★思春期オープンハウス:心と体の傷、癒やします 熊谷駅前に「駆け込み寺」 /埼玉
◇性に悩む少女の「駆け込み寺」、産婦人科医・中山さん開設
・JR熊谷駅ビルにこの夏、心と体の悩み相談室「ドクターまさみの思春期オープンハウス」が
開設された。熊谷市の医師、中山政美さん(65)の念願のハウスだ。室内には静かな
オルゴールが流れ、他人には打ち明けられない心と体の傷を癒やしに訪れる若い女性が
絶えない。
中山さんは、開業する「中山産婦人科」での診察や校医としての経験から、若者の性に
対するハードルの低さを感じた。同ハウス開設も、性感染症(STD)や望まない妊娠に
悩む少女らの「駆け込み寺」が必要だと思ったからだ。
21歳の梨恵(仮名)はこの世にいない赤ちゃんに会いに、たびたびオープンハウスを訪れる。
梨恵が初めて中山さんに会ったのは、一緒に暮らす大学生の恋人の子を妊娠したことが
分かった昨年10月初旬だった。夜中に突然の腹痛に襲われた。診察を受けた中山さんの
「丸っこい顔」と、黙ってじっと話を聞く姿に「この人なら大丈夫」と感じた。梨恵は中山さんに
事情を洗いざらい話した。
―口論の絶えなかった両親は小学3年生の時に離婚。好きでもない多数の男性と関係を持ち
家に居場所がないと感じて17歳で家出。食べていくために性風俗店を転々とした……。
恋人の両親は出産に猛反対した。梨恵もすぐに中絶するつもりでいた。だが、超音波で
どんどん大きくなる赤ちゃんを見て、心が揺れた。1カ月後の11月、梨恵は自分で決断し
一人で中絶手術を受けた。麻酔から目覚め涙があふれた。「もうおなかに赤ちゃんがいない」。
梨恵は今でも中山さんと話すと「赤ちゃんに会える気がする」という。
厚生労働省の調べでは、県内の10代の中絶手術件数は2021件(03年度)。96年度の
1116件に比べほぼ倍増した。また、県によると、STDの一種で不妊症と子宮外妊娠を
引き起こすクラミジアも、若い女性を中心に95年ごろから増加の一途をたどっている。(一部略)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051205-00000053-mailo-l11