たまたま研究所前まできていた玉山運転の車は流れ弾にあたり玉山&
りょう死亡。時期を見計らって唐沢、宮迫、佐田、要の4人が自動車
に乗り込みその場から立ち去る。
研究所の外に出てみたらいきなり伊勢谷の棺を目の当たりにして号泣する
麻生。寺尾は伊勢谷の遺体をもって培養液の水槽へともってゆく、その表情
には半ば自暴自棄なものがうかがえる。そして培養液につけこみしばらくする
と息をふきかえした伊勢谷。「(小日向)、力をかしてくれないか?」と寺尾。
寺尾の旧友である小日向は軍事のため人体の強化スーツの研究をしていた。復活
した伊勢谷の筋肉は異常に発達し分裂してしまうことを避けるため、小日向の開発
した強化スーツを着せることで原型をたもつことができるらしい。培養液の中で
眠っている伊勢谷。「未完成ではあるが私にできることはここまでだ。」と小日向。
自動車で逃げ延びた新造人間達。死んでしまったりょうに涙を流し、かろうじて
逃げ延びたものの、銃弾の傷がもとで今にも死にそうな新造人間。樋口は必死で
人工呼吸、蘇生術を試みて「死んではいけません」と必死で訴えるも、新造人間
は死んでしまう。その献身的な愛情、慈悲の姿に心動かされた唐沢は樋口をつれ
てゆく。
かろうじて生き延びた新造人間達はひたすら放浪していた。一人、また
一人と倒れ死んでゆく。その中で宮迫は赤ん坊を抱えた女がこときれるのをみて
赤ん坊を抱えてゆく(763は間違いごめん)。
筆者注:赤ん坊を抱えるのが唐沢ではなく宮迫、というあたり新造人間になった
あたりで人間だった頃の記憶は一切なくなってしまっている、というこ
とが暗に示されている。どうやら自分らは無から創り出された存在であ
る、という認識が新造人間側にはあるようだ。そこが結構重要なポイント
になっている。
吹雪のなか4人と赤ん坊と樋口。赤ん坊は既に死んでいた。雪の中に赤ん坊の亡骸
を埋める宮迫。なきじゃくっている。自分らの身の上の不条理さ、無力さに怒りの
まま叫びをあげる唐沢、その前にさーっと雲がはれ目の前に廃墟の城が現れる。
どうやら過去の軍需産業工場の跡地だったようだ。