>>406 >>409 >>410 ボルは、シザースの…須藤の事をとても気に入っていた。
彼のためならば、ターゲットでもない人間を襲う事もやったし、
また単独でライダーに向かう事も苦にはならなかった。
だがボルは、それはあくまで一方的な考えだと思っていた。
自分がどう思おうと、須藤は契約によって自分を従え、命令しているに過ぎない。
ボルはそう考えていた。
その考えが間違っている事に気付くのは、あまりに遅すぎた。
その時とは、シザースの最期の時であった。
「け、契約が………ッ!」
シザースがうろたえた声を上げ、それを聞いたボルは、我が耳を疑った。
デッキを破壊されたライダーにとって、最も致命的な事は変身が解けてしまう事なのだ。
変身が解け、人間に戻ったライダーはミラーワールドで生きている事さえ出来ない。
しかも……もとの世界に戻る道さえ閉ざされてしまうのだ。