ZAT本部。戦いの経過を見守っていた隊長は、ある作戦を思いつく。
朝日奈「よし、ペンキ作戦だ」
ペンキを円盤の表面に塗り、光の放射を遮断する作戦である。
直ちに大量のペンキを集めようとするが、今は正月。
どこの販売店もメーカーも営業していないのである。
荒垣「まったく、正月ってやつは!」
悪態をつく副隊長に、南原隊員がある作戦を提案する。
南原「・・・という作戦です」
荒垣「なるほど。しかし、タロウとの連携が上手くいくかな」
北島「副隊長、迷ってる暇はありませんよ。必ずタロウは期待に応えてくれます」
荒垣「よし、直ちに作戦準備!」
その間にも、タロウは復活した怪獣を再び倒し、円盤にストリウム光線を命中させる。
しかし、円盤は全くの無傷。タガン星人は、怪獣の死体を回収し、
円盤からの光線で直接タロウを攻撃する。防戦一方のタロウ。
そこにコンドルが現れ、円盤に向かって攻撃を開始する。
うっとうしいと感じたタガン星人は、タロウよりコンドルへの攻撃を優先させる。
それこそがZATの狙いだった。
大量の墨汁を機体からぶら下げたホエールが現れる。
東京各地の書初め大会会場から集めた物である。
荒垣「書初め作戦開始!」
ホエールを見たタロウはすぐにその意をくんで、ブレスレットを筆に変化させ、
円盤の表面を漆黒に染め上げる。
光線を放出する力を失った円盤は、よろめきながら宇宙へ退散してゆく。
歓声に沸く町内。しかし、この戦いは前半戦にすぎなかった・・・。
場所は再び新年会会場。
書初めは円盤のせいで中止となったものの、メインイベントの餅つきが行われていた。
もちろん、ここでは光太郎が餅をついている。
ZAT隊員たちもそれを見ながら談笑していた。
荒垣「書初めに助けられるとはなあ。まったく、正月さまさまだな」
南原「副隊長、さっきは正月に文句をいってませんでしたか?」
荒垣「うるさいぞ南原。正月なんだ、細かいことは気にするな」
北島「しかし副隊長、あれだけ破壊されたのに、犠牲者が出なくてよかったですねえ」
荒垣「まったくだ。正月のオフィ街には人がいないことを、宇宙人は知らなかったんだなあ」
そんな和やかな雰囲気の中、事件は再び起こった。
このまま引き下がっては最先端科学の名折れとばかり、タガン星人が再来したのである。
隊長の命令で、第二次書初め作戦が実行に移される。
再び円盤は墨で彩られるが、今度は敵も対策を考えていた。
円盤の表面が高熱を発し、瞬く間に墨が蒸発してしまったのだ。
このわずかな時間に、タガン星人は円盤を改造していたのである。
そして、もはや見慣れた光景ではあるが、円盤の表面からから光が降り注ぎ、
改造タガンキングが出現する。
改造怪獣の力はすさまじく、タロウは手も足も出ない。
現場に駆けつけた朝日奈隊長は、そこでまた一つの作戦を立案する。
幸い、準備にそれほど時間がかかる作戦ではなく、短時間で準備は完了する。
朝日奈「よし、作戦開始だ。こんどこそケリをつけるぞ!」
改造タガンキングにあと一歩まで追い詰められたタロウは、ウルトラダイナマイトを
使用し、怪獣を倒す。何度でも怪獣は復活できると余裕しゃくしゃくのタガン星人。
その時、円盤の上空にはホエールが忍び寄っていた。ある作戦を秘めて・・・。
荒垣「モチ戦開始!」
荒垣の合図と共に、東京中の町内から集められた餅の塊が円盤の上に落下する。
円盤の表面はあっという間に餅に覆われる。タガン星人は大して動揺もせず、円盤を発熱させる。
しかし、餅が蒸発するはずもなく、ふくらんで良い匂いを発するばかりである。
むしろ、餅が円盤の表面からはがれなくなってしまっただけであった。
餅の香ばしい匂いに腹を鳴らす町内の人々。心の底からうろたえるタガン星人。
円盤は再び宇宙へ逃げようとするが、餅の重量によって上昇することができない。
ふらふらと落下した円盤は、東京タワーに突き刺さって動かなくなる。
大歓声につつまれる町内。
こうして、宇宙最先端の科学を持つと自負する宇宙人は、日本の伝統行事に敗れ、
東京タワーの尖端によってとどめを刺されたのであった。
宇宙人の名前の元ネタは、元旦→タガンです。
しかし、焼肉作戦といい書初め作戦といい、変な話ばっかり書いてるな、俺・・・。
>>795-796 >>803-806 久々のタロウ、楽しませてもらいました
このスレを読んでいると頭がやわらかくなります
今や第一期・第二期(ザ、80含め)・海外・平成などと
ウルトラを作風でカテゴライズするのは無意味なのかもしれませんな・・・
絶対、最後はその餅皆で食ったんだろうなw
みんなでお餅の変わり鉄板焼き食べ放題、といった感じのラストか。
星人も根っから悪党には見えないので、改心して一緒に食って帰ってそう。
餅まみれになった円盤が古典的なアダムスキー型で、
何の説明もなくタロウが出した巨大ミカンを東京タワーにさして
鏡餅に見立てるというのはどうか
811 :
名無しより愛をこめて:05/01/11 09:54:07 ID:gkQQeJpl
「タロウが死んだ!無敵の異次元人を止めろ!」異次元人クロイス人 超越怪獣キングバトラス 登場
夜道を歩いてたある青年が、人の悲鳴を聞きかけつけると人間の切断された腕を発見した。
その事はただちに警察に知らせられ、ZATにその調査の協力依頼が入ったのである。
光太郎と上野が現場に向かわされた。
光太郎「ZATです。現場はここですか。」
警察官「そうです。この路側帯に置かれていたんです。こう・・無造作に。」
上野「なるほど、精神異常者による犯行ですかね。で、我々が呼ばれた理由は?」
警察官「腕の切断部です。高速にプラズマ切断されているようなんです。」
光太郎「プラズマ切断?でもあれは、工場で使われる…」
警察官「ええ。簡単に切断機器は持ち運びできる物でもありませんし、腕が切断されたのはおそらく午前2時から3時の間なんです。」
上野「え!つい3,4時間前じゃないですか。」
光太郎「そして近辺にはプラズマ切断機器を扱う工場はない。なるほど、確かに警官だけでは危険ですね。まだこの近くに宇宙人がいる可能性がある・・と。」
銃を持つ光太郎。思い出したかのように銃を構える上野
上野「…『地球の』人間技じゃないって事ですね。」
警察とZATによる、合同走査が開始されて2時間後、事態は展開を見せる。
警官3人が何者かに襲われ、負傷したのである。ZATが駆けつけると容疑者は
逃げるように闇に消えていった。
上野「くそ!すばやい奴・・。応援を呼びましょうか・・東隊員。あれ?東隊員?
どこいったんですか〜!」
光太郎は、容疑者を追いかけ闇の中の奇妙な世界にいた。
そこで立ち尽くすしかない光太郎に容疑者が話しかける。
クロイス人「なにものだ。この空間に地球人は入って来れないはず。」
光太郎「僕はウルトラマンタロウだ。お前らは何者だ。なぜ人に危害を加える。」
クロイス人「そうか。貴様も宇宙人か。私はクロイス人。今我々のあいだでは
惑星支配がブームでな。重要だろう?その星の文明を気付いている人間の生態データが。
だから殺したのだ。」
光太郎「…。お前には罪をつぐなってもらうぞ。」
クロイス人「罪。罪とはなにか。」
光太郎「………こいつ〜!タロウーーーーー!」
変身する光太郎。
クロイス人「宇宙人よ。我々の怪獣と戦え。生体データをいただく。」
そう言うと辺りがピカッと光り、そして街のド真ん中でタロウは謎の怪獣キングバトラス
と対峙していた。そして戦闘が開始される。
上野「あ!怪獣とタロウ!こちら上野!本部応答願います。応援お願いします。」
副隊長「分かってる。ものすごい怪獣反応が出ているぞ〜。すでに北島、南原を向かわせた。」
スペースワローはいち早く怪獣反応を察知して現場に向かっていた。
しかしミサイル、レーザーでも怪獣には通用しない。
そして肉弾戦で全く歯が立たないタロウはストリウム光線を怪獣に放つ。
怪獣はシリモチをついた程度ですかさずプラズマ光線をタロウに放った。そしてタロウは
そのあまりの威力に消滅してしまった。
つづく
「聞け!タロウ復活術!」
ウルトラの母 ウルトラセブン 超越怪獣キングバトラス 異次元人クロイス人 登場
「タロウーー!!!」
ZAT隊員は皆叫んだ。あのタロウが負けた。ZATは退散するより他なかった。
副隊長「街は、ほぼ壊滅。タロウはもういない。もう我々だけであの怪獣を
倒すしかないぞ。みんな!覚悟はいいな。」
一同隊員「はい!!」
しかし怪獣を倒す作戦は一向に出てこない。苦悩するZATであったがそこに
本部から通信が入った。
ウルトラの母「こちらウルトラの母。ZAT隊員応答してください。」
なんだって!?
耳を疑った一同であったが確かにスピーカーから聞こえている。
ウルトラの母「タロウの肉体は確かに消滅しました。しかし精神はまだ地球上を
さまよっています。そこであなた方にお願いがあります。タロウの肉体を復活させる
のは不可能ですが、仮の体があれば肉体を復活させることができるのです。」
隊長「ウルトラの母。われわれにできることがあればなんなにと言ってください。」
ウルトラの母「ありがとうございます。頼みたいことは象牙です。」
隊長「象牙!?」
ウルトラの母「そうです。タロウの角は象牙に似た成分でできています。しかし
アフリカ産に限ります。」
副隊長「よ〜し「タロウ復活作戦」だ!アフリカに飛ぶぞ!怪獣は今でも暴れて
いるんだ!。」
ZATは3日かけて象牙3000本を採取してきた。
ウルトラの母「次はストリウムエネルギーが必要です。これにめいいっぱい詰め込んで
来てください。」
するとZAT本部の中にカラータイマーが落ちてきた。ドカーーン
ウルトラの母「ストリウムは火星でとれます。スペシウムと似てるので気をつけて下さい」
10日かけてストリウムを1万リットル酌んできた。
副隊長「はあはあ…あとはなにをすれば?」
ウルトラの母「・・現在偶然通りかかったセブンが怪獣と戦ってます。セブンにそれらを
タロウらしくデコレーショニングしてください。」
象牙を加工した角とカラータイマーを戦闘中のセブンに付けるZAT!
ウルトラセブン「ダーーーーーーーー!!????」
苦しむセブン。不安になった副隊長は
副隊長「ウルトラの母!セブン苦しんでますけど!」
ウルトラの母「大丈夫!タロウになろうと苦しんでるだけです!もうすぐ
タロウは復活します。そう!これぞ超(スーパー)タロウ!!」
ZAT一同「ス!スーパータロウ!!!」
復活したタロウは余りにも強すぎた。デコピンでキングバトラスを爆死させる。
ZAT一同「つ 強い 強すぎる・・」
さらにタロウは異次元開放光線を使い三次元に異次元の穴を開ける。中に入って
超コスモミラクル光線でクロイス人を全滅させるのであった。
ZAT一同「かんぱーい。」
北島「いや〜光太郎が無事でよかった。」
祝勝会を上げているZAT本部。
光太郎「いや〜肉体を求めてさまよっている時はどうしようかと思いましたよ。」
南原「え?さまようって?」
光太郎「え?あ・・タロウの話ですよ〜(笑)」
副隊長「自分をタロウみたいにいいやがって(笑)こいつ〜!」
ZAT一同「ハハハッハハハ」
ナレーション「見事スーパータロウとなった光太郎。タロウはますます面白くなるね〜」
街はタロウの「街再生光線」によって平和そのものであった。終了
……セブンヲタの皆さんが怒り狂うぞ…?
前半と後半のあまりの落差に、不本意ながらワロタ。
いや、コスモスとか基本的にこういう話じゃないですか。
動物愛護団体の皆さんも怒り狂いそうw
こ、これは…ヤバイ
ウルトラマンレオ第0話『ふるさとの爆発! 孤独の宇宙人ひとり』
マグマ星人、ブラック&レッドギラス、アストラ、メハジ星人、レッドキラー2代目登場
美しい星が宇宙に煌めく…そう、ここはしし座L77星。
青い海、澄んだ空…地球と変わらない環境。
レオとアストラは、今日も都市から離れた野原で武術の稽古にいそしんでいる。
だがそこに、恐怖のマグマ星人軍団が押し寄せてきた!
首都が津波に巻き込まれ、人々はギラススピンの餌食になっていく。
レオ兄弟が駆けつけた時には、町は荒廃し、地殻も歪み始めていた。
(その後の顛末は22話の「レオ兄弟対怪獣兄弟」の回想と同じシーン)
「兄さーん!」
「アストラー!!」
ロンやアストラ、父母に多くの友人を失い宇宙を漂流するレオ。
地球にたどり着き、母星と変わらぬ環境にレオは驚くばかり。
「素敵な星だ…こんな星がまだあったのか…」
ナレーション:しばらく地球に留まり、長旅の疲れを癒すことにしたレオ。
だがウルトラマンとして未熟な彼は地球上では実体を持たない。ほら、透明だろ?
しかし透明な姿のおかげでMACのレーダー網を潜り抜けられたんだ。
823 :
続き(2):05/01/15 00:44:22 ID:VIb5AopH
透明のまま地球にいることにしたレオ。
彼は城南スポーツセンターの人々を観察していた。道場で子供たちに指導するおおとりゲン…
レオは特に、この青年の優しさ、真っ直ぐさに惹かれていた。
そんなある日、東京にメハジ星人操るレッドキラーが現れた!
ズール星人に操られていた時と同じく、ブーメランで東京を破壊するレッドキラー。
ビルが割れ、橋が裂かれ、人々が投げだされる。
(真っ二つになる人の合成を入れると残酷でレオっぽいかも)
レオは必死に怪獣を止めようとするが、透明な彼に打つ手は無い。
逃げ惑う人々、そこにはトオルとカオルの姿もあった。
つまずき転ぶカオル、引き上げようとするトオル、そこにビルの瓦礫が崩れ落ちる!
レオにはどうすることもできない。…そこに現れたのはおおとりゲン!
梅田兄弟を抱え上げ、必死に逃げる!
…しかし遂に瓦礫の下敷きになり、梅田兄弟をかばい絶命する。
MAC出撃、フォーメーション攻撃で怪獣を追い詰めるが、反撃のブーメラン乱舞で撃墜されていく。
ダン隊長はセブンに変身、ブーメランの波状攻撃をアイスラッガーで迎撃する。
空中で何度もぶつかり合う3つの刃。序々に怪獣が押されていく。
何度目かの交差が終わった刹那、ズバッという音が鳴り響く。
長い静寂の後、喚いたのはセブン。なんと両耳が切り落とされている。
しかし先に倒れ伏したのはレッドキラーだった。首を切断され爆発する怪獣。
逃げるメハジ星人の円盤をワイドショットで撃墜したセブンは平気な様子で去っていく…
「あれがセブン…」
824 :
続き(3):05/01/15 00:45:13 ID:VIb5AopH
うって変わってここは病院。
死んだおおとりゲンに仲間がお別れを言いに来ていた。
「おおとりさんは僕たちを庇って死んじゃったんだよぅ!」
「おにいちゃーん!」
泣きじゃくる梅田兄弟。百子も大村も、皆泣いている。
やがて一人、二人と病室を出て行く。最後まで残った梅田兄弟も名残惜しそうに病室を出る。
誰もいない病室、やがて光に包まれ…レオは彼に話しかける。
「君は自分を犠牲にしてまで子供を助けた。君の命はここで終わるには、惜しい」
「あなたは…?」
「私はレオ。宇宙人だ」
「ウルトラマン…? あなたはウルトラマンに似ている」
「ウルトラマンとは違う、私はただの難民だ。
君と私の命を一つにすれば生きられる。私は体が無いのだ」
「・・・僕の体を使って、なにをするつもりだ」
「何もしない、私はこの地球が好きだ。この地球で暮らしたいだけだ。
それに少しだけなら君の愛する人を守ることに力を貸せる。」
「本当か…?・・・わかった、合体しよう」
「ありがとう、感謝する」
こうして、レオとおおとりの体は一つになった。
スポーツセンターの仲間たちは生き返ったゲンを見て唖然。大村さんは腰を抜かしている!
レオ=おおとりは、少しでもこの平和が続けばいいと願っていた。
しかし一月後、戦いは再び幕を開ける・・・
終わり 長文&連投スマソ
長年不思議に思っていたレオの設定の矛盾を解消しようと物語前夜を考えてみました。
1話:耳無しセブン
おおとりがセブンの存在を知っている
自分からウルトラマンと名乗るおおとり
地球に来てまだ一月という割に、普通に人の社会に溶け込んでいるおおとり
48話:レオが地球にきた一月前と、友人とは三年前から知り合いだったという台詞の矛盾
以上を解決する為に、レオとおおとりは元々別人だったという新マン一話方式を採用しています。
これなら劇中の設定に矛盾しないうまいやり方だと思うのですが、いかがでしょうか?
あと折角地球の防衛に来たセブンのかっこいい見せ場が無いので(昭和ウルトラ大好き)
しかしいろいろグダグダです。予算もかかりそうだ…
あ、杉田かおるさん結婚おめでとうございます。
>>825 ちょっと批判的になりますが、一レオファンの戯れ言として聞いてください。
『レオ』のテーマは「第二の故郷として地球を求め、地球人として
成長していく青年の物語」と思っています。
地球にとけ込んでいるようでも、地球人を理解し切れていないところもある
宇宙人ゲン=レオが、悪戦苦闘しながら成長し最終回で美山家の人たち
からも同胞として受け入れられ「やっと今この地球が僕の故郷になったんです」
という台詞で締めくくられるところに『レオ』という作品の素晴らしさがあったと
思っています。
そこで「地球人おおとりゲン」が存在していたという設定変更を
行ってしまうと、どうも違和感を感じてしまいます。
確かに、レオが地球に来た時期の設定については、劇中で設定の統一が
甘く、矛盾を感じてしまうことも事実ですが、それは物語の核心の部分である
「宇宙人ゲン」の部分を変えてしまうよりも、「L77星の滅亡は数年前だが、
完全消滅が一ヶ月前だった」程度の小細工で充分補完可能です。
なお、『レオ』開始時に学年誌上の宣伝で「地球で暮らしていたレオはウルトラ
兄弟の戦いをずっと見ていた」という設定がありました。また、セブンに耳がない
のは『タロウ』40話からであることも指摘させていただきます。(これは、変身時の
トラブル、あるいはウルトラ兄弟が登場ごとに微妙に姿を変えていることの延長
ととらえることで充分と思います)
水差し発言で恐縮ですが、こういう年寄りのこだわりもあるということで、受け止めて
いただければ幸いです。
>>826 貴方は
俺が2ちゃんねるで見た中で最も良心的、紳士的なレオファンですよ
828 :
名無しより愛をこめて:05/01/15 14:19:21 ID:eKuZYEGA
つーかレオ話はもういいよ。
>>826 言われて見れば確かにそのとおりです。
思い入れのある人にとってこの話は違和感があるのは当然ですね。
最終回も含めて色々レオの良い所を見逃していました。すみません。
タロウの耳無しセブン、学年誌の設定も知らなかった未成年ですが、
これからは一レオファンとして、一ウルトラファンとして、
誰にでも楽しんでもらえる話を書いていきたいと思います。
最後に、長い文章を読んでいただきありがとうございました。
それでは。
>>829 俺はレオも楽しんでるよ。まぁタロウのほうが見たいのが正直なとこだけどw
空気を読まずに
アンチスレに予告しておいたネクサスのでっち上げ最終回を投稿します
まだ完成途上ですが、差し止め要求および苦情は遠慮なく言ってください
・・・水の音が聞こえる。
弧門は朦朧とする意識の中、ぼんやりと目を開けた。
ひどく暗い。
あたりを見回そうとして身体を起こそうとした彼は、全身を激しい痛みに襲われ、
浅い水溜りに覆われた足元に再びうずくまった。
苦痛の中、顔を上げた彼の目の前には、ひしゃげて割れたパイプを伝って
滝のように流れ落ちる水のカーテンがあった。
水道管の走っていた天井の割れた穴からは、かすかに揺らめく赤い輝きが差し込んでいる。
彼がかろうじて闇の中で周囲を確かめられたのは、この輝きのおかげに他ならない。
TLTの隊員服は、水道管から浴びせられる水しぶきですっかり濡れ、彼の体温を奪おうとしていた。
いけない。このままじゃ・・・
力を振り絞り、湾曲した壁に寄り添って起き上がる弧門。
体温を維持しなければ、ここで凍えてしまう。
重い頭を壁にもたげ、不吉な赤い揺らめきを見上げる。
すると突然閃光のように、直前の出来事が彼の脳裏をかすめた。
そうだ、月はどうなったんだ・・・
崩れかけた地下道は、前方の瓦礫の山によって塞がれていた。
あと数メートル先を歩いていたら、弧門もあの中に巻き込まれていたに違いない。
地下道にまで被害が及ぶということは、きわめて近い場所で着弾が起こったことになる。
どちらにしても、行き先を塞がれた以上彼は引き返さなければならなかった。
地下道に逃げ込むときにつけ忘れていたサーチライトを点灯した弧門は、とぼとぼと入り口に向かった。
しかし戻ってみたところで、彼が記憶していた地下道の入り口は既にどこにも見当たらなかった。
入り口でも崩落が起こっていたのだ。ヘルメットのサーチライトが空しく壁を照らす。
生き埋めか・・・・・・・・・まてよ?
倒れていた場所に再び足を運ぶ弧門。彼は、空に不吉な赤い揺らめきがのぞく天井の穴の真下にたどり着いた。
パルスブレイガーの攻撃モードを展開する弧門。
ワイヤーガンを使えば、天井をつたって地上に上れるかもしれない。
隊員服のベストからワイヤーリールとアンカーアタッチメントを取り出し、
パルスブレイガーに取り付ける。彼は崩落した穴の真横に、出来るだけ平らな部分を探した。
撃ち込んだアンカーが安定し、かつ体重を支えていられるだけの面積が必要だった。
壁に寄り添い、狙いを定める。射出したアンカーは極めて平坦な部分に命中し、クローがしっかりと真横を固定した。
・・・よし。
リールを巻き取って穴を上昇した弧門は、張り付いた壁のひびの間をよじ登り
そのまま地上へと脱出した。着弾の際、吹き飛ばされた身体の痛みを忘れさせるほど強烈な衝動が、彼を突き動かしていた。
月は、どうなったんだ?
高温が起こした雲とと高く巻き上げられた土砂のせいで、空は曇っていた。
市街地に広がるおびただしい炎が、雲に反射して赤く輝いている。
大ぶりな岩とコンクリートの破片が転がる不安定な足場を踏破した弧門は、
ひときわ高い瓦礫の丘の上に上り、空を見渡した。
彼はかろうじてわずかな雲の切れ間から、澄み渡った夜空を垣間見ることができた。
最初に彼の視界に飛び込んだのは、黄金に輝く月の無残な姿だった。
満ちる手前の、わずかな楕円を帯びた球の優美な線は跡形も無く、
左の片側を穿つように巨大な何も無い空間がそこにあった。
割れた月の金色の面は、手で無造作に砕いたような不規則な筋を表わし、
反射する筋を追うたびに、弧門は不快な感情に襲われた。
月の片側に相当するたくさんの隕石群が、地球を襲い降り注いだ後だっていうのに
僕は、なぜこんな所で月を見上げているんだ。
確か、地球の生物が全部滅びてもおかしくないほどの規模のはずだ・・・
大地にゆるやかに着地した白い巨人は、足元の地面に突き刺さった
ストーンフリューゲルを見下ろすと、自らの身体から発したまばゆい光に包まれた。
光の消え去った後に、ひとりの女がよろめきながら立っていた。
「もうしなくてもいいわ・・・わかるの、どうせあと少しだもの・・・」
彼女はストーンフリューゲルの手前に倒れると、無理に身体を仰向けにして、空を仰いだ。
「姫矢さん・・・わたし、やったわ・・・・・・
消したのよ。全部は、無理だったけど・・・割れて、堕ちてきた月を・・・」
手に握られたエボルトラスターが明滅を始める。
「どうしてなのか、わかったわ・・・吉良沢君が、私を、閉じ込めたわけが・・・
一度きりなら、使い場所を見極めなくちゃね・・・」
女の身体も、エボルトラスターに共鳴するように明滅を始める。
「今、いくから・・・」
女はゆっくりと目を閉じた。
タイトル表示〜オープニングへ〜
>>832-836 空気を読んで今後こういう自分勝手なSS投稿はやめてください。
ここが該当するスレじゃないことぐらいわかるだろ。場所考えんかい。
いいや続きを拝読したいね。
レオやほかのタイトルがよくてネクサスが駄目という理屈は通らない。
なんでコレだけ目くじら立てるのか不思議なこった。
ID:lTy6VNreさん、気になさらず焦らず順次お願いします。
空気読めてないのは
>>837だったということで
m(--)m
Q投稿した香具師もいるくらいだから大丈夫。
それよりOP前であの文章量は長杉でわ。
基本は「あらすじ」でよろ。
なんとなくネクサスは雰囲気違いすぎると思うんだ
「いいや!理屈は通らない!」って言われるかもしれないけど、なんとなくな
上のネクサスは俺は本編見てないからどうなんかわからんけど
揶揄じゃなくて、対象への愛があればあればいいんでないの?
俺的ここまでタロウ作品好きなBEST.5
1.
>>529-530 「ZATだよ全員集合!!」 リクしたのが自分て事もあるが、是非見たいし、実際あったら一生忘れられない作品になりそう…
2.
>>673-676 「完成ウルトラダイナマイト!」 ファイヤーマン登場は特に必要を感じないけど、東京湾をスケート場にするアイデアが自分的にツボ!
3.
>>267-270 「東京大迷惑!うっかり宇宙人(略)」 オフザケ過ぎかもしれんけど、ワロタねぇ…ちょっと思いつけないネタだw
4.
>>392-401 「(略)その名はZAT!」 ZATの歌で怪獣が降ってくる話ね。ワロタ。隊員のセリフがキャラに見事にマッチ!
5.
>>263-265 「宇宙人の花嫁さん」 これもリクに応えてもらったせいもある。個人的に森山タン萌えなんでw しかしどの話でも彼女は強気キャラなのなw
他にも好きなの数えたらタロウだけでも10本ぐらいある!!本当凄いよ…
ZATの歌は好きですね。
副隊長の歌を何の節で歌うのか、説明されなくてもわかるw
確かに
>>833のは長すぎ。ついでに言うと俺、ネクサス4話で挫折したから、
それまでの話の流れも書いて欲しかった。
でも、別にネクサスの話を書いてもいいと思う。というか、
面 白 い ネ ク サ ス の ス ト ー リ ー が 見 た い (切実)
もしくはアンチスレ辺りで言われてた路線変更後の話とか。
「 日本名作民話シリーズ!」なんか読んでみてえ(w
すんません、私、ネクサス好きな人です。ウルトラマンは無条件で自分を
守ってくれると思っている、人生の苦悩も挫折も知らない人達があれを見て
鬱になるのを想像すると楽しくて仕方ありません。「あけてくれ!」も
「第四惑星の悪夢」も「怪獣使いと少年」も大好きです。
人生の苦悩とか挫折とか知ったら
ネクサス楽しめるのか
俺もまだまだ苦労がたりないな
「あけてくれ!」も
「第四惑星の悪夢」も「怪獣使いと少年」も大好きだが、それはただの思い込み
だったんだろうな
「そして生きていく・・・」
自爆怪獣ダイナン 復習宇宙人リベン星人 登場
東京怪獣対抗及び攻撃用ミサイル「R81-6001」の開発が完了した。
実験場に選ばれたのはかつて地球に侵略攻撃を仕掛けてきたリベン星である。
この実験はZAT上層部の考案されたもので、隊員達及び社員には一切
伝えられていなかった。そして実験当日。ついにミサイルは発射された。
リベン星は西半球に大陸が集中しており、ミサイルはまさにその大陸の中心に
ミサイルの照準を定めていた。炸裂するミサイル、文字通り蒸発する
リベン星の西大陸。
生き残ったリベン星の人民はまさに暴徒と化した。怒りに震え円盤で地球に向かった。
地球では緊急会議が行われていた。リベン星人全滅させるほどの威力がある計算だったが
炸裂前のリベン星の弾幕により若干威力が落ちてしまったということだった。
とにもかくにも、このままでは宇宙人の攻撃を受ける。主な旨をZAT隊員に
伝え、迎撃せよ、との命令が下る。
光太郎「怒るのは無理はありませんよ。完全に非は我々にあります。」
隊長「だったらどうする?このまま指をくわえて攻撃を受けるか?」
副隊長「あっちはこちら側の主張なんて聞いてくれないだろうさ。」
光太郎「これが人間のすることですか?過去の話でしょう。侵略されかけたというのは。」
南原「問題なのは無実の市民までも巻き込むことを承知でこちらが攻撃したということだ。
全く上層部。これは重大な犯罪だぞ。くそ!」
上野「僕たちはこの人達を攻撃しなければならないんですか!?僕は無理です!こんなの・・こんなのって・・・」
重たい雰囲気となる本部。
光太郎「隊長。我々の敵は、地球の敵ですか?悪ですか?」
隊長「・・・・地球の敵だ。」
光太郎「ならば本日限りで、退職させていただきます。」
ヘルメットと銃を隊長に差し出す光太郎。
北島「なら俺だって!」南原「俺もだ!」上野「自分もです。」森山「私もです。隊長・・」
皆 光太郎に続くようにヘルメットと銃を差し出す。
副隊長「お前ら・・」
複雑そうな表情を浮かべる副隊長。
隊長「よし分かった。」
副隊長「隊長!でもどうするんです!我々が動かなかったら地球は!」
隊長「だれが動かないと言った。我々が上層部の馬鹿連中を捕まえ、罪を償わせる。」
隊員一同「隊長・・・。」
隊長「俺もZATを辞める。一市民だ。お前ら最後の命令だ!ヘルメット、銃装着後、
ZAT司令本部に突入する!」
隊員一同「はい!」
上層部では野生のおとなしい草食怪獣に爆弾をつめこみ、遠隔操作で戦わせ
自爆させる、このような残虐極まりない作戦を実行しようとしていた。
景山上官「どうかね?今回の攻撃により宇宙人に地球の攻撃力はかなり知らしめることには
繋がったとは思うがね。」
佐々木上官「そのとおり。ただこのような自体に発展するとはな。」
鈴木上官「うちの馬鹿な隊員どもが命令を聞かず、その上われわれを検挙するとなど。」
滞上官「笑えん冗談だ。まさかダイナンをZATと戦わせるために使うことになるとは。」
正岡上官「奴らはもうZATではない。国家権力を持つ我々の政策を阻止しようとする反政府部隊だ。」
高木上官「左様。ただ相手が悪すぎた。」
ZAT上層部はすでに光太郎たちの動きを察知していた。光太郎たちは
平和と勝利をつかむことができるのか!つづく
これタロウじゃなくてもいいんじゃない?
>848_850
平成セブンだ・・・
やっぱりここ、タロウ オンリーとは言わんが
第二期ウルトラの薫りを漂わせるスレとかに限定した方が良いんじゃないかなぁ
全シリーズじゃ広すぎる
海王星。
タロウは、突如太陽系に飛来した宇宙怪獣を迎撃していた。
必殺の気合で放ったストリウム光線を、避けもせずに胸板で跳ね返し、怪獣は荒々しく猛り狂っている。
だが、その強靭さだけではないものがタロウに重圧を与えていた。
「…何故、今になって、こいつが…?」
ウルトラの国。宇宙警備隊の戦士達は元より、非戦闘員である大勢の民間人達が。
或いはクリスタルの十字架の中に磔にされ、或いはブロンズ像にされ、地表を埋め尽くしている。
その中心の、エースのブロンズ像の前で高らかに笑っている、無数のヒッポリト星人とガッツ星人。
軍団の先頭に立ち、やはり歪んだ笑みを浮かべている、等身大の統率者が二人。
女ヤプールと、サイモン星人。
カラータイマーの灯が消えて力尽きた新マンを、鎖で引き摺っていくブラックキングの群れ。
先頭のブラックキングの頭頂に立つゼラン星人。
初代マンとセブンの光も消え、地響きを立てて倒れる。それに尚も追い討ちを掛ける敵。
ウルトラ水流どころか、スペシウム光線も効かないジャミラが火を吐き掛ける。
ワイドショットでも傷一つ付かないギエロン星獣が死の灰を撒き散らす。
死の街に場面は戻る。奥まった広場に、特に念入りな処置が為されたオブジェ。
ブロンズ像にされた状態でクリスタルの磔にされて鎖でぐるぐる巻きにされ、更に半径1kmの氷塊で氷漬けにされた、ウルトラの母。
これでは、マザー光線による戦士達の回復も期待できない。
現在、僅かな残存兵力の中心となって唯一抵抗を続けている父とゾフィーも、飛び群がるバードンの軍団に追い詰められていく。
咄嗟に父を庇って身を差し出したゾフィーのタイマーが、嘴に貫かれる。
「ゾフィー!!」
地球。
地獄と化したウルトラの国が、世界各地の空一杯に映し出されていた。
何者の仕業なのか、地球人類には判る術もない。だが、その何者かは、ホログラフと共に一連の事態は自分達の所業であると
響き渡る声で明言し、その上で、地球には一切危害を加えるつもりはないと言った。地球人が自分達に抵抗するような真似をしなければ。
光年単位の彼方の事態に対し、勿論何が出来るわけでもないだろうが。何者かは、更に付け加えた。
「対岸の火事だろう。わざわざ手を出して巻き込まれることもあるまい」
「…参ったね」
朝比奈はのほほんと頭を掻いた。
「判り切っていたことだが、上は静観を決め込むそうだ。確かにこのままなら地球には事は及ばない、地球の危機ではないんだろうが…」
北島「だからといって…こんなこと、納得できるものですか!?」
南原「…でもさ…仮に上が介入するのを許したとして、どうやって助けに行くんだよ?」
「………」
誰も答えを出せない。
荒垣「問題はそれだけじゃない…市民の動向がな…」
ZAT基地周辺で見える範囲だけでも、人々はとにかく何者かの不興を買わないようにしようと死に物狂いで日常生活に没頭し、
視線をも空に向けないよう、下ばかり向き続けている。
東京ニュータウン。かつて、群れ集まってキングゼミラを追い出そうと狂奔した人達の住んでいる住宅地。
健一の級友で昆虫博士の正一は、仲間達と集まってウルトラマン達を助けるんだと息巻くが、駆け付けてきた母親達に皆無理やり家に
連れ戻される。正一が自宅で反目すると、母は夕飯の支度をしながら背を向けたまま、
「これ以上その話をするなら…あんたはもう母さんの子じゃない」
正一は激して家を飛び出していく。気まずそうにしていた父が弱腰に「母さん…」と声を掛けても、母は尚も俯けた顔を上げず、
「怖いものは怖いのよ! 仕方ないでしょう! 一体どうしろっていうのよ!?」
正一が河原まで走ってきて息を切らしていると、
「! 健一」
河原沿いに座り込み、膝を抱えて泣いている健一を見付けた。
「光太郎さん、未だ見付からないのか」
「何処行ったんだよ、光太郎さん…こんな時に…」
タロウが宇宙に赴いている今、当然、光太郎は消息不明になっていた。
「申し訳ありません」
他の人員も指揮して光太郎を捜索しているが、見付け出せない森山隊員は、白鳥家の客間でさおりに頭を下げる。
「…光太郎さんだから」
「え?」
「又、何処かで無茶してるんじゃないでしょうか」
さおりも視線をやや下に向けたまましょうがなさそうに微笑みながら、辛うじてその一言だけを搾り出した。
海王星。
「はあ・・・はあ、はあ」
激闘の末、タロウは、ウルトラダイナマイトで漸く怪獣を仕留め、丁度復元したところだった。
消耗著しく、カラータイマーが点滅し続けている。
が。
「………!?」
爆砕された怪獣の破片群が、粉塵のように霧散し、黒い、蛾の群れになる。湧き上がった生きている闇は、再び結集し、元の大怪獣…
ネオムルロアに、戻ってしまった。
タロウも一度殺された相手、一目見ただけで面影は直ぐに掴み取れたが、外観が微妙に変化している。以前よりも全身の突起が鋭く
反り上がり、そして、ひたすら睨み付けてくる真っ赤な眼光、ぜえぜえと響く荒い息。
言うことを聞かない体に鞭打ち、タロウは攻撃を再開。しかし、ネオムルロアは打撃も光線も全てスペースモスの黒い霧になることで
受け流し、ダメージを与えられない。タロウが膝を付いたところで、霧散した黒い蛾の群れは見回す視界全てを埋め尽くすほどに
広がって、包囲を狭め…
別空間から状況を見ている、何者か。暗い闇の中、何百、何千もの光る目の人影。
その正面に…一人の少年。よれた学生服、土で汚れた頬、そして、ネオムルロアの血眼に劣らない憎悪に満ちた目。
かつて、地球という星にいた少年は、その地球という星に嫌気が差し、宇宙へ行ける船を探して泥にまみれて河原を掘り続けていた。
そこに、宇宙から来た何者かが声を掛けた。
何者か達から与えられた、無数の大怪獣・凶悪星人を制御できる力を、やり切れない感情のままに暴走させ続ける少年は、しかし、
未だに何の充実感も得られない。土に汚れた顔は笑っていない。憤った表情だけが張り付いたまま、未だ力を揮い続ける。
「アアアアアァァーーーーー!!!!!」
アトミックフォッグの黒い大海原となった海王星の地表に、もがきながら沈んでいくタロウの顔、手…ストップモーション。
「二年目の怪獣使い・前編」佐久間良、宇宙蛾獣ネオムルロア、『何者か』と怪獣・星人軍団 登場
ムルロアの扱いがどうしても納得行かない、それだけで描きました。
こういう話を読むこと自体がうざいというお声が大半を占めるなら、後編は敢えて描きません。どなたかが後を拾って頂くのは自由です。
キング再生光線とかフルムーンレクトとかでなあなあに流してしまうのも、それはそれで。
ここまで思わせぶりに書いておいてそりゃないでしょ。
賛否は後から聞けばいい。
最後まで責任持って仕上げられよ。
でなけりゃ最初から発表なさるな!
ネクサスSSにお叱りと激励の言葉をありがとうございますm__m
自分は3年ほど前、
アニメ板の某スレに50レス近いSSを一挙投稿した身の程知らずです
確かに
>>840様、
>>845様のおっしゃるとおり現在頭の中にある構想を全部載せてしまうと
ライトノベル並のボリュームになりかねませんので、ここは自分と折り合いをつけて
要点をかいつまんでお送りします
これまでのあらすじはもう少しで出来上がります
「ぼくのかんがえたおりじなるへいせいウルトラSS」
とかいうスレ立ててやってください
ネクサスの現状へのマンセー以外のすべてに対して「アーアー聞こえなーい」で
いたいだけのお子様も本スレに引きこもっていてください。
ていうか、ラノベ並の作品をつくれる腕があるんなら、
普通に自分でサイト開設してそっちで披露なされ。
そろそろ「タロウの話を書くスレ」と、
それ以外の「円谷作品のSSを投稿するスレ」に分けたほうがいいのかな?
>>859 御叱咤有難うございます。後編のプロット作成中です。暫くお待ちを。
たしか昔あったよね、ウルトラのSSスレ。
SSスレは長編書きの職人さんが何人か出たとこで
投稿間隔がだんだん広がって過疎化→オチするのがあれだけども。
このスレはせっかく比較的手軽に書ける&読める「あらすじ」フォーマットで
ここまで続けてきたんだから、次スレでも踏襲したほうがいいんじゃない?
SSスレを立てるかどうかは別として。
このスレの途中で既に懸念されてたじゃん。
間口広げすぎると収拾つかなくなるって。
普通SSスレは、書き手のエゴ&妄想むきだしで完全にオナニースレで
読み手の方はどうでも良く思ってる場合も少ないない。
でもこのスレは、オリジナルタロウの設定と雰囲気を出来る限り尊重しようと
書き手が配慮した結果、良作品がいろいろ生まれたんだと思う。
何でもいいから投稿しろ状態なら別にスレたててやって欲しいね。
タロウの話もそろそろネタがつきてきたしこのスレも残り僅かだから
とりあえずこのスレの残りはなるべくタロウの話でいったほうがいいと思う。
ウルトラの国。
立ち並ぶクリスタルの十字架やブロンズ像の中、聳え立つ巨大な氷塊。その中心に閉じ込められたままのウルトラの母。
(…タロウ…)
ブロンズ像と化した母は、物言わず思う。
(一度始めたことは…途中で、投げ出してはいけませんよ…)
「二年目の怪獣使い・後編」佐久間良、宇宙蛾獣ネオムルロア、『何者か』と怪獣・星人軍団 登場
海王星。
地表に広がっていた黒い霧は、再びネオムルロアの姿を形成していた。タロウの姿はない。
ネオムルロアは、口ではない適当な体の一部から、ぺっと異物を吐き出した。
キングブレスレットが、地を砕いて転がった。
地球。
東京の民間人達は、何者かの脅威に対して無抵抗を決め込むだけでは飽き足らず、防衛隊であるZATの存在も
敵を挑発する恐れがあるとして、ZATステーションの前でデモを行い、ZATの組織解体と武装解除を迫っていた。
窓から見下ろすZATの面々。
南原「ちきしょう、勝手なこと言いやがって」
朝日奈「地球にとっての脅威は今回の敵だけじゃない、他にも恐ろしい怪獣や宇宙人がうようよいる。
今ZATの解散なんかしても…もぐもぐ…その場しのぎにしかならんということが…うぐうぐ…判っておらんのだ、がつがつ」
上野「…カレー食べながら言う台詞じゃないと思いますけど」
デモを止めようと無鉄砲に乗り出していった健一と正一だが、興奮して聞く耳持たない人々の驀進に呑まれそうになる。
それを済んでのところで救い、デモの流れから引き離したのは、正一の父と母だった。
母は正一に縋りついたまま嗚咽し、
「何でこんなことになったんだろうね、正一…私達は、普通に暮らしたいだけなのに…」
「母さん…」
自宅で一先ず母を休ませ、父はとつとつと正一に言う。
「皆が皆、ウルトラマンやZATみたいに何時も強くいられるわけじゃない。怖いことや辛いことに耐えられない弱い人達も居る。
そのことも全て受け入れて、それでも強くいられるのが、本当に強い人じゃないのかな」
「…父さん」
「まあ、父さんが言えた義理じゃないけどね。虫のいい話だよね」
父は済まなそうに笑った。
ウルトラの国。
初代ウルトラマンとセブンは、死の淵から蘇っていた。
初代は、ウルトラ水流の水圧を極限まで高め、ウォーターカッターにすることで、外皮がゼットン並みの強度になっていた
ジャミラを、真っ二つに切断した。
セブンは…あの時と同様、一瞬の隙を突き、ギエロン星獣の喉をアイスラッガーで切断。ギエロンは喉から死の灰を吹き、
断末魔の叫びを上げて絶命した。
セブン「…判らない」
初代「何がだ?」
セブン「R1号の爆発から誕生し、バラバラに爆破されても再生するのに、何故喉を切っただけで死ぬんだろう?」
初代「…今論じることじゃないだろう、セブン」
セブン「…そうだったな」
二人は転がった亡骸を見詰め、犠牲者の最期とか悲しいマラソンとかが胸にリフレインして立ち尽くしていた。
「今は感傷に流されているときではない。答えは後で各々で見つけ出すしかない」
声を掛ける、ぐったりとしたゾフィーを肩に担ぎ、宇宙警備隊の部下達を連れたウルトラの父。
倒れた初代とセブンに自身のエネルギーを注ぎ込んで復活させたのは、父であった。
「父は、あのバードン軍団をどうやって…?」
「ウルトラアレイで全部殴り殺した」
「………………」
流石警備隊のナンバー1だと二人は思った。
しかし、流石にボロボロの父。その状態で、ゾフィーを地に下ろして又エネルギービームを注ぐ。
「父!?」
ゾフィーを蘇らせたところで、父は遂に力尽きて倒れた。
「何故!?」
「私が戦ってもいいのだが…次の世代への流れは、若い者によって継がれねばならん。老いた経験者が対処療法を重ねても、
それはその場しのぎにしかならんのだ。お前達がやらねばならんのだ。
一刻も早く母を救い出し、ウルトラの国の平和を取り戻すのだ。息子達よ」
そこで父は昏睡し、警備隊に運ばれて行った。
新マンも、初代とセブンと共に駆け付けたゾフィーの持って来た命によって蘇生。
鎖を断ち切り、複数のブラックキングを一度に、スライスハンドで斬首。更に、等身大のゼラン星人を鷲掴み。
醜悪な顔のランドセルを背負った小学生は、何か聞き苦しい呪詛の言葉を発しながら握り潰された。
三人の兄に見届けられ、新マンは自分の拳を見詰めていたが、それも少しの間のこと。
「行こう」
市街の中心に駆け付けた4人。
「!」
エースが、自力で事態を打開していた。突如ブロンズ像が罅割れて砕け、吹き飛ぶ破片の中から出現。
「愚かな。私の大いなる力を、この程度で封じられると思ったのか」
怖気づくヒッポリト星人とガッツ星人の軍団を、上半身ひねりからのメタリウム光線で一掃。
女ヤプールとサイモンも巻き添えにされ、やはり呪いの叫びを吐きながら消し飛んだ。
「…どうしたんだ、エース」
自分達と違い、全く迷いがない様子のエースに尋ねる新マン。エースは答える。
「どんなものが襲ってこようと、私は人の善性を信じる。地球の子供達に人を信じることを願った以上、
私が先ず実践しなければ筋が通るまい」
「エース…」
「兄さん達も、そうではないのか」
思い至る初代、セブン、新マン。
(…ハヤタ…)
(…アンヌ…)
(…次郎君…)
4人を見据えるゾフィー、
「後は…地球のタロウが、その結論に辿り付けるかどうかだが」
「大丈夫だ」
振り返った4人の目は、強く輝いている。
「そうだ。今の我々の使命は、母を助け出し、ウルトラの国に平和を取り戻すこと!」
「タロウ、頼むぞ! 私達の第二の故郷を!」
海王星。
ネオムルロアが悲鳴を上げる。
タロウの両腕が、後ろからネオムルロアの首を締め上げている。
タロウは、その上半身を、ネオムルロアの背中から生やしていた。
異次元から驚いて見ている学生服の少年。
「僕を体内に飲み込んで分解したのが失敗だったな」
タロウは言い放つ。
「ウルトラダイナマイトで粉々になっても集結して蘇るこのウルトラマンタロウが、分解されたぐらいでやられるものか!」
落とされそうになったネオムルロアは、物理攻撃から逃れようと再び体をアトミックフォッグに転じる。
だが、ネオムルロア同様、自身の意思による体の分解・再構成を可能としたタロウは、自身も赤い霧に転じて追ってくる。
宇宙の闇の下の大地で、赤と黒の霧が、高エネルギーの稲妻を迸らせながらもつれ合う。
画面は超ミクロの世界の光景に転じ、
つぴぴん つぴぴん つぴぴんっ
「ナノ・スワローキック!!!!!」
何万、何億ものミクロサイズのタロウが、全てのミクロのネオムルロアに、渾身の蹴りを叩き込んだ。
同時に、巨大な蹴るタロウと蹴られたネオムルロアが宙に現出し、自身全ての構成物質にキックを食らったネオムルロアは
吹き飛び、眼前の荒れた山岳に叩き付けられた。
ずるずると山肌から崩れ落ち、立ち上がれない。
学生服の少年は、現在の全ての状況を感覚で捕捉していた。
ウルトラの星では、ネオムルロアの劣勢と共に弱体化した怪獣軍団が遂に掃討され、ウルトラの母を捕らえた氷塊が
兄弟達の光線で少しずつ溶かされていく。
脳内の映像に流れていく、怪獣軍団の死体の山。
少年の絶望が、背後に群がる『何者か』達にも染み込み、全員が苦悶に呻く。
彼らは、確かに少年を星の世界に誘い、力を与えた宇宙人達ではある。だが彼らも、元は少年と同じ。
理不尽な境遇に陥ってかつての居場所を失くし、流離ううちに仲間を見付け、集まる数だけ恨みを募らせていくしかなかった
者達なのだ。
地に打ち捨てられたキングブレスレットを拾い、腕に付け直していたタロウに、
「!?」
異次元から、円盤に乗って飛び出し、真っ直ぐタロウに向かって特攻してくる、少年。
円盤にはろくに戦闘能力はない。タロウにぶつかれば衝撃であっさり分解するだろう。それでも、少年はやらずにいられなかった。
(…金山のおじさん…嫌な奴なんか何処にもいない、俺の行きたかった奇麗な星の世界は…
もう、天国にしか…ないのかなぁ…)
タロウが呆然と見る前で。
ネオムルロアが、少年の特攻を止めた。
体の一部を破片として撃ち出し、それが円盤に届き、綿のように覆って、タロウにぶつかる際の衝撃を緩和したのである。
円盤は地に落ちるが、衝撃が殺されて中の少年に大事はない。
地上の小さな円盤に、ネオムルロアはよろよろと這い蹲って近付いてきて。
円盤を体で庇い、タロウを睨み付け、尚も憎悪の眼光を放って来る。
円盤の中の正一も、何者か達全員も。
彼らは、死んでも信念を曲げないと、無言のうちに理解したタロウは。
「それでも、僕は、地球の大切な人達を守らなければならない」
少年が聞く前で言う。
「だが、君達という存在があることを、此処に至って否定することも出来ない。
だから、今後も尚地球やウルトラの国に対して悪意を持って攻めてくると言うなら、やめろとはもう言わない」
「!」
「その代わり、全力で阻止はさせてもらう」
地球のある方角を背にし、タロウは、ファイティングポーズを目の前の一同にかざした。
「何遍でも来い」
少年とネオムルロア、そして何者か達は、タロウの前から去った。
悪意の攻撃を遂に諦めたのか、それともひと時の雌伏なのかは、タロウには判らない。
さて。
ZAT司令室。
一同の前に、怪しげで大掛かりなメカがあった。
「何ですか、これ」
メカを持って来た朝日奈が答える。
「ZATの前に、某所に存在したというとある防衛組織で開発されたメカだ。被験者を、異次元に突入させて別の場所へ送る
ことができる」
「…本当に出来るんですか、そんなこと」
「一度実際に運用され、成功した。確かな情報だ」
「はあ…それにしても、よく被験者がいましたね」
「怖いもの知らずというか」「単に考えなしの馬鹿じゃないのか」
「はっくしょんふんぬぐぁぁ!!」
ウルトラの国で街の復興作業を指揮していたエースが激しいくしゃみをし、注視された。
「考えなしの馬鹿で悪かったな」
「って…え?」
「わしもこれから使うんだよ」
言った朝日奈は、重装備に身を固めていた。
「隊長…まさか」
「そうだ。この装置で、ウルトラの国に直接乗り込んでウルトラマン達を助ける」
「無茶だ!」「無事に帰ってこれるかも判らないのに!?」
「ああ、無茶だ。それに上の許可も得ていない。わしの独断だ」
「……………」
「はっきり言って貧乏籤だ。だから、別についてこなくても」
ジャキ
「………」
荒垣も、北島も、南原も、森山も、上野も、この場の全員が各々の銃器を構え、朝日奈と共に並んだ。
「…お前らも馬鹿じゃないか」
朝日奈は嬉しかった。
装置のスタンバイ準備に入る。
「東が居合わせなくてよかったですね」
「ああ。あいつはきっと何処かで無事にいる。奴なら、わしらがいなくなっても後のことを任せられるだろう」
「頼んだぞ。東…」
「はい?」
のほほんと、司令室のドアをスライドさせて入ってきた光太郎が、笑顔で間抜けな返事をした。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
一同、暫し言葉を失った後。
「お前、今まで何処で油を売って・・・!!!!!」
激した荒垣が思わず光太郎をどつこうとする。
だが、その前に、光太郎は、遂に此処までの過労で倒れた。
「東!?」「東隊員!?」
ZATの仲間達に介抱されたり、その後さおりや健一と涙の再会を果たしたりして、ひと時の平和な日常に帰っていく。
そんな中で、光太郎はふと思った。
あの少年は、何時か僕たちと同じように笑うことが出来るのだろうかと。
長編ご苦労様でした。
佐久間少年が復讐者になってしまう、
迫害されていた存在が、人を傷つける存在となってしまう、
という展開は正直残念でしたが、読み応えはありました。
エース、タロウが出した結論を伝えたかったのだと信じています。
というか「ネクサス」的展開な「タロウ」?
(ウルトラファミリーはいっぱい出てくるけれど)
つかこの作品書かれた作者さんに質問。
タロウ本編の「ウルトラのクリスマスツリー」に、
どんな感想もたれます?
>>868-876 なんだ、いい後編考えてたんじゃない。
フルムーンレクトなんかでご都合主義のまとめされなくてよかったよ。
タロウ的作品ではなかったかもしれないけどね。
879 :
名無しより愛をこめて:05/01/22 18:17:49 ID:neIm7XcD
感想有難うございました。反響があってほっとしました。
>>877 「ウルトラのクリスマスツリー」念のためもっかいレンタルで見直してみます。
暫くお待ちを。
実は新参者です。これまで読ませてもらった中で気に入ったのを私も挙げておきます。
>>212〜「ぶちのめせ!改造キングジョー!」
>>377〜「ブロウ怒りのパイルドライバー」
私はブロウとアーク好きです。又不愉快な手合いが出てきたら殴って下さい。
>>247〜「そのときウルトラの父は」
>>392〜「宇宙科学警備隊 その名はZAT」
>>812〜「タロウが死んだ! 無敵の異次元人を止めろ!」、「聞け! タロウ復活術」
いずれも根底に近いものがある気がします。情景が鮮明に想像できて笑えます。
>>348〜「雨だ! 風だ! 運動会中止作戦」
私も運動会嫌いでした。
>>363〜「3年B組の金髪先生」
ジェーン先生のキャラが良すぎです。。
続き。
>>367〜「はぐれ戦士ファイタス!」
>>621「タロウの弟がやってきた!」
主人公のネガ的なゲストが出てくる話はネタ的に行き詰まりやすいのですが、
この二つは上手く消化していたと思います。ファイタスがガイアにおけるアグルっぽいです。
>>665〜「遠くて近い父と母」
いい意味で、テレビシリーズのニュアンスが守られていたと思います。
タロウだけでなく第二期シリーズってこういう話あったよなあ。
怪獣との戦闘がイベントのためのダシでしかない辺りとか。
>>707〜「ZATのケンちゃん」
タイアップで引っ張るだけでなく、単発エピソードとしても秀逸です。ホビィのキャラが生々しい。
>>727〜「ZAT壊滅か!? 荒野の怪獣列島」、「反撃! 怪獣+宇宙人vsZAT+タロウ」
タロウで「決戦! 怪獣対MAT」。バードンに対するタロウの優しさが泣けます。
ボスデス星人もテンペラーやバルキーよりよっぽど悪役として堂に入ってます。
ウルトラマンタロウ『怪獣に勉強をさせるな!』
ドリルゴン、ギョフリ星人登場
ある日ZATは、東京上空に現れた円盤を追跡していた。
警告を無視して飛び続ける円盤。朝比奈隊長はやむなく撃墜命令を出した。
ホエールとコンドルに挟撃され、爆発する円盤。
ZATは、円盤の爆発に紛れて地上に射出されたカプセルには気付かず去っていく…
場面は変わって健一の通う学校。
3年生の浩二君は憂鬱だった。転校してきたばかりで友達がいないのだ。
放課後一人で帰路につく浩二。すると、キラリと光る物体が裏山に落ちるのが見えた。
浩二が裏山に行くとそこには、子犬ほどの大きさの宇宙生物がいた。
「おっおっ、お化け!!」浩二は腰を抜かす。
怪物は浩二を見つけても暴れる様子もなく、逆に甘えてくる。
危険がないと判断した浩二は家に連れ帰って飼う事にした。
飼っているうちに、それは本に異常な興味を示すことがわかった。絵本を一緒に読む浩二。
次の日。生物はたどたどしい日本語なら喋れるようになっていた。
「お前は勉強好きだなあ…よし、今日からお前の名前はドリルゴンだ!」と浩二。
ドリルゴンは浩二が学校に行っている間にも本を読み続け、浩二が帰ってきた
時には用意した全ての絵本を読んでしまっていた。
二人はいつも一緒に本を読み、一緒に笑い、一緒に泣き、そして一緒に学んでいった。
学校に興味を示し、連れて行ってほしいとねだるドリルゴンを学校に連れて行くと、
かわいい見た目と賢さで、ドリルゴンはたちまちクラスの人気者になった。
特に女子の人気が高く、飼い主の浩二は一躍モテモテとなった。
こうなると浩二は面白い。ドリルゴンの為に様々な本を与えた。
それに応える様に、ドリルゴンは日増しに賢くなっていった。なんだか体も少しずつ大きくなっているようだ
浩二の持っている漫画雑誌から学習図鑑までを全て読むのに、そう時間はかからない。
浩二は貯金を下ろしてドリルゴンが好む学習参考書を買い与え続けた。
「もっと本を!」
884 :
続き:05/01/23 22:29:23 ID:9z95CcTb
一週間後、浩二の家にある全ての本を読んでしまったドリルゴンは、今度は読みたい本を自ら要求し始めた。
物理の本、医学書…もうドリルゴンの知能は一級の大学生レベルにまで達していた。
体ももう等身大だ。最初は一緒に本を読んでいた浩二も、段々不安になってきた。
とうとうドリルゴンは、実験機材をどこからか持ってきて謎の実験を始めてしまった。
全然かまってくれないドリルゴン。また浩二は一人ぼっちだ。トボトボ帰る浩二。
「きみ、どうしたんだい?」パトロール中の光太郎が話しかける。
浩二「…」
「何か悩み事があるみたいだな、よければアイスでも舐めながら、話を聞こうじゃないか」と光太郎
場面が変わり、公園でブランコを漕ぎながら話し始める浩二。
「ねえ…光太郎さん、もしも親友が手の届かない所にいってしまったらどうすればいいの?」
「そうだね…今は寂しいかもしれないけれど、もう会えないって訳じゃないんだ。
その子を信じて、いつか振り向いてくれるように、こっちが頑張るんだ。
浩二君は男なんだろ?まずはその子を信じてやらなきゃ」と光太郎。
「そっか…そうだよね。僕、頑張るよ!」
家に帰った浩二、するとドリルゴンがいない。捜す浩二。
ドリルゴンは最初に出会った裏山にいた。片隅には怪しげな機械。
尋ねる浩二「何してるんだい?ドリルゴン」
ドリルゴン「今まで色々教えてくれてありがとう。実は…僕の正体はギョフリ星人に送り込まれた
地球侵略兵器なんだ」
「?…えっ、どういうこと?」事情の飲み込めない浩二。
ドリルゴン「ギョフリ星人は侵略したい星に僕らを送り込む。僕らは現地人の文明を
全て記憶するように命令されている。
後は修得した技術を用いて、現地人を全て掃討するのが、僕の使命なんだ。星人は
苦労せずに星を侵略できる」
885 :
続き:05/01/23 22:30:31 ID:9z95CcTb
家に帰った浩二、するとドリルゴンがいない。捜す浩二。
ドリルゴンは最初に出会った裏山にいた。片隅には怪しげな機械。
尋ねる浩二「何してるんだい?ドリルゴン」
ドリルゴン「今まで色々教えてくれてありがとう。実は…僕の正体はギョフリ星人に送り込まれた
地球侵略兵器なんだ」
「?…えっ、どういうこと?」事情の飲み込めない浩二。
ドリルゴン「ギョフリ星人は侵略したい星に僕らを送り込む。僕らは現地人の文明を
全て記憶するように命令されている。
後は修得した技術を用いて、現地人を全て掃討するのが、僕の使命なんだ。星人は
苦労せずに星を侵略できる」
浩二「そんな…そんなの嘘でしょ、ドリルゴン!」
ドリルゴン「僕だって人間が好きだ…でも、星人の命令には逆らえない。僕の脳には星人の命令に従うように
インプットされている。もうどうすることもできないんだ…
ほら…この機械、地殻破壊ミサイルだ。これを打ち込めば三日後にはマグマが弾けて、
地球は人の住めない星になる。もうスイッチは押した…残念だけど、地球はもうお終いだ」
浩二「ドリルゴン!僕たちは友達だろ?皆はどうなっちゃうの?そんなことやめてよ!」
ドリルゴン「浩二君には感謝している…そこに一人乗りのロケットを作っておいた。
それに乗れば、ウルトラの星だろうとどこへでも、好きなところに行ける。君一人だけでも、逃げてくれ。
もう時間が無い…僕の最後の仕事、敵対する現地人の組織を殲滅し、妨害を阻止すること
・・・ウアアアァッッ!!」
浩二「ドリルゴーン!!」
みるみるうちに巨大化したドリルゴンは、ZAT本部へと進みだした!
886 :
続き:05/01/23 22:32:17 ID:9z95CcTb
「ZAT本部が危ない!タロウ――――!!」
光太郎はタロウに変身!
スワローキックを浴びせるタロウ、…しかし怪獣は先読みしてかわしてしまう。
ストリウムも、ネオストリウムも、果てはウルトラダイナマイトまで…全て無効化されてしまった。
「タロウさん、あなたの技は全て知っています。
なぜなら、あなたの秘密は全て児童雑誌に書いてあるんですから。」
そう、ドリルゴンは浩二の購読している『小学3年生』を読んでしまっているのだ!
−児童雑誌には、何故か地球人が知る由もないウルトラの国の事まで子細に載っている。
当然日本一有名なヒーローは、地球人の手によって丸裸状態。
光線技のモーションまで載っているんだから始末におけない。
ドリルゴンはその詳細なデータを元に、対タロウ戦術も研究していたのだ。
887 :
最後:05/01/23 22:34:48 ID:9z95CcTb
消耗したタロウは、ドリルゴンになされるがまま。タイマーが点滅する。
「そうだ…以前セブンが使った…エメリウム還元光線を使えば…」
タロウは以前、超獣バクタリをもとのバクちゃんに戻す際に
セブンが使ったという光線技を思い出した。
体勢を立て直し、エメリウム還元光線を放つタロウ、
ドリルゴンに命中すると、徐々に体が小さくなっていく…等身大にまで小さくなったドリルゴン。
「ドリルゴン!良かった!」浩二が駆け寄る。
「洗脳も解けた。ドリルゴン、これからは大人しく暮らしなさい」とタロウ。
タロウは踵を返し、地中に打ち込まれたミサイルを止めようとするが…エネルギーが切れてしまう。
「ミサイルを止めなくては…地球が…!」
変身が解けても、ミサイルを止めようと、よろめきながら穴に飛び込もうとする光太郎。
そこに先程のロケットに乗ったドリルゴンが穴に向かって飛び込む。
「浩二くん…さよなら!!」
ロケットが飛び込んでから少したって、ズズ……ン…という鈍い地震があった。
ミサイルが爆発したのだ。地球は救われた。
ドリルゴンが帰ってくる事は無かった。
またいつもの日常。浩二は今日も本屋に本を買いに行く。ドリルゴンがいつ帰ってきてもいいように。
光太郎は声をかけようとしたが、かける言葉が無かった。その場を立ち去る光太郎。
浩二が顔を上げると、澄んだ青空の中に
ドリルゴンが微笑んでいるような気がした。
一部重複していますが、気にせず読んでください。
度々すいません。一部抜けていました
>>885−886の間に下の文章を入れてください。
ZATが出撃、怪獣へ攻撃を仕掛けるが効果が無い。
レーザーも、ナパーム弾も、ミサイルも跳ね返し、逆にホエールを叩き落すドリルゴン。
命からがら脱出した隊員達に、浩二はこれまでの経緯を全てZATに話す。
ドリルゴンを助けてほしいと懇願する浩二。
荒垣「頭のいい怪獣か…よし、テスト作戦でいくぞ!」
荒垣の号令により、すぐさま巨大な分厚い本と鉛筆が、コンドルとスワローに空輸されてきた。
怪獣の目の前にそれを投下する。
本の正体は東大の入試問題。日本一難しい試験をやらせることで、時間稼ぎになると考えたのだ。
しかし荒垣の目論見は見事に崩れ去る。ドリルゴンの頭が良過ぎたのだ。
高速で本をめくり、答えを書き込んでいく怪獣。…全問正解だ。呆れる隊員達。
ものの三分で問題を解き終わった怪獣は、ZAT本部に僅かまで迫る!
890 :
下原正三:05/01/24 22:10:35 ID:MnE0X8o9
>>877 「ウルトラのクリスマスツリー」再見しました。
いやまあ、いうべきことは色々あるのでしょうが、トータス親子のときは
ある意味しょうがない部分があったし、ひとみちゃんがタロウを責めて
鬱展開になることを考えれば、あれでよかったのではないかと。
後、東京タワーに勝手にクリスマスツリーの飾り付けをして、
管理してる人達は迷惑やったやろなと思いました。
891 :
下原正三:05/01/24 23:37:46 ID:MnE0X8o9
>>883 藤子Fー! アイデア群がいいと思います。
>>890 御返答ありがとうございます。
御覧いただいておわかりと思いますが、
「ウルトラのクリスマスツリー」はウルトラシリーズ初の
怪獣災害被災者が出てきた話です。
もちろんそれまでの話にも「その話の中で」同様の展開が
あったことはありますが、わざわざミニトータスを救った
回で、同じく父母を失っていたひとみちゃん、という導入。
しかもひとみちゃんは童話「マッチ売りの少女」を臭わせ
て、おまけに善良なる宇宙人に助けられている・・・
佐久間少年の「怪獣使いと少年」と同様に、悲劇的に締め
くくるに、当然なはずの話です。
現代ではガメラ3もありましたしね。
でもウルトラマンタロウは違う。
ひとみちゃんは大切なおじさんの形見であるビー玉を使い
父母の仇ともいえるタロウを救う。
おじさんの命を奪ったテロリスト星人を倒すというより、
タロウを救うために。
そしてひとみちゃんはタロウのプレゼントとともに新しい
生活へ旅立っていく。
これってすごいですよね。
安易な鬱展開にもっていかないって。
怪獣という存在を、自分に押し寄せてくる理不尽な障害と
考えれば、素晴らしく昇華された話だと思います。
これこそタロウだと。
もちろんタロウにも、鬱鬱展開する「血を吸う花は〜」が
ありますが、あれも「怪獣使い」も「本当に悪いのは誰」
として作品が描いているかがわかれば、あの展開でいいの
だと思ってます。
でも下原正三さんの話もおもしろかったですよ。
では長々とすみませんでした。
ここは話を書くスレ。感想は控えめに。
896 :
名無しより愛をこめて:05/01/25 16:29:10 ID:F3dhwhfR
感想で推敲とか進むからある程度はありじゃないか
「命あげます」蘇生怪人・リセット星人 登場
ゾフィーが又地球に来た。大谷博士の姿に転じて(今回はセブン同様、
憑依ではなく姿を写し取り)光太郎に会いに来た。以後、人間体のときは大谷と表記。
目的は、タロウのパワーアップのために新しいアイテムを与えること。かつてエースの危機を
救うために使用したウルトラコンバーターの改良型で、タロウのキングブレスレットに回路を組み込む
ことにより、3分のタイムリミットから解放され、ほぼ無制限に変身し続けられるというものだった。
これで長期戦に耐えられると光太郎は喜んでコンバーターを受け取り、大谷も普通に喜んでいた。
そこへ、光太郎に緊急の報せが入った。
外出していたさおりが、不注意でスリップしてきたトラックに撥ねられ、病院に運ばれて危篤状態だという
報せを聞き、光太郎は激しいショックを受け、病院に急行した。
担当医は苦悩の後「・・・残念ですが・・・」と。
激した健一は、さおりを轢いたトラックの運転手を責めようとしたが、運転手も、さおりを轢いた後
ハンドルを制御しきれず電柱に正面から突っ込み・・・既に彼が眠りに付いた病室からは、妻や
子供の号泣が響いていた。
ベッドで虫の息のさおりは、見届ける光太郎に、健一を頼むと辛うじて笑顔で伝えた後・・・息を引き取った。
さおりの亡骸に縋り付いて嗚咽し続ける健一の声を聞きながら、光太郎は自分を責めるしかなかった。
(僕は・・・無力だ! タロウの力を持っていたって、さおりさんの危機に何も出来やしなかった!)
それを陰から見ていた大谷。光太郎や健一の深い悲しみを見かねた彼は、ゾフィーの力を以って、
なんか又都合よく持ってきていたもう一つの命でさおりを蘇らせようとして・・・出来なかった。
彼が手を出す前に、何の前触れもなく、さおりが生き返ったのだ。体調良好で傷一つなく。
それだけではない。運転手も、その他病院内の死亡者や重傷者や植物人間となっていた患者達も、
一斉に元気に蘇り、余りの体調のよさに一斉にラジオ体操を始める。それは街中の病院に広がっていく。
光太郎「兄さん・・・まさか!?」
大谷「否、私は知らない! 未だやっていない!」
さおり本人も何故助かったのか判らない。
ZATはこの異常事態の捜査を開始し、大谷もゾフィーとして宇宙警備隊の情報を当たってみると
光太郎に密かに告げて一旦姿を消す。独自に捜査を続けていた光太郎は、郊外の一軒の廃屋に行き当たった。
その廃屋をアジトにし、人間に化けて地球に潜伏していた宇宙人がいたのである。宇宙人の化けた、外見は
光太郎と年頃の変わらない青年は、光太郎が来ると堂々と笑って彼をアジトに引き入れた。
青年は、リセット星人と自らの正体を明かした。リセット星人は、瀕死の状態から死亡に至ったどんな人間も
自由に生き返らせる超能力を持っており、今回のことも自分の仕業であると明かした。何故そんなことを
したのかと問うと、青年は、これまで同じように死から解放した他の多くの星の住民達の記録映像を見せた。
死という束縛から自由となった人間達がどうなったかというと・・・どうせ幾ら無茶をしても死ぬことはないんだと、
際限のない殺し合いをし、あまつさえそれを娯楽とする者達。或いは、日々の生活の努力をやめ、享楽に溺れて
ぶくぶくと太って寝転がって怠けるばかりの者達・・・
「この星の人間達も直ぐにこうなりますよ、ふふふ」
せせら笑う青年に光太郎は怒る。
「違う! さおりさんや地球の人達は、こんなふうにはならない!」
どんな者にも人の生き死にを自由にするような権利はないと光太郎は叫ぶ。すると、青年は、
「貴方達ウルトラマンがそれを言いますか?」
「!!」
青年は食い下がる。
「さもそれが善行でありヒューマニズムだとばかり、これまで人間に理不尽に殺された怪獣や宇宙人をどれだけ
勝手に生き返らせ、肝心の人類側の問題をうやむやにしてきましたか? それだけじゃない、自分達も死んでも
死んでも品物のように何度も命を貰って無節操に生き返る。それとも、それが宇宙の平和を守っている自分達の
当然の権利だと? へー、えらいんですね、宇宙警備隊・・・」
バキッ
光太郎は、腰の入ったストレートで青年を吹っ飛ばした。
廃屋が内側から破裂してがらがらと崩れ、中から巨大な宇宙人二体が立ち上がった。
タロウと対峙して正体を現したリセット星人は、細身で然程強そうには見えない。暫く格闘して立ち回った後、
隙を突いてタロウはストリウム光線を星人に決める。倒れたと思った星人だが・・・
瞬時に、蘇生してしまった。リセット星人は、彼ら自身も不死身なのだ。
状況を捕捉したZATがタロウを援護しようと駆け付けるが、戦闘領域一帯を覆う見えない壁に阻まれ、
立ち入れない。星人が予めバリヤーを張っていたのだ。
単独で戦うことになったタロウ、次はキングブレスレットをブレスレットランサーに変え、星人に投げる。
すると星人は、ランサーそっくりの投擲武器を出し抜けに出現させ、投げ付けて相殺した。
ブレスレットを変形させた武器を次々出して攻撃するが、全て相殺されて埒が開かない。
「御都合なアイテムを湯水のように出すのも貴方達の十八番でしたね。私の十八番でもあるんですよ、くっくっく」
更にタロウの頭に血が昇る。
「・・・何をやっとるんだ?」バリヤーの外で見ながら呟く荒垣。
アイテム合戦が際限なく続いている。ティガとイーヴィルティガのゼペリオン光線撃ち合いのように。
「ウルトラバケツ!」「リセットバケツ!」
ばしゃーんと水を掛け合う。
「ウルトラマジックハンド!」「リセットマジックハンド!」
オルフィのへそからカーン星人を引っ張り出したあれを互いにびょーんと伸ばしてぶつけ合う。
「ウルトラ漬物樽!」「リセット漬物樽!」
たまたま通り掛ったモットクレロンを互いに塩漬けにする。
モットクレロン「もっとーーーーー!」
「ウルトラ杵!」「リセット杵!」
たまたま通り掛ったモチロンを臼にして互いに餅をつき合う。
モチロン「何で月にいる俺様がたまたま通り掛るんだよ!? いてっ、いてっ!」
出されては放り出されたアイテム群がそこら中にほったらかしになっているが、両者は未だ悲しいマラソンを続ける。
既に新型ウルトラコンバーターを装着したタロウのエネルギーが無尽蔵になっているのが、泥沼化に拍車を掛ける
皮肉な結果になっていた。
南原「なんか・・・おかしくないか?」
傍観するしかないZATの面々が気付く。タロウだけではない、へらへら笑ってタロウを挑発しているように見える
リセット星人も、傍から見ると、明らかにやけになって血を昇らせている。
両者の体から、なんか、赤い光と青い光がだだもれに溢れ出して空に立ち昇り、その影響で、
森山「副隊長! なんか、上空の位相空間に異様な歪みが!」
荒垣「何!? それはいかん、我々が知る由もないはずのなんかやばいものが出てきてしまうぞ!」
北島「なんか又アンチ平成派を無用に挑発してしまうぞ!」
南原「やめるんだ、タロウー!」
タロウの耳には届かない。怒り心頭になったタロウはコスモミラクル光線の構えに入り、リセット星人も一抱えも
あるほどの巨大な光線砲を取り出して発射しようと・・・
突如、ゾフィー介入。
飛び込み様、リセット星人の光線砲を手刀で叩き壊す。光線砲が暴発して星人が吹き飛ばされる。
続いて、光線を放たんと眩しく加熱するタロウの両腕をはたいて構えを崩し、発射を止める。はたいた腕から
煙が立ち昇るが、ゾフィーは悲鳴一つ上げない。
「! ゾフィー兄さん!?」
兄がダメージを受けたのを見て正気に返るタロウ。
「タロウ。このリセット星人についての調べが付いた」
「何ですって?」
暴発のダメージから既に回復した星人は、ゾフィーの急な介入に呆然としている。
「この件、私に任せてくれないか」
「兄さん・・・
・・・バリヤーは?」
「そんなことはどうでもいい」
リセット星人には、母星に恋人がいる。その恋人は、不治の病でずっと床に伏せっている。
死の束縛から解放されて無限の命を持つリセット星人だが、病苦からも解放されているわけではない。
多くのリセット星人が患っているその病は、彼らの技術を以ってしても完全な治療法が見付かっておらず、
なまじ不死身なのが却って病に掛かった者達に苦痛を強いていた。幾ら治療しても恋人の病は治らず、どうして
自分達がこんな苦しみを味わわなければならないのかと日々煩悶するうちに、星人は自棄になって
他の星に悪意を放っていたのである。
ゾフィーはリセット星に向かい、飛行ポーズのままなんか赤い球に変形してうみゅみゅうみゅみゅうみゅみゅと
回りながら星全体に彼の神秘の力を放ち、星人達を苦しめていた病を治癒した。無論、地球に来た星人の恋人も
救われた。
その代わり、自身や他者を蘇生させたり不死身にしたりする能力も取り上げ、彼らの寿命を地球人と同じレベルに
設定した。それで彼らが不満を言うかと思えばさにあらず、限られた人生に力を尽くすことが出来るようになった
星人達は、心から感謝した。地球に来たリセット星人の青年も含めて。
タロウは、自ら新型ウルトラコンバーターをゾフィーに返した。ゾフィーも黙って受け取り、当面新型コンバーターの
戦線投入は見送りとなり、タロウの地球での変身タイムリミットは3分に戻った。
さおりの入院していた病院の一角で、光太郎に吐露する大谷。
「ウルトラ戦士が倒れたと思ったら即座に蘇る、その風潮を最初に作ったのは、私だ」
「ゾフィー兄さん・・・」
「初代ウルトラマンは、彼が立派な青年だと認めたハヤタ隊員の命を救うことを心から願った。その意を受け、
よかれと思って新たな命を与えたつもりだったのだが・・・間違っていたのだろうか」
「兄さん・・・
あれを見て下さい」
光太郎が笑顔で指した先には、地球人達に別れを告げる、又人間の青年の姿となったリセット星人がいた。
星人を見送りに来た、彼が生き返らせたさおりやトラックの運転手や他の人達。
さおり「宇宙人さん。私は、生き返らせてくれたことに感謝しています。折角取り戻した命、大事にして
一生懸命生きていきます」
運転手「あんたも、元気になった恋人をこれからも大事にしてやれよ」
健一「又、何時でも地球に来てね」
皆、優しく笑っている。リセット星人は、泣いた。
モチロン「後、泥沼になるまで喧嘩するのは、破滅招来体が来るからやめような、皆。約束だぜー!」
程よく漬かって縮んだモットクレロン「もっとー」