324 :
Miss名無しさん:
漏れ=B君
意気揚々と某帝大経済学部→同大学院と進学し、学術雑誌にも掲載されるが、
アカポスの募集にはひっかからずに博士課程の表裏を満了。
周囲から紹介された非常勤講師を務めながら、翌年のアカポス採用にかけるが・・・。
しかし、その年の公募も全滅。さらに運が悪いことに翌年の非常勤のコマ数を2コマカットされてしまう。
貯金も底をついており、これだけでは生きていけない。やむなく、派遣会社に登録しようと面接に行く。
「実務経験は何かありますか?」派遣会社の質問に対する彼の答えは「いえありません。でも知的好奇心は旺盛です」であった。
「この不景気に実務経験ないのは厳しいんですよね」と派遣会社の社員はあきれた顔をする。
結局、会社には登録すらしてもらえなかった。他にもいくつかあたるが結果はどこも同じ。
B君は失意のうちにハローワークに行った。「よもや失業の研究をしている自分が職安のお世話になるとは・・・」
B君のプライドはぼろぼろと崩れていった。ところが職安にはまともな求人が全くない。
「これがいわゆる摩擦的失業ということか・・・。しかし俺の場合非常勤もあるし厳密には失業者ではないな」と自分を納得させる。
しかし、その年の公募も全滅。さすがにオーバードクター3年目突入はきつい。
この頃夜眠れなくなり、朝起きると吐き気をもよおすようになった。大学にも行く気力がなくなる。
なんとか非常勤だけは続けるが研究は完全にストップし、登校拒否状態になる。
昼夜逆転の生活で起きているときは酒ばかり飲んでいる。もはや精神状態は極限の状態に追い込まれた。
「もう研究をやめようか・・・」あまりの不遇な環境に、涙が止まらない。
しかし、B君には育英会の借金が1000万円近くある。これをチャラにするにはアカポスをゲットするしかないのであった。