うっつらうっつらと居眠りで夢うつつ
居眠りってさ、夢の中で足踏み外したり落下しそうになると
体がビクッときて起きるでそ?
夢で敵弾喰らった瞬間、体がビクっとなって辺りをキョロキョロ見回すパイロット
「うふふふふ」「やーね」
―敵機達の含み笑いが聞こえる。
グリーンコロナタスに授業用のデカいコンパスの尖った方でひっぱたかれる。
次元気流ゾーンの隅に立たされ、またしても眠ってしまったようだ。
閑散とした次元気流ゾーン。目が覚める。
ファッティグラトンが上目遣い気味に伝える。
「もうみんな帰っちゃったわよ?」
「…そうか。ではここに立ってても仕方が無い。一緒に帰らないか?」
「一緒に帰って、巨大戦艦達のウワサになったら、困るわ。
それに…あなたが眠ってる間にダライアス星は滅亡しちゃったの。」
「それは困ったな」
「グレートシング先生がぼやいてたわ。俺の受け持ちならダライアス星に平和が戻ったのに、って。」
「それにしてもコロナタスの野郎、今まで立たせとくとは、なんて攻撃だ。ヅラのクセに」
「もう日も暮れたわ。三日月が出てる」
「ところで、お前はなんで残ってたんだ?」
「…大事な話があるの。」
「?」
「落ち着いて聞いてね。もう大分アレが…来ないの。」
「…へ?それって…?」
「あの時あなたが大丈夫だから生でナマで、って云ったから…」
「なぁ、それってホントにその…俺で…なのかい?他の…」
「バカにしないでっ。……う、生まれる…」
「早いなオイ」
ざんざざーん、ざーざ ざんざざーん、ざーざ
ざんざざーん、ざーざ ざんざざーん、ざーざ
へろりろらー、ぴぴっぺ へろりろらー、ぴぴっぷ
へろりろらー、ぴぴっぽ へろりろらー、ぴぴっぱ
「次から次へと随分生まれるなぁ。しかも口から」
生まれては爆裂、生まれては爆裂、次々と爆裂する小グラトン。
「大丈夫。爆裂時に動かなければ当たらないわ。もっとも、アームは削れちゃうけど」
「いや、あと一発で撃沈だから心配無い」
撃沈。
「子供達を…頼むわ。きっと…強い子に」
「いや、もう爆裂してるって」
しかし彼女はそれ以上答えない。
徐々に次元気流の奥深くへと飲み込まれ、そして完全に見えなくなった。
―次元気流ゾーン出口へ向いながら、彼女の事を考える。
「これで…良かったのか?」
「良かったのかも知れない。が、それでも涙が止まらない理由は解ってる。解ってるさ」
思いを馳せる程に涙は止め処なく流れ何も見えず。
いつしか涙も尽き前を見ると眼前に迫るコース分岐の地形突起。
初心者みたいで恥ずかしいミスに悔やむ暇もなく。
「ぐ、しまっ…!」激突。
* * *
瞬間、体がビクッとなって目が覚める。
折しもカトルフィッシュが今しも7本の腕で7本のチョークを投げつけた刹那。