今更ながらロード・ダンセイニ『ペガーナの神々』に

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252名無しは無慈悲な夜の女王
これまでサイト「バブルクンドの神々」をご愛顧いただいた皆様へ。

「もう一人の編集人」こと、金光寛峯です。
昨日、とうとう私は腹を決めました。
かれに絶縁状を渡しました。
かれも簡潔かつ痛烈なそれを返してきました。

人の付き合いに、いずれ終わりは来る。そういうことでしかないのでしょう。
「滅びの風がバブルクンドを砂漠から運び去った」云々、きれい事にする気
など毛頭ありません。どうせ結末は罵倒のどぶどろ。醜いものです。お互い。
潮時だったのです。すでに私のなかでは諦めになりました。
「バブルクンドの神々」はその役割を終えました。もう再開することもあり
ますまい。長年のご厚情に深く感謝する所存です。

かれとの付き合いはおおよそ 1年半、今は亡き「バブルクンドの神々」
掲示板に書き込みをしたのがはじまりでした。昨年夏に刊行した機関誌
「PEGANA LOST」第 7号から (初めてのオフセット誌でした) 私は編集に
参加しました。二人で一生懸命ダンセイニ邦訳目録を編んだのはいい思
い出です。 2回ほど酒も酌み交わしました。
続いて冬の第 8号、印刷トラブルが発生し、
「こんなみっともないものが売れるか! 全部刷り直しだ!」
「珠瑕にも当たらない、約束通り出すことが一番大事だ!」
と、ケンカになったことも。
思えば、雑誌の共同編集をするようになってからは罵倒の仕合でした。
これはどうも仕方のないことでしょう。
殊に、ここ数ヶ月はいよいよ互いの意見の相違は覆えないものになって
きました。掲示板運営やもろもろの姿勢について、などです。

そして昨日、とうとう私は腹を決めたのです。
かれに絶縁状を渡しました。
かれも簡潔かつ痛烈なそれを返してきました。

好きなことをやりたい。そもそもそれが同人活動というものでしょう。
はじめは一致していたそれが、少しずつズレてきた。もし私が間違って
いたとすれば、もっと早く、互いに激興することなく、データやサイト、
雑誌等の引継ぎを話し合うべきだったということでしょう。
されど、それはもはや手遅れなのです。このことを悔いている暇はあり
ません。「PEGANA LOST」 ――いや、この誌名はもはや使えないでしょ
う、今年冬に出す予定のダンセイニ研究誌の編集は待ったなしなのです。

必ず続けます。まだまだこれからなのですから。ようやく認知されてき
たところでしかありませんし、紹介を待つ作品は無数にあります。いず
れ公式サイトも作ります。
これまでご愛顧、ご愛読をいただいてきた皆様にはまことにご迷惑を
おかけいたしますが、まだまだ私は倦み疲れておりません。

今はただ、かれに「長年ご苦労さま」とだけ言っておきます。
かれがどう受け取るかは勝手です。かれにも言い分があるはずですから。
しかし、かれがたった一人で「PEGANA LOST」や「バブルクンドの神々」
を始めたことが、そもそもすべての始まりだったのです。
そのことだけは私は忘れませんし、その労苦を多とします。

金光 拝
2002.6.19
[email protected]
言うまでもございませんが、転載自由です。