今日読んだSF/FT/HRの感想 13冊目

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150名無しは無慈悲な夜の女王
Thor:Blood Oath 
アメリカ 2005
ライターMichael Avon Oeming
アーティストScott Kolins

MARVEL COMICSより出版された連作シリーズ
先日まで映画も公開されていたヒーロー
雷神ソーとその親友の三戦士たちが
贖罪のための試練を迫られ 世界や時代を超越した冒険へと旅立つ

ニューヨークで暴れる巨大化した悪役アブソービング・マンを
たやすく退けるも、残された破壊された町並みや傷付いた人々を見て心を痛めるソーから物語が始まる
ソーの地球人としての姿であるドナルド・ブレイク医師は同僚のジェーン・フォスターとの語らいで
地上に最初の生命を生み出したのは「雷」であるという話を聞く
その後、悪夢にうなされるドナルドはソーとなり地上=ミドガルドを離れ故郷アスガルドへと向かうと
そこでは盟友である三戦士が裁きの場に赴いている事を知る
オーディンらの決定は三戦士とソーに困難を極める試練を科する事であった
151名無しは無慈悲な夜の女王:2011/08/29(月) 19:51:09.53
その試練で登場する神話の登場人物たちは
世界樹イグドラシルと樹に住むラタトスク、樹になる林檎(今作の設定ではそうなっている ちなみに女神イドゥンの林檎とは別物という事)
デュオニソスとハーキュリーズ それからゼウスたち
現代のアイルランドにてはトゥアハ・デ・ダナーンとクーフリン
日本的世界において天津甕星(作中での表記は“Mikaboshi”)と草薙の剣(作中での表記は“Grasscutter”)
そしてエジプトでのトト神と多彩を極めている

冒頭の展開からは裏腹にコミカルな調子で進行していき
過酷な戦闘も殆ど行われないながら
ソーと悪酔いしたハーキュリーズとのレスリングや天津甕星の名の元に争う死者たち等 見所は多い
初めて見かける神々や設定も多く天津甕星はMARVELで今作において初めて言及され 後のシリーズChaos Warにおいて改めてソーと激突する事になる

そこまでの長編ではないので少々食い足りない所は有るがライティングもアートも非常に好み
「映画と設定が違う」とか「現行シリーズと設定が違う」という人もいるだろうとは思うが ソーと三戦士は高潔で誇り高い事は変わりは無い
最後に付け足す事としては、ジェーンは