◆お前ら、今度は『特撮大戦バトル』だ◆第三大戦

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927名無しより愛をこめて:04/03/22 21:27 ID:Gwm6tCpC
「キコエナイザーに対しては視聴者の要請により、遥か宇宙の彼方の銀河系第三惑星
地球の北半球にある小国、日本のテレビ会社・テレビ朝日より文字放送が送られるのだ」


928特撮対戦・新章:04/03/24 23:54 ID:29kx27GL
西暦20XX年-----
人類基盤史研究所、通称ボードが壊滅してから早一ヶ月。
自身アンデッドである伊坂は、ある天才科学者の遺した『鏡』を
アンデッドに対応出来るよう改造した。
しかし改造された『鏡』が造ったのは、アンデッドの細胞を
持ちながらも不死身ではない、
『ケイオス』-----災厄としか呼べぬ醜悪なモンスターだけだった。
伊坂は迷うことなく『鏡』を破棄。
『鏡』は各地を転々とし、最終的に地方都市日色市に辿り着いた。
それだけであればまだ良かったのだが。

日色市に住む、かつて「首領」と呼ばれた男が、
『鏡』の起動スイッチを押してしまう!
日色市に次々と現れる『ケイオス』達!
「首領」によって空間を歪められた日色市には、
各地に散るヒーロー達は手を出すことが出来ない!
929特撮対戦・新章:04/03/24 23:55 ID:29kx27GL
人々に残された武器は、日色警察署に一台だけ配備された
ポンコツの特殊強化装甲服『G5ユニット』、
郊外に住む偏屈な科学者が造った『ベルトの模造品』、
日色市で生まれる者に時折備わるという『謎の力』、
そして、平和を望む『熱い心』……。

街の平和と人々の生命を守るため、
君はヒーローとなって戦わなくてはならない!

『鏡』が『ケイオス』究極の一体、『ニャルラトテップ』を
生み出すまであと三十日!

↓新公式サイト
ttp://www008.upp.so-net.ne.jp/nobuchin/topix.htm
930名無しより愛をこめて:04/04/01 00:10 ID:twYK5dI5
鯖は受験が終わったはずなのに帰ってこないな
もしかしてこっそり脱北したのか?
931名無しより愛をこめて:04/04/05 21:15 ID:pAhU+dlA
こんばんは。邪蠍です・・
932保守2號:04/04/07 18:16 ID:Sed4bnmT
    ☆     `、ー-、    +  *
         _,ニ三≡=-,  ψ     ♪
        '‐( ‘∀‘)´  / ゜  ☆   獄炎の中に まぶしい笑顔
   、_      <´ヽWノフつ          今 スティンガーにいるから出会えたね
.   ミ≡=_、_(,ノ(,, _,-、ゝ____ -、    共に戦おう これからは
.   彡≡=-'´ ̄ ̄`~し'ヽ) ̄  ̄ ゙̄"′   「血の制裁」は 魔法の合いことば
   ´                        腕をとり 肩を組み
      ☆                 信じてみようよ
.    ☆                      素晴らしい明日が 展けるから



(元ネタ:済美高校校歌)
933名無しより愛をこめて:04/04/09 22:16 ID:f4U4QEPT
>>931
ばかな!お前は沈んだはず!
934wizu:04/04/15 21:57 ID:WNxPjlya
遅れるに遅れること、最終戦が終わってから8ヶ月。
うはーーー、もうこんなに時間が経ったのですね。
待った方、待っていない方、
稚拙な文で申し訳ないですが、SSに起こしました。
特撮大戦第1期。これにて一区切りでございます。
よろしければ、お付き合いをお願いします。
では。
「・・・首領・・・。 ・・・とりあえず、報復は必ずするマタ!」
――街中を歩きながらブツブツと独り言を続けるカメ型怪人。その名もマタマタ男。
 彼はこの前、所属していた悪の組織:スティンガーが壊滅し、
 首領のかたきを討つために、敵を探していた。――
「この、(自称)天才博士に作ってもらったレーダーで、必ずマタ!!」
どうやら、変わり者の爺さんをとっ捕まえて、レーダーを作らせたらしい。
「ピピピピピピーーーーー」
と、手に持っているレーダーが音を立て始める。
「!!反応があったマタ。やっぱり・・・!! あっち、マタね!!」
どうやら、廃墟から持ち帰った物質を解析して作られたらしいレーダーが、
同じ物質を感知したらしい。
マタマタ男はその場所を確認するや、ドタドタと走り出しすのであった。
――E−5地区…テラレンジャー地上前線基地――
マタマタ男のレーダーが反応を感知する少し前。
前線基地の作戦会議室にて2人の男が地図をはさんで話している。
「…森長さん、爆竜ってどうすれば出てくるんでしょうか?」
「この前の作戦の通りなら…スティンガーと爆竜は相打ちになったはずですね…」
問いかけをしたほうが、飛鳥直樹ことテラオレンジ。カレーが大好きな熱血漢だ。
それに答え、口元に手をやりながら考えているのが、森長拓巳ことテラグリーン。
テラレンジャーの頭脳担当であるテラグリーンだが、考えながらなお続ける。
「なのに、いまだに爆竜の反応があるんですよね…
 しかも姿は見せない…本当にどうすればいいんでしょうかね?」
現れては何もせずに消える爆竜の反応。(こちらのシステムは秘密だ)
――同日同時刻、前線基地の入り口――
 前線基地の入り口付近の通路に、逆行を背に立っている人影があった。
 「・・・ここが「機関」か・・・探したぞ・・・」

会議室では飛鳥と森長の話し合いは、前回爆竜が大規模に活動した
スティンガーにも話題が移り、続いていた。
「スティンガーは壊滅したんでしょうか」
「報告によると、首領は死体は発見できないものの、
 ほぼ死亡したとの見方が強いようです。行方知らずなのは、
 マタマタ男と、メタルゲートですね」
飛鳥の問いに、森長が手元のデータを見ながら答える。

「やはり、あれだけの大爆発では生きてはいない、ですか。」
「ですね…スティンガーの残党より当面は
 爆竜とそのバックにいるウマートブレインになるでしょう。」
「そのようですね…しかしテラグリーンさん、ウマートブレインは何故爆竜なんか…」

 「機関」の守衛 : オイ!そこの人!ここは「機関」の・・・うわぁーっ!
 「機関」の警備隊A : 止まれ!止まらないと撃つぞ!
             パーン!  な・・当たっているのに・・・
 「機関」の警備隊B : (無線機を取り)こちら、 西W-4入り口。
             認証コードが一致しない怪しい人物が施設に侵にゅ・・・ぐはッ・・・ぁ。
「そうですね。そもそも爆竜の出自も明らかでは・・・
『緊急事態発生、緊急事態発生、総員戦闘態勢に…緊急事態発生… 』
部屋に流れ込む緊急放送に、一瞬にして2人の顔が引き締まる。
「緊急事態? いったい何が・・・。」
「飛鳥さん、静かに!!」
『緊急事態、緊急事態、西W-4にて侵入者との予期しない戦闘が発生。
 現在も戦闘地域が施設内に拡大しています。非戦闘員の隊員・職員は・・・』
「誰か侵入したようです。いきましょう、森長さん!!」
「えぇ。この施設内で戦闘なんて、尋常じゃありません。」

 「機関」の警備隊 C: 早くテラレンジャーを呼べ!ここはもう持たないぞ!
「反応が近くなってきたマタ!!」
レーダーと周囲を見渡し、反応の元を探ろうとするも、少し街外れのこの辺では
工業団地となり、様々な会社大きな工場や専用住宅が密集して、区別が付かない。
と、マタマタ男は視界に"ある"人物を発見した。
「マタ・・・なんでこんなところにいるマタ?」
黒いライダースーツに身を包み、ヘルメットを取っていなければ
"彼"だと気付かなかっであろうその人物は、
マタマタ男と同様、何かを探すように周囲を見回していた。
「オイ! こんなところで何してるマタ」
「ん?マタマタ男か・・・?何故こんな所に?」
彼、霧野 司はマタマタ男と同じスティンガーに所属し、
幾度と無く戦い、そこそこに負け、度重なる首領の"血の制裁"を喰らっても
未だ健在な、ある意味凄い男である。
「これを見るマタ。ある人に、爆竜のからだの破片に反応するレーダーマタ」
機械 : 機械の中心近くではピコピコと音を立てながら赤い点が点滅している。
「近くに、あの爆竜がいる証拠マタ!! だから・・・今からあいつを殴りにいくマタよ!!」
きびすを返し、先を急ごうとするカメ型怪人。
「おい、ちょっと待て!それなら少し心当たりがある。ついて来い」
有無を言わさずに、一人歩き出す霧野。最初からそのつもりだったのだろうか?
機械と霧野を交互に見つめ、決心をつけ霧野の後を追うマタマタ男。
「!? ・・・な?  いや、わかったマタ。 で、何を知ってるマタ?」
「爆竜は、シーレンジャー他一名とスティンガーを襲撃した。
 次に狙うものと言ったら一つしかない・・・」
『緊急事態発生、緊急事態発生、緊急・・・・』
テラオレンジ:飛鳥とテラグリーン:森長の前には、
半壊した西地区と警告音の中に立つ、一人の男が立っていた。
「お前は…?」
「ここが「機関」か?まるで遊園地のアトラクションかと思った。」
飛鳥の問いに、そこに存在する人物が発したのは、
質問とは別の、明らかに二人に向かって放たれた台詞であった。
「ほぼ、全滅…ですかね…」
惨状の元凶である人物と思しき人影に警戒しつつ、周囲を確認する森長。
「遊園地?ふざけるな!」
人の命をなんとも思わない言動に怒りを隠せない飛鳥。
「ここの警備員たちは、君たちが来るまでの時間稼ぎにしかならなかったみたいだな。 
 死亡・・・67名。重傷・・・287名。軽傷・・・39名。行方不明・・・65名 というところかな? 」
『緊急事態発生、緊急事態発せ・・・ガガガgggggg・・・』
「これだけじゃあ、まだまだ死んだエンヴィーのお供え物にもなりはしないがな。 」
にやり、と男の口元だけが歪む。
「(飛鳥さん、敵の強さが未知数です。装着して誘導しましょう。
 場所は・・・。そうですね、途中にあった第4エントランスがいいでしょう。
 あそこなら、退避もすんでいるはずです。)」
「(くっ。判りました。人命が第一です。そうしましょう。)」
「「アクリーションディスクオン!シュバルツシルトブレス作動!」」
「装着完了!テラグリーン」
「装着完了!テラオレンジ!」
「さて、「ゾディアック」に乗っていなかったために私とエンヴィーが
 食い損ねたお前ら。改めて、食べさせてもらうとするか・・・。
 我が、「ウマートブレイン」のためにな!」
バシュッ バシュッ
「救援隊に連絡。こちらテラグリーン。敵と接触、W-L9の通路を通り
 第4エントランスに誘導中。
 この周囲を避け、西地区の救助をお願いします。」
出力を落としたメテオライザーで牽制しながら目的の場所に引いていく二人。
何事も無いように歩いて差を縮める男が対象的だ。
「テラグリーンさん、目的地です!」
「被害が拡大しなくて良かった・・・、とは言えませんね。
 ここで彼を食い止めなければ結果は同じですから。」
天井はそれほど高くないが、広さは十分なエントランスに2人が走りこむ。
続いて、未だ正体不明の男がゆっくりと入ってくる。
「く…ウマートブレインは何を企んでいるんだ!?」
「これから無くなる者に何を教えても無駄だろう? 
 「ウマートブレイン」を邪魔をする組織はお前らしか残っていないしな。」
「飛鳥さん、やっぱり彼がシーレンとスティンガーを壊滅させたようですね・・・。」
「あぁ!! だが、ここで引くわけには行かない!」
シーレンもスティンガーも、そんなにやわな組織ではなない。ゾディアックも同様である。
相手との戦力差に、テラグリーンとテラオレンジに冷たい汗が流れる。
「ちょっと待つマタ!! スティンガーはまだ壊滅してないマタよ!!」
と、テラレンジャーと謎の男が入ってきたのとは別方向から乱入する声が。
「まだ自分がいるマタ!! 首領もいつか帰ってきてくれるマタ!!」
異議を唱え近づいてくるマタマタ男。
「マタマタ男…面倒なことになりそうですね…
「面倒な事は3度続くものですよ、森長さん…」
「まだ生き残りがいたとは。しかし、
 ・・・こちらから出向く手間が省けた、ということですかね?」
突然の状況変化に、迂闊に手を出せなくなる両者。
「・・・っていうか、お前誰マタ!!」
と、マタマタ男が謎の男を指し、核心を付いた質問を!!
「おっと。紹介が遅れましたね。私はフェイト。
 スティンガーの卑劣な手によって敗れ去った、爆竜テリジノサウルス・エンヴィーの兄だ! 」
さて、説明しよう。まず、爆竜テリジノサウルス・エンヴィーは
マタマタ男と霧野=メタルゲートによって敗れている。
ここにいるのはその兄、つまりほぼ同様の方向性を持った爆竜である。
兄は戦闘に特化し、妹は戦闘能力が劣る分、擬態など情報収集能力に優れている。
人間体の身長は180cm弱。服装は黒い長袖Yシャツに黒いパンツ。
黒髪で整った容姿であるが、
金色の瞳と、同色で塗られたアイシャドーの輝きが、見るものに畏怖を抱かせる。
「・・・お前も・・・テリジノマタか。」
マタマタ男が手元の機械を見ると確かに反応は現在地のすぐ近くだ。
「まあいいマタ。兄とか関係ないマタ!! お前を倒すマタ!! ここで往生するマタ!!」
「相打ちになって滅んだかと思い、
 仇を討てなくて残念に思っていたのだが、まさか生き残りがいたとはな。」
頭に血が上り、フェイトに殴りかかっていくマタマタ男。
それを視界に捉えつつ微動だにしないフェイト。そして、その視線の先には、
「兄、ですか・・・。まさか他にも爆竜が存在していたとは・・・」
マタマタ男が来たのと同じ方向から、ゆっくり歩いてくる霧野の姿が。
「・・・そしてメタルゲートまでここに来るとはな。 
 お前さえ倒せば30世紀の未来はウマートブレインのものになるのだからな・・・」
「マターーーーー。食らうマタ。やられるマタ!!」
マタマタ男が殴りかかっているのも構わず、喋り続けるフェイト。
「……何をいっているんですかね…?」
「うーん、人間じゃありませんからね。私にもわかりませんよ、森長さん。」
そして、話についていけないテラレンジャー。
「そしてこの時代で「スティンガー」の名前も存在しないことになるからな・・・ 」
「ずいぶんと詳しいな・・・。その事を何故知っているんだ、お前」
爆竜が、霧野自身も最近知った事を喋ってる事に、
驚きを通り越して、怒り感じ、フェイトを睨みつける。
「妹・・・エンヴィーの戦いは隠しカメラで記録させてもらっていたのでね・・・」
ピッとデコピンでマタマタを弾きながら、当たり前だと言うように霧野に答えるフェイト。
「とりあえず、スティンガーの残党より、爆竜のほうを倒したほうがよさそうですね…」
弾き飛ばされたマタマタ男を見て、眼前の脅威を推し量るテラグリーン。
「一時休戦ってわけですね…」
「マ・・・タ・・・。そ・・う、マタね。自分としてもここは力を借りたいマタ。」
壁に叩きつけられたマタマタ男が、テラオレンジの言葉に賛同する。
改めて、爆流テリジノサウルス・フェイトと4人が対峙する。
「ふむ・・・。いいだろう!! さあ来い! これで(第1期)終了だ!」
「フン・・・。お前もすぐに妹のところへ送ってやるさ・・・」
PMDを取り出し、ボタンを押す。
「そっちにもその気があるなら話が早い…全ては爆竜を倒してから。
 協力してくださいよ?」
「変身・・・」
ほぼ無動作で変身する霧野。カミキリムシがモチーフの銀色の装甲をまとい、
仮面ライダーメタルゲートに変身していく。
「・・・言っておきますが、この姿であっても手加減など出来ませんからね。」
右手、いや右腕全てを覆うような金色のエネルギーを発し、攻撃態勢に入るフェイト。
「―――――ハァッ!!」
「・・・・・・!!!来るマタよ!」
「高速移動、オン!」
「来たか・・・!」
それぞれが各々の回避行動や防御行動を取る。
「――――――ッドガァ!!」
だが、来ると判っていても避けれるものでは無い。
基地の壁や床を軽々とえぐるその威力が4人のいた場所を襲う。
スピードに長けたテラグリーンと、防御に徹したマタマタ男に被害は少ないが、
避けそこなったテラオレンジとメタルゲートのダメージは小さくない。
「っく…飛鳥さん…大丈夫ですか?」
「ぐふッ。...大丈夫…まだまだ…」
「前の奴より苦戦しそうだな・・・!!」
メタルゲートはエンヴィーとフェイトの戦力分析を今の一撃で済ませ、
両腕に力を込める。
「行きます」
「マタ!!」
無傷のテラグリーンと近場のマタマタ男が、フェイトの追撃を防ぐべく攻撃を開始する。
「お返しだ!」
「はぁ!」
少しの間をおいて、体勢を立て直したテラオレンジとメタルゲートが攻撃に加わる。
「HIT率75%、回避率50%・・・、と。」
多少の攻撃にも平気な顔をで、戦力差を分析していくフェイト。
「・・・ッやっぱり効かないマタァ」
「バラバラじゃ駄目だ!協力して攻撃するんだ!」
「・・・所詮は寄せ集めか。」
予想以上の防御力とスピードにテラレンジャーもスティンガーの2人も
思ったような攻撃が出来ない。
「皆さん、タイミングを合わせましょう。連続攻撃のイメージで!」
「それが最善だな・・・」
テラグリーンがサテライトバスターを装備しながら叫ぶ。
それに答えてメタルゲートも両手に再び力を込める。
「それはわかってるマタが・・・。」
「やるしかない。今だ!いくぞ!」
マタマタ男は手を剣に、テラオレンジはメテオライザーをブレードモードに変える。
「行き急ぐか・・・付け焼刃でどこまで出来るか見せてもらおう。」
「「「「ッッせい!!」」」」
間髪の置かない連続攻撃がフェイトを襲う。
「ぬぅっ!!」
マタマタ男とテラオレンジの剣が防御を貫通しフェイトの体に食い込こむ。
しかし、突如、周辺の時空が歪みフェイトがその隙間に消えていく。
「なにっ!」
「マタ!?」
支えていたものが無くなり、転びそうになるマタマタ男とテラオレンジ。
「・・・消え、た?」
「ドガーーーーーーーーーーーン!!」
数瞬の間を置いて、エントランスの天井を踏み抜き、
ガラガラと崩れる天井と煙の間から、巨大な爆竜が姿を現す。
ほとんど白に近い輝きを放つ金色の体に、何本か走っている黒いラインが
神々しさではなく禍々しさを感じさせる。
「さて」
一通り暴れて、エントランスの天井のほとんどを崩し
十分な広さを確保した爆竜テリジノサウルス・フェイトが、4人に向き直る。
「これでお前等を串刺しにでもするかな? フォビドゥン・スピアー」
バシン バシン バシン と大きな音を立てて尻尾を振り回しながら、
その尻尾にエネルギーを集中させていく。
バシン・・・・・・・・・・
「・・・こ、これはやばいマタよ!!」
「こんどこそ!高速移動、オン!」
「サテライトシステム起動…回避…」
「クッ・・・!(それにしても、UB社はどこから爆竜を連れてきたのか・・・)」
ひゅ ゴォッッッッ。
エネルギーをまとった尻尾の一撃が瓦礫ごとなぎ払い、
回避に失敗したテラグリーンとメタルゲートが吹き飛ばされる。
「!!・・・大丈夫マタか!?」
「大丈夫ですか森長さん!」
回避に成功したマタマタ男とテラオレンジが体勢を立て直し、
即座にフェイトに攻撃を仕掛け、テラグリーンとメタルゲートに
体勢を立て直す時間を作る。
「HIT率50パーセントに、ダウンか・・・」
言葉とは裏腹にさして残念でもなさそうに、
現状を分析する爆竜テリジノサウルス・フェイト。
「クッ。避け切れなかったか・・・」
「こっちも一応…大丈夫みたいです」
メタルゲートもテラグリーンも片膝を着いて少しの間、息を整える。
「メタルゲートさん、貴方は大丈夫ですか?」
「ギリギリ大丈夫といったところですよ・・・」
テラオレンジに答えるように右腕のアームブレードを引き出す。
「まだ戦えますね!」
「当然です。ここで死ぬわけには行きませんから・・・」
「ふぅ…私も大丈夫です。行きますよ。」
テラオレンジとテラグリーンもメテオライザーをソードモードに変更する。
「そうマタYO! まだ、負けるわけには、いかないマタ!!!」
爆竜テリジノサウルス・フェイトの視界が、
近接戦闘をしていたマタマタ男の両腕による攻撃により、一瞬さえぎられる。
「「「ここだ!!」」」
「メテオライザーソードモード」
「消えろ・・・!!」
「オレンジスラッシュ」
「―――アブソリュート・ガード」
タイミングも完璧、攻撃も死角を突いたものだったが、
背中から展開し、翼で体を包むように覆ったシールドの所為で、
3人の攻撃は浅い位置で塞がれていた。
「さすが…ですね」
「化け物め・・・!!」
「く…」
「・・・この強度、このパワー、いったい、どうやったらこんなもの生まれるマタ!?」
シールドが崩れ、硬直の解けていない4人に爆竜テリジノサウルス・フェイトの一撃が振るわれる。
「消え去れ!」
「まだ・・・耐えれるマタよ」
「ぐ…そうだ!この戦いの為に開発してもらった、プラズマシールド!」
「さて、どうしたものかな・・・」
「…サテライトウインド発動…防御…」
回避を諦め、全員が防御体制をとる。
「うわっ…飛鳥さん、皆さん大丈夫ですか?」
「これくらい!大丈夫!
 コロナバズーカ、セット!ファイヤー!」
「まだまだ・・・!」
「そうですね、まだまだです。
 メテオライザーセット。…標準よし…発射。」
4人の攻撃が当たるかと思ったその時、
突如、次元にひびが入り、フェイトの姿がその中に消えていく・・・
「無駄無駄無駄」
そうつぶやきながら姿を消す爆竜テリジノサウルス・フェイト。
「何っ!?」
「・・・しまったマタっ」
「バカな・・・」
完全に姿を消し、声だけが空間に響く。
「そろそろ終わりにしてやろう!」
そう聞こえたのと同時に、びりびりと空間全体が振動し始める。
「――リターン! トゥ!! ナッシング!!!」
胸部の装甲が開き、凝縮したエネルギーを輝かせながら
4人の真後ろに出現する爆竜。
瞬間、エントランスの中が白一色に塗り替えられる。
  ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
「!!!」
「サテライトシステム起動・・・・反射!!」
「恐ろしい力だ!!」
「ホールド起動!!」
テラオレンジ、マタマタ男、メタルゲートの3人はホールドを起動させ、
本来、敵の動きを捕縛するためのホールドを、盾として応用し、
テラグリーンは独自のカウンターシステムで迎撃する。
「くっ…システムが耐え切れない…うわっ・・・・・」
システムの方が攻撃に耐え切れず、テラグリーンごと吹き飛ばす。
「森長さん!!」
「・・・生きてますか?」
爆竜テリジノサウルス・フェイトから目を離さず、メタルゲートがテラグリーンに聞く。
「ふぅ…一応どうにか…次ぎで決めましょうか…」
「えぇ、人数が減ると不利になりますからね・・・」
「そうさ。みんなの力を一つに!!」
「マタッ!!」
爆竜テリジノサウルス・フェイトは必殺の一撃でエネルギーをチャージした影響で
通常活動をほぼ停止している。
「(・・・意外にこの時代のヒーロー、しぶといな・・・)」
その爆竜テリジノサウルス・フェイトの目の前で今度は4人が必殺技の体勢に入る。
「先程ので、壊れてないといいが…サテライトシステム起動…」
「・・・」
「「ッ!!」」
真っ先にテラオレンジとマタマタ男が飛び出したのは、
システムから必殺技モードを起動させるテラグリーンと、
その場で身をかがめて力を溜め始めるメタルゲートを察したからだ。
飛び出すと言っても、マタマタ男は転がりだすと言った方が正しいが。
「 ふん・・・その程度か?」
しかし、爆流テリジノサウルス・フェイトから出現したワイヤーが
金糸の様に輝きながら4人の周りを一瞬取り囲み、攻撃動作を阻害する。
 「!! マ・・・タ・・・・ッッッ」
 「なっ…!」
 「ちっ・・・」
 「(まぁ、私は場所移動が出来なくても問題ないのですが・・・)」
 「燃え尽きろ! マキシマム・バーン!」
固定された首から、やや下に放たれた灼熱の業火が、床を覆い尽くしていく。
(酸素がなくなるけど、そこら辺はスーツのシステムで何とかしてるって事で。)
 「くっ! サブシステム起動…ホールドします。」
 「うわ!」
 「・・・まだまだマタよ!」
 「手が尽きてきたな・・・だが、」
テラグリーンはホールドを、テラオレンジとメタルゲートは回避で、
マタマタ男はシールドでそれぞれ炎を軽減し、間髪いれずに反撃に出る。
 「こんどこそいくぞ!皆の力を一つに!」
真っ先に炎から飛び出したのはテラオレンジ。
猛烈なパンチとキックのラッシュで、爆流テリジノサウルス・フェイトを撹乱。
 「マタ!!!」
続いて、マタマタ男の強烈な回転攻撃が爆竜の腹部に直撃し、体勢を崩す。
 「動くみたいですね…サテライトシステム起動…
  …メタルゲートさん、いいですか?」
 「あぁ、気にするな、多少なら平気だ。行くぞ!!」
というが早いか、メタルゲートが地を蹴りテラグリーンと爆竜との直線上に飛び跳ねる。
 「次こそあの世に送ってやるよ・・・。妹の待つ、地獄にな・・・!!」
ゴォッと音を立ててメタルゲートの必殺両足キック"メタルキック"が放たれる。
 「サテライトウイングアタック…発動」
爆竜テリジノサウルス・フェイトに向かって放たれたサテライトが、
直線上にいるメタルゲートを、あたかも纏うかのように飲み込み、爆竜に直撃する。
 「何? こ、この私が・・・油断してなかったのに・・・こんなサルどもの攻撃に・・・ 」
ベキベキと外装にひびが入り、内部のメカを露出させながら、
地面に沈んでいく爆竜テリジノサウルス・フェイト。
 「…やったか!?」
 「ふぅ…当たりました…」
 「・・・勝った、マタか?・・・」
バチバチと各所から放電させ、煙を吐いている爆竜テリジノサウルス・フェイトは、
既に、四肢の駆動系と命令伝達が出来ていないらしく、ぴくりともしない。
 「・・・こうなったらお前らを道連れにしてやる・・・ 」
自身もその事を確認すると、顔部のスピーカーからお決まりの文句が。
 「(´Д`;) マタこのパターンマタか・・・。」
 「兄弟そろって同じ手か・・・。芸が無いな」
スティンガーにて、妹機のエンヴィーを倒しているマタマタ男とメタルゲートは、
判りやすい行動と、今回は首領がいないことに、諦めと共に冷静さを持って発言する。
 「爆発するのか!?」
 「危険ですね…いったん、離れましょうか。」
 「半径何キロも吹っ飛びますよ」
つまり、今ここでどうにかするしか方法は無いのである。
と、爆流テリジノサウルスフェイトに通信が入る。
 『・・・やっぱり君たちは「失敗作」だったか。
  ちなみに君が自爆しようにも、君には爆弾は仕掛けられていないのでそのつもりで』
 「何だと?社長、貴様、私たちを嵌めたのか?」
 『 これで私たちの計画はもろくも崩れ去ったというわけだ。 
  フェイト君。私は先に地獄で待っているからな・・・y=−(・∪・∴∵ ターン』
外部スピーカーのスイッチも入っているのだろう、
爆竜と社長と呼ばれた男のやりとりは、全て4人に聞こえていた。
 「なに?…社長が…思ったよりついてるようですね…。テラオレンジさん?」
 「そうですね。このまま機能停止を確実にしたほうがよさそうですね。」
 「わかったマタ。後自分の持ってるので何とかできるのは・・・。これマタね。」
そう言って、マタマタ男はブレードを手のひらに形成し、爆竜テリジノサウルス・フェイトに向かっていく。
 「・・・このまま、私に無様な死に様をさらせというのか・・・
  せめてさいたまだけでも道連れに・・・ 」
左手の爪の一本が、シュッという音と共に発射する爆竜。
(全てではないのは、回路が一本しか生きていなかったためであろう)
 「・・・!!メタルゲート!!」
爪はマタマタ男の脇をすり抜け、メタルゲートに。
 「フン、見苦しいな・・・」
ブレードを避けず、腕で受けるメタルゲート。
腕に深々と刺さったブレードを伝って、地面に赤いしみが出来ていく。
 「まだ動けたマタか?・・・いいからとまるマタ! 首領の分もっ食らうマタッ!」
マタマタ男の一撃で、完全に機能を停止する爆竜テリジノサウルス・フェイト。
既に、わずかな放電も起こっていない。
 「(とりあえず、爆発はしない見たいマタ。・・・動かないマタ・・よね?)
  メタルゲート!! 大丈夫マタか!?」
爆竜の所から戻ってきつつ、マタマタ男がメタルゲートに尋ねる。
  「何とか大丈夫ッッかなっ・・・。」
腕からブレードを引き抜きながら、その質問にメタルゲートが答える。
出血が酷かったのは引き抜くときだけで、
スーツの所為か、すぐに傷口が判断できなくなる。
 「さて…私達はどうしましょうか。」
 「彼らを倒せばすべては終わりますが… どうしますか?」
そんな2人を見つつテラオレンジとテラグリーンが小声でやりとりをしていたその時、
  ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・
 「…っうわ!」
 「・・・何だ?」
 「この地震は?」
  ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・
 「地震…もしやまた爆竜じゃないですよね…」
 「爆竜は勘弁願いたいものですが…」
と言っている間にも、既に半壊状態の施設が崩れて行く。
 「…これ以上ここにいる事は出来そうにありませんね。
  テラグリーンさん、施設内の人間にも、退避命令をお願いします。」
 「…この施設はおしいですが…いったん退避しましょう。
  人命優先。退避命令は既に出してありますよ、テラオレンジさん。」
 「そうだ、スティンガーの人!貴方達も速く退避した方が良いですよ!」
 「・・・そうマタ。行くマタよ、メタルゲート。」
 「ふむ。用も済んだし、ここは退くか・・・」
―――外
マタマタ男が振り返ると、建物の行く箇所からか煙が立ち昇り、
陥没して崩れ落ちていると事もある。
気付くと、テラレンジャーの2人とはいつの間にかはぐれていた。
 「さて、新生スティンガーに向け頑張るマタか」
後を見ててもしょうがない。首領の敵も取った。そう思い、マタマタ男は歩き出した。
 「ふぅ・・・終わったか・・・結局、ウマートブレインがどうなったかは判らなかったな。」
変身を解除したメタルゲートは、歩き出したマタマタ男と、
半壊したテラレンジャー前線基地を一瞥し、バイクにまたがり走り出した。
 「・・・これから、どうなっていくのだろうか。」

―――前線基地、職員用非常出口
テラグリーンこと森長拓巳が変身を解除する。
 「あぁ…見事に壊れましたね、飛鳥さん…」
テラオレンジこと飛鳥直樹も同様に変身を解除する。
 「まあ、また立てなおせますよ」
 「そうですね。職員の大半はちゃんと脱出したはずですし。
  とりあえず、怪我人が送られた病院の方に行きますか…」
 「そうしましょうか、森長さん。」
既に地震は収まったものの、前線基地は、
傍目から見てもその機能の大半を停止していた。
 「明日がある。明日がある。
  明日のために、今日を精一杯生きるとしますか。」
――そのころ、崩れ去った「機関」前線基地内では――  
  ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・
何かが地中を掘り進んでいる音がする。
 「ウォリャ−ッ! っと。此処は何処だ?
  爆竜の自爆から逃れるために、とっさに地中に潜ったのは良かったのだが・・・ 」
そこは、スティンガー・テラレンジャーと爆竜テリジノサウルス・フェイトが戦った場所であった。
基本が頑丈な造りらしく、天井や壁の一部が崩れているだけで、
ホール状に崩れた上下階は、戦闘時のままをほとんど維持している。
 「・・・どうやら、「機関」が爆竜を操っていると言う噂は本当だったようだな・・・
  おそらく起動に失敗して建物ごと崩壊させたのだろうか・・・」
既に金属の塊となった爆竜を視界に捉えながら、喋り続ける。
 「・・・こんな物を残しておくと、30世紀でウマートブレインが
  世界制圧をするかも知れんのでな・・・。」
その人物が手をかざすと、空間が歪み、やがて扉のような物が現れる。
 「もうこの時代に用はないので、
  歴史を変えるようなものはついでに持って帰るか・・・」
と、フェイトの巨体を片手で「扉」のほうへ投げ入れる。
 「これ以上余・・・いや私がこの時代に干渉しなくても、
  メタルゲートは立派に生き残るだろうしな・・・。これも、もういらんか。」
ばさッと、着ていたマントと覆面とマントを脱ぎすてると、その人物は「扉」に入っていく。
やがて扉も消え、辺りは何も無かったかのように静まり返った。
957wizu:04/04/15 22:20 ID:WNxPjlya
以上、最終戦から起こしたSSでした。
長丁場、お疲れ様でした。
誤字脱字等、あると思いますがご容赦のほどをお願いします。
ご指摘の際には、レスするかどうかわかりませんが、
今後の糧にしたいと思います。

えー、すいません、"爆竜テリジノサウルス・フェイト戦:その19"の
"19"の表示が抜けております。申し訳ない。

それでは、改めて。
 お疲れ様でした。
958霧野 ◆KiLL4x81Ws :04/04/16 15:53 ID:waiqT1zG
ウィズさん、SSご苦労様でした。
SSにしにくいような無茶苦茶な戦闘してすいませんでした。
まぁこれで一区切りですね。とりあえあず、皆さんお疲れ様でした。
959ダークマン:04/04/17 11:41 ID:mgdqyQDL
wizuさん
乙です
960エピソードファイナル@:04/04/18 16:29 ID:37mxLR84
『・・・やっぱり君たちは「失敗作」だったか。ちなみに君が自爆しようにも、君には爆弾は仕掛けられていないのでそのつもりで』
「何だと?社長、貴様、私たちを嵌めたのか?」
『 これで私たちの計画はもろくも崩れ去ったというわけだ。 フェイト君。私は先に地獄で待っているからな・・・y=−(・∪・∴∵ ターン』

社長室から突如響いた銃声に、坂井は慌てて振り向き、社長室へ駆け込む。
「しゃ、社長!」 特に才能のない自分に対して、特別室室長と言う肩書きまで与えてくれた社長が、まさか・・・
しかし扉を開けた坂井が見たものは、脳天を打ち抜いた社長の屍ではなく、部屋の奥で拳銃を持った右腕を巨大な腕に掴まれて、力なくぶら下がっている社長だった。
「ヌハハハハ、間一髪じゃったのう。 声の主はヒガシガミ博士であった。かつてスティンガーにおいて幾人もの怪人を製造してきた狂博士、ニシガミ博士の兄といわれる男であった。
「じゃが「機関」の小童どもと、スティンガーのお陰で、私の作り出した「爆竜」が敗れてしまったからな…」
坂井が部屋の奥を目を凝らして見ると、社長を掴んでいる博士の体が大きくなっていることに気がついた。 大きさは5メートルくらいか。すでに人間だったころの面影はなく、まるで恐竜のようだ。
「あわわ・・」 坂井がたじろぐと、「…もはやウマートブレイン日本支部も壊滅状態じゃ。このまま本部へ帰ってもワシは消されるだけじゃからのう。 
この身と引き換えに、あ奴らに一矢報いねばならぬ…」 ワニのように大きく裂けた口から、低い声が響き渡る。
「そしてこいつには、私の滋養となってもらうとするかな…」右手に持ったままの社長を宙に放り投げ、その大きな口で一気に丸呑みにする。
「?・・・何だ?・・・ギャあ・・・ベキボキバキ・・・」口の中で気絶状態だった社長の断末魔と骨の折れる音が聞こえ、口の間からは鮮血が滴り落ちる。
「ヒイッ!…」目の前で起こった惨劇に、坂井は足がすくんで動けなくなる。
「そこにもいたか・・・」ヒガシガミ博士だった怪物は坂井の方を向いた。

961エピソードファイナルA:04/04/18 17:23 ID:37mxLR84
「そ、その体・・・」 腰を抜かして海老のように後ろへずり下がる坂井が問う。
「この体か。 5年前、ワシがアマゾンの奥地で発見した恐竜の先祖とも呼べるモノから抽出したエキスをワシ自身に投与したのよ!」 ヒガシガミ博士だった怪物が答える。
「さて、お前もワシの滋養となるがいい・・・」もはや理性より食欲のほうが上回っているようだ。
「・・・」 坂井は諦めと恐怖でその場を動けなくなっていた。 そして博士の口が坂井に迫るその瞬間-----

「ビュっ!」
社長室のガラスを破って、一枚のカードが博士の口に刺さる。 カードには「爆」と書いてあり、やがてカードが光って爆発する。
「モゴゴ・・・な、何者だ?」 口を押さえながら博士が窓のほうを向く。 つられて坂井もそっちを向くと、窓の外には、黒尽くめの男が立っていた。
「フハハ…、いや、フッ、名乗るほどの者じゃない。」  黒尽くめというより、逆光で姿がよく見えない。
さらにここはビルの35階、男は宙に浮いているのだ。 明らかに人外の力を持ったものだが、坂井はその男を以前何処かで見たような気がしていた。
「さて、この世界を去る前に、もう一つ片付けねばならぬことができた。」 黒尽くめの男がヒガシガミ博士に向かって話しかける。
「誰だか知らぬが、お前もワシの滋養にしてくれるわ!喰らえ!」 ヒガシガミ博士が窓の男に向かって突進してくる。
しかし男は避ける様子も見せずに、小脇に抱えている分厚い辞書のようなものからカードを取り出し、博士へ投げつける。
「斬」 今度はカードが刃と化し、博士の体を切り刻んでいく。
「ヌオォォォ・・・」 全身切り傷だらけで博士がうめき声を上げる。
 
962エピソードファイナルB:04/04/18 18:16 ID:37mxLR84
「ま、まさかこの技…『砕魂』か・・・・・」 
さっきあれほど切り付けられた博士の体の傷が、塞がりかかっている。
「『砕魂』を知っているとは流石ヒガシガミ博士、いや、ニシガミ博士と言った方が良いか。」
「な、なんだって!?」 衝撃の発言に坂井は驚く。
「ゾディアックの沈没で行方不明になったふりをして、実際には存在しない双子の兄に成りすましてウマートブレインへ寝返るとはな。」すべてを知りえているかのように、黒尽くめの男が話し始める。
「・・・スティンガーの生ぬるいやり方には辟易していたのじゃよ・・・特に首領の無能っぷりには呆れるほどでしたよ。」 博士は愚痴るように返す。
「…そうか…」何か諦めたような雰囲気を見せる黒尽くめの男。
「…宣伝大臣は既に記憶を奪っておいた。後はお前だけだ…」男は1枚のカードを取り出す。
男はカードを持ったまま、博士のボディに突きを入れる。 カードには「封」と書いてあった。
「なんだとぉ? お主もしかしてしゅ・・・」博士が叫んだ瞬間、カードが光り、そして博士の体がねじれて行き、やがてカードに吸い込まれて消えていった・・・
「これで30世紀でウマートブレインなど存在しなくなるはず、・・・」 男が呟く。
「ま、まさかあの男の正体は首り…」 ニシガミ博士?が消えた社長室で、坂井は今までの流れを振り返っていた。
「ヒガシガミ博士だと思っていたのが行方不明になっていたニシガミ博士で、社長はニシガミ博士に食べられて、謎の男が現れて博士を封印して…」
男は坂井の頭にカードを投げる。「忘」と書かれているカードが坂井の頭に刺さり、坂井は気を失う。
「・・・」 男は気絶した坂井を確認してから、もう1枚カードを出して自分に向ける。
『転』と書かれたそのカードが光り、やがて男の姿は消えていった。 

                              END
963ダークマン:04/04/18 22:13 ID:dCdnoVfj
残り27回
この間にどう書きこむか・・・・
後、次スレ立てるんすか?
964wizu:04/04/19 11:33 ID:peIwZsa2
次スレですか。とりあえず立てましょうか。
スレ立てはダークマンさんお願いできますか?
965ダークマン:04/04/19 16:11 ID:FfJBIMDh
うん
966ダークマン:04/04/19 16:24 ID:FfJBIMDh
午後7時立ててみます
その後次スレのHP張っておきます
967名無しより愛をこめて:04/04/19 17:32 ID:ZS4GixRo
いや立てるなよ。いったいこれ以上何する気なのさ。
968火炎ファイター:04/04/19 19:03 ID:FfJBIMDh
969ダークマン:04/04/19 19:20 ID:FfJBIMDh
970ダークマン:04/04/19 19:30 ID:FfJBIMDh
>>968
俺です
スマソ
971wizu:04/04/19 22:47 ID:D9miiKOB
一応言っとく。
>964
は偽者。
972霧野 ◆KiLL4x81Ws :04/04/20 15:53 ID:Y7JukrUH
>>960-962
エピソードファイナル書いてくださった方、ありがとうございます。

>>963-971
(´д`;)
973ダークマン:04/04/20 19:33 ID:nS5YnJj8
>>971
え?本当でえすか?(・w・;)
974名無しより愛をこめて:04/05/05 10:11 ID:J+4Y4qFj
>>960-962
ニシガミ博士の正体ってヴィーナスみたいな奴じゃなかったのか?
975名無しより愛をこめて:04/05/06 15:57 ID:7pHd5SRj
ここも放置されてるので埋め
976霧野さいたーま ◆KiLL4x81Ws
>>974
ttp://frau4.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/img-box/img20030303022438.jpg
ぬははははははは!!それはもしや↑コレのことですかな?
心臓の弱い人は見ない方がいいかも・・・(´д`;)