◆プロジェクトX・ミラーワールドを閉じろ◆(499) 虎
斉藤「香川先生、お誕生日おめでとうございます。その節はお世話になりました。
今日はパーティが開かれているあいだ、僭越ながら演奏をさせて頂きます」
右手にだけ紅い手袋をした 白いセーターの男が現れると
持参のキーボードを取りだし華麗に鍵盤を叩き始めた
東條「えーとねー。ぼく、あんぱんまんまーちが いいなー」
斉藤「ああ、いいよ。今日はみんなの好きな曲をなんでも演奏するからね」
リズミカルな曲に合わせて わーいと踊りだす東條と裕太
仲村「こちらの方はどなたですか?」
香川「新進ピアニストの斉藤雄一さんですよ。手塚さんのお友達です。
以前に、神崎のモンスターにミラーワールドに引きずり込まれた所を
通りがかりに助けた事がありましてね。事故で不自由になった右手を義手に改造し、
それと02のデッ…。けふんけふん。まあそういう事がありました」
仲村「そうですか。とてもあの人の手は義手には見えませんね」
…ずっと前に特撮掲示板でお絵描き職人さんが描いたネタだった
雄一は香川から ライダーマンばりばりのアタッチメント型義手とデッキを与えられ
密かに紅色の擬似ライダー・オルタナティブ02に変身して神崎と戦う…らしかった
典子「あら、缶切りを忘れてきましたわ。どうしましょうか」
斉藤「奥さん、ちょっとそれを貸してみてください」
雄一は手袋を外すと右手を変形させ 缶を開いた
東條「わーすごーい。じっとくないふみたいだー」
斉藤「あはは。こんな事も出来るんだよー」
にこにこ笑いながらモードチェンジを続け
コーラの栓を抜いたり チーズを波型にスライスしたり 蟹の身を殻から綺麗に剥がす雄一
…なんかアタッチメントの使い方を 思いっきり間違ってると思う仲村だった
にぎやかで楽しそうな声が聞こえてくる401号室
その扉の前で体育座りの佐野満(21→22)
佐野(そういや昨日(12/2)は俺の誕生日だったのに、
誰にも祝ってもらえなかったな〜。
契約先コロコロ変えたせいで、
俺やっぱ、みんなに嫌われてるのかなぁ?
あーあぁ。
どの先輩にもすぐ怒られるし、
ここに顔出すと、すぐガリガリされちゃうし…。
…。
ま、仕方ないや。
あとでゼール達とひっそりお祝いでもすっか!…。…とほほ)
…と、落ち込む佐野の肩をポンと叩いて にこにこ笑う東條
東條「さのくん ここにいたんだー。
さのくんも せんせいのぱーてぃに おいでよー」
佐野「え?いいんですか?俺、なんにもお祝い持って来てないっすよ」
東條「かがわせんせんいが いつもさのくんには おせわになってるから
さのくんには ぜひさんかしていただきたいって ゆってたよ」
佐野「おー!さすが香川教授!
凄いな〜、その心配りが嬉しいな〜。尊敬しちゃうな〜」
東條「あとね…。さのくんも おたんじょうびおめでとう!」
佐野「!!」
東條「きのうゆってくれれば みんなでおいわいしたのにー。
せんせいのつくるけーきは おいしいんだよお?」
東條に手を引かれて401号室に入る佐野は 猛烈に感動していた
…それと同時に
パーティのしめにガリガリされる予感もちょっぴりしていた…
そのころ広報係(全裸)により401号室お誕生パーティを知らされた(30)は、
北岡「ねえ、ゴロちゃん、懐石料理つくって持っていったら、あの教授、今度
ザク(等身大)とか作ってくれないかな。マグナギガとMWで一緒に並べるの
かっこいいよねー、たのしーよねー、みたいよねー」
とひとりドリームに浸っていた。さっさと401号室へ行け!