。
信じたくなど無い。アンデッドが新名の姿を借りているだけかもしれない。
だが、目の前のそれには、確かに新名であると確信できる何かがあった。
ただひたすら、震えながら目の前のアンデッドを呆然と見る。
どうすればいい。どうすればいい。

新名は、守山の目の前で一瞬考えた。
コレをどう扱おうか。
それは、BOARDが壊滅したあの夜、初めてこの青年と会った時と同じだった。
この青年とはファング完成までの短い間に、色々な事を話したものだ。
だが、それは殺戮を止める理由などにはなりはしなかった。
それがアンデッドの在り方である。
新名は、すぐにアンデッドの姿に戻り、アクセルを捻ると守山に向け突進した。

守山がコンバットナイフを鞘から抜いて手に持ったのと、ファングが走り出したのは同時だった。
その時、太陽が地平線から顔を出し、サーキットが朝の光に満たされる。
太陽が守山のちょうど真後ろから登ったため、一瞬だけ光が新名の視界を奪った。
真っ直ぐ突っ込んでくるブラックファングに対し、
守山は身を捻りながら無我夢中でナイフを突き出した。
刃渡り10cmほどのステンレスの刃が陽光を反射しギラリと光る。

新名は舌打ちしながら、守山が避けたと思われる方向に軽く蹴りを放った。
ナイフの刃が触れたと思った瞬間、守山は新名の蹴りで思い切り飛ばされた。
衝撃と痛みで視界が真っ白になる。
自分の体が宙に浮いているのを認識してすぐ、背中から叩きつけられた。
遠ざかっているエンジン音を聞きながら、守山は意識を失った。
660『狼と人間の黒い牙』第6話:2005/05/04(水) 15:49:58 ID:G4A7etLX
-4-

 ブルースペイダー、レッドランバス。2台のライダーマシンの佇むガレージで
二人のライダーが転寝していた。
暖かい朝の日差しと小鳥のさえずりで、殺風景なガレージ内も柔らかい雰囲気に包まれている。
持たれ掛けていたマシンから頭がずり落ち、剣崎は目を覚ました。
「っいて……あれ、橘さん。……ファングは?」
その声で机に突っ伏していた橘も目を覚ます。
「ああ、システム統一できたかな……」
二人とも寝ぼけているのか、言動が少々あやしい。

別の場所でファングの作業をしていると判断した二人は、外に出てガレージへ移動する。
「早く走らせたいですね」
剣崎が嬉しそうに言った。
だが、ピット脇まで来た時、恐るべき光景が目に飛び込んできた。
アンデッドハンターの隊員達が地面に倒れている。二人は慌てて駆け寄った。
「平井さん! 平井さん! しっかりして下さい!」
剣崎は副隊長だった平井を抱き起こし、必死に呼びかける。
それに反応して、平井が苦悶の表情で剣崎を掴み体を起こそうとする。
「アンデッドだ……新名さん……ファングを!」
だがそこで残っていた力を使い果たしたのか、その言葉を最後に平井は息絶えた。
「橘さん!」
「ファングと新名が危ない!」
橘と剣崎はガレージに向かって走る。
ガレージのシャッターは開いていて、中は静かだった。
二人の走る音だけが鳴り響く。
機材の合間を抜けると、そこにも隊員達が倒れていた。すでに息は無い。
「おい、しっかりしろ……!」
「!」
突然ガレージの外から聞こえたエンジン音。
聞き覚えのあるその音と共に、一台のマシンが外の光の中から現れた。
661『狼と人間の黒い牙』第6話:2005/05/04(水) 15:55:43 ID:G4A7etLX

ブラックファングと、その上に乗る狼のアンデッド=新名。
誇らしげにエンジンを鳴らし───
「ヌゥウッ!」
ファングのラウズカードリーダーに手をかざした。
「ハァアアアアアアアアア……!」
ファングが緑色の光に包まれ、その姿を変えていく。
カウルから鋭い爪を生やし、ホイールにはアンデッドのベルトと同じウロボロスの紋章が刻まれた。
ウルフアンデッドの力とファングのエネルギーが循環し、みなぎる。
その琥珀色の目が不気味に光を帯びた。
剣崎と橘は、高らかに笑い声を上げるアンデッドを睨み付け、立ち上がった。
「ヌアッ!」
ファングが二人に向け突進する。
素早く身を翻し左右に避け、二人は腰にバックルを当てた。
「「変身!!」」
『ターンアップ』
『ターンアップ』
ブルーの光をくぐりぬけ、二人が仮面ライダーへ姿を変えた。
「そのマシンから降りろ。アンデッド!」
ギャレン=橘の言葉に答えることなく、新名は二人に向け再び突進する。
ブレイド=剣崎がその前に立ち塞がりファングのボディを押さえた。だが明らかに力負けし後退する。
「くうっうう!」
「ヌアアアアアアアアアア!」
積んであったタイヤまで剣崎が押しやられた瞬間、ファングのカウルが変形し
鋭い牙となって剣崎を襲う。
「う"わあっ!」
ぶっ飛ばされ転がる剣崎を横目に、橘が再び言い放つ。
「マシンから降りろ」
それにも答えず、新名はアクセルを捻った。
高鳴るエンジン音と共にファングが緑の光に包まれる。
そして、光は新名の体に集まり、吸い込まれた。
「力が──あふれる!」
662『狼と人間の黒い牙』第6話:2005/05/04(水) 16:01:15 ID:G4A7etLX

「マシンが、アンデッドをパワーアップさせている!?」
ようやく起き上がった剣崎が呆然とつぶやいた。
「降りろ」
橘が三度目の警告を発する。
怒気をはらんだその声と共に、彼の銃=ギャレンラウザーに手を伸ばした瞬間
ワーウルフの群れが二人に襲い掛かった。
「危ない!」
それは、先ほど殺されたばかりの隊員達の変わり果てた姿だった。
「戦え」
新名が冷酷に命ずる。
「貴様ぁ!」
橘と剣崎が非道な行為に怒りを露にしたが、新名は意に介さずガレージの外に走り出す。
「ウヌアアアアアアアアアア!」
「待て!」
二人はライダーマシンに駆け寄ると、勢い良くアクセルをひねりファングの後を追った。

新名はファングを自在に操り、誇示するように一般道を走り抜けていく。
「逃がすか!」
剣崎と橘がその後を追い、道行く人々が何事かと振り返る。
しばらく走ると新名は脇道へと入った。
道の中程でターンし、追ってきた二台と向かい合う。距離十数メートル。
夏の強い日差しの下、マシンの上でお互いをにらみ付ける。先手を打ったのは新名だった。
勢いよくアクセルを捻り、ファングを正面の二台に突っ込ませる。
ライダー二人もこれに応え、ファングに向かって走り出した。みるみる距離が縮まる。
「ヌウアッ!」
後数メートルで接触、という時に突然新名はファングをジャンプさせた。
ライダーマシンの上に飛び上がったファングから緑色の衝撃波が発射され、すれ違った二台に叩きつけられた。
「!」
「うあっ」
よろめき、二台のマシンが倒れた。
マシンから投げ出された剣崎の目の前で、新名がファングから降りる。
663『狼と人間の黒い牙』第6話:2005/05/04(水) 16:03:00 ID:G4A7etLX

剣崎は痛みをこらえ、新名に突撃した。
「うわああああああああああっ!」
渾身のパンチはあっさり捌かれ、ボディを殴りつけられる。
「あうっ!」
「俺の敵はお前らではない!アンデッドだ!」
攻撃を避けながら、新名が一言一言区切って叫ぶ。
剣崎はさらに攻撃を繰り出すが、全て捌かれ裏拳を喰らう。
衝撃で一回転し、よろめく剣崎。
やみ雲に出した拳も空を切り、顔面への強烈な一撃で地面に転がった。
「その為に、大勢の命を奪っておいて、何を言う!」
剣崎が吼える。
「黙って見ていろ! 邪魔をするな!」
あしらう様に剣崎に告げ、新名はファングに向き直った。
その時、ようやく起き上がった橘が新名に銃口を向けた。
それを察知した新名がファングに乗りアクセルをふかす。
「ムンッ!」
ファングと新名が緑の光に包まれ、橘の撃った銃弾を全て弾き返した。
弾かれた銃弾は剣崎と橘に命中し、その変身を解く。
人間の姿に戻った二人を嘲笑うかのように、
ファングに乗った新名がその間を走り去っていった。
「俺と、橘さんと、みんなのマシンを!……俺は、俺はあのマシンを絶対に取り戻す!」
悔しさをこらえる様に立ち上がった剣崎が、ベルトを掴みながら言った。
熱せられたアスファルトの上で、橘と剣崎、敗れた二人のライダーは新名の去った方向を睨みつけた。
664『狼と人間の黒い牙』第6話:2005/05/04(水) 16:05:48 ID:G4A7etLX
-4-

 守山は激痛で目を覚ました。
全身が痛い。
目を開けると太陽がまぶしい。
頭は霞がかかったようにぼんやりしていて、何がなんだかよく分からない。
倒れたまま、ゆっくりと体を動かす。
骨は──折れていなようだ。
左手がズキリと痛み、見ると折れたナイフの刃が浅く刺さっていた。
思わず血の気が引く。

それを見て全て思い出した。
上半身を起こし、激しく咳き込む。
辺りを見渡すが、誰の気配もしない。
サーキットには、早朝の爽やかで静謐な空気が満ちていた。
資材の中から体を起こす。
落下地点に資材があり、アスファルトに叩きつけられなかったので一命を取り留めたらしい。
守山は立ち上がった。
足にも痛みがあるが、うめきながら何とか立ち上がった。
時計を見ると、気を失ってからさほど時間は過ぎていない。
落ちていた自分の銃を拾い、よろよろとガレージへ向かう。

ガレージには誰もいなかった。
無線での呼びかけに答えるものも無い。
ライダーマシンもファングも無く、仮面ライダーもいない。
そこにあったのは何かが燃えたような跡だけだった。
その跡には見覚えがある。
ワーウルフは死んだ時に燃える、その燃えカスだ。
そして、その燃えカスに混じる服には見覚えがあった。
アンデッドハンター開発班のツナギだ。
665『狼と人間の黒い牙』第6話:2005/05/04(水) 16:10:14 ID:G4A7etLX

ふらつきながらピット脇を通り、部屋に戻る。
途中で路上に光るものを見つけた。
拾い上げると、見慣れた眼鏡。平井の眼鏡だった。
「平井さん……みんな」
膝から力が抜けそうになる。
ピット脇のトイレに倒れこみ、嘔吐した。

洗面所で片手で顔を洗った。
死体のように蒼白で、今にも泣き崩れそうな顔が、そこにあった。
「わああああああーーー!」
叫び声をあげ、鏡を叩き割った。
荒い息を整える。
痛い。苦しい。まだ生きている。
頭の中で激情がぐるぐる渦巻く。
彼は部屋に戻ると、アンデッドサーチャーを起動させた。
すぐさまサーチ音が鳴り響き、アンデッドの位置を示す。
それは、上級アンデッドの位置を示していた。

無言で怪我の治療をし、痛み止めを飲む。
部屋にあったパソコンと機材を集め、SUVに積み込んだ。
やはり、T細胞活性弾の銃は無い。
新名がアンデッドで、自分達を騙していたのだから対アンデッド用の武器など置いていくわけが無い。
そう、新名はアンデッドだったのだ。
そして、自分や仲間達は騙されていたのだ。
666『狼と人間の黒い牙』第6話:2005/05/04(水) 16:11:29 ID:G4A7etLX

だが、守山は今はその事を考えるのを自分に禁じた。
考えていたら二度と立ち上がれなかっただろう。

自分の持っている銃に弾をこめる。
スミス&ウェッソンM29クラッシックには、44マグナム弾が6発装填できる。
人間なら一発で殺せる44マグナム弾も、アンデッドには効果が薄い。
しかし守山はあえてそれを無視して弾をこめた。
他にろくな武器など無いのだ。
新名がアンデッドハンターに強力な武器を与えなかった理由も、今考えれば全て辻褄が合った。
ポケットに予備の銃弾を入れようかと思ったが、以前平井に危険だから止めろと言われた事を思い出した。
代わりに、腰にもう一つホルスターを付け、平井の使っていたM29クラッシックを全弾装填して入れた。
手榴弾を束ね、肩掛けのバッグに入れ、胸部には防弾版代わりの鉄板を入れた。
ヘルメットは迷ったが新名の置いていった黒のハーフヘルメットを持っていく。
最後に、隊員達の残した私物──アクセサリーや小物で、その大半は死体と共に燃えてしまった──を
ポケットに入れ、部屋を出た。

騒ぎを聞きつけ警備員や警官がやって来る前に、守山はサーキットから離れた。
仮面ライダーの二人に連絡を取る方法は、無い。
携帯の所持は許可されていなかったし、連絡先は全て新名が管理していた。
アンデッドサーチャーも彼らが変身しなければ探知できない。
今確かな事は、あのアンデッド──新名の位置だけだった。
667『狼と人間の黒い牙』第6話:2005/05/04(水) 16:19:58 ID:G4A7etLX
-5-

 人気の無い、海岸沿いの道路をブラックファングが走る。
新名は人間の姿でブラックファングを走らせていた。
彼は獲物──他のアンデッドを探していた。
ファングを手に入れた今、アンデッドとの戦闘を避ける理由は無い。
ブラックファング単体では封印は出来ないが、
彼はテスト用と称し橘達からコモンブランクを入手していた。
コモンブランクとは二種類ある封印用ラウズカードの片割れである。
もう一つはプロパーブランクといい、これは封印できるアンデッドが限定される。
コモンブランクは全てのアンデッドを封印可能だが、
プロパーブランクはカードに刻まれたスート(ダイヤやクラブといった)のアンデッドにしか対応しない。

ラウズカードに封印したアンデッドの力を使役するには、
ラウズカードリーダーにカードを読み込ませる必要がある。
仮面ライダー達のラウズカードリーダーは弓や剣といった武器を模している。
それはつまり戦闘にも使用可能なラウザー(覚醒機)で、
カードを使用するたびにラウザーのAP(アタックポイント)を消費する。
当然APが減少すればカードの力は使用できなくなる。
だが、動力炉を持ち、しかもアンデッドである新名が使用するブラックファングなら
APはほぼ無限であり連続してカードを使用できるのだ。
だが新名は今封印済みのカードは持っていない。
ライダー達から奪う事も考えたが、彼らのカードのコンボ=必殺技で敗北するリスクもある。
だから、まずは下級を封印し戦力を集める事にした。

人間の姿で気配を隠しつつアンデッドの位置を探る。
あいにくこの近辺には一匹もいない様だ。
市街地方面へ抜けるため、崖沿いの道へ入った。
しばらく走るとだんだん道が細くなり、明らかに人里から離れていくのがわかる。
引き返そうかとアクセルを緩めたその時、
カーブの向こう側から見慣れたSUVが現れ、突っ込んできた。
668『狼と人間の黒い牙』第6話:2005/05/04(水) 16:28:35 ID:G4A7etLX

守山はノートパソコンを助手席に置き、
アンデッドサーチャーで新名の位置を確認しつつSUVを走らせていた。
表示が段々と大きくなり、ついに数メートルまで迫った。
守山はホルスターのロックを外し、カーブを慎重に抜けた。
カーブの先には、見慣れた黒いバイクと見慣れた人物がいた。アクセルを思い切り踏み込む。
カクンという軽い衝撃と共にSUVが加速し、目の前のバイクが迫る。
新名はギリギリの所でSUVをかわし、その運転席側を抜けた。運転席の守山と視線が交差する。
SUVとファングはターンしつつ急停車し、お互い向かい合う形で止まった。

SUVから守山が降り、新名もヘルメットを脱いでファングから降りた。
守山は新名の使っていたハーフヘルメットをかぶっており、その肩にはバッグをかけていた。
「何の用だ?」
新名が呆れたように言った。
守山は素早く銃を抜くと、新名の顔に目掛けて一発撃った。頬に小さく穴が開き新名がよろめく。
だがそれだけで、新名は平然と守山を見つめた。
「本当にアンデッドなんですね。人間じゃないんだ」
守山が言った。
「ああ、人間じゃない」
新名が少しだけ感慨深く呟き、ゆっくりとウルフアンデッドの姿に変わった。
「それで?どうするつもりだ。殺されに来たのか」
「……」
守山は銃口を向けたまま新名を見つめる。
「新名さん、あなたは僕を騙したんだな。全部嘘だった」
「ああ、そうだな。」
「皆、あなたが殺した」
「そうだ」
「あなたは僕のヒーローだったんだ。あなたのおかげで僕もヒーローになれるかと、
そんな風に思ったのに」
そこまで聞くと新名は馬鹿にした様に笑い出した。
669『狼と人間の黒い牙』第6話:2005/05/04(水) 16:36:03 ID:G4A7etLX

「何がおかしい!」
守山がまた一発撃った。
今度は当たらず、新名は超高速ステップで銃弾を避けた。
そのまま一瞬で守山の眼前まで移動し、銃を弾き飛ばした。
「お前は何も分かってない。学習もしないなァ」
今朝と同じように手から銃を弾かれ、ガラ空きになった守山のボディにパンチが叩き込まれる。
パンチは軽いもので、守山は吹っ飛んだが胸に仕込んだ鉄板のおかげで即死には至らなかった。
ほう、と驚いたように頷くと、新名はSUVの前で膝をつく守山に近づいた。
「馬鹿でも少しは考えるんだな」
新名のその言葉に、守山が息を整えながら答える。
「あんただって、封印も出来ないのに、ファングなんか乗り回して」
守山の前まで来た新名が、二枚のカードをどこからか取り出した。
「やはり頭が足りないようだな。これが何かわかるか」
「……コモンブランク」
「そうだ。これがあればアンデッドを封印できる」
「そう……、封印できるっ!」
待っていたかのように守山が叫び、肩のバッグを新名に突きつけた。
ピンが外れるような軽い音と、守山がSUVの運転席に飛び込んでドアを閉めたのはほぼ同時だった。
次の瞬間、新名の眼前で数個の手榴弾が一気に炸裂した。

轟音と共に爆炎と破片に周囲が包まれ、SUVが激しく揺れた。煙が充満し視界を奪う。
守山は反対側のドアから出ると、新名の居た位置に慎重に近づいた。
あれだけの爆発、さしものアンデッドと言えども無事ではあるまい。
ダメージを受け、バックルが開いた所を封印する。
新名の持っていたカードを使えばそのまま封印出来るはずだ。一歩ずつ確かめるように歩く。
670『狼と人間の黒い牙』第6話:2005/05/04(水) 16:39:50 ID:G4A7etLX

だが爆心地にたどり着いた時、そこには何も無かった。
代わりに、白煙の中からヌッと新名が現れた。
体は無傷で、バックルのウロボロスの蛇は繋がったままだ。
無限をあらわすウロボロス、その二匹の蛇の円環が切断された時、アンデッドの不死性は失われる。
「俺は上級アンデッドだぞ。まったくお前は」
呆れたように言う。
「おかげでカードがどこかにいったぞ」
その声はやや怒気をはらんでいて、さすがに寒気がした。そのまま近づいてくる。
万策尽きた守山は、ただ無言でそれを見ていた。

「あきらめたのか」
無抵抗になった守山に新名が言った。
「……もう、何も手がないんで」
守山が無気力に返す。
新名の手が守山の胸倉を掴み上げた。
「くだらないな。人間は」
体が宙に浮き、息が詰まる。
「お前はヒーローなんかにはなれない。一生そんなくだらない悩みに振り回されて惨めに死ぬ」
息が苦しい。視界がチカチカと白くなっていく。指先がしびれて来た。
「そんな言葉に意味は無い。カズアキ」
その台詞の調子は何か引っかかる感じで、それでも新名の手は緩められなかった。
守山は朦朧とした頭でその言葉を反芻し、腰に手を伸ばした。
そこに平井の銃があった。

この距離なら。そうボソリと呟いて、銃口を、新名の琥珀色の目に当てた。
新名の胸の眼球がギロリと蠢く。
守山は、そのまま片手で引き金を引いた。
671『狼と人間の黒い牙』第6話:2005/05/04(水) 16:44:43 ID:G4A7etLX

目の前で小さな爆発が起きた。
強烈な反動で手が叩き上げられ、砕かれた銃弾の破片が、散弾のように守山の顔に突き刺さる。
守山は絶叫しながら何度も引き金を引いた。

弾は全て撃ちだされ、カチリカチリと撃鉄の落ちる音だけが響く。
硝煙が薄れた時、銃口の前には新名の手があった。
そこからわずかに緑色の血が滴る。
ぐったりとした守山を一瞥すると、新名はそれを放り投げた。

守山は、体が宙に浮く感覚は今日二度目で、今度はずいぶん長く感じた。
視界が逆さまになり、新名から離れていく自分がわかる。
そのまま、青い海面が迫り、そこに突っ込んだ。
衝撃と共に体が沈む。
肺から空気が叩き出され、重い海水に体が拘束された。
かえるの様に手を動かし、もがくように海面の明るい光を目指した。
無意識にサスペンダーを外し、鉄板入りのジャケットを脱ぐ。
何も出来ない。息が出来ない。ただ、無我夢中で手足を動かす
しばらくそうして、ようやく薄暗い海中から、海面へと顔を出した。

太陽の光がまぶしい。
海水を吐き出し、咳き込みながら息を吸った。
しばらくそのまま立ち泳ぎで呼吸を整える。
快晴の真っ青な空と緑の林が見える。
海岸からはそれほど離れてはいないようだ。
体はひどく痛むが、なんとかまだ動く。
守山は波をかきわけ、必死で陸に向かって泳ぎ始めた。
672『狼と人間の黒い牙』第6話:2005/05/04(水) 16:49:23 ID:G4A7etLX
-6-

新名は人間の姿に変わると、砂浜で人を待った。
仮面ライダーの二人はブラックファングを探しているだろう。
そして、俺がアンデッドである事はまだ知らない。
どちらかやって来たところで殺しカードを奪う。
先程は興に乗って遊びすぎた。おかげでコモンブランクを失った。
舌打ちしつつ気配を探ると、道路沿いに仮面ライダーの一人────剣崎一真が来る。
新名はゆっくりとブラックファングを押し始めた。

ブラックファングを探していた剣崎は、海岸を背にファングを押してくる新名を見つけた
驚きながら携帯電話で橘に連絡を取り、駆け寄った。
「新名さん!取り戻してくれたんですね」
「ああ、だが逃げられた 迂闊だったな」
悔しそうに新名は言った。
つまり、新名はアンデッドからブラックファングを奪い返したが
アンデッドには逃げられてしまった、という筋書きだ。
普通は怪しむだろうが、目の前のコイツは人がいい。
「でも、新名さんだけでも無事でよかった」
ホッとした様に剣崎は言い、笑顔を見せる。
「剣崎くん」
その笑顔に新名も答え、見詰め合う。
「新名さん、今度こそ俺達で新しいBOARDを作りましょう。人類を助ける、正義の組織を」
頷き合い、剣崎はブルースペイダーへ向かって歩き出した。
その後姿を見る新名の表情が一変し、剣崎を睨みつけた。
その手が不気味に変化する。
アンデッドと人間の中間態のように、肌の色は落ち漆黒の爪が鋭く伸びた。
その爪を背中に突きたてようとした瞬間、手をつかまれた。
673『狼と人間の黒い牙』第6話:2005/05/04(水) 16:54:25 ID:G4A7etLX

「正体を現したな、新名!」
橘は新名の手を押さえ、怒りの表情で睨みつける。
「まさか」
剣崎が、ただ呆然としながら言葉を発する。
「このファングを完成させるため、俺たちを利用したのか」
「うそでしょ、新名さん」
悲壮な顔で剣崎が詰め寄る。
「アンデッドハンターなどというのも、人間社会に潜り込み、効率よくアンデッドを始末するため」
新名はうざったそうに橘の手を振り払うと、高笑いを始めた。
「信じていたのか、BOARD再建など……ハンッ!俺の目的は最初からBOARDから盗み出したコイツの完成だけ。
そして今、お前らのおかげで俺は最強になった」
嘲笑し、橘達を馬鹿にするように見渡すと吐き捨てた。
「ふざけんな!」
怒り心頭に発した剣崎が新名を殴りつけ、新名のポケットの銃──T細胞活性弾発射機を抜き出す。
銃口を新名に向け、そのまま一気に連射した。
激しい火花が散り、新名は後ずさったが、その体には傷一つ無い。
新名は、おもしろくて仕方が無い、というように息を切らせ笑う。
「それもただのガラクタだ!アンデッドを捕獲するノウハウなど────あるものか」
その侮った視線に二人の表情が歪んだ。
「全部嘘か……嘘だったのか」
「貴様……!」
新名の目が見開かれ、その体が空中に舞った。
一回転しウルフアンデッドへ変化すると、剣崎を殴り飛ばしファングみに乗り込む。
「このマシンは俺のためにある!」
満足気に黒いボディを撫で、橘を睨みつけると激しくスキール音を響かせその場から走り出した。
674『狼と人間の黒い牙』第6話:2005/05/04(水) 16:56:23 ID:G4A7etLX

「剣崎!」
橘は走り去るファングを唖然と見送ると、道下の砂浜に叩き落された剣崎に駆け寄った。
「大丈夫か」
「俺の責任です。アンデッドに騙されて、ファングを与えてしまった」
殴られた肩を押さえながら剣崎が悔しそうに言う。
「俺も、同罪だ」
橘が目をそらし、つぶやいた。
「橘さん」
「ブラックファングを見た時、俺も、BOARDの時代に戻ったような気がした」
立ち上がり、水平線を見つめながら橘が言った。
橘はBOARDの時代の会話、上司である烏丸所長との会話を回想した。
『君達が、乗る事になるかもしれないマシンだ。発見されたライダーシステムを元に再現された』
明かりに包まれたBOARDの研究施設内部、烏丸と橘の前に二台のライダーマシンがあった。
完成したばかりのブルースペイダー、およびレッドランバスである。
『これが人類を防衛する、最高の武器』
マシンを見つめ、橘が言った。
『さらに、この二台のデータを元に、ブラックファングという最新バージョンも開発中だ』
研究室のモニターには確かに「BLACK FANG PROJECT」とあり、その完成予想図が表示されていた。
『君にも、そのプロジェクトに加わってもらう。人類の未来を守るための、研究だ』
期待と自信に満ちた表情で烏丸が言い、橘は力強くうなずいた。
675『狼と人間の黒い牙』第6話:2005/05/04(水) 16:58:20 ID:G4A7etLX

「烏丸所長も俺も、理想に燃えていた」
静かに打ち寄せる波を見つつ、橘は続けた。
「時間を戻すことは出来ない。だが、あの頃の理想が戻って来た気がした。ファングを見た時……」
「俺も、同じ事を考えていました。BOARDに入った時の、夢や希望」
剣崎が立ち上がり、言った。

橘は剣崎に向き合う。
「BOARDはもう無い。だが、剣崎。仲間ならいる。俺達が理想を忘れなければ────いいんだ」
静かに、強い意志がこめられたその言葉。
剣崎が受け、返した。
「全ての人類を、守るために!」
その、新たな決意に満ち溢れた表情で二人は歩き出した。

「「変身!!」」
土埃の舞う中、ライダーマシンに乗った二人の男は仮面ライダーへとその姿を変えた。
過去を利用した敵と、その道具に決着をつけるため、走り出す。
676『狼と人間の黒い牙』第6話:2005/05/04(水) 17:00:01 ID:G4A7etLX
-7-

「予選A組、期待の山口達也、ゼッケン5番は快調に飛ばします。
まもなく、第一コーナーから第二コーナー……」
サーキット内に設置されたスピーカーから実況が響き渡る。
今日はバイクのレースが行われていた。
空気を震わせ、観客達の目の前を弾丸のようにすっ飛んでいく。
観客席とはフェンスに隔たれているとはいっても、コースまでの距離は数メートルだ。
真夏の強い日差しが照りつける中、観客達は汗を拭きつつレースに見入っていた。
暑さが辛いのはレーサー達も同じである。
当然ながらその体力、集中力の消費は莫大なものだ。
直線では300km/hにも達するマシンを長時間全力で操るのは、相当消耗する。

そんな過酷なレースの中、先頭のゼッケン5番の選手は快走していた。
が、異様な気配に突然後ろを振り返る。
サーキットを走るマシンにはサイドミラーが付いていないので、目視するしかない。
レーサー達の最後尾に、真っ黒なマシンと怪物が迫ってきた。
選手は、以前そのマシンを一度見ていた。
テスト走行だと言って怪しい連中が走らせていたのだが、
どうにもサーキットには不釣合いなマシンであった。
構造的にもパッと見ではオフロードやモタードといった感だ。
それが、ぐいぐいとレーサー達のマシンに迫る。
冗談もいいところだ。

新名はライダー達の前から走り去った後、戯れにサーキットに乱入していた。
今の彼には、人やアンデッドからコソコソと隠れる理由など無い。
むしろここでその姿を見せ付けてやる方がいい。

最後尾に追いつくとレーサー達がキョロキョロ後ろを振り返る。
新名は鼻で笑うとブラックファングから衝撃波を発射した。
緑色の衝撃がレーサー達を襲い、激しくマシンが揺さぶられる。
慌てて、しかし各自が慎重にコースから逃れたおかげで転倒は免れたが、レースは当然中止である。
677『狼と人間の黒い牙』第6話:2005/05/04(水) 17:04:09 ID:G4A7etLX

コースから外れていくレーサー達を横目に、新名はファングのアクセルをまわし先頭の選手をパスした。
選手は不思議そうにそれ見送る。
そして後方からの気配に再び振り向くと、今度は二台、またおかしなマシンが猛スピードで追いかけてきた。
それぞれ左右を抜けていくマシンを見送り、選手は思わずマシンを止めた。
ヘルメットのシールドを上げ、様子を見守る。
「逃がすか!」
青いマシン=ブルースペイダーを駆る剣崎と、赤いマシン=レッドランバスを駆る橘。
両者ともマシンは常識を超えた能力のライダーマシンであり、乗り手は仮面ライダーだ。
しかしアンデッドの操るブラックファングはその予想を超えた能力を持ち、
接近した二人のライダーを容易く衝撃波で弾き飛ばした。
弾かれたマシンはよろめきながらコースの外壁へと向かう。
間一髪、正面から叩きつけられることは免れたがこれではファングを追う事が出来ない。
歯噛みする二人を尻目に、ファングは遠ざかっていく。
その時、様子見をしていた5番の選手が突然走り出した。
フロントアップし、一気に加速する。その先にいるのは、ブラックファングだ。
「やめろっ!」
「危ない!」
橘と剣崎が慌てて声を上げるが、ここからは届くわけも無い。
選手はコースの内側をショートカットし、素早くファングの後ろに張り付いた。
新名は苦笑しつつ目障りなレーサーを遠ざけようとファングを操るが、選手はぴったりと張り付いてくる。
業を煮やし、緑の衝撃波を発射した瞬間、予想しなかったことが起こった。
678『狼と人間の黒い牙』第6話:2005/05/04(水) 17:07:37 ID:G4A7etLX

ファングの真後ろに接近したマシンには、衝撃波が通用しなかったのだ。
それを見た橘は一瞬考え込んだ後、剣崎に言った。
「見たか、スリップストリームだ」
「ハイ!」
選手とファングに目をやると、選手は相変わらずピッタリとファングを追跡していた。
新名は忌々しげにファングのラウズカードリーダーに手をやり、後方に向け白煙を放射した。
これはカードの能力ではなく、アンデッドの力が循環する事で得たファング固有の能力の一つだ。
視界を奪うガスに耐え切れず、ついに選手がコースアウトした。
「行くぞ!」
「ハイ!」
それを見て橘と剣崎が気づいたように走り出した。
ファングとの距離は、まださほど開いてはいない。
”ファングの真後ろに着けば、攻撃を受けずにアイツの速度を利用して着いていける”
「スリップストリームだ、その一点にかけろ」
「ハイ!」
ファングとライダーマシン、三台は一気にサーキット内を抜け海岸沿いの道路に出るた。
このまま行けば、もうすぐ港に着く。
港の構内に入ったところで、剣崎は一枚のカードを出し、マシンのラウズカードリーダーに通した。
前方の空中に青色の紋章が浮かび上がり、マシンに吸い込まれる。
『マッハ』
カテゴリー9、ジャガーアンデッドのカード効果は「マッハ」。
その名が示す通り、使用対象を高速化する。
「はあああああああああああああああああ!」
ブルースペイダーが一気に加速する。
ブラックファングとの差が急激に縮まり、ついには真後ろ────衝撃波の通用しない位置まで来た。
もはや両者の差はわずか数十センチである。
新名は慌てたように何度も振り返り、うめくと白煙を放射した。
剣崎の視界は大幅に奪われるが、それでも離れない。
ブレイド搭載コンピューター「ネクサス」の補助と、なにより彼のカンと技術で絶妙な位置が保たれる。
ブラックファングの速度を利用し、さらにその一瞬の隙を突き、剣崎は加速する。それはほんの一瞬。
一瞬でブルースペイダーがブラックファングを抜き去り、勝敗は決した。
679『狼と人間の黒い牙』第6話:2005/05/04(水) 17:12:29 ID:G4A7etLX

新名の視界からブルースペイダーが遠ざかる。
「馬鹿な!」
混乱していた。最強のマシン、ファングが敗れた。ありえない。怒りが渦巻く。
角を曲がり消え去ったブレイドを追って一気に曲がった。
港の接岸地点と水平線が目に入る。
大型の機材を避けたその先に、ブレイドが居た。
激怒し突進する新名の前で、剣崎は落ち着いたままラウザーを展開、
また一枚のカードを通した。
『スラッシュ』
小気味良い電子音と共にAPが消費され、ブレイラウザーに青き光がともる。
カテゴリー2リザードスラッシュはそのエネルギーを刃に集中させ、
剣崎は突っ込んできたファングからすれ違いざまに新名を叩き落した。
「おおああああああっ!」
「ヌウウァアッ!」
バイクから無様に落ちた新名に剣崎が斬りかかる。
もちろん一対一で負けることなど有り得ないが、
ファングが敗れたことで新名は動揺していた。
動きに精彩を欠く。
そして、後からあらわれたギャレンが、戦う剣崎達の横で静かに銃口を向けた。
その先にあるのは、ブラックファング。
今回の戦いの道具であり原因であったそのマシン、
狼と人間の作り上げた黒い牙は、空しくタイヤを宙に向けていた。
ギャレンラウザーの引き金に指をかける。
橘の頭に、あの時烏丸所長の言った言葉が響いた。
『人類の未来を守るための、研究だ』

──俺達の、俺達のファングよ。

──さらばだ。

決別の銃弾が放たれ、ブラックファングは爆炎に包まれた。
680『狼と人間の黒い牙』第6話:2005/05/04(水) 17:17:48 ID:G4A7etLX
-7-

『キック』『ドロップ』
『サンダー』『ファイア』
「ヌォオオオオァアアアアアアアアアアアアアア!」
新名は目の前の二人のライダーの行うアクションに対し、咆哮した。残った力をみなぎらせ、身構える。
敵が放とうとしているのはラウズカードのコンボ技、しかも二人同時だ。
この位置からではもう避けられない。ならば────迎え撃つのみ!
『バーニングスマッシュ』『ライトニンングブラスト』
空中に浮かび上がり吸い込まれる紋章と無機質な電子音声。
ライダー達の頭部が発光し、彼らのライダーシステムがフル稼働しているのが分かる。
飛び上がったのは二人が先で、新名は一瞬出遅れた。
「ッ!トゥアッ!」
だがその一瞬の隙で勝敗は決した。
「ウエエエエエエエエエエエエエエエエエイ!」
「フゥァアアッ!」
雷撃と炎撃、二つの閃光と衝撃が新名に迫る。
空中で二人に向かって突進しふるった爪は────届かなかった。
小さな爆発が起こり、周囲が一瞬光に包まれた。
三つの物体が落下したが、着地したのは二人で、新名は地面に叩きつけられ、膝をついた。
「ウワォァアアアあああーーーーッ!?」
勢いで一度立ち上がったが、体に叩き込まれたエネルギーは押さえられるわけも無く再び爆発した。
新名が倒れ、ベルトのバックルが開く。
分離された二匹の蛇の間にカテゴリーを示す「J」の文字。
体を起こそうとするが、もはやこのアンデッドは不死の存在ではない。
首半分起こそうとしたところで、ブレイドの持っているカードが見えた。コモンブランク。封印のカードだ。
捨て台詞を吐く余裕も与えられず、それは容赦なく投げつけられた。
緑色の光と共に、新名は数センチ四方のカードへ意識も体も吸い込まれていった。

封印完了。
ここに新名=ウルフアンデッドのバトルファイトは終わりを告げた。
681『狼と人間の黒い牙』第6話:2005/05/04(水) 17:23:46 ID:G4A7etLX
-8-

守山は新名の封印を見届けることは出来なかった。
海岸にたどり着いた後SUVまで行ったが、手榴弾の破片でタイヤがパンクしていた。
タイヤを交換し、朦朧としつつアンデッドサーチャーの表示を追った。
海岸道路を走り港の方向へ進む。
アンデッドサーチャーには上級アンデッドと仮面ライダーの表示があり、
彼らが戦闘状態にあるのがわかった。
今更守山が行っても出来る事など無いが、行かなければならないと思った。
その思いに突き動かされ、ひたすら車を走らせる。

表示された場所まで後少し、という所で、上級アンデッドの表示が消えた。
「あ」
知らずに声が漏れていた。
車を止めそうになるが、そのまま走り続けた。
モニターには仮面ライダー二人の表示のみ。
それはつまり、新名が封印されたことを意味した。

目的地まで後数十メートル。
守山は車から降りた。
手元に銃は無く、徒手空拳だが、その場所目指して歩く。
パソコンのアンデッドサーチャーが新たな上級アンデッドの出現を告げる。
しばらくすると、仮面ライダー二人の表示が離れ、上級アンデッドも消えた。
戦闘の勝敗が決したというよりは、ただその場からいなくなったようだ。
682『狼と人間の黒い牙』第6話:2005/05/04(水) 17:33:25 ID:G4A7etLX

コンテナの隙間を抜けると、港のバースに出た。
大型のクレーンの隙間に青い空と海が広がる。
その下に、燃える一台のバイクがあった。

「ブラック……ファング」
守山はSUVを持ってくると消火器でその火を消した。
外装は滅茶苦茶に壊れ、炎にさらされたパーツはもはや原形を留めていない。

しばらく立ちすくみ、
燃えずに残された部品をSUVに積んでその場から離れた。
そのまま、海沿いを当ても無く走った。
本当に当てなんか無かった。

砂浜の近くに車を止め、海に向かって歩く。
ふと足を止めると、そこに大型の銃があった。
T細胞活性弾発射機。
アンデッドと戦う上での自分達の切り札だったソレは、ガラクタの様にそこに捨ててあった。
座り込み、その銃を胸で抱える。
ジャケットは海中で脱ぎ捨てたので、平井や仲間達の遺品は何も残っていなかった。

海から涼しい風が吹く。
日はもう傾き始めていて、昼間の熱気とは対照的に気温が下がり始めていた。
まだ暖かいが、この場所もじきに夜を迎える。

守山は、色々な事がもう終わってしまったことを知って、うずくまりながら泣いた。

683『狼と人間の黒い牙』:2005/05/04(水) 17:38:31 ID:G4A7etLX
<エピローグ>


 道に枯葉が積もっていた。
背後に大きな森林地帯を持つこの街は、街中でも木々が多く自然豊かである。
そのおかげで、閑静なこの地に家や別荘を持つ人は多かった。
街の中心部まで行けばそこそこに賑わいもあり、電車を使えば歓楽街へ抜けられる。
大都市圏へのベッドタウンとしてはまあ悪くなく、通勤通学時間には駅へ急ぐ人々で通りは混雑した。
この季節にはもう木々の葉は落ちていた。
普段から並木道にも手入れが行き届いているはずだが、なぜか枯葉やゴミが散らばっている。
いくら寒いとはいえ、雪が積もっている様子もない。
道端に人影が無いのは不自然だった。

住宅街へ向かうと、ここもゴーストタウンのように静かだった。
見れば破壊の跡がある。
何かが起こった、というのは間違いない。
家々には鍵がかけられ、車庫に車は無い。
人々が我が家を捨てどこかに逃げたのだ。
それは尋常な話ではないが、理由さえ知っていれば納得は出来た。

突然の物音に振り返った。
通りの向こう側、交差点を誰かが走っていく。
そして、その後ろを数匹の怪物────緑と黒のグロテスクな────が追いかけて行った。
684『狼と人間の黒い牙』:2005/05/04(水) 17:40:24 ID:G4A7etLX

数日前だろうか。
その怪物はある日突然現れて、人間を襲い始めた。
その外見や生命力も恐ろしかったが、何よりも人々を恐怖に陥れたのは数である。
怪物の数は爆発的に増え、いくら倒しても湧き上がるように都市に押し寄せたのだ。
多くの人間が命を落とし、それによってさらに多くの人間が人生を変えられた。

自然破壊への地球の怒りだと言う人もいれば、他国の生物兵器だと言う人もいた。
宇宙人、なんて意見さえも真実味を持って語られた。
だがそれに何の意味があるのか。
人々は、ただ己や愛する者の命が守られることだけを願い、神に祈った。

走り去る人影を見た青年は、ギアを落としエンジンに渇を入れ、バイクを交差点に向けた。
信号は機能しているが他に走る車両など無い。
後輪を滑らせつつ素早く曲がると、すぐ前に襲われている女性がいた。
いや、女性というより女の子と言う方が合っている。
まだ中学生、と言った所だろうか。
ショートカットで、ジーンズにコートという服装だった。
青年は腰から大型の銃を抜くと、怪物達に慎重に狙いをつけた。
重い銃声と共に銃弾が発射され、怪物が緑の光を放ち消えた。
一匹、二匹。
次々に命中する銃弾に、怪物は反撃する間も無く消え去った。
685『狼と人間の黒い牙』:2005/05/04(水) 17:41:13 ID:G4A7etLX

呆然とする私の前に、バイクから降りた人が近づいた。
「立てる?」
ただそれだけ言って手を差し出す。
掴んだその手は傷だらけで、温かく大きかった。
若い男の人は黒のハーフヘルメットを被っていた。
ゴーグルを外したその目が細められ、じっとこちらを見つめた。
その視線に居心地悪そうにしていると、彼が口を開いた。
「ああ、ごめんね。会った事があったかなと思って」
だけど、私はその人を知らなかった。
そのまま私をバイクまで連れて行き後ろに乗せる。
「しっかりつかまっていてね」
「はい」
私はおずおずと彼の腰に手を回す。
ゆっくりと発進し、バイクが街から離れ始めた。
「なんでこんな場所に?」
彼が声をかけてきた。
「家がこの辺にあって。書置きをしてきたんです」
「誰に」
「母です、随分前から行方不明なんで」
「……そう」
「あなたは、なんでここに?」
一拍置いて、彼が答えた。
「この近くの森にちょっと用があってね」
「? 別荘でもあるんですか?」
「ああ、まあ。そんなものかな」
それから、彼が黙ってしまったので会話が途切れ、二人とも無言になった。
686『狼と人間の黒い牙』:2005/05/04(水) 17:47:14 ID:G4A7etLX

背中越しに流れる町並みを見る。
なんだか、前にもこんな事があった気がしたけれど、頭に靄がかかったように思い出せなかった。

しばらく走って、街外れの避難所へたどり着いた。
ここは自衛隊が守っているので、周りの街からも人々が非難してきていた。
彼はゲートの横で私を降ろした。
改めて近くで見てみると、彼の体は満身創痍に見えた。
だけど、治療所に行こうと言うと、彼はそれを断った。
「これは最近の傷じゃなくてね。まあ色々あってさ。人間なかなか死ねないもんだよ」
だから君も頑張れ、と
よくわからない励まし方をして、彼はバイクを今来た方向に向けた。

どこに行くのかと聞くと、自分の用は終わったので、まだ街に残っている人がいるようだから、
助けに行くと言う。
確かに自衛隊と警察は怪物との戦闘にその労力を割かれていて、各都市の住民の救助は滞っていた。
だからって彼一人行ったところで何になるのか。
なんでそんな危ないことをするのかと聞くと、彼は答えた。
「そうだね、確かに危ないし、無鉄砲かもしれない。
でも、誰かがやらなくてはならない事があって、たまたまそこに僕が居た。
このバイクと銃があって、たまたま僕にはそれが出来る。
何より、僕はそういうのが嫌いじゃない。
……それだけなんだ」
彼は、それだけなんだ、と誰に向けてでも無くもう一度繰り返した。
その瞳に迷いは無かったけれど、少しだけ寂しそうだった。
687『狼と人間の黒い牙』:2005/05/04(水) 17:50:49 ID:G4A7etLX

「じゃっ」
片手を挙げ、青年が夕日に去っていく。
私は何をするでも無く、ただその後姿を見ていた。
なんだかテレビの、子供向け番組のヒーローのような彼を見て、
ここ一年でよく聞く様になった都市伝説を思い出していた。
「仮面ライダー、……か」
なんとなく気恥ずかしくて、私はもう見えなくなった青年に背を向けゲートをくぐった。


落ちていく太陽を横目に黒いマシンが走る。
それは、かつて狼と人間が作ろうとした黒い牙の成れの果てだったろうか。

誰もが、過ぎ去り変えられぬ想いを背に、その身にまとった運命と戦う。
例え、決意が時と共に色褪せていったとしても。

守山はアクセルをひねりマシンを加速させた。
狼の咆哮のように、エンジンがうなる。
その牙は、乗り手と共に、訪れる夜を切り開くのだ。


<終>
688名無しより愛をこめて:2005/05/04(水) 18:00:49 ID:XJ+9DWWt
初めてリアルタイムで読んだ。
守山くん、死ななくて良かった!
最後の女の子を助けるところもカッコイイし。
すっごく面白かったです!
689447:2005/05/04(水) 18:56:09 ID:G4A7etLX
>>688
ども、感想ありがとうございマス。

>>スーパーライダー大戦 ◆rAbda18lAEさん
毎回楽しみに読ませていただいてますよー。
自分もまだまだ考えてばっかりで手が動かない未熟へっぽこです。
共に楽しんで精進していきませう。

しかし現在487KB?やばかったー…(´Д`;)
そろそろ次スレですね。
自分はちょいと弾切れなんで、充電するのです。
「輝」聞いて充電します。ドンドコドンドンドコドン。熱すぎる。
690名無しより愛をこめて:2005/05/04(水) 20:59:01 ID:/E66fWOr
「狼と人間の黒い牙」 完成乙です。
今日初めて存在を知り 遡って読ませてもらいました。
力技タイアップの所為?なのか 
本編はいささか厳しい評判だった(と記憶していた) 24、25話に
着目して 
描かれないには惜し過ぎる設定のUDハンターに焦点を当てたと言う
発想の勝利と 
書き上げた文章力を楽しませてもらいました。
スーパーGJですь(´.∀`)
691名無しより愛をこめて:2005/05/04(水) 22:20:09 ID:syaeeh/q
「狼と人間の黒い牙」エピローグで泣いた。
きっかけが何であれ、人はヒーローになり得るんだな、諦めない限り。
日々の暮らしで忘れかけていた「正義の心」を、久しぶりに思い出した気分だ。

こうやって少しづつでも、人々の心に「あともう一歩の勇気」が伝わっていけば
誰もがヒーローになって、みんなが平和を守りあう地球ができるのかも知れないな。

チラシの裏的な感想ですまん
692名無しより愛をこめて:2005/05/05(木) 16:13:06 ID:U4k4czVU
「狼と人間の黒い牙」 完成乙!!マジ乙!!
すげー感動した 守山くん死ななくてよかったなぁ
充分楽しませてもらいました
GJです
693名無しより愛をこめて:2005/05/07(土) 04:16:04 ID:zW6qg48q
 原作版「変身忍者嵐」+仮面ライダー響鬼

 鬼と呼ばれる者たちが、その世界の最後の魔化網を倒した時、全国の
「猛士」のすべての「鬼」と呼ばれる者達が現代から消失した。

 鬼と魔化網と呼ばれる者達は表裏一体の存在であったのだ

 彼ら(全ての鬼)は、江戸時代に跳ばされた。その世界では
魔化網でもなく鬼でもない血車党と呼ばれるもの達が世界を征
服しようとしていた。

 その世界を守るために戦う鬼達。だが彼らの中には、未来を憂う故に
統率者になろうとする者・野心が芽生えた者、が出てきたのだ・・。
694名無しより愛をこめて:2005/05/07(土) 04:20:47 ID:zW6qg48q
江戸時代で、孤立に戦うヒビキ。彼は「自ら親兄弟を殺した」という青年
ハヤテと出会う・・・。
695名無しより愛をこめて:2005/05/07(土) 14:34:07 ID:C4w3rpBa
そういえば嵐も、鍔鳴りの音に反応して化身するんだなあ。
696名無しより愛をこめて:2005/05/10(火) 08:20:06 ID:aqk9tP7j
ほしゅ
697まとめサイト:2005/05/11(水) 19:05:05 ID:JmJR30tK
http://www.geocities.jp/maskedrider_ss/777.html
タグなおしました。これで背景が白くなることはないとおもいます。
狼と人間の黒い牙、もう一人の夢の守人を更新しました。
スーパーライダー大戦(仮)その他は明日更新予定です。
698名無しより愛をこめて:2005/05/11(水) 19:31:10 ID:9Uk5P3gn
今新しいSSを連載しようかななんて思ってる。近々詳細発表予定。
699名無しより愛をこめて:2005/05/14(土) 22:06:25 ID:NhyvdQyf
ダブルライダー2004さん、復活期待ホシュ。
700名無しより愛をこめて:2005/05/15(日) 21:57:31 ID:fe3JY3/n
突如復活した未確認。そしてまた人間を襲い始めたオルフェノク達。
誰もが絶望していたとき2人の戦士が現れる!!
「いきましょう乾さん。俺達で未確認達をなんとかするんです。」
「今回ばかりはめんどくさいとも言ってられないみたいだな。いくぞ五代!」
五代と呼ばれた青年は腹部にベルトを出現させをポーズ取る。
もう一人の乾を呼ばれた青年は腰に機械的なベルトを巻きつけ、ケータイを持った右手を天高く上げる。
そして2人の青年は同時にこう叫ぶ!!!
「「変身!!」」
すると五代はクウガへ乾は555へと変身をとげる。
2人の戦士はは未確認、オルフェノク達の群れへと向かって行くのであった。


ってな感じで書こうかなぁと思っています。
ですがこういうのは書いたことがない初心者ですのでうまく書けないと思いますが、
一応やれるだけやってみようとは思っていますので。
701名無しより愛をこめて:2005/05/15(日) 22:01:06 ID:fe3JY3/n
うわっ「はは」とかなってる。いきなりミスったぁ
702名無しより愛をこめて:2005/05/15(日) 23:56:01 ID:AEF+WY03
五代とたっくんとは珍しい組み合わせですねぇ。
頑張ってください!
703名無しより愛をこめて:2005/05/16(月) 19:49:29 ID:XfvmrzYc
多数の未確認とオルフェノク達。
その数50体。
本来ならば2対50なの勝ち目など無いはずだが2人の戦士は決して諦めずに戦いを挑んでいく。

赤のクウガで戦いを挑む五代。敵は30体ほどだろうか。
(赤のクウガだとこの数に対応できない。。ここは防御や動きを捨てて紫のクウガで一気に勝負をつける!)
そして五代は
「超変身!!」
と叫ぶと赤だった体が紫に変化する。そして近くに落ちていた棒切れを拾いそれをタイタンソードに変えると、
一気に敵をなぎ払っていく。そして20体・10体と数を減らしていく。しかし五代にも疲れの色が見え始め動きが鈍くなってきている。
そして五代が油断した瞬間敵の一撃が五代に直撃する。そして五代はそのままその場に倒れる。
起き上がろうとするが、起き上がれない。体力の限界に達したようだ。
「はぁはぁはぁ・・・・・」
(あとたった5体だと言うのに体がついていかない。もうダメなのか・・・・・)
五代が諦めかけたときふっと頭にみんなの笑顔が思い浮かぶ。
「そうだ。こんなところで諦めちゃいけないんだ。俺はみんなを守るために戦ってる。ここで俺が諦めたらみんなが傷付いてしまう。」
そして五代は立ち上がり青の金のクウガに超変身する。
「敵の数はそう多くない。俺の体力も限界まできてる。青の金で一気に倒す)
そして落ちていた鉄パイプを拾いドラゴンロッドに変化させる。
素早く敵に接近していくと同時に青の金に変わりロッドで敵を倒していく。
4体倒し残り1体になる。青の金でいられる時間は残り10秒。
五代は最後の力を振り絞り敵に近づき、ロッドで刺す。
「おぉぉりゃぁぁ!!」
未確認達を全部倒し終えた五代はその場に倒れる。
(だ、大丈夫かな?、乾さん、、、)
そう思い助けに行こうとするが体が動かずにその場で意識を失うのであった。

そのころ555は20体のオルフェノク・未確認達と戦っていた。


なんか書いてみたけどやっぱし難しい。全然うまくかけてないけど投下しておきます。
704名無しより愛をこめて:2005/05/16(月) 19:51:57 ID:XfvmrzYc
上のはミスです。こっちでお願いします。

多数の未確認とオルフェノク達。
その数50体。
本来ならば2対50なの勝ち目など無いはずだが2人の戦士は決して諦めずに戦いを挑んでいく。

赤のクウガで戦いを挑む五代。敵は30体ほどだろうか。
(赤のクウガだとこの数に対応できない。。ここは防御や動きを捨てて紫のクウガで一気に勝負をつける!)
そして五代は
「超変身!!」
と叫ぶと赤だった体が紫に変化する。そして近くに落ちていた棒切れを拾いそれをタイタンソードに変えると、
一気に敵をなぎ払っていく。そして20体・10体と数を減らしていく。しかし五代にも疲れの色が見え始め動きが鈍くなってきている。
そして五代が油断した瞬間敵の一撃が五代に直撃する。そして五代はそのままその場に倒れる。
起き上がろうとするが、起き上がれない。体力の限界に達したようだ。
「はぁはぁはぁ・・・・・」
(あとたった5体だと言うのに体がついていかない。もうダメなのか・・・・・)
五代が諦めかけたときふっと頭にみんなの笑顔が思い浮かぶ。
「そうだ。こんなところで諦めちゃいけないんだ。俺はみんなを守るために戦ってる。ここで俺が諦めたらみんなが傷付いてしまう。」
そして五代は立ち上がり青のクウガに超変身する。
「敵の数はそう多くない。俺の体力も限界まできてる。青の金で一気に倒す)
そして落ちていた鉄パイプを拾いドラゴンロッドに変化させる。
素早く敵に接近していくと同時に青の金に変わりロッドで敵を倒していく。
4体倒し残り1体になる。青の金でいられる時間は残り10秒。
五代は最後の力を振り絞り敵に近づき、ロッドで刺す。
「おぉぉりゃぁぁ!!」
未確認達を全部倒し終えた五代はその場に倒れる。
(だ、大丈夫かな、乾さん、、、)
そう思い助けに行こうとするが体がついていかずその場で意識を失うのであった。

そのころ555は20体のオルフェノク・未確認達と戦っていた
705698:2005/05/16(月) 20:09:19 ID:QuNqDgJs
一応二つほど考えました。

@劇場版のブレイド、ギャレン、レンゲル、カリスと、
 ゲルショッカー壊滅後(デストロン出現前)の1号、2号の6人が
 異世界に迷い込んだ。そこは彼らがそれぞれ知っている世界とは
 微妙に違う世界だった。彼らは自らの時代に帰還するため、
 元の世界に戻る方法を知っているという人間に力を貸すのであった。

AファイズTV版のその後。スマートブレインがしていたオルフェノクの研究
 に目を付け、その研究成果を会社ごと買収したある大企業が行った実験のせいで
 オルフェノクが大量発生。巧はまた人間とオルフェノクの間で争う事に悲しみを
 覚えながらも、木場に言われた『答え』を探す、再び戦いに赴くのであった……


このどちらかを連載したいと思います。どちらにするかはまだ決まってません。
706名無しより愛をこめて:2005/05/16(月) 20:34:56 ID:XfvmrzYc
五代が30体の未確認やオルフェノクと戦っていたころ、
乾も20体のオルフェノク達と戦っていた。

555はファイズエッジを手にたたかっていた。
こちらは五代とは違いあまり手こずってはいなかった。
1体1体を確実に倒していっていた。
「やっぱ数が多いなぁ。ここはアクセルフォームでケリをつける」
そういうと555はミッションメモリーをファイズポインターにセットし
足に装備する。
その後アクセルメモリーをセットする。
すると555の姿が銀色の戦士に変わる。
そしてファイズアクセルのスタータースイッチを押す。
「start up」
ファイズアクセルから機械的な音が聞こえると同時にオルフェノク達の前から555が消える。
いや、正確にはアクセルフォームになった、555が超高速で動いていると言うべきか。
全ての敵達に数十発ずつパンチやキックを加える。
オルフェノク達は必死に反撃しようとするが今の555の動きについていけるはずもなく為す術もない。
そしてにそこにいる全ての敵はロックオンされ『クリムゾンスマッシュ』が直撃していたのであった。
変身を解く555。
「ふぅ。」
(なんとかなったみたいだな。五代は大丈夫なのか?早く助けにいってやらないと)
そう思っている時巧の目の前にはもうこの世には存在しないはずのはずのオルフェノクが立っていた。
そのオルフェノクとはホースオルフェノク。そう木場勇治が。
当然巧は驚きを隠せない。
「木場!!どうしてそこにお前がいるんだ!!」
そう言う巧の言葉も聞かずに剣を構えホースオルフェノクは巧に向かってくる。
「なんでなんだよ・・・・・木場・・・・木場ぁぁぁ!!!!!」
707名無しより愛をこめて:2005/05/17(火) 00:23:42 ID:7NgNXn5X
次スレ誰か立てて下さい。

今497 KB ですよ
708名無しより愛をこめて:2005/05/17(火) 00:37:18 ID:Ibpgk2iD
>>705
一番でお願いします。
709名無しより愛をこめて:2005/05/18(水) 13:22:14 ID:qSFskkYu
>707
OK、今から立ててくる。
710名無しより愛をこめて:2005/05/18(水) 13:30:19 ID:qSFskkYu
次のスレ立てました。
http://tv7.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1116390514/l50
スレタイが浮かばなかったのでこのままです。
711名無しより愛をこめて:2005/05/18(水) 22:46:48 ID:ssuK0suk
もしデンデがウーロンレベルの人材だったら
712名無しより愛をこめて:2005/05/19(木) 01:12:03 ID:nT983ZRH
ムゥ……
713名無しより愛をこめて:2005/05/20(金) 23:33:32 ID:XJS/abzD
梅盾宙
714名無しより愛をこめて:2005/05/21(土) 01:41:06 ID:weaJvtmG
        (\
         \\
          (\\
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( ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ | ⊂⊃
  ̄ ̄( ̄ ̄//// ̄\  ∧ ∧   
      ̄(//// ̄\\( ゜Д゜)
        (/(/// ̄(つ@つ   <天使が通りますよ・・・
            (/(/|  |
              (/((/ ∧|
                 ∪ ∪  


715名無しより愛をこめて:2005/05/21(土) 16:27:36 ID:UTaJj54O
響鬼やりたいけど、本編自体がまだどう転ぶかわかんないんだよなぁ〜
716名無しより愛をこめて:2005/05/25(水) 22:41:51 ID:cGklWdhU
717名無しより愛をこめて:2005/05/26(木) 20:33:20 ID:nUFwAWfp
埋め
718名無しより愛をこめて:2005/05/26(木) 23:47:24 ID:TQhgvd6K
埋め
719名無しより愛をこめて:2005/05/27(金) 18:10:05 ID:DkQsWzBV
ume
720名無しより愛をこめて:2005/05/27(金) 18:10:39 ID:DkQsWzBV
ume
721名無しより愛をこめて:2005/05/27(金) 18:10:50 ID:DkQsWzBV
722名無しより愛をこめて:2005/05/29(日) 11:58:48 ID:Pn4qfapu
B-DASH
723名無しより愛をこめて:2005/05/30(月) 16:03:07 ID:J1Zijy/N
Re仮面ライダーなるものと被らない事を祈りつつ「HAYATO」なる短編を構想中
ライダー共闘に響鬼なども出したいし
724名無しより愛をこめて:2005/06/04(土) 00:14:09 ID:yHetonX5
Do family
725名無しより愛をこめて:2005/06/05(日) 09:58:20 ID:p5Wk1YnT
次スレ落ちたぞ?
726名無しより愛をこめて:2005/06/05(日) 18:44:38 ID:kb4DkQ3Z
うん、落ちたね--;
28レスでは少なかったんだね。
727名無しより愛をこめて:2005/06/05(日) 19:09:52 ID:p5Wk1YnT
>>725
まだ早すぎたのか?
728第9スレにSS投下しようとしてた新人:2005/06/06(月) 22:44:25 ID:UsKratvD
【果てしなき】ライダー共闘SSスレその9.5【戦い】
は立てるのだろうか?
729名無しより愛をこめて:2005/06/07(火) 09:56:53 ID:wddvKLwr
立てた方がいいと思うが、また落ちるんじゃないか?
730名無しより愛をこめて:2005/06/09(木) 10:00:57 ID:FuvPTyMp
2,3日内にスレ立ってなければ俺が立てるよ
今はちっと忙しいので
731名無しより愛をこめて
新スレ立てました

【1号2号】ライダー共闘SSスレその9.1【響鬼】
http://tv7.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1118484086/

スレ立てなんぞ久し振りなので不備があったらごめんなさい
タイトルは今年のライダー映画2作から