さらに一息
佐田&要&宮迫が今際のきわに「見える・・・・見える」といっていたのは
やはり「自分が人間だったときの記憶のことだろう。
人間ではないからと言う理由だけで意味もなく殺され、あるいは殺されそう
になった羽目になったのは人間のせいである。よって人間を皆殺しにする、と
いう唐沢の考えにも共鳴した・・・・。が自分は昔人間だった、と。
時代に翻弄された挙句ころされて望んでも居ないのに異形の者として蘇生させら
れたけど、あの時、昔
私には幸福な記憶があった、と。
このシーン。X−men2で主人公に刺し殺され、最後の最後に自分の記憶を
取り戻し、自分のしてしまった取り返しのつかないことに悲しみ、そして
連中に操られていたことを悟って死んでゆく女ミュータントの役と全く
同様である。おまけにマイノリティ「少数派)故に背負わされる不遇、過酷
な運命、という点までおんなじである。
人間だった事を思い出し。愛する人や家族がいた事を思い出した結果。自分が
不遇な目にあい滅んでいくのを甘んじて受け入れるか、人間を皆殺しにするか
の二者択一をせまられ、彼らは最後に「愛する人々のために」を選んだという
ことになる。それが自分らの存在意義を抹殺する結末になろうとも、である。
それが、彼らの言うところの「ゆるす」ということなのだろう。