次のスーパー戦隊シリーズは?

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 恐るべき悪の秘密結社ワスプ。
その野望の最大の障害、旭日戦隊の本拠地である日本への内部攻撃を画策。
大阪・生野区を中心とした外国人系暴力団組織を利用して旭日戦隊の情報収集と露呈を計画し、反ヤマトマン的論調を日本国内に蔓延させ、日本国内の世論の分断を企む。
作戦執行を任された狡猾なるワスプ怪人クラン・ラボラー。彼が用心棒として某国より呼び寄せた超人戦士タオタイガーはこの作戦に乗り気ではなかった。
好戦的なタオタイガーにとっては、まわりくどい世論操作など不本意な作戦でしかなかったのだ。
 情報戦となった事態に指を喰わえているしかなかったヤマトイエロー・峰岡黄三は、そのもどかしさから単独生野区へ潜入。極左出版社を抱え込んだ暴力団組織を壊滅させる。
次々と強攻策に出るヤマトイエローを阻止せんが為、タオタイガーがその前に立ち塞がる。イエローの野獣の如きラフファイトとタオタイガーの連続キック殺法が火花を散らす!
だが、その戦いを制したのは、以外にも旭日戦隊側であった。今目立った行動に出る事は、ワスプの術中に填る事に他ならなかったからだ。
 やるせない怒りと焦りを募らせる峰岡の元に、タオタイガーから果たし状が送られてくる。峰岡の蛮勇に興味を惹かれ、男と男、一対一の決着を付けようというのだ。
しかし、決闘の場にはワスプの戦闘員クークラックスの大群が待ち伏せていた。
「これはどういう事やねんッ!同士クラン・ラボラー!!」
卑怯な陽動に怒声を放ったのは、以外にもタオタイガーであった。
「一時休戦や。一緒にコイツ等をイテコマシたろうやないか!」
「なんでだよタオタイガー?!お前の味方だろう?」
「卑怯モンなんぞ味方やない!まず義ありき。それが花郎精神っちゅうモンや!」
イエローの鈎爪がギラリと光り、タオタイガーの斬馬刀が唸りをあげる。
群がる戦闘員クークラックス達を、次々切り刻んでいく二匹の野獣達!その猛攻に恐れをなし、逃走するクラン・ラボラー。
追うイエローとタオタイガー。だが、突然の頭痛に悶絶するタオタイガー。クラン・ラボラーが密かに埋め込んだ服従回路が作動したのだ。
自我を奪われ、クラン・ラボラーの操り人形と化すタオタイガーがイエローに襲い掛かる。イエローを追い詰め、羽交い締めにするタオタイガー。
身動きのとれぬイエローにクラン・ラボラーの銃口が向けられた。

 劈く激しい銃声が響いた。
だが、クラン・ラボラーの凶弾はイエローではなく、彼を身を挺して庇ったタオタイガーの体を貫いた。
「な、なんでだ?なんで俺を庇った?!タオタイガー!!」
「へへっ。花郎の戦士として、…こ、こんな卑怯な勝ち方、…しとうなかったん、…や。」
「タオタイガー!しっかりしろ!」
「ゲフッ!・・・お、俺の国家は…こんな卑怯な、…こんなワスプなんかに味方するような、…最低の、国や。
 せやけど・・・なぁ、花郎精神は!花郎精神は誇り高いものやったって・・・覚えておいて、…くれへんか。」
「…ああ!必ず!!」
「へっ・・・。
 …熱いなぁ、ジンジンしやがる。雪、降らへんかなぁ…。」
「雪?」
「雪化粧の富士山は、白山並みに綺麗や聞いたんや。
 ・・・見たかったで、…富士の、白雪を。」
「ああ、いつか一緒に見ようぜ!・・・アジアの親友(ダチ)よ!!」
「へへへっ。・・・アバヨ。」
 男の最期の虚勢だった。震える指でキザなポーズを決めて、…タオタイガーは、死んだ。
思わぬ邪魔に、クラン・ラボラーが吐き捨てる。
「おのれタオタイガー、裏切り者め!貴様は我が民族の恥だ!!」
「・・・民族の恥だと?
 だったらテメェは人間の恥だ!!!」
 腹から吐き出せる全ての雄叫びを放り出し、イエローがクラン・ラボラーへと飛びかかる!!
だが、援軍に駆け付けたクークラックス兵の大群がその行く手を阻む。
イエローヤマト=峰岡“山猫”黄三は、怒りのままに荒れ狂い、敵兵群を刻み、刻み、切り刻み続けた!
 山猫の異名を持った男は、その時、獅子よりも吠え、虎よりも怒り、豹よりも残忍に戦った。
 しかし多勢に無勢、ついに包囲網がイエローを捕らえた。進退窮まった事を悟ると、バックルのスイッチに手を掛けるイエロー。
「(・・・ケッ。・・・生涯二度とないような大喧嘩の幕引きがコレかよ?
  まぁ、いいさ。ケンカ馬鹿の俺らしいぜ。)
 ・・・くたばれクズども!地獄への道連れだ!!あの世でタオタイガーに土下座しろッ!!」
 バックルのスイッチ。それこそ、ヤマトマンのパワーを一気に解放し、我が身もろとも敵を粉砕する、…そう、自爆スイッチであった。
 解除コードを入力、始動スイッチに指をかける。
 だが、その瞬間!!!

 天地を揺るがす大爆音!

 「・・・な、なんだ?」
大爆音の衝撃波に吹き飛ばされ、意識を失うイエローヤマト。
“なにか”が落下してきたのだ。
イエローが意識を取り戻した時、敵は全て四散していた。
数字に弱いイエローであっても、眼前のクレーターの巨大さから、その落下物が破格に巨大な物体である事を推察できた。
更に、その巨大な落下物から何かが飛び出して来るとこに気付く。イエローは身構えた。少なくとも、これは自軍旭日戦隊のものではない。
一体なにが?!敵か?味方か?
だが、飛び出した未知の“ソレ”は虚を付き、イエローの懐へと飛び付いてきた。一瞬の事に払い落とす事も出来ず、“ソレ”に抱き付かれてしまったイエロー。
後日、ヤマトイエロー=峰岡黄三はこの事件をこう振り返る。
『その後の、…この俺の体にまとわりつく、コイツのこの有り様を思えば、
 ・・・俺はあの時、もう一瞬早くボタンを押し、木っ端微塵に砕けて死んでしまったほうがマシだったかもしれねぇな。』
イエローを悩まし続ける、その恐るべき“ソレ”が、戦慄に値する声で懐から語りかけてきた。

「わ〜い♪コーゾー♥コーゾー&hears;
 もっちーのおムコさんなのー☆ステキのステキなヒトなのー☆にゃ〜んっ、ス・テ・キ(ちゅっ♥」
「・・・・・・ハァ?(゚Д゚;)」
「ワタシ、『もっちー』だよ♥ことしで10さい♪ネコミミ星のカワイイお姫さまなのー☆
 もっちーはねー、コーゾーのおよめさんになるのー♪
 その為に、とお〜いとお〜いネコミミ星からやってきたんだよー(むぎゅっ♥
 だって、・・・もっちーは、コーゾーと、オンナのコのたいせつな
 『は・じ・め・て♥』
 しちゃったんだもーん(キャー&hearts」
「・・・・・Σ(゚Д゚;)
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル」  

 頭にフワフワモコモコのネコミミを付けた少女が、とても楽しげにコロコロと鈴のように笑っているのとは対照的に、
イエローヤマト=峰岡黄三は、今までくぐり抜けたどの戦場よりも強い恐怖を感じていた。

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「余談となるが、アメリカ放映版の旭日戦隊ヤマトマン『PowerRangers HENTAI-ANIME SQUAD』の、
 トイザラス限定版アクションフィギュア『PINK HENTAI RANGER Hydrofoil-Suits-Diver(もっちーのスクール水着フィギュア)』
 はネット予約受付開始と共に五万件が同時アクセス、サーバ障害の為にトラブル続出となった。
 この萌えフィギュア路線は、今思えば、野中氏ら新勢力に対する村上克司さん達古参派の最期の抵抗だったのかもしれない。
 晩年の村上さんの数々の奇行は、一人のファンとしては正直、見ていて辛いモノばかりであった。
 ・・・もっちー、萌えるケド(笑)」
 安斎レオ談
『旭日戦隊ヤマトマン〜イメージアルバムVol.03もっちー編;「ねこねこ日曜日♥」』解説より抜粋