仮面ライダー剣は駄目だPart14

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263名無しより愛をこめて
俺、最近序盤を見返したんだが、なんかあの辺の展開が狂っていた原因がわかったような
気がした。散々ガイシュツだと恥ずかしいが、多分、今井の爺さんは、「仮面ライダー=刑事」
「アンデッド=犯人」という位置づけで物凄く気楽にブレイドの脚本を書いてしまったんじゃな
いかな。

たとえば、プレイドは主人公の戦う動機づけが甘いと言われているけど、刑事ドラマの場合、
主人公が刑事であるという時点で犯罪者と戦う動機は充分なので、それ以上の動機づけは
必ずしも必要とはされない。刑事になった特別な動機などがあったとしても、リアリティを損
なわない程度のものにおさえられるのが普通。

次に、主人公がキレやすいという問題だけど、これも刑事物なら仲間同士で激しくやりあう場
面は決して珍しくない。視聴者も警察が真面目で厳しい組織だと知っているので、多少のこと
では不快にも思わない。ブレイドでいえば所長のホログラムが現れたとき、余計なことを言った
虎太郎に剣崎が狂犬のように噛みついた場面。あれも「剣崎=先輩刑事」「虎太郎=新米刑事」
とおきかえてみれば、違和感なく見れると思う。初対面の始に剣崎が「なぜそんなことがわかる!」
ときつく詰め寄った場面も同様。剣崎が刑事だとしたら、捜査に首をつっこみ訳知り顔のことを
言う不審な民間人にそれくらいのことは言ってもおかしくない。

さらに、アンデッドが怖くないという問題についても。彼らは大した計画もなく単発的に現れては
数名をこっそり殺害するだけだし殺人の描写も省略されているためこれまでの怪人に比べると
全く怖くないわけだが、刑事物ならあの程度でも立派に「凶悪犯人」として成立する。

要するに、ブレイドの序盤の混迷の大半は、今井自身が得意な刑事ドラマの方法論を大した
考えもなしにそのままヒーロー物に持ち込んだことが原因とみる。複数のライダーを均等に
描いていくという手法も、「ヒルストリートブルース」あたりの影響じゃなかろうか。