筒井康隆がパクッた作品のデータをまとめたい。

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おや、雰囲気が変わってきたな。では、これだけ書いて早々に退散しよう

銀背の「泰平ヨンの恒星日記」(1967年10月31日初版)に掲載されているのは第12、14、22、23、24、25、26各回の旅
で、1&2が「パクリの元」と指摘した>>13の話は銀背版にはなく、1980年2月15日初版の早川SF文庫版「恒星日記」に
収録された第8回の旅が該当する
つまり、「マグロマル」出版後13年が経って、ようやく日本語になった格好だな
SF文庫版には訳者の故深見弾氏の詳細な解説があり、それによると、第8回の旅はポーランド本国でも
「泰平ヨンの恒星日記」が刊行された後、雑誌に掲載されたもののようで、作品としてはシリーズ10番目になる
ただ、掲載誌や日付については何の情報もなく不明。
60年代当時、日本のポーランド文学研究者でSFなどという下賎なものを読む人間はほぼゼロと断言していいだろう
レムが比較的早く日本に紹介されたのは、袋一平氏が東ドイツで出版されたレムをたまたま発見したからに過ぎないようだ
深見氏は当時まだロシア文学専門のはずで、レムの紹介と翻訳に手を染めたのは70年代に入ってからだ
以上の点から考えて、筒井が「マグロマル」を書いた時点で未訳の「第8回の旅」の内容を知る可能性は極めて薄いと思う

パクリとはちょっとずれるが「マグロマル」は筒井の生涯のテーマである「言語によるコミュニケーションの不可能性」を
初めて正面から取り上げた作品であるのに対し、「第8回の旅」はキリスト教圏の作品によく出てくる「人類の原罪」がテーマ
改めて読み比べたが、類似性はあまり感じなかった
274:2001/01/19(金) 15:50
長くなったので、分けて書く

国際会議でドタバタ、というくくりで類似作品がなかったか考えてみると、「会議は踊る」という
大物を思いついた。だいたい、筒井はフランス、イタリア、ラテンアメリカの文学が好きで影響を
受けているから、案外筒井もレムもこのあたりを個別にパクッたのではないか?
筒井が誰から影響を受けたかを論ずるときに、対象をSF関係者だけに限定するのは愚か、というものだろう
あ、俺は死んだオヤジが「フランス、イタリア、ラテンアメリカ文学には手を出すな」と言い残して死んだので
このあたりはよくわからないんだが
284:2001/01/19(金) 15:53
次に「チューリップチューリップ」について
1&2が示した>>14の内容は銀背版、文庫版双方に入っている「第7回の旅」だ
深見氏の解説によると、泰平ヨンの銀背版はSFM1962年4月号から同8月号にかけて、断続的に紹介された連載に
5話を追加して出版されたそうだ。だが「第7回の旅」がSFMに掲載されたかどうかは不明
つまり、「チューリップチューリップ」はパクリの可能性が残されている、ということになる
だが、よく考えて見ると時間の混乱で現在過去未来の自分が重複し、なおかつ過去や未来の自分はすごくイヤなやつ、
という設定は、かのハインラインが40年代に書いた「時の門」をはじめ、無数にある
、「チューリップチューリップ」も、アメリカの誰かの作品からヒントを得た、と考えるほうが、ずっと自然だろう
294:2001/01/19(金) 15:59
最後に「最高級有機質肥料」について
最近の、といってもここ2,3年の、という意味だが、 SFMの海外作品紹介のコラムで
アメリカの若手作家が「最高級有機質肥料」そっくりの小説を書いた、という話を読んだ記憶がある
もうホコリと格闘しながら調べる根気がなくなったので、だれか調べてみてくれ