秋山瑞人「猫の地球儀」

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100名無しさん
94を書き込んだ者です。
みなさま、レス、お気遣いありがとうございます。
98さんのご指摘どおり、私の書き込みは「ただの心情吐露」で
「はいはい」と受け流したくなるのももっともだったと反省致しました。
心情吐露は読まされる側としては、うっとうしくなりがちですよね。
「それはなんでか」を書かなかったのは、ネタバレを恐れてというのも
あったのですが、できるかぎりネタバレしないよう、ご説明致します。
(全くネタバレなしというのは無理ですが。)

僧正の説教が納得いかなかった点ですが。
私には、自分たちの罪や業を、幽になすりつけているようにしか見えなかったのです。
夢とは身勝手なものだ、他者を踏みにじってしまうものだ。
だから、こんな犠牲が出た、と僧正は主張しているのだと思うのですが、
私にはあの犠牲は、大多数集団の業によるものとしか思えませんでした。

多数派とは身勝手なものだ、少数派を踏みにじってしまうものだ。
だから、こんな「犠牲」が出た……と私は思ったのです。
社会における大多数集団は、常に少数派を踏みにじらなければ
生き長らえることができないという業を背負っている
と私は考えています。
たとえ、ほんのちっぽけな、無力な存在であっても、容赦なく踏みつぶす。
夢かどうかなんて、別に関係ないですね。
それが夢であろうがなかろうが、少数派は圧殺されるものでしょう。

従って、「夢は身勝手なもの」という主張を伝える手段として、
あの説教もエピソードもふさわしくなかった、と私は考えるのです。
すると、くるくる少女さんのおっしゃるように、
幽が地球儀を目指す事に対しての感動も薄れてしまうと思います。
しかし、それは私が説教からとりこぼされる人間だからであって、
きっと「猫の地球儀」という作品には何ら非はないのでしょう。
どんなに優れた説教も、100人中100人全ての人間を説得することは
できないでしょうから。

余談になりますが、96さんのご発言で、説教の中身だけでなく、
そもそも説教くさいこと自体に抵抗を覚えていた自分に気づきました。

以上、長文失礼いたしました。