ファイズの方が重く、暗く、(なぜか)シュールです。乾匠は「孤独な戦士」
という設定が強調され、私生活やちょっと笑いを取る表情とかの演出が、全く
と言っていいほど無くなってます。まるで馬車馬のように戦ってる感じ。まあ、
馬車馬は戦わないんですけどね。(バイクも馬人だし)
この作品、全体的に妙な閉塞感がただよっています。オルフェノクは白昼堂々と、
大量の人間を拉致していくんですわ。スマートブレインの実験体にするため(地
下に人工都市OFスマートシティが建設されていて、そこに5万人が囚われている)
だったり、単に処刑するためっだったり。「戦隊物」等ではお巡りさんが駆けつけ
て抵抗したり、「わーたすけてぇ!」とか叫んで逃げたりするところですが、お巡
りさんは来ないし、既に縛られて抵抗できなくなってたりして、ああ絶望感。
そういったシーン以外では、ほとんどエキストラの役者を使わず、町中でも乾巧と
菊池や真理の3人だけのシーンが多いというのも孤独感と終末感を盛り上げて、
画面に重みを与えております。
物語の方は、やはりOFスマートシティの登場がターニングポイント
だったようで、その登場以降、悲劇的な話が多くなっていきます。
ゲストの女性キャラが話の核になる回が多くなるのですが、その生き様
が強烈で印象に残ります。
働いていた会社をスマートブレインに倒産させられ、復讐を誓う恋人同士
が登場。しかし突然、女性の方が男を裏切ってスマートブレインに入って
しまいます。女は忠誠の証として男を射殺、暗殺者「スマートクイン」と
なって乾匠を狙います。とうとう巧を追いつめるスマートクイン、しかし
彼女の本当のねらいは…といった感じ。
このほか、オルフェノクの妹でありながら、スマートブレイン会長秘書でも
ある帆村ジュンが、悪とわかっていながら兄を裏切ることが出来ないっつー
話や、連絡を絶った恋人を捜しに外国人がやってきて(こんなの普通ギャグ
編になるんだが)、乾匠と真理の協力で捜し当ててみると、恋人は母国を裏
切って自らオルフェノクになってましたというのがあります。ほぼ全話にわ
たって裏切りの嵐が吹き荒れます。最終回では、スマート総統自体が自分の
娘に裏切られちゃうからすげぇ!
それは、子供番組という枠で考えると失格なのかもしれないですけど。
しかし、日本支配を企業の組織とヒーローの戦いだけを丹念に描いた良質な
ドラマであります。
このスマート総統は、徹底して孤高の代表取締役として描かれている屈指の
名キャラクター。
普通、首領や大幹部は最終決戦で最強の怪人かなんかに変身して戦うのが
相場ですが、総裁はそのまんまで戦うんですよ、かっこいい!
こういうのあんまり見ないよね。非常に見応えがある最終決戦なので必見です。
このスマート総統は、徹底して孤高の代表取締役として描かれている
屈指の名キャラクター。
普通、首領や大幹部は最終決戦で最強の怪人かなんかに変身して戦うのが
相場ですが、総裁はそのまんまで戦うんですよ、
かっこいい!
こういうのあんまり見ないよね。
非常に見応えがある最終決戦なので必見です。