◆プロジェクトX・ミラーワールドを閉じろ◆(499) 虎

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98名無しより愛をこめて
プロジェクトは遅々として進まなかった。東條が手を挙げ、香川の仕様に疑問を投げかけた。

東條「ねーねー。おるたなてぃぶのほーが、たいがよりつよいのはどーしてー?」
仲村「オリジナルより強くないとMW閉鎖計画に使えないだろ?少しは考えて喋れ!あんぱん」

余計な一言から、またも掴み合いの喧嘩を始める仲村と東條。まあまあとなだめる香川。
香川「あれはだね、設計の段階で大ポカがあるからいけない。
   13体目を一人勝ち出来る様にする為、あえて他のスーツの潜在能力を抑えるという
   設計者としても企画者としても 最 低 な 真 似 をしていますからねえ、彼は」

どこからともなく降ってくる金色の羽根。
しかし香川は意に介さず答えた。
香川「大体、スーツのデザインをセンスの無い設計者自らが行うなんて無謀ですよ。
   なんでも聞いた所によると造型の依頼を美術科の学生に断られたそうじゃないかね。
   人 望 が 無 い のも考え物ですな?」

バサバサと降る羽根に埋もれながら、なおも語る香川。
香川「オルタはプロに依頼して正統派なデザインに仕上げた言わばライダースーツの逸品。
   子 供 の 落 書 の延長の様な造型や必殺技とは、格が違いますよ。格が」
仲村「元の13ライダーより人気急上昇で、ポスト・アナザーアギトの声も上がってますしね」
東條「ぼくからみても、たいがのふぁいなるは いくらなんでもばかすぎるよねー」

どこからともなく「うわぁぁぁぁん!」と言う声が聞こえ、羽根は降り止んだ。
仲村「やりましたね!教授!」
東條「わーい、これで あったかい うもーふとんがつくれるね」
香川「うむ。どうにか冬場は乗り切れそうだな。ご苦労だった。
   やり過ぎるとあいつの嫌スレになる、ギリギリのさじ加減が難しかったな」

プロジェクトはひとつ山場を越えた。

…しかし目的が本来の軌道から相当に逸脱している事に
キルトでパッチワークを始めた3人はまだ気付いていなかった…。