僕にも『ウルトラマンタロウ』の話は書ける

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673名無しより愛をこめて
『完成!ウルトラダイナマイト』 氷結怪獣スケートン登場
 
ある日、東京湾に不気味な氷山が流れ着いた・・・
「北極から誰かが運んできた物では?」というZATの前に氷山の一部を既に調べていた男が現れた
「それは違うな、調べて分かったんだが、こいつは1億年前の氷だ」という地質考古学者を名乗る男。
「じゃあ氷は南極から赤道を渡っても溶けなかったってのか?」いぶかしがるZAT。
「南極から来たとは言ってない、こいつは日本の近くの地底で凍っていた物だ」
その地質考古学者は、昔、地底人によって退治されたという氷結怪獣にまつわる伝説の話をした
にわかには信じられないZAT・・・しかし、その話に興味を持つ光太郎。
「そう・・・前にセブン兄さんから、地底に住むという一族の話を聞いた事がある」
氷山はその怪獣の物かもしれないので、すぐに宇宙に捨てた方が良いという考古学者に対し
ZATは厳重に警備をしつつ、氷山の秘密を調べるという方針を取ることにした。
674名無しより愛をこめて:04/10/15 01:04:08 ID:qVi94LrR
しかし翌日、思いもよらぬ出来事が起こった。
氷山を中心に東京湾が凍り始めたのだ・・・ここが凍ってしまうと輸送船などの往来が出来ない
ZATは氷を溶かすために氷山にお湯を注ぎ始めた・・・だが、溶けた氷の中から怪獣スケートンが現れた!
地質考古学者の語った伝説は本当だったのだ!
スケートンは東京湾に出来た巨大なスケートリンクでスケートを始めた・・・
攻撃を開始するZAT、しかし怪獣の華麗なスケートさばきにミサイルもレーザーも当たらない
そればかりか、スケートンは体に付いた氷柱をミサイル代わりにZATに攻撃してきた
スカイホエールが被弾、みるみる高度を下げて地面に向かうホエール
と、落ちるホエールを見事にキャッチする腕が! ウルトラマンタロウだ!
タロウはホエールを助けると、すぐに怪獣に突進、しかし怪獣はこれをひらりとかわした。
・・・タロウのあらゆる攻撃が怪獣の機敏な動きを前に無惨に宙を切るばかり、焦るタロウ
「ウォォォ・・・ストリウム・・・光線!」しかし、自慢の光線もスケート怪獣に命中する事は無かった
スピードを上げ、タロウに向かって突進するスケートン、ついにタロウはスケートンのタックルの洗礼を受けてしまう
タロウは倒れた勢いで東京湾のスケートリンクをツルツルと滑り、港の倉庫街に突っ込んで姿を消した・・・
 
「僕はあの怪獣に負けた・・・完敗だ・・・」腕の痛みを押さえ、夕日を睨む光太郎・・・
と、そこにあの地質考古学者が、ボールを壁に打ち付けキャッチボールをしていた
「素早く動いている相手を飛び道具でねらい打ったんじゃ・・・」
手元の石をボールに投げる地質学者、しかしボールは石をかわして地質学者の手に戻ってきた
「ラチがあかないな・・・」「じゃあ、一体どうすれば良いんだ!?」
「動いている相手の動きを追うんだ、追いかけて掴む・・・」
手に取ったボールに握力を掛けていく地質学者、ボールは彼の手の中で粉々に砕けた
「掴んだら、全エネルギーを相手に叩き込む」「しかし、組み合った状態からじゃストリウム光線は使えない」
「そのエネルギーを自らの体の中で爆発させるんだ・・・ウルトラ一族なら出来ない芸当じゃない」
「あなたは・・・」「昔、君の兄さんに助けられた恩があってね・・・」
675名無しより愛をこめて:04/10/15 01:05:35 ID:qVi94LrR
翌日、ZATはスケートンを氷のない地上に追いやる作戦を組んだ。
怪獣は氷に目がない、そこでスーパースワローに氷砂糖を取り付けてスケートンを地上に誘い込めば、
スケートンも自慢のスケートが出来なくなると踏んでの作戦だ。
作戦開始の号令を合図に、スワローがスケートリンクの上に寝そべるスケートンの前に氷砂糖をぶら下げる
見事にスケートンはスワローの氷砂糖を追いかけ始めた・・・このまま地上に誘い込んで・・・
と、思ったのもつかの間、スケートンは地面の上をスイスイ滑っているではないか
そう、スケートンは体が氷のように凍っている、氷がテーブルの上をツルツル滑るように、スケートンも滑ることが出来るのだ
ぐんぐんとスワローに近づくスケートン、このままではスワローが危ない!
そこにタロウが登場、怪獣の不意を付く強力な跳び蹴りがスケートンに炸裂する。
しかし反撃をするスケートン、強力なタックルを次々とタロウに見舞う、タロウのピンチ!
それを無言で見つめていた考古学者、ふと無言で懐から何かを取り出した・・・ファイヤースティックだ・・・!
676名無しより愛をこめて:04/10/15 01:11:01 ID:qVi94LrR
タロウに容赦のない攻撃を与えるスケートン、と、その時、両者の立つ地面の間に亀裂が走り、真っ二つに地面が割れた
轟音をとどろかせて真っ赤に燃えた地割れの中からファイヤーマンが飛び出した!!
そう、ファイヤーマンは物体Xと共に宇宙に消えたと思われていたが、密かにウルトラセブンに助けられていたのだ。
身をたじろがせる怪獣に向かってバク転をし、一気に敵との距離を詰めてチョップを見舞うファイヤーマン
更にひるんだスケートンを地面に叩き付けた。
が、怒ったスケートンは寝ころんだ状態で体をツルツルと回転させると、一気にファイヤーマンの足下目掛けて滑ってきた
豪快に転ぶファイヤーマンにトドメとばかりに氷柱弾をお見舞いするスケートン、
しかし、氷柱弾は空中で粉みじんとなった、タロウのハンド光線が氷柱を砕いたのだ
スケートンはタロウに目を向けるや、いきなり突進してきた、タロウもひるまずタックルで応戦
両者の体が火花を散らし、両方の体は轟音を上げて吹っ飛び、地響きを上げて地面に倒れ込んだ
しかし、スタミナに充実した怪獣はタロウより早く起きあがると、タロウめがけて再び地面を滑り出した
その前に立ちはだかるファイヤーマン、怪獣は益々スピードを上げて、両者激しく激突・・・
する寸前にファイヤーマンは風を切って怪獣の頭上を一回転、頭の上を行くファイヤーマンを思わず目で追った怪獣は
そのまま後ろに豪快に転んで、タロウの目の前まで滑ってしまう。
タロウは怪獣を捕まえ組みかかった、その脳裏にファイヤーマンの大技、ファイヤーダッシュがよぎる
「ウルトラ・・・ダイナマイトォォォ・・・」
タロウの体から物凄い闘気が燃え上がる、そして・・・閃光と共に激しい爆音が上がった
これがファイヤーマンから貰った新しい大技、ウルトラダイナマイトだった。
 
翌日、いつも通りの姿を取り戻した港に光太郎と岬の姿があった・・・
「じゃあ、君の兄さんによろしく伝えておいて欲しい」「ええ、岬さんもお元気で」
こうして偶然に出会った二人の男は、またそれぞれの道を歩むために別々の帰路につくのだった。