特撮キャラで、ちょっとしたストーリーを描くスレ4

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488グッド・フレンド【1】:05/01/08 21:59:35 ID:nyoxjOPE
ナレーター「ジャスミンは事件の捜査中、かつての親友であるミーマと再会した。
だが彼女はバッドリと言うアリエナイザーに、デカレンジャーの暗殺を頼まれていたのだ。
ミーマは親友であるジャスミンの暗殺が出来なかったが、それが原因でバッドリから裏切られてしまった。
そしてミーマは、かつての親友であるジャスミンでさえも、裏切ってしまったのだ」
ジャスミンはグローブを握り締めた。
ジャスミン「ミーマ・・私、貴方の事信じてたのに・・」
ボスがジャスミンの肩を叩いた。
ボス「ジャスミンも、ミーマに裏切られたのか」
ジャスミンは肯いた。
ボス「分かるよ、その気持ち」
ジャスミン「ボスもあるんですか・・・そんな事」
ボス「俺は、仲間に裏切られた事も仲間を裏切った事もある。」
ジャスミン「ボスもですか?」
ボス「若い頃はしょっちゅうさ。ジャスミン、若い頃はバンの様に誰でも突っ走る。
だけど段々大人へと近付くと、気持ちの整理が出来る様になり、自分の気持ちに正直になるんだ」
489グッド・フレンド【2】:05/01/08 22:04:38 ID:nyoxjOPE
ジャスミン「でも私、ミーマを信じたいんです」
ボス「無邪気で素直だな、お前。アリエナイザーに利用されて自分を騙した相手をなおも信じるなんて」
ジャスミン「候補生時代から、ミーマは多少ああでしたから」
ボス「そうか・・。」
ジャスミン「ミーマは悪戯好きでよく教官を困らせては、私に相談して来たの。でも素直な気持ちで対処したの」
ボス「その気持ちが大切だよ」
ジャスミン「そうですねぇ・・・」
ナレーター「一方バンは、ジャスミンに疑問を感じていた」
バンの部屋にホージーが入った。
ホージー「バッドリの情報が入ったぞ」
バン「サンキュー、相棒」
ホージー「相棒ってゆーな。
彼の名はカートリ星人バッドリ。彼はエスパーではなく、忍者だ。
自分の分身を作ったり、姿を透明にしたりして、一瞬にして殺人や犯罪を繰り返し、様々な星を犠牲にした極悪犯だ」
バン「テツから聞いたけど特キョウ扱いなんだって?」
ホージー「まぁな」
490グッド・フレンド【3】:05/01/08 22:09:20 ID:nyoxjOPE
バン「あの野郎!ジャスミンとミーマの友情を弄びやがって!」
ホージー「ミーマには悪気は無い。バッドリに騙された彼女は可哀想だ」
バン「でも言ってたよな、ミーマの奴。誰も信用しないって」
ホージー「まさか・・バッドリに教えられたんだ。奴はボスに逮捕された事に恨んでいる。
だから、仲間を持たずに孤独にボスを倒す為だけに、犯罪をしてきたんだ」
バン「そんな奴を信じるミーマって、ジャスミンの親友らしいかも」
ホージー「でも、彼女は人造エスパーだ。元々エスパーな訳ではない」
バン「そうか。取り柄と引き換えに得た力がエスパーなんだもんな」
ホージー「ミーマに気付かせてやろうぜ!十人十色って奴をな!」
バン「あぁ!」
491グッド・フレンド【4】:05/01/08 22:14:25 ID:nyoxjOPE
バッドリのアジトである洞窟。
そこへミーマが現れる。
バッドリ「俺を裏切ったんじゃないのか?」
ミーマ「ギャラを取りに来ただけよ。勘違いしないで」
バッドリ、刀の柄から報酬を出す。
バッドリ「ほらよ、好きなだけ貰え」
ミーマ「有難うと言いたい所だけど、私はこれから貴方を信じない。
誰の手も借りずに、一人で生きるの」
バッドリ「その意気込みは素晴らしい。罪を償うのなら、仲間は持たない方が良いんだ」
ミーマ「ねぇ、でも何故貴方は孤独に拘るの?」
バッドリ「俺は忍術と言う特別な力がある故に、小さい頃からよく虐めを受けていた。
虐めた奴を見返す為に俺は忍術を悪用した。それが面白くなって俺は色々な忍術を覚え、それを犯罪に使う様になった。
でも、仲間と一緒なら、もし失敗したら裏切られると思ったんだ。だから俺は、忍者である以上孤独なんだ」
ミーマ「寂しいのね・・・」
バッドリ「親父もお袋も、俺が3歳の時に死んだからずっと一人なんだ」
492グッド・フレンド【5】:05/01/08 22:20:37 ID:nyoxjOPE
ミーマ「だから貴方、友達とか仲間とか必要無いのね」
バッドリ「あぁ。寧ろ一人の方が楽しいぜ。俺は一人を愛する孤高の犯罪者さ」
ミーマ「私には分からない。兄弟も多かったし、家族も多かったし、友達も多かったから。
貴方の気持ちが全然分からないの」
バッドリ「じゃあ何故お前はエスパーの力を望んだ?」
ミーマ「それは、取り柄が無かったのよ」
バッドリ「指摘されないだけじゃないのか」
ミーマ「え?」
バッドリ「普段言えないだけで、お前の仲間はいつもお前を信頼している。だからお前を裏切れない。
デカイエローみたいにな」
ミーマ「私はエスパーの力を手に入れた。でも、その力を良い事に使いたかった。だから私はボスのスカウトがきっかけで
警察学校に入った。そして勉強し、刑事になった」
バッドリ「美しいぜ・・・。作った取り柄なのに、逆に良い事に使おうとする考えとはな」
ミーマ「でも私は貴方を裏切る。貴方が悪人だからよ」
バッドリ「好きにしろ」
ミーマ「報酬は貰ったわ。じゃあね」
493グッド・フレンド【6】:05/01/08 22:24:22 ID:nyoxjOPE
洞窟から出るミーマにバン達が立ち塞がる。
ミーマ「地球署刑事の皆さん、特に礼紋さん・・」
ジャスミン「安心して。悪いのは貴方じゃないの。バッドリよ」
ミーマ「私はバッドリを裏切ったわ。でも貴方達はまだ仲間だとは思ってない」
バン「まだ抵抗するのか?」
ジャスミン「ミーマ・・・」
ミーマ「仲間なんか要らない!」
呆然とするバン達。
センちゃん「仲間がいれば、安心するよ」
ウメコ「心強かったら、いざと言う時に頼れるのに」
テツ「君の考えはナンセンスですよ」
ホージー「服役する必要がある。大人しく逮捕だ」
ジャスミン「でも待って、ホージー」
ジャスミンはホージーを止めた。
バン「ジャスミン!」
494グッド・フレンド【7】:05/01/08 22:28:33 ID:nyoxjOPE
ジャスミン「私の大事で大切な・・最高の仲間を逮捕しないで」
ホージー「ジャスミンの気持ちも分かる。だが今は・・」
ジャスミン「私も、もう一度ミーマと一緒に仕事したいの」
バン「おい?マジかよ?」
ジャスミン「一緒に夜空の星を眺めては、愚痴をこぼし合ったり、教官の悪口で盛り上がったり・・。
そんな親友が欲しいと思うのよ、私は」
バン「ふざけんなぁ!」
バンはジャスミンに平手打ちをした。
ウメコ「バン!」
テツ「先輩!」
バン「俺はジャスミンが好きだ。でも今のジャスミンは好きじゃない。
過去を引き摺るな!現実を見るんだ!未来よりも過去よりも、大事なのは目の前の今なんだ!
今自分がすべき事をよく考え、今しか出来ない事をもっと把握するんだな」
バンは去った。
495グッド・フレンド【8】:05/01/08 22:32:09 ID:nyoxjOPE
ジャスミン「私もバンが好き。特に今のバンが好き。
私はミーマと正反対で、仲間に甘え過ぎてた。仲間を信じ過ぎてた。
バカよね、本当、今の私。もっと自分にしか出来ない事を信じて頑張ればいいのにね」
バンは足を止め、ジャスミンを抱き締めた。
バン「ジャスミン・・」
ジャスミン「何?」
バン「今日のお前は一段と可愛いぞ。ウメコよりも、ミーマよりも」
ジャスミン「ありがとう・・。」
ジャスミンは感動して涙が出た。
ミーマ「礼紋さん、ごめん。もう一度、やり直そう」
ジャスミン「ミーマ!」
ミーマ「私、もう二度と自分に才能が無いなんて言わない!
仲間を信じて、今を見つめて、そして自分に頼って生きるわ」
ジャスミン「ミーマ・・」
ミーマ「これからも宜しくね、ジャスミン」
496グッド・フレンド【9】:05/01/08 22:36:25 ID:nyoxjOPE
ジャスミン「勿論よ、ミーマ」
2人は握手した。
ジャスミン「これからは、仲間も確かに大事だけど、今と自分を見つめる事ね」
ミーマ「ロジャー!」
ジャスミン「久し振りに聞いたわ、貴方のロジャー」
そこへ、バッドリが現れた。
ウメコ「バッドリ!」
バッドリ「地球署刑事のスペシャルポリスの諸君、ご苦労だった。」
バン「どう言う意味だ?」
バッドリ「これも全部、俺の芝居だったんだよ!」
ホージー「何だと?」
バッドリ「仲間は要らないと言うのは嘘!俺は同じ忍者アリエナイザーと一緒に犯罪をしている。仲間は必要さ」
ウメコ「嘘だったのね、全部!」
497グッド・フレンド【10】:05/01/08 22:39:52 ID:nyoxjOPE
バッドリ「ミーマの超能力が、犯罪に使えそうだったから利用しただけだよ」
センちゃん「自分の欲望に他人を巻き込むなんて!」
バッドリ「残念だったな、デカイエロー、ミーマ。俺の作戦、どうだったぁ?」
ジャスミンは拳を握り締めた。
ジャスミン「そんなの哀し過ぎる!」
バッドリ「時にアリエナイザーは、スペシャルポリスの力も必要になるんだよ。
でも、ミーマとデカイエローは優し過ぎる。だから消えな!」
バッドリは手裏剣を向けた。
ジャスミン「え?」
バッドリ「喰らえ!」
バッドリが手裏剣を投げたが、一瞬にして手裏剣は破壊された。
バッドリ「誰だ?」
498グッド・フレンド【11】:05/01/08 22:43:58 ID:nyoxjOPE
手裏剣を切ったのはボスだった。
ボス「久し振りだな、カートリ星人バッドリ」
バン「ボス、お知り合いなんですか?」
ボス「ああ。俺は過去にお前を逮捕した。だが懲りずにまだ犯罪をやるとは・・・。
俺の仲間もお前に殺されたんだぞ!」
バン「人間の命を何だと思ってるんだ?」
バッドリ「命?1つだけだろ?別に、俺が殺そうが、殺さないが、勝手だろ。
異星人を9999回も殺してる俺にとっちゃ、命の尊さなんて分からないね」
ジャスミン「命は大事だと言う事が分からないアンタこそ、デリートする番よ!」
バッドリ「やれるもんなら、やってみろ!クズ!」
ウメコ「やるしか無いわね!」
499グッド・フレンド【12】:05/01/08 22:47:37 ID:nyoxjOPE
ジャスミン「チェンジスタンバイ!」
他のメンバー「ロジャー!」
全員「エマージェンシー・デカレンジャー!」
粒子状に分離したデカメタルが体に定着し、バン達はデカスーツを着用した。
バン「人の命と心を弄ぶ貴様だけは絶対に許さないぜ!」
ホージー「あぁ、当然だろ。俺達は人の命を守る宇宙警察なんだ」
センちゃん「散々殺した罪は、余りにも大きいね」
ウメコ「たっぷりとお礼はさせて貰うわよ!」
テツ「そして、ジャスミンさんの親友を騙した罪も大きいですね」
ジャスミン「スワットモード・オン!」
テツ以外のメンバーはスワットモードになった。
500グッド・フレンド【13】:05/01/08 22:51:06 ID:nyoxjOPE
バッドリ「銀河忍法・分身之舞!」
バッドリは5人に分身した。
ジャスミン「無駄よ!熱感知システム・オン!」
ジャスミンは正確的に本物を捉えた。
ジャスミン「バン、ウメコ!真ん中が本物よ」
バン「ロジャー!」
バンとウメコがディーリボルバーを連射し、分身を撃破した。
バッドリ「うっ・・。だが、これならどうだぁ?銀河忍法・消え身の術!」
バッドリは消えた。だがジャスミンはすぐに捉えた。
ジャスミン「ホージー、センちゃん、バンの後ろを撃つのよ」
ホージー「ロジャー」
指示通り、ホージーとセンちゃんがバンの後ろを撃つと、実態が見えた。
バッドリ「おのれ・・。デカレッドが記念すべき一万回殺人になると思ったのにぃ」
501グッド・フレンド【14】:05/01/08 22:53:40 ID:nyoxjOPE
センちゃん「ジャスミン、そろそろトドメだ」
ジャスミン「ええ!」
ジャスミンはSPライセンスをバッドリに向けた。
ジャスミン「カートリ星人バッドリ!」
バッドリ「何ぃ?」
ジャスミン「9999件の殺人及び8519件の惑星破壊の罪によってジャッジメント!」
ナレーター「アリエナイザーに対しては、スペシャルポリスの要請により
遥か銀河の彼方にある宇宙最高裁判所から判決が下される」
結果はデリート許可だった。
ジャスミン「デリート許可!」
502グッド・フレンド【15】:05/01/08 22:59:36 ID:nyoxjOPE
ジャスミン「ディーリボルバー・マックスパワー!」
バッドリ「おのれぇ・・」
ジャスミン「ターゲット・ロック、ストライク・アウトッ!」
5人のディーリボルバーが一気に命中し、バッドリはデリートされた。
ジャスミン「これにて一件コンプリート。ミーマはやっぱり、ミーマだね」
そして、ミーマがコフジ星署に帰る事になった。
ミーマ「ジャスミンありがとう。貴方との友情、大切にするね」
ジャスミン「頑張ってね、ミーマ」
2人は両手で握手をし、夕陽を眺めた。
コフジ星のロケットが現れ、ミーマを迎えに来た。
コフジ星署長「地球署刑事の皆さん、ミーマをありがとうございました」
ホージー「いえいえ」
コフジ星署長「ミーマの異星研修期間は成功だったな」
バン「何だ、地球署に研修しに来たのか」
ミーマ「地球はアリエナイザーの犯罪が多発してるから、行く様にって署長に頼まれただけなの」
ロケットは遠い銀河の果てへ帰った。
503グッド・フレンド【16】:05/01/08 23:05:11 ID:nyoxjOPE
ウメコ「行っちゃったね、ミーマ」
センちゃん「人騒がせな異星研修期間だな」
テツ「ボスもスワンさんも内緒にしていて、ナンセンスでしたよ」
バン「ホント、ホント!」
バン達は帰ったがジャスミンは立ち止まった。
ジャスミン「バン、今日はありがとう」
バン「あぁ、あれ?俺はジャスミンが好きだよ。いつもの・・そう、仲間のバックアップしてるジャスミンがな。
今日は本当に困ったぜ。お前、落ち込んでるとこっちまで元気無くなるぜ。
でも、バッドリの忍法に対抗できたのは、お前が俺達に指示を出してくれたからなんだ」
ジャスミン「そうね」
バン「ジャスミン、これからも仲間として頼むぜ!」
ジャスミン「仲間ぁ?」
バン「そ、仲間」
ジャスミン「もぉ〜、彼女だと思ったじゃない」
バン「あ〜、そ。ゴメンね。俺にはマイラさんがいるからさ」
ジャスミン「バンのバカァ!」
ナレーター「ジャスミンとバンの必死の説得でミーマは元の優しい人間に戻った。
そして無事にミーマをデリートできた。
仲間がいるからこそ、デカレンジャーは一緒に強くなる。
これからもその、チームワークで頑張れ!特捜戦隊デカレンジャー!」
504グッド・フレンド【オマケ】:05/01/08 23:12:42 ID:nyoxjOPE
EDコント。
ホージー「宇宙警察には、各惑星の部署で異星研修期間が設けられている」
センちゃん「五年に一度、その部署で最も優れている刑事を他の部署に派遣させるんだ」
バン「地球署で異星研修されるのは俺だな」
テツ「嫌、特キョウの俺ですよ」
ウメコ「リーダーの私よ!」
ホージー「スーパークールな俺だ!」
張り合ってる光景を見ながらジャスミン茶を飲むジャスミン。
ジャスミン「何だか、何だか」

次回予告
テツ「本当に強いと誤解してます?」
バン「俺にやらせて下さい!」
テツ「ナンセンス!チャンスはもうありませんよ」
バン「蛙の子は蛙だ!俺が教えてやる」
ナレーター「レトロ・ポリスマン。君のハートにターゲット・ロック!」
505レトロ・ポリスマン【1】:05/01/09 11:27:07 ID:suODRuCU
デカベースの前に突然、杖を付きながら歩く老人が現れる。
断弾「うぅぅ〜、困ったのぉ〜」
そこへ、パトロールから帰ったホージーが通り掛る。
ホージー「お爺さん、どうしました?」
断弾「お爺さんだと?わしはまだまだ若いわい!誤解するな、若僧!」
ホージー「デカベースに何か用事ですか?」
断弾「道案内をして欲しいんじゃがのぉ〜」
ホージー「何処か行きたい所があるんですか?」
断弾「わしの孫がおるデカベースじゃ」
ホージー「ココですけど?」
断弾「なんだぁ、なんならそうと言ってくれんか。お主、名前は何と申す?」
ホージー「地球署刑事の戸増宝児と申します」
断弾「ほぉ〜」
506レトロ・ポリスマン【2】:05/01/09 11:33:17 ID:suODRuCU
ホージー「警察に用事なら、何か落し物とかしたんですか?」
断弾「嫌、違う」
ホージー「じゃあ逆に、何か落ちている物を拾ったんですか?」
断弾「勘違いすんな!わしは孫に会いに来たんじゃ!」
ホージー「へぇ・・お孫さんに。そのお孫さんがデカベースにいるんですか?」
断弾「あぁ。刑事をしておる。」
デカルームに断弾を連れて帰還するホージー。
ホージー「済まんが、この老人に誰か見覚え無いか?」
断弾「失礼な!わしはまだ若いぞ!」
ジャスミン「私のお爺ちゃんはもう亡くなってるわ」
ウメコ「私のお爺ちゃん、こんなに元気じゃないな〜」
センちゃん「俺はこの前実家に帰ったから、爺ちゃんが態々地球に来る事は考えられん」
テツ「俺のお爺ちゃんでも無いですよ」
ホージー「となると、残りはアイツか」
そこへ、バンが帰還した。
バンを見るなり、断弾は喜んだ。
断弾「おぉ〜、我が孫よぉ〜」
バン「断爺ちゃんじゃないか!久し振りぃ〜!」
507レトロ・ポリスマン【3】:05/01/09 11:39:02 ID:suODRuCU
断弾「厳頑も、素晴らしい息子を持ったのぉ〜」
バン「嫌、とんでもないよ」
ボスとスワン達は、唖然として見ていた。
ボス「済まんがバン、紹介してくれないか?」
バン「良いですよ。俺の・・」
断弾「伴番、待て。わしが言う。
わしは伝説の赤座流銃訓道継承者にして赤座流銃訓道の名門師範・赤座断弾じゃ!」
ウメコ「赤座断弾?」
テツ「何処かで聞いた事ありますね」
センちゃんは逆立ちした後で何か閃いた。
センちゃん「そうか!あのジュウクンドーを銀河中に広めた継承者じゃないか!」
ホージー「射撃と拳法を組み合わせ、斬新なアイデアを生み出したんだ」
508レトロ・ポリスマン【4】:05/01/09 11:43:56 ID:suODRuCU
断弾「わしは元宇宙警察本部長長官じゃ。ヌマ・Oの師匠でもある」
ホージー「アンビリーバブゥ!」
ジャスミン「泣く子も黙る元長官・・・・」
ウメコ「それがバンのお爺さんだなんて」
テツ「ミスマッチでナンセンスだけど、真実なんですよね」
ボス「伴番が世話になっております、地球署署長のドギー・クルーガーです」
スワン「同じく地球署メカ開発部門担当チーフの白鳥スワンです」
断弾「ほぉ、ヌマ・Oも地獄の番犬を地球署署長に選んだか。君が伴番を刑事に選んだのか?」
ボス「ええ、勿論です」
断弾「わしは、伴番が大好きだ。無鉄砲で無茶が多いが、素直な良い子じゃ」
509レトロ・ポリスマン【5】:05/01/09 11:50:33 ID:suODRuCU
ナレーター「改めて説明しよう。バンの祖父である赤座断弾は、元宇宙警察本部長の長官だった。
各部署がまだ少なくて平凡で温和だった頃から、平和を維持する為に数々の事件を追って
様々なアリエナイザーをデリートしたり、逮捕したりした優秀な刑事である。
彼は、特別指定凶悪犯に対抗する為、射撃と拳法を組み合わせた宇宙銃拳法・銃訓道を生み出した。
これがジュウクンドーのルーツと言われてるのだ。定年退職してからは、地球で犯罪専門のコメンテーターとして、報道番組等で意見を述べるスーパー老人だ」
バン「ジュウクンドーは、俺の親父に教えられ、そして俺に教えられた」
断弾「親子三代、赤座家は銃訓道の道場があるんじゃ」
ボス「どんな凶悪犯にも対抗する為の手段ですね」
テツ「かなり尊敬できますね」
だが断弾は、ボスに銃を預けた。
断弾「ドギー君、わしの銃を預かれ」
ボス「でも貴方は・・」
断弾「わしはもう、バンに教える銃訓道の奥義は無いんじゃ」
510レトロ・ポリスマン【6】:05/01/09 13:12:58 ID:suODRuCU
断弾は去った。
それをバンは追いかけた。
2人の様子を眺めるメンバー。
だがボスのマスターライセンスに事件発生の連絡が入った。
ボス「何?よし、分かった。
誰か一人、ポイント864の道場へ行ってくれ。悪徳殺人格闘家が現れたらしい」
スワン「勝利する為だけに、様々な悪事を犯して未だに逮捕されていないブーボ星人プッサ」
ホージー「イリーガルマッチの前期チャンピオン。ダーデンにも勝利した過去があるぞ:
テツ「ボス、俺が行きます」
ホージー「俺にも行かせて下さい」
ボス「困ったなぁ・・。よし、女性陣が囮になり、男性陣が事件の捜査をするんだ」
センちゃん「俺は別に格闘技好きじゃないけどなぁ〜」
ホージー「バンの為だ。これも仕事に入るぞ」
511レトロ・ポリスマン【7】:05/01/09 13:19:19 ID:suODRuCU
男性陣は仕方なく、ボスが指示した現場へと向かった。
そこは、バンの実家である道場だった。
ホージー「赤座銃訓道道場・・」
センちゃん「バンの実家が狙われるなんて!」
ジャスミン「気をつけて。奴は手強い強敵よ」
ウメコ「でも囮って何をすればいいの?」
テツ「でも皆さん、本当に強いと誤解してます?」
ホージー「何言ってんだ。奴はイリーガルマッチでダーデンに勝利した男だ。かなりの強敵に違いない」
テツ「後悔しても知りませんよ」
テツは一人、道場を去った。
ウメコ「テツ、何処行くの?」
テツ「きっとあの人にもジュウクンドー魂が熱く流れているんです!」
テツは、バンと断弾が話している河川敷へ向かった。
テツ「断弾さん、道場が危ないんです。来て下さい」
断弾「厳頑に継承者を頼んでおる。わしはもう、ジュウクンドーを伴番に教える資格は無いんじゃ」
テツ「自信を持って下さい」
バン「俺が行く」
テツ「でも先輩は・・」
バン「お師匠、俺にやらせて下さい!」
断弾「良いだろう。但し、道場破りをされたら、お前はもう二度と銃を持つな」
512レトロ・ポリスマン【8】:05/01/09 13:23:17 ID:suODRuCU
テツ「ナンセンスですよ!まだまだ現役なのに孫に任せるなんて!」
断弾「わしの孫も継承者候補じゃ。それなりの腕は公認じゃ」
テツ「ナンセンス!チャンスはもうありませんよ」
断弾「嫌。伴番ならきっとやれるんじゃ」
バン「爺ちゃん・・・」
断弾「行って来い!アリエナイザーをデリートして来い!」
バン「ロジャー!」
断弾「お前のロジャーは厳頑譲りじゃな」
バン「親父より立派な刑事じゃないけど、俺やるよ!」
バンは後部座席にテツを乗せ、マシンボクサーで向かった。
バン「行くぜぇー!」
テツ「俺のマシンなのに、ナンセンスですよ」
バン「良いんだよ・・・これで良いんだ」
513レトロ・ポリスマン【9】:05/01/09 13:29:56 ID:suODRuCU
その頃道場では、囮に使用したジャスミンとウメコが人質にされていた。
プッサ「何だ、他愛も無いじゃないか」
ジャスミン「ウメコの馬鹿!一気に突っ込むからこうなるのよ」
ウメコ「ジャスミンこそ・・」
隠れたホージー達も銃を構えて出動する。
ホージー「宇宙警察だ!覚悟しろ!」
プッサはとっさに手を挙げた。
プッサ「これでどうかなぁ?」
センちゃん「大人しく署まで来て貰う!」
センちゃんが銃を向けた頃、バンとテツ、断弾が到着した。
断弾「何だ、道場破りと思いきやプッサか」
プッサ「嫌〜、師範!久し振りぃ〜!」
ホージー「どういう事だ?」
バン「相棒!彼は爺ちゃんの愛弟子だ。アリエナイザーじゃねぇ」
ホージー「相棒ってゆーな。でも言われて見れば良い奴かも」
ウメコ「でもイリーガルマッチに出るくらいの凶暴さでしょ?」
プッサ「イリーガルマッチ?あぁ、それ?そりゃ俺の兄貴だよ、ブッサ!名前似てるからよく間違えられてさ」
514レトロ・ポリスマン【10】:05/01/09 13:34:59 ID:suODRuCU
テツ「ナンセンス!スワンさんのコンピューターにも多少ミスがありますしね」
ホージー「でも、お前の兄弟以外にこの事件の黒幕がいるのか?」
バン「黒幕?」
センちゃん「この道場の闘下生を大量殺人した上に、次々と道場破りをした・・」
プッサ「そいつ、俺知ってる」
バン「何ぃ?」
その時、プッサの前にウロタ星人ノボケアが立ち塞がった。
ノボケア「それは俺の事だぜ」
バン「爺ちゃんの弟子の名義で人を殺すなんて・・・言語道断!」
ノボケア「俺は、独自の銃訓道を見つける為に道場を開きたい。その為には、要らない道場と選手は処分するんだ」
バン「選手生命を自ら断つなんて、酷いぜお前!」
ノボケア「何度でも言え!人の命なんて、殺す為にあるものだ」
ジャスミン「許すまじ・・」
515レトロ・ポリスマン【11】:05/01/09 13:38:34 ID:suODRuCU
バン「皆下がってろ。俺が行く」
ホージー「一人で大丈夫なのか?」
バン「俺は・・・、赤座断弾の孫だ!銃訓道継承者候補でもあるんだ!だから俺は・・
銃訓道を悪い方向に使うアリエナイザーだけは絶対に許さないんだよぉ!」
テツ「本気ですね、先輩」
バン「エマージェンシー・デカレンジャー!」
バンはデカレッドに変身した。
ノボケア「俺は宇宙警察学校を卒業した。それは、銃訓道の技を盗む為にね」
バン「益々俺はお前が嫌いだ・・行くぜ、ディーマグナム!」
ウメコ「スワットモードじゃなくて大丈夫?」
ホージー「嫌、今のバンは普通のバンじゃない。銃訓道に熱いプライドを燃やす選手バンだ」
516レトロ・ポリスマン【12】:05/01/09 13:41:57 ID:suODRuCU
ノボケアは、背中から大砲を取り出した。
ノボケア「死ね!」
ノボケアの大砲が連射されたが、バンは弾丸を必死に避けた。
バン「負けるかぁ・・蛙の子は蛙は蛙だ!俺が教えてやる!」
ノボケア「小賢しい!」
バン「ウロタ星人ノボケア!
1325件の道場破りとその際の大量殺人の罪でジャッジメント!」
ナレーター「アリエナイザーに対しては、スペシャルポリスの要請により
遥か銀河の彼方にある宇宙最高裁判所から判決が下される」
結果はデリート許可だった。
バン「デリート許可!」
517レトロ・ポリスマン【13】:05/01/09 13:45:27 ID:suODRuCU
バン「ハイブリッドマグナム!」
ホージー「バン・・・」
バン「ストライクアウトッ!」
ハイブリッドマグナムが命中し、ノボケアをデリートできた。
バン「これにて一件コンプリート!メガロポリスは日本晴れ!」
一時間後、断弾はボスから銃を取り戻し、再び道場へと帰った。
テツ「アレで良いんですか、先輩?」
バン「そ。それで良いんだよ」
ホージー「道場を継ぐには相応しい継承者だな」
センちゃん「ガッツとスタミナ、パワーに溢れる無鉄砲だからねぇ」
バン「それはどーいう意味だよぉ?」
笑って夕陽を眺める6人。
バン「ハハハァ・・」
518レトロ・ポリスマン【14】:05/01/09 13:50:31 ID:suODRuCU
断弾の道場は、次々と入門者が続出した。
入門者A「貴方、あの伴番さんのお爺さんなんですか?」
断弾「あぁ、そうじゃ」
入門者B「俺、銃訓道やりたいです」
入門者C「初めてですが、やる気はあります」
入門者D「優しくお手柔らかにお願いします」
断弾「良いぞ、良いぞ・・伴番・・・。」
そこへバンが現れた。
バン「爺ちゃん、俺・・」
断弾「このまま刑事をやっていいぞ!銃訓道もな!」
バン「ロジャー!」
ナレーター「親の心、子知らず。
自分の祖父が経営する道場が狙われても、バンは勇敢に道場破りと戦い、デリートした。
そして、バンは未来の銃訓道の夢を継ぐ為に、期待と興奮を担ってる。
これからも燃えるハートで頼むぞ、特捜戦隊デカレンジャー!」
519レトロ・ポリスマン【オマケ】:05/01/09 13:53:59 ID:suODRuCU
EDコント。
バン「爺ちゃん、俺、これからももっと強くなるよ」
ホージー「だがバン、今よりもっと無茶になるのはアテイション・プリーズだぜ」
バン「あぁ!控え目にするよ!その代わり、相棒、ディーマグナムの掃除をするんだ!」
ホージー「相棒ってゆーな!それに調子に乗るな!」
バン「バレたか・・」

次回予告
ウメコ「水着の撮影なんて、私初めて!」
バン「気をつけろ。絶対何かが仕組まれているんだ」
テツ「でもウメコさんにも、夢があるんですよ」
ウメコ「私のナイスバディ、見せてあげる」
ナレーター「グラビア・チャレンジ。君のハートにターゲット・ロック!」
520デカレン小説:05/01/13 00:11:21 ID:sDIPMydq
うわーん・・・アク禁やっととけたよー・・・
そうしている間にスーパー戦隊SSスレというのが出来てるんですが。そっちに移ったほうが良いのかな?

あと、次回のセンちゃん作品は保留しておいて違うのをやらせていただきます(汗

予告
テツ「俺も、最強コンビが組みたいんです。先輩たちのような」
センちゃん「俺たち一人一人が頑張ればそれで良いんじゃないかな?」
テツ「センさんにはわからないんですよ!」
???「これでお前らのコンビネーションはバラバラだぜ!」

「ベストオブ・メンバーズ」君のハートにターゲット・ロック!
521名無しより愛をこめて:05/01/14 23:22:38 ID:SFd+2n1i
522デカ男:05/01/15 10:46:15 ID:a9xfbOEN
次回予告

パッパッパーラッ♪

ホージー?「バン、貴様の最期だ」
バン「洗脳に何か負けるなよ!」
ホージー「バン…俺を…撃て!」
バン「相棒を撃てる訳無いだろ?」
ウメコ「ホージー…さん?」
次回、特捜戦隊デカレンジャー
《デュアル・ブルー》
君のハートにターゲット・ロック
523デカ男01/23:05/01/15 10:49:49 ID:a9xfbOEN
《デュアル・ブルー》01
パトロール中のホージーとウメコが狙撃された。
デカレンジャーは犯人を逮捕するが、
黒幕のルーゴは何故かバンに狙いを定める。「あの男だ」
ウメコをかばい拉致され、アブレラの薬剤によって意志を奪われたホージーは…
―ルーゴのアジト。ホージーが射撃訓練をしている。
「素晴らしい腕だ。それを保つ日頃の努力も怠らない。
デカにしておくには惜しい男だ」ルーゴが声をかける
「一日1000発の訓練は日課だから…」ホージーが答えた。
「もう良いだろう。赤い奴の始末に出掛けるぞ」
その時「…誰が…貴様に…」ホージーが正気に戻る。が、
「ぐあぁっ」激しい頭の痛みに思わず座り込んだ
「洗脳が万全ではないか…それとも自らの意志が強いのか?
ともかく、こいつの腕ならチャンスはいくらでもある」
苦しむホージーを見下ろすルーゴ。
―つづく―
524デカ男02/23:05/01/15 10:53:22 ID:a9xfbOEN
《デュアル・ブルー》02
ホージーを失ったデカベースではその夜、対策会議が開かれたが
打開策は容易に見つからない。
ウメコは帰還後ずっと自分の机で泣きじゃくっている。
「ウメコ!泣いてたって何も解決しないのよ。」ジャスミンの喝も効果が無い。
「どうしたもんかねぇ」困り果てるセン。
と、「なぁ、ウメコ」今まで全く口を開かなかったバンが
「気分転換にひとっ風呂浴びて来たらどうだ?」と
木製の持ち手にアヒル柄の入ったボディーブラシを渡す。
最初の事件解決後、回り道してジャスミンと共に選んだ今朝のお詫びの品だ。
「ちょっとバン、何言ってるの?」不謹慎だというジャスミン。
「ウメコ、行って来い」ドギーの計らいに、
ウメコはスワンに付き添われ、デカルームを出た。
―つづく―
525デカ男03/23:05/01/15 10:56:14 ID:a9xfbOEN
《デュアル・ブルー》03
「ボス!!」納得出来ないジャスミン。
「先輩、どういうつもりですか?!」珍しくテツはバンに対し声を荒げる。
「こんな時だから…かな」バンの返答に呆気にとられるテツ。
「とにかくだ。確証は持てないが仮にルーゴが
ホージーを洗脳出来るとしたら目的は」ドギーの問いに
「ホージーを殺人に利用する事ですね。でも標的は?」センが問い返す。
扉が開きスワンが帰ってきた。「ドゥギー!洗脳されてた彼の
調書が本部から送られてきたわ。彼は姿を消す直前に
暴漢に襲われていたの。犯人の似顔絵よ」
モニタを見た一同は言葉を失う。一目瞭然、イーガロイドであった。
「イガイガ野郎!」バンが力任せに机を叩く。
「アブレラの手助けで洗脳も可能…か」テツが舌打ちをする
―つづく―
526デカ男04/23:05/01/15 10:58:15 ID:a9xfbOEN
《デュアル・ブルー》04
「とにかく診断データから洗脳の仕組みを調べてみるわ」スワンがデカルームを出る。
「俺、トイレ」続いて部屋を出たバンは通路でスワンに声を掛ける。「ウメコの様子は?」
首を振るスワン。「さっきは有難う。ウメコもきっと嬉しかったはずよ」
二人の行く先はウメコの元だった。
浴室入口から扉越しにバンが声を掛ける。
「ホージーさん…洗脳されてルーゴの手先に…」
浴室内のスピーカで全てを聞いていたウメコの涙混じりの弱々しい声。
「私も本腰入れないと。仕組みは必ず究明する。バン、後はヨロシクね」スワンは研究室へ向った
「元気出せよ。お前らしくないぜ!相棒の命が助かっていれば救い様はある!
けど、俺達が諦めたら、相棒は…相棒は本当に殺人者になっちまう!!」
そこまで告げるとバンも扉を殴り付け、大声で泣いた。
―つづく―
527デカ男05/23:05/01/15 11:01:00 ID:a9xfbOEN
《デュアル・ブルー》05
それを遠くから見つめるジャスミン。(バン、有難う。ウメコは自分の
格好悪い所私に見られたくないだろうから)
「ジャスミン、手洗いじゃなかったのか?」ドギーと他の刑事も現れる。
「ボスこそ。トイレでしたよね?」
「犬は何処でも出来るのさ」

―浴室内。バスタブに浸かるウメコ。身体の傷が痛々しい。
バンの居る通路まで脱衣所を挟みかなりの距離があるが、バンの泣き声はウメコの
心にも訴えかけた。誰もが事件に怒り、悲しみ、それに立ち向かう中、
立ち止まったままの自分。
バスタブに頭まで浸かる。普段はこれで何もかも吹っ切れるウメコだが、
今日は何回やっても駄目だった。
全館に警報が響く。怪重機がポイント083に現れたとの事だ。
「ウメコ、早く来ないと相棒を助ける美味しい所頂いちゃうぞ!」
努めて明るく振舞うバン。「もう少し…待って」ウメコはバンに伝えた
「分かった。先行くぜ!」バンの足音が遠ざかる。
「ホージー…さん」ウメコは大粒の涙を流した
―つづく―
528デカ男06/23:05/01/15 11:02:44 ID:a9xfbOEN
《デュアル・ブルー》06
街を破壊する怪重機の前に到着する3台のデカマシンとデカバイクロボ。
「パイロットはイガイガ君よ!」
「ソードトルネード!」テツが先制攻撃を仕掛る。倒れこむ怪重機。
「手応えの無い奴、これで止めだ!」ソードを装着し、
ストライカーで斬り掛る。「GOT YOU!」怪重機の最期だ。
一足早く怪重機を捨てていたイーガロイドをデカレンジャーが追い詰める。
「イガイガ野郎!相棒を何処へやった?何に利用するつもりだ?!」
「貴様等の仲間だった奴ならヒットマン・プロデューサーの…」とまで述べると、
イーガロイドを貫く光線。「ようこそデカレンジャー」声はするが姿が見えない。
「ヒットマン・プロデューサー?貴様がインゴルーゴだな!相棒を
何処へやった?!」SWATモードへ転身し、怒りに任せ声のする方へ駆け出す
バンを襲う銃弾。ベストのお陰で致命傷は免れたがダメージは大きい。
狙撃の主はホージーであった。
「気を付けて、ホージーの様子が変!」
「やっぱり洗脳されている様だね」
異変を察知するジャスミン・セン
―つづく―
529デカ男07/23:05/01/15 11:04:29 ID:a9xfbOEN
《デュアル・ブルー》07
「ルーゴ!相棒に何をさせるつもりだ?!」
「決まっているだろう?私の仕事を手伝ってもらっている。さて標的の名は?」
「俺の標的はデカレッド!」
姿の見えぬルーゴに標的の名を聞かれたホージーが答える
「嘘だろ相棒?!」
「聞いた通りだ。さぁ、デカレッドを始末しろ。」
再び銃を構えるホージー。バンに狙いを定める。
「避けて、バン!今のホージーはあなたを」
「相棒、洗脳が何だ!しっかりしろよ!!」
「覚悟しろ、デカレッド」が、突然もがき苦しみ、ライフルから手を離す。
「バン、俺を…撃て!」正気に戻るホージー。
「何言ってんだ!相棒を撃てるわけ無いだろ?!」バンは首を振る
「しかし、このままではお前達に危害が及ぶ。
ならいっそ…相棒のお前の手で俺を仕留めてくれ!」―つづく―
530デカ男08/23:05/01/15 11:06:11 ID:a9xfbOEN
《デュアル・ブルー》08
「歯痒いな。君は意志が強すぎるようだ。
洗脳が完全ではない。欠陥商品だ。デカレッド抹殺は他の者に任せるよ。」
もがき苦しむホージーを襲う光線。肩を撃たれたホージーが落下する。
「今度は絶対渡さない!」ホージーを抱えたままバン達の下へ降り立つ影。ウメコであった
「みんなお待たせ。とにかくここは一旦退却ね。」

―デカベース。ホージーは救出されたものの洗脳が解けていない事もあり、
一先ず麻酔処置が施され、留置個室に収容された。
立ち合ったセンが一同の待つデカルームに戻ってきた。
「ホージーの様子は?」ドギーが問う。
「怪我は大した事はありません、今は麻酔で眠ってます。効果は後345分程。
一応、ウメコを見張りに付けています」
「そうか。スワンの方はどうだ?」
「洗脳の仕組みについては、依然不明だそうです」
「しかし、いつまでも洗脳された状態で保護しておく訳にもいかない。
実際本部からは、最悪の場合射殺も止むを得ない
という意見が大勢を占めている」ドギーが伝えた。
―つづく―
531デカ男09/23:05/01/15 11:07:47 ID:a9xfbOEN
《デュアル・ブルー》09
「そんな、俺たちの手で相棒を殺せと言うんですか?」バンは当然納得出来ない。
「俺だってホージーをこんな形で失いたくはない。
しかし…」珍しくドギーが愚痴をこぼす。
室内は事態の深刻さに静まり返る。
―デカベース内留置場。本部送還前のアリエナイザーと共に
留置個室内で眠るホージー。鉄格子の外にはウメコ。
「ホージーさん、私をかばったばかりに」ホージーを前にして再び涙がこみあげる。
「ウーメコ!」いつもと変らぬ調子で
バンが夜食二つを持って現れた。慌てて涙を拭い平静を装うウメコ
「ここで飯ってのも難だけどな。」夜食のプレートを渡すバン。
受取るウメコが「そういえば、まだお風呂のお礼も
言ってなかったね、有難う」と微笑んだ。
「吹っ切れた?」
「まだだけど…」
「無理する事無いさ。俺だってさっきボスと…」バンは
ホージーは射殺される可能性もある事を伝えた。
―つづく―
532デカ男10/23:05/01/15 11:12:01 ID:a9xfbOEN
《デュアル・ブルー》10
「そうなんだ…」ウメコが伏し目がちになる。
バンは伝えた事を後悔するが
「でも、ホージーさんならきっと大丈夫だよね」意外にもウメコは笑顔を見せた。
「そうさ。」バンも安心して笑い返した。
その時、スワンが留置場内に入って来た。「お待たせ。狙撃犯の検査データに
目立った異状は無かったわ洗脳の後遺症も見つからないわね。ただ、
気になる事があるのよ。本部での任意取調べで、彼は逮捕後に襲われて怪我を
負った所から記憶が戻ってる事が判明したの。
もし、彼を狙ったのが洗脳犯と同一人物
だとしたら考えられる事は…」
「洗脳実行者に襲われたショックで洗脳が解ける。」バンが待ちきれず口を開く。
「じゃあ、さっき襲われたホージーさんも!」ウメコも明るい表情になる。
頷くスワン。「断言出来ないけど可能性は高いわ。全てはホージーの
目が覚める朝になれば解るわ」そう言い残しスワンは去った。
―つづく―
533デカ男11/23:05/01/15 11:13:36 ID:a9xfbOEN
《デュアル・ブルー》11
ホッとする二人。並んで鉄格子の前に座る。
「こんな時だけどさ」ウメコは久ぶりのホージーとの巡回で
彼の変化に驚いた事を話した。
「バンはホージーさんを特別な人と思わなかったの?」
「相棒だけが特別な訳無いだろ。俺にとっては地球署の皆が特別な存在だぜ」
「私はエリートのホージーさんを憧れの眼で見てた。
それが本当の姿を知る事の妨げになるとも気付かずに」
「確かに相棒はすごい奴だけど、俺達が遠慮してたら打解けらんないぜ」
そんな話をしているうちにいつしか二人はその場で眠り込んでいた。

一方、アブレラとルーゴも再び取引をしていた。
「アブレラ、洗脳薬の様な欠陥品は後免だぜ」
「今回の物は洗脳すら要らないネオバーツロイド。
銃の殺傷能力は旧型の比ではありません。お詫びはこちらで」
「気に入った。貰っておくぜ」ルーゴはアブレラの下を去った。
―つづく―
534デカ男12/23:05/01/15 11:15:16 ID:a9xfbOEN
《デュアル・ブルー》12
―運命の朝を迎えたデカベース留置場。陽の光に目を覚ますウメコ。
隣のバンを起し、麻酔から覚める時間を見計らいホージーに声を掛ける。
「ホージーさん起きて!」
「起きろよ、相棒!」
ゴソゴソと身体を動かし目を覚ますホージー。開口一番
「相棒って言うな!」お決まりの台詞が飛び出した。
「ホージー…さん?」ウメコが恐る恐る声を掛ける
「ウメコ、怪我の方は大丈夫か?」ウメコを気遣うホージーが
「俺の洗脳は…解けたのか?」自分が正常に戻った事に気付く。
「ホージーさんだ。良かったぁ〜」嬉し涙を流すウメコ。
バンがスワンを呼びに走る。程なくスワンによる
身体検査が行なわれ、全く異状の無い事が確認された。
―つづく―
535デカ男13/23:05/01/15 11:17:15 ID:a9xfbOEN
《デュアル・ブルー》13
「ボス、ご心配おかけしました」スワンに付き添われ、ホージーがデカルームに入室した。
「ホージーに後遺症の無い事はこの白鳥スワンが証明するわ」
「ジャスミン、ルーゴのアジトは?」
「解らないわ。手掛かりが無いもの」
すると、「お前達ボディーチェックも満足に出来ないのか?プロ失格だ!」
途端にホージーが声を荒げる。ホージーの
ポケットからはボルト、ナット等、チェックを免れた小さな部品が数個現れた。
「相棒、まさかこれ」
「洗脳前に懸命に集めた手掛かりだ。これで奴のアジトが解るはずだ」
ジャスミンが早速手を添える。
―小川が見える。川幅は広くない。それを渡る橋。
広い建物に白い軟らかな屋根。駅が複数ある。―
「それって…」
「間違いない、T−DOMEだよ」
「先手必勝!早速出動だ!!」シューターに向うバンを
「バン、待て」ホージーが止める。
536デカ男14/23:05/01/15 11:20:38 ID:a9xfbOEN
《デュアル・ブルー》14
「いいか?ルーゴは俺を洗脳するまで標的であるお前の名前すら
知らなかった。察するに、お前の姿を求めて地球へ来た可能性がある。
お前はデカとして地球に帰って来る前にどこかでルーゴと係わった事が
ある筈だ。
本部でも姿すら確認されていない奴だ。
だから逆に俺が見た今のルーゴの姿を、お前の全事件ファイルの
中から捜し出す」端末と向き合うホージー。
バンの事件資料が、その大小に関わらず映し出される。その数数千件…
―つづく―
537デカ男15/23
《デュアル・ブルー》15
「ザッツライト・見つけたぜ。ボス、こいつがインゴ・ルーゴです。」
モニタに映し出されるルーゴの姿。
「解った。早速本部に連絡しよう。ただ、裁判所の認定まで60分程かかる。それまではデリート許可が下りない」
「さっすが相棒!」感服したバンがホージーの背中を叩く
「地球署配属3ヵ月前の刑事研修期間中か。この時は職務質問を
受けただけの様だけど、闇に生きるルーゴにとっては足がつく心配があり、
口封じをする為バンを追って地球へ来たという訳だね」センが資料を見て呟く。
「で、ホージーの方は地球で銃の腕を見初められた…と。
たまらないわね」ジャスミンはホージーに同情した
「ここまで解れば充分だ。行こうぜ相棒!」
「相棒って言うな!エマージェンシー!デカレンジャー!!」
「デカレンジャー出動!」
『ロジャー!』ドギーの命令に、チェンジした6人はシューターからデカマシンに乗り込んだ。
―つづく―