【勝手に】仮面ライダー龍騎R・D・C【補完2’】

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325Evergreen (105)
ナイトが言葉を切る直前だった。
二人の足元から黒い光が跳ね上がったのは。
「!」
ナイトの思いきり蹴り上げられた左手から
ウイングランサーが跳ね飛ばされると同時に、
龍騎の手からドラグセイバーがもぎ取られる。
「貴様・・・」
左手を右手で押さえながらナイトが唸った。
片腕で龍騎の首を押さえ込み、奪ったドラグセイバーを
そこへ突きつけて仁王立ちになったリュウガを睨みながら。
「お前も人のことはとやかく言えんな、ナイト」
黒いライダーの赤い眼が異様な明るさで輝く。
「無駄口を叩かずさっさと俺を斬っていれば
よかったものを−−こんな風にな」
ドラグセイバーが風を切る音が鋭く鳴った。


自分の内側から響いてくる音を聞くまいとして、
そして目の前のガラスに映った金色の仮面の
男を見まいとしてきつく頭と膝を抱え込み、
壁に背をつけてうずくまっているうちに、眠り込んでしまったらしい。
だが我に返った時にはもう何の音も聞こえなかった。
一瞬安堵したのもつかのま、おそるおそる顔を上げて目の前を
見たとたん、悲鳴のような音を立てて男は息を呑んだ。
「・・・優衣・・・・・・!」
絵を覆うガラスの中には相変わらずあの仮面の男が
トーテムポールのように立ち尽くしている。そして、
その隣りに映っていたのは・・・20歳前後の若い東洋人の娘だった。
男には一瞬で、それが自分の妹であると分かったのだ。
自分が最後に見た時の、幼い少女の姿ではなかったが。