次のスーパー戦隊シリーズは?

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>>441のリクエストに応えて……

 悪の秘密結社ワスプの怪人クラン・ファントムによって、豪華客船エスポワール号がシージャックされてしまった。
 救出作戦に向かった我らが旭日戦隊ヤマトマン。だが、隊長レッドヤマトの突然の退去命令に、旭日戦隊は近海の岸に上陸、待機する。
しかし、何の通達もなく突如エスポワール号はワスプ空挺攻撃機部隊によって攻撃爆破されてしまう。
「…なぜだ?!何故なんだ!!
 クラン・ファントム。お前は俺と男の約束を交わした筈なのに…。戦士の誇りに掛けて、人質は無事釈放すると言ったのに!!」
眼前の轟々と燃え上がるエスポワール号を見つめ、怒りを叫ぶ大空。
海原はふぅっと溜息を一つ吐くと、冷ややかな目で大空に言い放つ。
「男の約束?戦士の誇り?
 いい加減にしてくれませんか、隊長。貴方は御伽噺の王子様じゃないんですよ。
 奴は確かに、名誉も誇りも重んじる男なのでしょう。だが、それすら捨てて自軍の勝利を導く、それが戦士というものなのです。
 勝利の為に汚泥を平気で被り、卑怯者の誹りを甘んじて受け、必要とあらばブタの糞さえ笑って食らう、
 それが本物の戦士であり、そして、その本物達がクソ汚ねェ戦い方でクソ塗れで戦う最低のクソ汚ねェ場所、それが戦場、そしてそれが戦争なんです。
 俺たちは、戦争をしてるんです。」
憤りが言葉を奪い、大空の拳は怒りのままに海原の頬へと殴り付けた。
だが、航空自衛隊の貴公子と呼ばれた大空の渾身のパンチも、桧の様に太い首と岩の如く硬い顎を持つ海原には、膝を軽くよろめかせるだけでしかなかった。
今度は海原の巨大な拳が大空の鼻頭を殴り付ける。端正に高く尖った大空の鼻がグチャリと音をたてて潰れた。
噴水の如く真っ赤な鼻血を吹き散らし、貴公子の異名も形無しな程不様な倒れ様を晒す大空。
「お、おい海原!テメェッ・・・!」
くってかかる峰岡。だが、海原の巨体からギョロリと見下されるなり、山猫と恐れられた彼も一瞬怯み、二の句を失うのであった。
「・・・海原。」
大空は鼻血塗れの顔を拭う事も無く、未だ笑ったままの膝を何とか奮い立たせた。
血塗れの唾をペッと吐き出し、3度ほど地団太を踏んで笑う膝を黙らせる大空。
「ありがとう、いいパンチだ。
 お陰で夢から冷めたぜ。甘い甘い御伽噺の夢からな。」
くるりと踵を返し、大炎上するエスポワール号の亡骸を睨む大空。
「(・・・そうだ。ここは戦場だ。忘れてしまえ、・・・宮本武蔵、・・・黒旋風李逵、・・・坂井三郎飛曹、・・・仮面ライダー。
  さらば!美しき、我が幼きの日の憧れ達よ。俺は汚れる、汚れゆくのだ!
  この国の、平和と自由と正義の為に!)」
変身ブレスレットを装備した左腕を高らかに上げ、叫ぶ!
「武運長久!レッドヤマト!」「ブルーヤマト!」「イエローヤマト!」
変身した三勇士は天を仰ぎ、旭日戦隊の恐るべき最終兵器の名を叫んだ。
「出でよ!曙空獣ヤタガラス!」
レッドの呼び声に、カラスを象った巨大なステルス型戦闘機が飛来する。
「現れよ!曙海獣ダイニュードー!」
ブルーの呼び声が、海底より海坊主の姿をした巨大な人型戦闘ロボットを呼び寄せた。
「来い!曙陸獣イヌガミダー!」
イエローの呼び声を、巨大な狛犬型装甲戦車が呼応して超高速で参上する。
 各メカに搭乗し、合体体制に入る旭日戦隊。
「ダイニュードー!変形、トランクモード!ムーラダーラ、スワディスターナ、マニプラ機関、始動開始!
 ドッキング位置確定、座標位置算定開始、・・・ドッキング位置固定!
 ドッキング開始、第一結合部開放、第二、第三、第四結合部開放!!」
「イヌガミダー!変形、ボースアームズモード!アナハタ機関、始動開始!
 全結合器開放、ドッキング位置確認、ドッキング開始!
 進入角度良し。進入角度良し。ドッキング、・・・完了!各開放部位結合閉鎖!」
「ヤタガラス!変形、ブレインモード!アジュナ機関始動開始、サハスララ輪宝エンジン、開放開始!
 ドッキング部位開放、速度調整、誤差修正確認、最終結合開始。・・・5、4、3、2、1。合体完了!」
 雄々しき男達の闘志が一つとなり、今、ここに巨大な鉄の荒神が完成する。
 正義の守護神、日本が誇るスーパーロボット!
 その名も!!

「はわわわわぁぁぁぁ〜〜〜〜っっ!(すってんころりん☆)
 う、うぐぅ〜〜。いっ、いたいよぉ〜〜〜っ。
 あっ!
 ボ、ボク、ヤマトロボのホリエユイだよもん。
 この旭日剣でいっしょうけんめいがんばりますぅ。だから、よろしくおねがいしますですぅ〜。」
「・・・・・・・・・・Σ( ゜ロ゜; Σ( ゜ロ゜; Σ( ゜ロ゜;)」

 ロボの握った巨大な愛らしいモップには、『旭日剣』の銘が打たれていた。

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 特撮雑誌の老舗『宇宙船』は、この放映の翌月号にて急遽誌面を「東映版スパイダーマン特集」から、このホリエユイの登場シーンへと変更。
パンチラショットを含む、巻頭カラーグラビア8Pの特集記事は、後の月刊化の礎を築く元となる120万部の販売数を記録したのであった。
 この新編集長古怒田健志の英断に対しては、未だ尚特撮マニア達の間では賛否両論を巻き起こしている。