1 :
名無しは無慈悲な夜の女王 :
2010/09/12(日) 00:58:41 ヴィンは俺の嫁
どうするんだよこの糞スレ。FTスレあるから要らんだろ。
元スレが復活したらこのスレを落とせばいいだろ。
第三部っていつ出んの?
今月の22日。全3巻を隔月で発売予定 年末年始にゆっくり全巻読みたかったが年またいで残念だ 表紙出たけど絵師変ってるぽいね 前の方が絵的には好みかな、構図は糞だったが
新作The Way of Kingsでたね。俺のところにも昨日届いた。 ミストボーンをしのぐ大作になりそうなのは、執筆予定をみるだけで明らか。 一冊目だけでも1000ページあって、文字の密度もかなり高い。 前作のWarbreakerが軽めだったから、これには驚いた。かなり力入れてるみたいだから、読むのが楽しみ。 意外と伏線が予想通りだったよね、Warbreakerは。 主人公(姉)を保護してた傭兵2人が実は敵だったとか、 もう一人の主人公(妹)がお約束のようにGod Kingを愛し合うようになるとか・・・。 まだほとんど読んでないけど、近作は、どうもLashとかいう魔法で重力やら気圧やらを操作できるみたいだし、 ShaedbladeやShardplateとかいう武具がキーになってるみたい。
だんだんサイヤ人じみてきたな
ネタバレの荒らしかよ。
9 :
名無しは無慈悲な夜の女王 :2010/09/23(木) 19:50:18
作者アニメ好きらしいからねー どんなのが好きなのかまでは知らんけど、 ジャンプ系ならそうなっていくのは必然かな。
11 :
名無しは無慈悲な夜の女王 :2010/09/26(日) 08:15:04
なに言ってんだヴィンは俺の嫁だろjk
エレンドの嫁だどあほ
ヴィンは今俺の横で寝てるよ
それ尋問官
地の文とかで ヴィン:エレンドの妻 エレンド:ヴィンの夫 とか書かれてるとドキッとするw 行き着くとこまで行っちゃったか、てな感じ。 あ、まだガキが居なかったな……
結局元素はいくつあるのだね?
>>16 言っていいの?
バレ誘導になる質問とわかってて言ってる?
3部でてから数年たってんだし、ネタバレを気にしなくてもいいんじゃね?
んなワケねーだろ。
霧に殺される人の数がヒント
最後は映画のミストと同じラスt
ただし16ではない
まあもちつけおまいら。 メアは俺が貰っていくからそれで勘弁しろよ。
エラントリスも婿養子が瞑想したと思ったらイキナリカンフー初めて何事かと思ったが アクション描くの美味いなこの作家
ビジュアル的に生える戦闘描写するよね しかも下着で戦ったりと読者サービス的な展開もうまい
新作のThe Way of Kingsでも、いきなり主人公の一人が槍を持って、kata(武道なんかの型)を披露しはじめるぞ。 古い貴族の服装には、女性のスカートのようなtakama(袴か?)というものがあったり。 細かいところでちょくちょく面白い表現がでてくるわ。 Shinova(シノワ)国の住人と商取引するときは、商人はしきりに自分の商品がつまらないものだと誇張したり、 いろいろごっちゃになってるっぽいが・・・。
俺は原書読んだんだぜ、って話したくてたまらんのは分かるがちょっと黙れ
>>27 ここ作者の専用スレだろ?
すでに刊行されている書籍にかんして会話することに問題を感じないわけだが。
翻訳されたものに限定したければ、ハヤカワFT文庫スレがあるわけだし。
逆にあっちで原書の話する奴はスレ違いだな。
作家個別スレでも原書スレと分かれてるとこもあるわけだが スレがどうあるべきかじゃなくて、自分が語りたいから詭弁を弄してるだけだな よしわかった、思う存分ここでミスボン含めた原書既刊についてでも語ってくれ FTスレあるから実際問題ここいらんしな
べつに既刊だから話題にしてもいいんじゃねーの?なんでそんなにムキになってんのかわからん。 早川スレでネタバレされたらキレるがな。
というわけでここは原書も含めたネタバレスレにしようか。
バレ解禁手始めに>16から 合金術の金属は肉体系、精神系、時間系、増幅系の4系統に4つづつで16種ある そして16種とは別に、エランドが飲み込んだ霧の落とし子を作る金属とアティウムの2つがある 3部1巻の巻末秘奥義はマラシウムとアティウムが右下に描かれているがあれは正しくなくて右下2つに本来入る金属は未登場 アティウムは他の金属と合金術的に機能する合金を作る性質があって、マラシウムは金との合金。なので秘奥義の円の中には入らない 章の頭の手記に神の力とか神の肉体がどうとかあるけど、その辺も後々関係してくるから覚えておこう
ヴィンは死ぬけどセイズドを生け贄に捧げ復活する。
正確にはネタバレ解禁じゃないでしょ。
すでに発行された書籍の話題なんだから。
翻訳ものを扱うスレで未翻訳の内容をわざわざばらしたらネタバレ。
>>32 未知の金属は未知のまま終わっちまうんだよなあ。
実は未知の金属やアティウムのミスティングだったのに
死にかけるまで暴行された貴族が何人いたことやら・・・。
地脈の位置がずれたせいで無力化したエラントリス人って設定は面白かったな
この作家、アイデアを惜しげもなく使うよね。
37 :
名無しは無慈悲な夜の女王 :2010/10/11(月) 15:39:38
表紙絵はミストボーンの時のが好みだったのに… orz
時の車輪のおかげでオリジナルの小説を発表するペースが落ちてるんだってね。
>>35 でもそれを駆使してた国民としたら、その力が喪われたら、
死ぬ気になって原因を探ると思うんだがなー。探ってる間鎖国とかしてさ。
原因が単純なものだけに「・・・いやこれ、異変あった時気付く奴いるだろ?」と思った。
その辺の詰めの甘さがちょっと・・・とは思うが、
それにしてもアイディアの惜しみないつかいっぷりと、
クライマックスの盛り上げ方が上手いな−、と思う。すげー好き。
>39 全員力を失って、しかもまともな精神状態じゃなくなったんだぞ。
>>40 何故「力を失う=まともな精神状態じゃなくなる」限定なのかな
エラントリス人はもともと普通の人間だから、力使えなくても狂う必然性はないと思う
そのヘンが無理矢理っぽい気はする
まだ一読しただけなので、誤読だったらすまん
と書いたけど、エラントリス人の子供って「必ず」エラントリスの素因を受け継ぐの?
「もともと普通の人間だった」訳じゃない、生粋のエラントリス人もいるのかな
非エラントリス人とのハーフだとどうなんだろ
どっか書いてあった?
疑問に思ったならまず自分で読んで確認しろよと
>>41 まず読もうよ
人に聞くのも恥ずかしい質問だよ、それ
なんで第三部ってこんな地味な題名になったの? 霧の外套て… ミストヒーローとか何とかいくらでもやりようがあったろうに。
>>45 お前もサブタイトルちゃんと見ろ。「外套」じゃなくて「羽衣」だから。
実は霧が人類を真もってぅれてるんだと妄想してる。
×真もってぅれてる ○守ってくれてる orz
ミストという映画があってだな・・・・
ミストボーンは支配王がいないといまひとつ盛り上がらないな。 第一部の最後のほうは本当に興奮して読んだのに。
俺もヴィンにハァハァしながら読んだよ
そんなバレなんかいらねえんだよ! そんなあからさまなのより破壊神はあんなに出てるのに保存神は何やってるんだ? みたいなネタ振りしてほしかった。
支配王はラストバトルまではあまり出番がなかったけどキャラ立ちまくってた。 破壊神&保存神は失敗キャラだ。存在感が薄すぎる。
こうきたか
時の車輪の続編読んだけど違和感なかった 名人芸だな
The Alloy of Law はどんな話になるのかねえ 解説では残り2つの金属の話って言ってたけどアティウムとマラシウムを16に含めた場合 残り2個って他人の金属を消すやつと一瞬で燃焼させるやつなんだよな アティウムとマラシウムを含めない16種の場合は未登場は4つになって 時間系の未登場2種が加速能力と減速能力の金属、ってかなり強力だけど それともいったん設定破棄して新しく作るんかな
58 :
名無しは無慈悲な夜の女王 :2011/01/25(火) 20:57:27
_ r-、' ´ `ヽr-、 ィ7 /l: ハヽハ トヾ 駄スレを沈めることはこの俺が許さん! '|l |'´_` ´_ `| || 信念に基づいて行動する。 | |´ヒ} ヒ}`! l| それを人は正義と言う。 __ノ゙). 从 l, _'_. |从 今俺が行ってることは、保守ではない。 ,_'(_ ノ_ヽ ヾl.> - ,イ;リ 正義という名の粛清だぁ! { f:テ} {'f:テ}',/\ヽ--//ヽ ヽ,r─‐ 、ィ .、、 i l>Y<! i '、 バーニング! / iゝ_ノ iヽ /l |l l ', lンヽ/ムノじ
>>36 若いこれからの作家がアイデア惜しんでどうするんだ?
この世界って九州みたいな状態ですか?
博多弁のヴィンは興奮するよね
興奮してヴィンヴィンになるってやかましわ
ヨーメンあたりが創始者になって支配王教会とか設立されてそうだな続編
支配王は死んでからどんどんいい人になっていったけど 結局スカーを虐待した理由は何だったの?
最初から被支配階級として作ったから別段差別してるとも思ってないんだろ
支配王が作ったのはカンドラ、コロス、尋問官じゃね? この3者は血金術を通じて破壊神の影響を受けている。 貴族とスカーは合金術を伝える血筋だから保存神に属している。 ・なぜスカーと貴族の交配でしか合金使いが生まれないのか。 ・なぜスカーは子沢山で貴族は子供が作りにくいのか。 この辺の説明って作中で無かったよね?
人種ごとに知能その他いじったって記述はあったでしょ 要はスカーは消耗できる資源扱いのようなもん、労働力とかカンドラやコロスの作成とか >・なぜスカーと貴族の交配でしか合金使いが生まれないのか こんな事実は全くない。 もしや読まないでレスしてね?
いまのエジプトの騒乱でムバラク大統領って支配王みたいな位置づけなのかな
破壊神イスラエルをながめすかしながら長期政権を築いた人か。
>>64 支配王をいい人ととらえるのは間違ってると思う。
1000年前に支配王になったときは狂っていなかったとはいえ、
差別に基づいた階級社会、社会体制維持のための弾圧、
民族的な断種などなど、とても「いい人」と言えるもんじゃないよ。
人類を存続させるために、非常に歪んだ世の中を作り出してしまったとおもう。
被差別民出身のケルシャーやヴィンが挑んだのは、狂ってしまった後の支配王だけれど、
彼が1000年前に作り上げ、維持してきた社会体制でもあったわけで。
だからといって、アレンディじゃなくてラシェクだったからこそ
1000年以上も人類を絶滅させることなく存続させられたのだから・・・。
あなたは正義をどう考えますかって作者の問いかけにも読めてしまう。
( ;∀;)イイヒトダナー
いいひと、わるいひとみたいなものじゃなくそもそも民主的なものがなんであるのかラシェクは知らんと思う そういう封建的な社会に生きて来たんだろう
生き残った人類って大半がスカーだよな? 文明再建できるのか?
もとから帝国の人間の大半はスカーだが。
ジンドー人もちょっと宗教に敏感になろうよ。
灰と霧から解放された人類に花粉の猛威が襲いかかろうとは 支配王ですら想像もできなかったのであった。
支配王の我慢強さは異常。
一日の大半は寝てたんじゃね?
一方宮崎は灰から解放される見込みがないのであった
つまらない自己満足スレに堕ちていくのであった
ヴィンとエレンドは支配王を倒した後いろいろと大変だったがこれからはスプークが大変。 セトとブリーズ嫁が絶対にちょっかいを出してくる。
鋼の尋問官「抜いちゃらめぇぇ!
ネタを書く奴は誰も信用するな。 ほんのちっぽけなネタでもスレを汚染できるんだ。
義務官おつ。
・ケルシャー ・ヴィン ・エレンド この主役3人の骨がちゃんと保管されているあたりが新作にからんでくるのかな。 ラシェクの骨も保管されている可能性がある。
ずっとヴィンのターン。
ずっとヴィンをヴァンだと脳内変換してたでござる 早川は時の車輪の方も出すんかしら
支配王にかけて・・・!
どうか
靴靴と笑う
どうして最後のアレがアレロン氏だったんだろう。。。 フツーに考えれば南の廃墟だと思うのだがドーン?
肩こり酷いんで釘打ってもらったよ。(^^v
>>92 『殺せ、やつを殺せ』って声が聞こえませんか?
マーシュが魔王にでもなるんだろうか
そんなことしたらセイズドさんが干渉してくるんで無理です
セイズドはもういない。
次は数百年後の世界で神になったセイズドとテンスーン含むカンドラ族は出るけどマーシュ登場は保留中なんだよな
*このスレのレスはすべて破壊神に改ざんされています
ニャッハッハ!ワロタ!
伏線回収職人。
エレンド「おまえは以前よりも力が弱っているのか?」 保存神「ヾ(゚ω゚)ノ゙」 エレンド「この世界が終わりかけているからか?」 保存神「ヾ(゚ω゚)ノ゙」 エレンド「おまえはもう一方より弱いのか?ヴィンが解きはなったあれよりも?」 保存神「ヾ(゚ω゚)ノ゙」 エレンド「はるかに弱いのか?」 保存神「ヾ(´・ω・`)ノ゙」 保存神かわいいよ保存神w
保存神さんもお茶目だよね。そう考えると。
神が死ぬとポトッと空から落ちてくるシステムはおもろいな
107 :
名無しは無慈悲な夜の女王 :2011/03/08(火) 20:05:48.69
ミストボーン三部作以外に新しく翻訳予定はないのか?
時の車輪は翻訳してもらわないと困る
時の車輪は年内とかどこかで見たぞ。 むちゃくちゃになってる予言やら伏線やらどうやってまとめるんだろw
機関の2冊は読んだけど名人芸だと思う
>>109 時の車輪の世界では予言やオーラは必ず実現するって設定だっけ。
ミストボーンとかの伏線回収を見るとうまくまとめそうだが。
セイズドさん日本を助けて
落ち着くのだテリス族の男よ。
日本の“勇士”はいつになったら現れるのだ……。
1つ質問! スプークがゴラデルに持たせた鉄板の伝言。 ゴラデルは運んでる途中でマーシュに殺されて、鉄板はマーシュが音読したあと握りつぶされたけど セイズドはあの伝言が役に立った。ゴラデルは無駄死にじゃなかったみたいな記述があったけど セイズドってあの伝言内容をどこで聞いたんだろう。
神に何を言う。
なんかミスト読み返すとマーシュが可哀想になってきた……最初は盗賊仲間のために自分犠牲にして、弟死ぬわ神に操られるわ失恋引きずるわ……。 釘のせいでセイズド世界でも異形の化物扱いにされそうだし……破壊神いない世界でさまよってそう。 そして、疲弊したマーシュの最期を数百年後だかにメアに似た女性が看取るとか厨二くさい妄想してしまった自分が一番哀れ
でも、個人的には満足して成仏したヴィンエレより 死ねずに悔恨を背負ったまま生き続けるマーシュのが救いがあるラストだと思った やっぱり生きてるってのが大きい、可能性は無限だし
なんだかんだで一番コンプレックスに振り回された人かもね。
映画化まで保守。
無理。
彼の銅記憶は深夜アニメで一杯だった。。。
金属記憶は破壊神によって作画修正がされているかもしれない
支配王が破壊神に延々と囁かれて精神的におかしくなったって事は どっかに金属でも打ち込んであったってことかね?
>>124 それは流石に第1部読みなおせってレベル
ああ腕輪かなんか肉に食い込んでたんだっけ。 忘れてたわ。
127 :
名無しは無慈悲な夜の女王 :2011/04/29(金) 04:24:49.72
うかつに差し歯も入れられないな
骨折してプレート埋め込んでる俺は操られているかもしれん。
サプリメントも効果あるのかしら
不純物が入りすぎていて使えないだろ
合金術には使えるだろ。 ヴィンもそんな感じで使ってよね。
>>131 水とか食器からわずか〜に摂取してたってこと?
133 :
名無しは無慈悲な夜の女王 :2011/05/03(火) 17:11:12.62
破壊神と保存神って元は人間だったの? その二つの神が確か人間を造ったんじゃなかったっけ? なんか破壊神と保存神が元は人間だったと書いてる人がいたから気になって。 もし人間だったら本文のどこに書いてあるか教えてくれ。
元々は保存と破壊の二つの力を持った創造神がいて、人間も含めて色々作ったらしいけど、それがなぜか二つの力にわかれてしまっていた。 ヴィンたちの時代には、その力をそれぞれ人間が使っていた。それをセイズドが二つ併せ持つことで創造神となった。 この話は三部の三巻のしかも最後の方にようやく現れる。
それぞれ創造神はどんかなっちゃって 保存と破壊の「力」がそれぞれ後継者を選んだのがあの二人でしょ。 その保存神も死んで次の後継者として選ばれたのがヴィン。
温度の単位にケルヴィンってあるんだがケルシャーとヴィンの組み合わせに見えるな。
公式サイト見たら作者による膨大なコメントが… これまとめて本にしてくんないかな 3800円位なら買うぞ
エラントリス読了 これ面白いわ、ミストボーン3部作より面白いわ ジブリはGEDOSENKIなんて作らずにこれを映画化すりゃよかった 存在すら知らないんだろうけど
いかにも続編あるぞっぽいのはなんなんだろ。
いいよね〜。
>>138 俺も先日読了したが、脳内映像はジブリ絵だったわw
ミストボーンは映像的に暗めになると思うので、エラントリスの方が絵的に映えるかな。
「セイズドは花咲爺さんやったんやなあ」
エラントリスはホラゼンさんが悪になりきれなかったところが人間くさくて好きだった。あとハンキーケイ。
ジンドー=神道か?
空いた時間でミストボーンの作者注釈を勢いで訳す 注 ・当方の英語力はクソ同然である。原書は手元にあるものの、 カンニングペーパー(和訳版)無しでは半分も理解できるか怪しい ・正確には訳しない。だいたいこんなようなことが書いてある、 という程度に。もちろん、そもそも正確に訳する能力が無い ではやってみよう うむ ヽ( ・(ェ)・)ノ ぐるり 序章についての注釈(1) 各章の冒頭の、イタリック体で印字された文章内には、シリーズ全体にばらまかれた謎を理解するための手がかりが含 まれているんだ。それらを考察することで、物語への理解を深められるYO!でなければ、君達は最終巻のラストで全 てが説明されるまで待つしかない・・・ (※「イタリック体で印字された文章」とは、和訳版で言うところの各章番前にあるアレンディ、クワーン、製図怒の 文章のこと) 続く
続き この最初の、トレスティング卿と義務官のセクションは、本の草稿の最終段階になってから追加したんだ。僕は物語を どう始めるかについて、色々と悩んだよ。僕はプロローグのけるシャーのセクションをとても気に入ってる(元々はそ れがプロローグじゃなくて第一章だったんだ。)しかしながら、ケルシャーのセクションに入る前に、こき使われるス カー達の労働の様子を入れたかった。 頭上からズームし、ケルシャーは見上げ笑みを浮かべる。重要な場面として印象には残るだろう。僕は最初の草稿の段 階ではそれでいいと思っていたんだけど、後になってそういった「全知の視点」からの表現は適さないと思い直したん だ。特に、物語の最初のセクションだということもあるしね。なので、このシーンはトレスティング卿の視点で書こう と考えたんだよ。 (※「全知の視点」ってのが直訳すぎるけど、和訳版のあとがきで訳者の人も同じ書き方をしてたからこれでいいのか と思う。要するに登場人物の誰かの見ている視点ではなく天空から見下ろすような、神の視点=全知の視点と言ってる んだと思う) 続く
続き それを変更した結果、現在のような表現になったことに満足してるよ。とは言うものの、君達がまさに物語の最初に読 むシーンが悪役の視点だと、この物語は悪役からの目線で描かれると思われないとも限らない。あくまでプロローグと いう限定されたパートにおいて、後に続くケルシャーのセクションを引き立てるためのものだ。まあこれによって実際 にトレスティング卿が物語のメインの人物と思われることは無いだろうとは思うけどね。 そのことは別として、この場面においてミストボーンの世界の主要な構成要素------義務感、鋼の尋問官、灰、貴族、 支配王------などについて、大雑把に簡単な説明もできて良かった。僕はこのシーンを読み返すと、トレスティング卿 を見上げて笑うケルシャーにちょっとした寒気を感じることもできるYO。 ヽ( ・(ェ)・)ノ というようなことが書いてあるような気がするよ、親愛なる君。 うむ、時間に余裕がある時は、ほら、続きを訳してみるかもしれないね。
まだ少し時間があったので、プロローグ後半の注釈も訳してみたよ 序章についての注釈(2) 僕はプロローグにおいて、意図的に世界設定を強く打ち出すことにした。ファンタジーの物語世界に対する人々の先入 観というのは大きく、それを書き手の思い通りの世界に強く引き込むのは容易じゃない。この物語に関して、僕はミス トボーンの世界の歴史や文化といったものを現実と重ね合わせて欲しくはなかったんだ。ミストボーンの世界の構成に は、あらゆる物を参考にした。僕は君達には既存の概念はすっぱり忘れて、君達の心の中に僕の考える物語の世界を創 造して楽しんでもらえると嬉しいと思っている。 続く
続き これは、太陽が赤く、空からは灰が降り、夜には霧が大地を覆い、植物は緑ではなく茶色のものしかない世界だ。僕ら の世界では、農民の集団が奴隷として扱われているような生活を目にすることはないよね。そういう部分ではミストボ ーンの世界は現実とは剥離しているんだけれど、冒頭でトレスティング卿が時間を確認するために取り出したのが懐中 時計だという、近代の僕らの世界のような要素も含まれている。後の部分では、ゴシック的な大聖堂風の建築物や、現 代に近いような作業服で労働するスカーの人々なども出てくる。これらは、僕が作ろうとしているイメージの単なる一 部分というわけじゃない。特定の時代や場所に属さない世界。実際のところ、物語を読み進めるうち、そういった様々 な時代や場所にありそうな要素の欠片が組み合わさってできた、いつの時代でもなくどの場所でもない世界を感じても らえるんじゃないかと僕は期待している。 ------------------------------------------------------------------------------------------------ 続く
続き 僕は、プロローグでケルシャーが腕の傷跡を見せる場面が気に入ってる。実際、ケルシャーという人物をどのように印 象付けるかを考えるのは楽しかったよ。彼が気さくな(というよりはむしろ軽薄な)人間であること、苛烈な過去を過ご してきたことなどを表現する機会を彼に与えることもね。彼はどれほどの傷を抱えているだろうか、目に見える傷と見 えない傷、彼は両方を持っている。章末でのトレスティング邸宅襲撃は、彼が実際にどれだけのことをやってのけられ るかということを端的に証明しているんだ。 更に、ケルシャーが何故よく笑うのかということも文章から読み取れるだろう。根っからの楽天家であるという見方も あるだろう。実際のところ、それもある程度は事実であると言える。ついでに言うと、僕は楽天的な人物を書くことが 多いんだ。ただ、ケルシャーに限って言えば少し別の意味合いも含んでいる。彼はラオデンとは違うんだよ(ラオデン は本物の、しかも修正の余地の無い楽天家だ。)ケルシャーの場合、彼はとにかく頑固な男なんだ。彼は、支配王に自 分から「笑うこと」を奪わせはしないと決心している。だからこそ、笑えるような気分ではない苦境にあってさえ、無 理矢理にでも自分を笑わせようとするんだよ。 (※ラオデンは作者の別著作エラントリスに登場する人物) 続く
続き これは、エラントリスで僕が描いた世界より過酷な世界かもしれないね。エラントリスは多くのゾンビが徘徊する世界 で、それが逆に突飛な部分もあったから。いずれにせよ、プロローグでの目的は終の帝国という場所がどういったもの か表現するというところにもあった。ケルシャーの表向きの態度と世界の過酷さの対比、貴族の富とスカーの生活の酷 さの対比といったものに関してね。 ------------------------------------------------------------------------------------------------- ジョシュア------私のスタッフの一人------について。彼は、章末のケルシャーによるトレスティング邸宅襲撃の様子 をアクションシーンとして描写するようにプッシュした。僕は結局書かなかったんだけどね。合金術の魔術体系は実に 複雑で、物語の中でどのように動作しているかは読者の理解に頼るところも大きい。僕はこのシーンでケルシャーのア クションシーンを展開すると同時に合金術を説明することで、話の展開を減速させたくなかったんだ。代わりに、ここ ではケルシャーがその能力でどれだけのことができるのかを単にそのまま示したかったんだよ。後ほど(第六章くらい だっけ)で合金術を使ったケルシャーのアクションシーンが見られるよ。 続き
続き -------------------------------------------------------------------------------------------------- オーケー、ついでに余談を。君達はおそらくご存知と思うけど、メニスは後で再登場する。実際のところ、僕自身は彼 を再登場させるつもりは無かったんだけど、第一読者のみんながメニスは主要人物の一人であると予想したことには驚 いたね。多分、朝起きる時の彼の様子を細かく書きすぎたことがそう思わせた原因だろう。なので、後にケルシャーが ある場面でスカー反徒の一人と神妙な会話を持つシーンにおいて、僕はメニスに降り積もったホコリを綺麗にはたきお として再び彼を起用したんだよ。整合性を取るためにそのシーンを何度か書き直すはめにはなったけど、結果的には満 足してる。そのシーンについては、後の章の注釈でもう少し触れることにしようか。 作者による序章についての注釈(2) 終わり
スプークマ乙!
時間があるうちにもう少しやっておこう 第一部全般についての注釈 エラントリスとは異なり、僕はミストボーンの物語を複数のセクションに 分割し、個別の「部」として配置する方法をとった。各部のタイトル付けは、 比較的容易なことだった。第一部は大部分がケルシャーを中心に展開するので、 彼にちなんだタイトルにするのが適切だと思ったよ。 更に、僕は「ハッシンの生き残り」というフレーズ自体を気に入ってるんだ。 ただ、一つ悲しいことは、ケルシャーにはフルネームとして良い名前が全く 思いつかなかったことだね。 考えてはみたよ、例えば「ケルシャー・ミストシャドウ」とか。 他にもいくつか候補を挙げてみたものの、どれもしっくりこなかった。 二つ名として、「ケルシャー、生き残りと呼ばれる男」とするくらいしか なかったんだ。結局は、それでうまくいったんだけどね。 ( ´・(ェ)・)ケルシャー・ミストシャドウはさすがにどうだろう
それにしても作者の注釈、250項目くらいあるのか・・・ 一冊目(原書換算)だけでも70以上もあるんだよね ( ・(ェ)・)俺、これを翻訳し終えたら、エレンドから爵位を貰うんだ 一章の注釈(1) 「序文」、「導入部」、まあ何と呼んでも構わないんだけれども、この各章の 最初の部分は僕にとっても興味深いものだ。君達がもし、この注釈を見ながら 初めてミストボーンの物語を読み進めているなら、この導入部に書かれている 様々なことにしっかり注目することをお勧めするよ。ここには物語の中で 極めて重要な、かつ付随的な情報がふんだんに含まれているんだ。 物語がクライマックスに至る前に様々な謎や伏線に気がつきたいなら、 ここにばら撒いてある小さなヒントが役に立つかもね。 (※ここで作者が言う「序文」「導入部」というのは、 毎章の章番前のアレンディの日記のこと) -------------------------------------------------------------------------------------------------- 続く
続き 第一章を改めてプロローグとは違う視点からスタートすることは、僕にとっても ヴィンと共に物語を始めるという意味がある。物語全般を通してメインになる人物は 彼女だからね。非常に強い観点を持って彼女のキャラクターを打ち立てるために、 この一章が大きな助けになるようにしたいと考えていた。 僕達はヴィンと共に、この小セクションで多くの重要な情報を得ることができる。 僕は、このリーンのアドバイス、教訓から始める流れが良いと思った。君達にも すぐにわかっただろうけど、リーンの教訓はヴィンに対して大きな影響力がある。 この章での彼の教訓は、後の章でのそれより強めに印象づけようとしている。 思うにヴィンに対する彼の強い影響力を示すためにはそのくらいで 良いんじゃないかな。この部分だけでも、リーンの大まかな人物像と、 ヴィンの頭の中に彼の言葉が響くことの意味がわかるだろう。 (※「ヴィンの頭の中に彼の言葉が響く意味」ここでは作者はさほど深い意味では言っていないのだろう 実際のところ、この時点ではヴィンはイヤリングを身につけてはいないので、頭に響くリーンの教訓は まぎれもなく彼自身の言葉がヴィンに強く根付いてるということを示しているのだろうから) 続く
続き 僕の欠点の一つは、イントロダクションに登場人物に関する情報を たっぷり詰め込みたくなる点だ。この章でのヴィンに関する描写も その典型例だろうね。登場人物についてひたすらに詳しく情報を並べるのは 楽しいけれど、それも度が過ぎると読者にとって退屈になってしまうことは わかっている。僕がとにかく何かしらの事件が起きる場面まで話を 進めてしまおうとすることがあるのもそのためだ。そうしなければ、 僕は本に実際に書かれている分量の倍以上のスペースを使って、 延々と登場人物に関する描写を続けてしまうんだよ。 作者による1章についての注釈(1) 終わり
今すぐ金属に書き写す作業に入るんだ!
( ´・(ェ)・)今日はもう錫を燃やしすぎたようだ なので最後に小ネタ 原書購入当初、機械翻訳の力に頼ろうと考えていた俺は 小説を読む場合のその役立たずぶりに絶望したYO 例:和訳版一巻の98ページ中ほどより 「いったいどういうことだ!」キャモンが立ち上がる。その顔は陽光のように真っ赤だった。 ↓ 原書での同じ箇所を、機械翻訳に放り込むと・・・ ↓ 「これであること!」Camonは立って、彼の顔は日光として赤です。 ( ・(ェ)・)キャモン・・・なんで東部の訛りあるのがこの男。
赤い男の〜 燃えるトラクタ〜
乙乙! できたら、ヴィンとエレンドが出会った所とか ラストシーンとか知りたいです…
( ´∀`)「さてさて、私なら翻訳が不要とは思わないな。つまるところ・・・」 「王は命じるものよ」 ヽ( `Д´)ノ「翻訳してみよ!」 続きだよ 一章の注釈(2) キャモンが登場するシーンも、いくつかの観点から重要だ。一つは、従僕の服装の質が良すぎることについてヴィンが 言及するまで、彼女は自分から口をきこうとはしないことだ。これは別に、ヴィンが極めて無口な人物だと紹介してい るわけではないよ。彼女は自分が内向的な、臆病な性格であると周囲に思わせておくのが賢いやり方だと心得ているん だ。そして必要に駆られて口を開く時も、のろのろとぶっきらぼうに必要最小限のことだけを答えるんだ。 続く
続き もう一つのポイントは、ヴィンの「幸運」の使用。この点について、プロローグで言及した支配王が危惧する「ある力 を宿した子ども」やケルシャーの能力と関連付けられるものが見えるだろう。ヴィンはこのカテゴリにぴったりと合致 する。ヴィンは明らかに特殊な能力を持ってはいるものの、それが何故なのか、またその能力を引き出すための正しい 方法についても全く知らない。ヴィンが合金術とは何かも知らずにその能力を微量ではあるが使えていたことに関して は物語的に説明が難しかったんだけど、それについては後ほど物語の中で解説されるだろうね。 -------------------------------------------------------------------- キャモンは、元々は完成稿に書かれている彼よりももっと無能な男だったんだ。元々の草稿では、ヴィンが絶えず(こ の章や次の章で)義務官やキャモンの手下とキャモンが会話する度に、彼の会話から出るボロを懸念するような描写が あったんだよ。そうすることで、僕はヴィンが知的で洞察力があるように見えると思っていた。キャモンやクルーとの 対比でね。 続く
続き でも僕は結局、この方法がうまく働かないことに気がついた。当初のキャモンはあまりにも無能すぎた。プロトタイプ キャモンは、一度として自分の部下をうまく扱えたことすらなかっただろうね。しかも、彼を無能すぎる存在にしてい たことで、ヴィンに対する脅威としてもそれほどのものではなかったよ。いつだって敵対者は強いのに限るね。もしも ヒーロー役の圧倒的な強さを誇張したくて、相手が弱すぎることでその力量差をより際立てたいというような場合以外 ではね。キャモンはこの物語の中の敵対者としては小物にすぎないけど、ヴィンがまだ自分の能力を全く把握できてい ない段階においては彼をある程度強化したことで話の流れははるかに論理的になったと思う。結局のところ、キャモン が多少パワーアップしようがしまいが、失う物も特に無いしね。 作者による1章についての注釈(2) 終わり 今日はもう一つくらいいけるか?
2章の注釈(2) ドクソンは本名よりも先にあだ名の方から決定した。僕は、なんだかよくわからないおかしな理由から、「ドクス」と いう呼び名の人物を作りたくなったんだ。そのあだ名も、特に深く考えたわけでもなく、唐突に僕の頭の中に飛び込ん できて突き刺さったよ。で、この物語では主要な登場人物は皆あだ名を持つことにしたので、僕はドクソンの本名が決 まるまで「ドクス」をいじくり回したよ。もちろんその結果、僕は「ドクス」の後ろにくっついた「ソン」が彼の名前 を終了させることも確証した。ついでにその言語パラダイムを活用して、他の脇役の名前も決めることができたんだよ (2冊目のフェルソン、3冊目のフランソンとかね。) (※ここは向こうの国の人との感性の違いか、どう訳したものかさっぱりわからない。「ドクス」の響きには向こうの 感性では何か面白ネーム的な響きの印象とかがあるんだろうか)
続き この章の冒頭、ドクスとケルが外壁の上で会うシーンで、僕はとても 良い感触を得たよ。僕はこの物語の------特に始まりの部分に関しては、 強盗映画のような雰囲気が欲しいと思ってたんだ。例えばオーシャンズ11とか、 スニーカーズ、ミッションインポッシブルみたいなね。 僕は二人の経験豊富な盗っ人が、外壁の上で彼らの集めるチームについて 相談する風景が丁度いいと思ってたよ。それはこの物語の構想にあたっての 主要なインスピレーションの一つだった。僕は以前、合金術とヴィンの 人物設定のために他の本からコンセプトを得たと書いたことがあるけど、 プロットは、強盗映画のような雰囲気の物語を書きたいという欲求から 来ている。僕は今までファンタジー小説でそれがされているのを あまり見たことはない------専門家が集まってたチームが、非常に困難な 盗みの計画を実行してのける、というようなのを。 続く
続き ジョシュアは、ケルシャーが尋問官の注意を引いて逃走するところで、 またしてもアクションシーンを要求した。僕はジョシュアの提案の大部分は 取り入れてるんだけどね。事実、この物語に早くアクションシーンを、 という彼の願望は、考えうる範囲の展開の中で僕がまだとっていない選択肢としては 最大の忠告ではあったんだ。というのは、僕は適切にアクションシーンを 書くには、その前に除々に合金術の世界を説明していくための時間が必要だと 丁度考えていたところだったから。実際、多くの時間を費やして説明しなければ、 アクションシーンを早く持ってきたところで合金術の作用についても よくわからず、物語自体が失速してしまうだろうから。次に続くいくつかの シーンを適切に展開するためには、前もって適切な説明が不可欠なんだと いうことを僕らは話し合ったよ。 作者による2章についての注釈 終わり
>>162 実際のところ、自分が最初から順番に読むのに大雑把に訳したのをそのまま垂れ流しているだけなので、結局のところ飽きるまで順番通りにってことになるかと思うます。
哀ればスプークマの飽きがくるのが遅ければ、支配王が死ぬまでくらいなら続くかもね!
訳してると「実際のところ」とか「結局のところ」とかがやたら馴染んできて困るな・・・
なんにせよ内容に関して正しいのは5割、3割くらいは何か解釈が違っていて残り2割くらいは完全に嘘ついてるはず。
ここ全然違うだろ、と指摘してくれる猛者がいれば歓迎。
ではまた近日推参 ===ヽ( ・(ェ)・)ノ やめるのたくさんは時間ないのこと!
( ・(ェ)・)スプークマさん、ありがとう。 とっても読みやすい。この文体で読めるなら、半分以上嘘をつかれてもかまわない。 というより、口調がなんとなくケルシャーの最後の手紙っぽくて泣けるです。
今日もちょっとだけやってるよ 3章の注釈 ケルシャーは僕にとって特に面白味のあるキャラクターだ。彼の人物像の大部分はこの章で確認できるだろう。彼は二 面性のある男だ。もちろん二面性というのは、この物語のテーマの一つでもある。ケルシャーの持つ一つの側面は、章 の後半で見られるような、冗談を好む能天気な男だ。しかしもう一方では、非常に危険で無慈悲な男でもある。冗談交 じりに自分自身を笑い飛ばしたりはするが、自分を偽るようなことはしない。ケルシャーはストレートなヒーローでは なく、尖ったところがある人物だ。僕は彼を物語の主役に仕立てあげようとは思わなかったんだ。彼には、たまにはち ょっとイライラさせられることもあるしね。 -------------------------------------------------------------------------------------- この章の導入部の文章に登場するキーワードに注目して欲しい。僕はここで「テリス」について言及できることを嬉し く思うよ。この名称を覚えておいてくれ、今後至る所で目にすることになるからね。 続く
続き 僕は章前の導入部によって、物語がありがちなファンタジーのように感じられてしまわないかということを不安に思っ てる。何かを暗示している「予言」に類するようなものはファンタジーの物語ではお決まりの要素なので、できるだけ 避けたいとは思っている。ミストボーンの物語の中では、世界の歴史に関して詳細にまで関わりはしないけれど、この 導入部に限ってはある程度言及せざるをえない。 ------------------------------------------------------------------------------------- ミストボーンの初期構想段階では、実は「霧の使い」というものは存在していなかったんだ。合金術の使い手はすべか らく「霧の落とし子」であって、彼らは摂取した金属の種類に応じて合金術の様々な能力を全て使いこなすことができ た。 続く
続き しかしながら、物語を実際に形にしはじめてから、僕は合金術使いの専門家達によるチームを物語の中で活躍させたい と思うようになった。そのためには全員が全員何でもできてしまう「霧の落とし子」では面白くない。メンバーはそれ ぞれ何か特定の技術に極めて特化していて、それ以外に関しては未熟、あるいはいっそ全く使えない方がいい。強盗も ののジャンルはえてしてそういうものだ。「スペシャリスト」という存在が欲しいんだ。そこで僕は合金使いを区分し て、上位と下位の合金使いが存在することにした。下位の合金使いは、数ある合金の中の一つしか使うことはできない が、その分その技術について熟達している。元から存在していた「霧の落とし子」は設定はそのままで上位の合金使い だけど、そもそも存在自体が非常にレアなため、「霧の落とし子」だけを集めてチームを組むというのは無理だという ことにした。実際、この世界では一人の「霧の落とし子」を得ることすら極めて幸運と言えるだろう(ケルシャーのチ ームはちょうど2つ目の幸運を得ることになった。) 続く
続き 今後の物語の展開を追えば、僕が合金使いを具体的にどのように区分したかを、ケルシャーのチームのメンバーが披露 してくれるだろう。もう一つ言うと、初期構想の段階では感情に作用する合金術は存在しなかった。何かもっと必要な 能力があるような気がして、「なだめ」や「かき立て」といった能力を追加していった------こそこそとね。これらは 戦闘には関連しない技能だけど、物語の中で展開したかった政治的陰謀のような流れを見せるためにはかなり役立って いるんじゃないかと思うよ。 作者による3章についての注釈 終わり
余談 このあたりの序盤に関する注釈の内容は、 最後まで読み終えていたらだいたい知っていたり予測できる内容が多いけど、 大雑把にこの先の注釈を流し読みしてみたところ、 本編では触れられていないブリーズの出自とかそれに絡んで 何故本名のラドリアンで呼ばれるのを好まないのかとか、 そんな話の詳細とかもポロポロ転がっているようです。
Hero of agesは日本語訳を読む前に原書を読んだ。でも、注釈は読んでなかったな。 読んでみるか。
( ・(ェ)・)続きのこと 4章の注釈 この章は1冊目全体にとってのイントロダクションというところだ。 僕は、ここでチームのメンバーが集うこのシーンがおそらくあまりにも 明白なほど長いことを心配している。とはいえ、強盗もののジャンルの セオリーを崩さないためにはやむをえない流れでもあると思うんだ。 僕はもちろんメンバーの中でハムもブリーズもとても気に入っている。 僕は、みんなが知っているような有名な強盗映画よりも、スケールの 小さいメンバーを書いて満足したいとは思わない。僕はそういった映画に ついてもっと深く知りたいと思うし、もし機会があるならオーシャンズ11の ような映画の仕事にも是非携わってみたいと思うよ。 さて、ハムとブリーズについてだけど、彼らは僕の作ったチームの基盤とも 言える人物だ。一言で言って、彼らはどちらもとても話好きな人間。 ヴィンのいる部屋に二人を放り込んでおけば、勝手に面白い会話が 始まるんじゃないかと思ったよ。 続く
続き ハムという人物を書き始めた最初の頃は、僕は彼について色々と不安だった。 哲学的な武闘派というキャラクターは、ポピュラーではないけれど皆今までに どこかで目にしたことはあるだろうね。この章のような場面で、ブリーズを 引き立てるような人物が必要になると思っていた。 ブリーズは尊大で、話がくどくて、自分が動くより他人を動かすような傾向が あるので、それに対して温厚で、でも話はやっぱりくどくて、優しげな人物が 必要だった。世の中の様々な事象を探求したいという欲求と、他人とは ちょっと違った視点から物事を見る目を持つ。そんなハムという人物を僕は 得ることができた。もう彼については何の心配もしてはいないよ。 作者による4章についての注釈(1) 終わり ここは短かかったからもう一ついってみよう
4章の注釈(2) 本章でもう一つの大きなポイントは「計画」の始まりだ。物語はここに 向かって直進していく。僕は、この淡々と続くこの章(いくつかのカットに 分かれているにも関わらず)が、情報を詰め込みすぎているであろうことが 不安だ。 チームのメンバーを紹介するための情報を交えていくために、どうしても そうせざるをえなかった。そしてこれは、「強盗物語」のセオリーから 僕が少しずつ別の方向へ進み始めるポイントにもなっているんだ。 先に述べたように物語を始めるにあたってのコンセプトは強盗物語 なんだけど、ミストボーン3冊全体の大きな概念を実現するためには、 強盗物語の要素だけでは小さいことも理解していた。 なので、書き直しを重ねるうちに、僕は「支配王の金を盗む」という まさに強盗物語的な目的を掲げつつも、やがてはミストボーン全体の ストーリーの核心となる部分へ移行していくための種まきをこの セッションからすでに入れ始めた。 ケルシャーの真の目的は、政府を打倒し支配王に復讐することであって、 彼自身にとっては金は重要ではない。そして物語が進むにつれ、 チームのメンバーは軍の中で大部分の時を過ごすことになってくる。 続く
続き 軍と言えば、当初イェデンはチームの雇い主じゃなかったんだ。雇い主自体が 存在していなくて、単にケルシャーが支配王を倒したいという裏の目標が あっただけだった。 アティウムを盗み出すことに焦点を当てるために、(方向性としては 強盗物語よりミッションインポッシブル寄りに)僕がとった方法は、 軍を立ち上げて訓練することだった。スカーの反徒イェデンという人物を 新たに立てて、彼に雇い主としての払いをさせることで、軍を結成して 運用する意義も大きくなった。 --------------------------------------------------------------------- この章で、11番目の金属について初めて言及する。僕はこの章が長い議論で 埋め尽くされているので、11番目の金属について触れるために別の機会を 設けられないかと考えていた。けれど、結局この議論の中で話してしまうのが 最適だという結論になったんだ。 続く
続き ケルシャーが11番目の金属について言っていることが、うさんくさく 感じるかい?うむ、無理もない。実際のところ、チームのメンバーも このことに限っては誰も彼のことを信用していないよ。 確かに、この章にはこれからメンバーが取り掛かるべきことについて 詰め込みすぎた。誰よりも僕自身がそう思うよ。 ------------------------------------------------------------------- もしかすると、君達はここでクラブスが言った「尋問官はあたしら全員を、 喉に鈎をかけて吊るし首にするだろう」という発言を覚えていてくれるかも しれないね。それは後ほど、実際に、唐突に現れることになる。 次に再びキャモンのアジトに戻って来る時に、それはちょっと関係している。 作者による4章についての注釈(2) 終わり
元から金属摂取量も多そうだ。
ヴィンの薄い本とかないのかしら?
なんか仕事が忙しくなってきたぞ 5章の注釈 「いつだって、別の秘密が隠れている」これは、このシリーズにおける不文律さ。 また、僕は人々がたやすく予測できてしまうようなありきたりな結末は 用意しないことも覚えておいてくれ(ただし、完全に筋が通った事柄であれば、 それが起こる可能性はある。) --------------------------------------------------------- オーケー、すまん、僕は嘘をついた。アクションシーンは6章で発生すると言ってたけど、 5章でもう発生してしまったよ。僕は自分で思っていたよりもスピーディーなペース配分が 上手いようだ!ただ、本当のことを言うと、このアクションシーンは物語の中で一番 気に入らないんだ。 続く
続き 合金術の基礎的な概念については説明済みなので、ここではそれらを 取り入れてみた。ケルシャーが白鑞で身体能力を、錫で感覚を強化し、 鋼と鉄を燃やして押し引きするのを見るだろう。 要は、能力的に全く不公平な戦いだ。なのであまり刺激的な戦いじゃ なかったということさ。ケルシャーが適当にそこらへんの金属の塊を 合金術でもってぶつければ、兵士はあっさりトーストだよ。 (※向こうでは焼け焦げたりせず単純にノックアウトしてしまう場合などにも 「トーストになる」というらしい?) 草稿の段階から何か物足りない気がしていたんだ。スパイスとして兵士に 盾なんかを持たせたりしてはみたんだけどさ。 続く
続き これは無骨な戦闘で、僕が常に思い描いていた合金使い同士の流れるような 詩的な戦いとは違う(ところで、これはミストボーン初期構想からそのまま 移植した唯一の戦闘だ。主役の男が金属の塊を飛ばすだけで敵の一団を 打ち倒してしまうシーンだった。それによって僕は、合金術の概念をもっと つきつめていくべきだと感じた。要するに当初の合金術はにわか仕立てに すぎなかったわけだ。) ----------------------------------------------------------- この章で、北方の神秘主義者についてふれたのは、「たもちびと」、特に その中でもセイズドの能力を前もってほのめかしておくためだ。彼らの 能力の1つに、自らの体重を重くしたり軽くしたりするものがある。 もっとも、2冊目もではそれらを目にする機会はあまり無いんだけどね。 作者による5章についての注釈 終わり
6章の注釈 僕の考えるところでは、この章からが物語が面白くなってくるところ じゃないだろうか。この類の章を書くことの意義は何か?それは 登場人物が知的な問題を解決して、物事を前へと進めていくことだ。 僕は、ケルシャーのチームのメンバーが難題に取り組んでいく流れが 好ましいものと思う。ここで計画達成のために提示された数々の問題点は、 どれも気が重くなるような難問ばかりだ。もちろん読者は最終的には 彼らが成功するところを見たいだろうし、彼らが適切に問題を 処理していけば実際にそうなるだろう。 続く
続き 僕はこのシーンを何度も書き直し、単にアティウムを盗み出すということから 物語全体の焦点をもっと深い所へ移し始めている。最終稿が完成した時、 僕は何か非常に満足した感覚を持っていた。言葉で説明しきれるものでも ないんだけど、とにかくそんな風だった。 ---------------------------------------------------------- この章でも、ヴィンについて僕の大好きな人物描写が炸裂している。最初の 数章で君達がヴィンについて得た情報は、殴り倒されたりしているような 悲惨なものだっただろう。しかしこの章での彼女について知りえるところでは、 彼女のもっと本質的な部分についてだ。 自分にとっての新しい環境に対し、彼女は非常に慎重かつ用心深い。 しかし一方では、まだ誰かを心底憎んだり非情であったりということも ない。彼女はその時その時で直面した現実をそのまま受け入れ、とにかく その瞬間を生きているんだ。 ----------------------------------------------------------- 続く
続き 小記事だ。(困ったな、たった今システムが壊れているのでこの文章を 隠すことができないよ) ここで、「支配王のよどみない記憶」能力について言及しよう。 これは後に重要な手がかりとなる。 しかし今、この記事を隠すことができない状態で書いているため、 うっかり書きすぎて破滅を招かないかが不安だよ。 1冊目を最後まで読み通せば、支配王が完璧な記憶力を誇っていた理由は すぐにわかるよ。 (※ここで作者が言ってる「文章を隠す」というのは、作者サイトの注釈文の 中で当初は反転しないと見えなかった文章、現在で言うところの赤字で 書かれている比較的ネタバレ気味の文章のことのようだ。どうやら まさしくこの部分の注釈を書いている最中にサイトが故障中で、 文章の反転処理ができなかったという当時の状況をそのままに 残してあるらしい) 作者による6章についての注釈 終わり
現在手元には19章後半部分までの注釈翻訳メモあり。 今日の5,6章あたりはまだ本編を読んでれば自動的に頭に入ってるレベルの内容だけど、 10章すぎたあたりから少しずつ注釈の中身が厚くなってるような気がする。 その分、怪しい翻訳をするのにもまさしく時間がかかるわけで、 中々作業が進んでいかんのであります。
スプークマさんいつもありがとう 疲れて帰ってきてこのスレ開くのが本当に楽しみです
今日もまたやってきたよ 7章の注釈(1) ケルシャー、マーシュ、メアの関係は、自然に発生した設定だった。 この物語のためにキャラクターを設計しはじめた頃、ケルシャーには何らかの 大きなトラウマが必要と考えていた。僕は彼が支配王の「穴蔵」に 叩き込まれたという設定の上に、彼には妻がいたということをつけ加えた。 メアに対するマーシュの言外の愛については、元々僕が意図していた設定じゃ なかったんだよ。まさしくこの章を書いている最中にその設定は生まれ、 ここに盛り込まれた。マーシュとケルシャーの間にある緊張感の理由が 必要となっていたんだけど、マーシュが自分が思い描いていた英雄には なれないことを自覚して、自らスカー反徒のリーダーの座を退いた(そして 「穴蔵」から生還したケルシャーがそれをやろうとしている)から------と いうだけでは何か不足なような気がしていたんだ。 続く
続き メアは2人の緊張感、わだかまりについて完全な理由をもたらしてくれた。 それは僕がいくつかの文章で暗示し、ちょっとした裏話を積み重ねて 物語に現れることになった。 ----------------------------------------------------- ヴィンが暗闇の作業場に立ち、調理場で笑い合うチームのメンバー達を 見ている場面は、彼女の人物像を決定付ける最初の、かつ基本の場面と なった。僕の他の注釈や随筆物を読んだ人は、ここがこの物語を 組み立てる上で特にスポットを当てた重要なシーンだと知っているだろう。 彼らに混ざりたいという思いはあっても、笑いやユーモアといったものの 中には入っていけず距離を置いてしまうヴィンのイメージは、未だ未熟な ケルシャーの弟子的なポジションとして適切なように思えた。 続く
続く もちろん、このシーンは僕が思い描いたヴィンのイメージの片側半分でしかない。 残り半分はもっと後の部分、いずれ本当の意味でチームの一員となり彼らの談話に 加わったヴィンが、部屋の外の作業場の暗闇の中にかつての自分の影を見たように 思う場面だ。登場人物達の心地よいやりとりと、物語を通してのヴィンの成長が、 僕の中での重要なポイントになっているんだ。 作者による7章についての注釈(1) 終わり
7章の注釈(2) 動作と反応。ここでのケルシャーによる合金術のレクチャーは、合金術そのものに 関してはもちろん、ミストボーンにおける金属に関連した魔法体系全般についても 共通するものだ。僕はできる限り物理法則に従った表現をしたいと思っている。 ケルシャーが説明しているのは、合金術とは心に思っただけでそこらへんにあるものを 好き勝手に手当たり次第投げ飛ばせるようなものじゃないということだ。 例えばテレパス、念動力、あるいはスターウォーズのフォースといった類の 魔法的要素に対するちょっとした皮肉でもある。確かに、そういった物理法則に 従っていないシステムでも、読者に理解しついてきてもらうこと、万人に面白いと 思ってもらうことは充分可能だ。しかしながら、僕自身にとってその選択が 魅力的と言えるだろうか?そして、人間が直接力を適用できる範囲という前提なら、 それは論理的と言えるだろうか? 続く
続き 物理法則に従った設定を用いるということは、現実の世界での物事の動作や 反応により近くなるということだ。圧力を加えれば、力はその方向に 真っ直ぐ作用する。力が強く加わっても、自分から真っ直ぐ押すか、自分に 向かって真っ直ぐ引くことができるだけだ。魔法のシステムが物理法則に 従って現実に近い動作をすることは、僕自身にとっては完全に論理的な意味が 通ることなんだ。 もちろん、ファンタジーの世界で魔法体系の設定をするのに物理法則を 適用しようとする僕がいかれてるのかもしれないけどね。 ---------------------------------------------- おお、ところで。人々はしばしば、僕がどれくらい先のことまで計画して 物語を進めているかを尋ねるんだよ。さてさて、この注釈の中で言及した ケースについてはどうだったろう?ケルシャー、マーシュ、メアの 関係などでは、すぐ前に述べたように、書き進めている最中に新たな設定を 思いついた。物語の穴を塞ぐための物が何か必要な時、そうやって勝手に 降って湧いてくれるものもある。しかしながら、大抵のものは事前に周到に 用意してあるよ。例を挙げようか? 続く
続き この章でケルシャーによって説明された金属だけが、合金術で効果を 発揮する金属の全てではないことが、三部作の3冊目の予兆であることを 暗に示している。君達は今後2,3年の間にこの物語が進むにつれて、僕が 今言っていることが徐々にわかってくるだろう。また、この時点で 気がつくのは相当に困難だと思うけど、1冊目冒頭の時点からずっと、 ヴィンの頭の中に兄の言葉が響くことについて、その理由に関連する 「何か」が提示されているんだ・・・ (※( ・(ェ)・)7章までしか読んでない時点でイヤリングとの関連性に 気がつくのは、困難どころか人間には無理な気がするんだけど) 作者による7章についての注釈(2) 終わり
なんとかかんとか次回で8章まで、つまるところ第一部がやっと終わるようです。 予告編 第3部の注釈では、ブリーズは実はハーフブラッドではなく純血の貴族 など本編で一切触れられていない情報が出てきたりする ブリーズファン必見 ( ・(ェ)・)ブリーズファンよりはきっとスプークファンの方が数は・・・ ( ´)∀`)親愛なる君、坊やが破壊神の影響で妄想に囚われているようだよ(ブリーズはぐるりと目を上へ向けた) ( ´∀`)彼のような年頃の若者は、たいていいくらかはイカレているものです
スプークマ乙
結局血筋が大事なんだろ? アジアの悪影響だな。
ハリー・ポッターでも読んでみろ。
ジャンプ臭がひどくて10pでやめた。
スプークほどではないけど睡眠時間が足りない日が続く やばい 8章の注釈(1) 本当のことを言うと、僕はケルシャーが正しいかどうかについて確信はない。 押しと引きの能力を学ぶにあたってのごく初期の経験として都市壁から 飛び降りさせるというのは、いささか極端にも思える。とはいっても、 そもそもケルシャーはかなり極端な人物だ。ヴィンが決断力と学ぶ速さの 両方に秀でていたことは彼にとっても好都合だったんだ。 --------------------------------- 霧の霊は、ミストボーン初期構想の段階から残っている要素だ。彼らは初期構想の 段階では、完成稿での彼らよりも色々なことをやらかしていて、僕は彼らは 面白い世界要素になると思ったよ。実際、霧の霊と主役が交戦する場面すら あったんだ。霧の霊が彼を飲み込んで消化しようとするのは、ある意味面白い 場面だったと思う。しかし、様々な面から見ても、霧の霊が霧の落とし子にとって 本当に危険な存在となるほどの危機ではなかったので、結局完成稿では 清掃動物のような側面を書く程度にとどまった。 (※清掃動物=他の動物の死骸を食べて養分とするような動物) 続く
続き 僕は本章を再読し、ルノーが霧の霊に近しい存在であることについて、自分が どの程度明白にしたかを理解したよ。おそらく少しやりすぎたくらいじゃ ないだろうか。この点について問題になったのは、アルファ読者の多くが ミストボーン初期構想にも目を通しており、彼らがカンドラの性質について 理解していたがために、ルノーという者が実際にはどういう存在であるのかに 気がついてしまったことだ。とはいえ、それはとてつもなく重要だとか 極めて驚くべきことだとかいうほどの話でもないので、君達がこの時点で ルノーの正体の推測がついたとしても、おそらくさほど問題はないだろう。 --------------------------------- この章には、僕がヴィンの人物像をまとめるために実に、本当に重要なポイントが いくつかある。一つ目は、ヴィンがケルシャーに対し、過去にマーシュがしばしば 彼を殴りつけるようなことはなかったかを尋ねるところだ。ケルシャー達兄弟が 何かしらの形でも互いを殴ったりすることなしにやってこれたという事実を、 ヴィンには想定すら困難だということが、彼女がそれまで送ってきた人生を 現しているんだよ。 続く
続き しかし、彼女は悪人ではない。彼女は人々が皆そうである(兄弟を殴ることが 当たり前な)のだと考えているだけであり、ケルシャーはそれを正そうとする。 僕が考えるに、彼女がそれまで直面してきた環境にも関わらず、それまでの 慣習を離れて良い方向へ向かうことができる点は、彼女の強力な キャラクター性だ。そしてようやくにして、本章からそれが表に出てくるように なる。さすがに数日で大きく変化していくようなことはないが、来るべきその時に そなえてこの章にいくつかきっかけを残しておきたかった。 続く
続き 最初のヒントは、彼女が本当の意味でチームの一員になりたいと思いはじめて いることだ。彼女が、ルノーの跡継ぎの役割を務めることから外れそうになった時、 彼女はそのことを残念に感じている。更に、これは非常に効果的なことだと 思うんだけど、ここで彼女は食事を食べきらずに少し残している。それは この章の中で、僕にとって素晴らしい瞬間だよ。 (※ここで作者が言ってるのは、今までその瞬間を生きることに重点を 置く刹那的な生き方をしていたため食べ物を残すことはありえなかったが、 先のことを考える生き方に移行し、自分にとって安全な場所を確保できた ことが必死にその場で食べ物を詰め込まずに残す余裕に繋がった、 ということなんじゃないすか( ・(ェ)・)ノシ 作者による8章についての注釈(1) 終わり 今日はこれがせいいっぱい( −(ェ)−)スマヌ
今日糞暑い中涼もうとブクオフ酔ったら エディングスのシリーズものが一挙に100円コーナーに並んでて吹いたんだが つーかエディングス翻訳こんなやってたのかとぶったまげた どんだけ優遇してんだよ・・・タニス・リーとか復刊シリーズ続き出せよと 真実の剣とか残り2部だけなのに打ち切りやがって・・・ ハヤカワちょっとバラつきすぎだろ>翻訳
スレチ
売れたからだろ。 ミストシリーズも場合に寄っちゃあ今頃三部まだぁとか言ってた鴨試練。
ぶっちゃけてラノベと一緒でイラスト付きの本は ジャケット買いでかなり売れ行きが左右されちゃうからな エディングスは絵師にも恵まれたかと。
新装版は旧版2冊分でお徳だし、絵もいまどき風だから売れた。
クシエルもかなり観光ペース早いし売れてるんだろね 氷と炎の歌だけはマジもうちょっと売れて欲しいと切に願うが…あれは最強でしょ 翻訳問題を考慮したとしてもなおズバ抜けて面白いわ
ブランドンもこのあと時の車輪シリーズ3冊は売れる予定だから それに合わせて増刷するかもね
やあ久しぶり くそ忙しくて1ヶ月ぶりになってしまったよ 8章の注釈(2) 僕は本章ではじめて、この世界の植物が緑色ではないことに直接言及する。 僕はこのコンセプトを始めの数章のうちに提示したいと思っていたんだ。 しかし、この類の設定は人々の心に定着させるのが難しいんだよね。 植物が緑色ではないというそのことだけをただ伝えても、 ほとんどの人々から容易に忘れられてしまいそうに思えるんだ。 それで、僕はケルシャーがそのことについて強く意識していることを 見せる必要があった。 続く
続き そして彼がヴィンに現在の植物は本来あるべき姿とは違うと 説明することによって、同時に読者にもこの設定を強く印象付けようとしたんだ。 もちろんもう一つ、この世界では花が咲かないということも挙げられる。 ただ、これに関してはまた後で触れることになるだろうね。 ---------------------------------------------- この章から、君たちはセイズドについて色々知っていくことになる。 彼はシリーズ全体を通しても、私の特に好きなキャラクターとして ランキングされている(ヴィンと、さらにまだこの時点では 登場していないある人物の2人と並ぶくらいね。) 続く
続き 闘争の中に身を置きつつも、平和的な態度を崩さないところが素晴らしい。 彼は従僕となるべく生み出され、謙虚かつ柔順であるように育てられた。 なお、彼はその育成過程が支配王によって指令された計画であることを 知っている。彼は支配王の計画通りの従僕としての生き方に沿いつつも、 反徒の一員としてケルシャー達に加担しており、そのような表向きと 実態との不一致も、彼を面白みのある人物に仕立てられた要因の一つだろう。 あえて言及しなくとも、彼については今後様々なことが見えてくると思うよ。 ------------------------------------------- 続く
続き また、セイズドは我々に物語の中で始めて信念と宗教に関する本当の議論を 投げかける。支配王という本質的に神とも言える人物が存在する上では、 これは非常に重要なことだ。僕は後でこのことに関してより多くの言及を するつもりだが、チームのメンバーの一部には宗教的な懸念がある者も いると知っておいて欲しい。 作者による8章についての注釈(2) 終わり
第1部全体についての注釈 僕はこの部分までで、自分が「何か」を持っていることを感じていた。 僕はエラントリスで上手く出来ていたことのいくつかを更に上回るような、 僕の持つ強みを見せたかったんだ。言い換えれば、僕は「君達がまだ 見たことのないような物語」を作りたい。ミストボーンは、うまくいけば まさしくそんな本になれると期待している。 僕は合金術というこれまでに自分が考案した中で最高の魔法体系を駆使して、 2つの強烈なアイディアと僕の最高のキャラクターを何人か生み出すことが できたと思う。 続く
続き 僕はこれらを最高の要素とするため、自分の本のうち2冊からも要素を吸収し、 それらを長い間頭の中で考えていた要素を結合した。そしてできたのが このミストボーンだ。 -------------------------------------------- 熟考した結果、物語の序盤の展開はややスローペースになったと思う。 僕の本ではよくあることだが、しばしば最初の数章を唐突な形で スタートさせるので、3冊目のクライマックスに向けて着実に物語を 構築しはじめる体勢に入る必要がある。 続く
続き 例えば次の章で合金術を使用した展開になる場合は、前もってその合金術に ついて詳しい説明の場を設けておかなければならない。 しかし、やはり僕はこの物語全体に対しての序盤に相当する第1部の展開は これで良かったのだと思う。色々と苦心した甲斐があって、ヴィンの人物像は 強く打ち出され、スムーズにスタートできた、じゃないか? このまま物語が 進むにつれて、全ては上手く流れていくだろう。 作者による第1部全体についての注釈 終わり
222 :
sage :2011/08/26(金) 11:04:05.37
救済カキコ
ミスとシリーズ一気読みしたよ いきなり内容の話じゃなくて申し訳ないが、一部、二部の表紙の人 一巻は絵がすごく丁寧なのに、巻がすすむとどんどん絵が雑になってくね。 三部はどんな感じになるのか楽しみにしてたら、人が変わっちゃって ある意味残念だった。 スプークが破壊神に利用されてアヒャらなくて良かったなー 結構暗い話だけど、こういう展開だけは見たくないなーって展開は ない、もしくはペンロッドのとこみたいにさらっと書いてくれるところが 好きさ
224 :
名無しは無慈悲な夜の女王 :2011/10/03(月) 23:22:21.84
yome
>>223 スピリットの3巻とかなんかもうギャグだしな。コロスの存在でwww
飛竜雷天(The Gathering Storm) 上下 11/24
これはキターの?
結局1500円だとかってレスが早川FTのスレであった。
見てきた。ありがとう。 1冊1500円って… 今までの7、800円×5冊と結局変わらないと考えるべきか サンダースンも時の車輪も好きだから買ってしまうけども
>>229 × 今までの7,800円x5冊
○ 今までの7,800円x8冊
231 :
名無しは無慈悲な夜の女王 :2011/12/03(土) 01:24:13.55
ロバート・ジョーダンもボケネコ先生もいないけど、確かに時の車輪だ。
既刊を購入は諦めた。 図書館で地道に読破する。 サンダースンにたどり着くまでみなさんひとまずさようなら。
これから232の果てしない旅が始まるわけか ガンガレ
がんばってアエズセダーイになろう
男性源も浄化された事だし聖竜士でもよかろう
時の車輪、愛情表現がさりげなくちりばめられてたり、厳しい物語の中にも明るさを感じられて、全体的に読みやすくなったと思う 全く違和感感じさせないし サンダースンの才能に脱帽
飛竜雷天、ようやく読了。 翻訳を挟んでいるとはいえ、全然、作者が代わっていることを感じさせないね。 多少潤いを増したというか、そんな感覚はあるけれど、良い方向に作用してて、作品にどっぷり 浸かって楽しめた。 次が待ち遠しくてたまらない……。
次はいつなんだー オリジナル作品も読みたいし欲は尽きないね
竜王伝説ちょうど半分くらいまできたよ。 マットっていつまでこんななのかな、こいつが出てくると読み続けるのがきつい。 なかなか物語に入りこめないなあ、だから前回挫折したんだった。 今回はがんばる所存です。
マットは短剣の呪いから復活すると、おもろい人になる それまでなんとか頑張って!
242 :
名無しは無慈悲な夜の女王 :2012/01/07(土) 18:02:38.41
エラントリスの続きが読みたいなあ
マットのレアアイテムゲットしてからの人生イージーモードは楽しいぞ
第3部に入った。まだマットはおもろくないままですな。 それにしてもあちこちに手を伸ばす闇王。白マント集団は怖い。 チョーンチャン軍も怖い。四面楚歌じゃないか何これ怖い。 いやいやいやなんで挫折してたんだよう自分。 なんか途中報告したくなるんだけどちょっとうざくなってきたかな、しばらく自粛して先に進みます。 励ましありがとう。
245 :
名無しは無慈悲な夜の女王 :2012/02/12(日) 03:48:25.26
ちがう。 投稿者のコメント読め。
うわぁ…本当だ…
ああ、とうとうここに到着してしまった。 くそお続き、続きはまだか。 サンダースンありがとう、本当にありがとう。おかげでこの作品と出合えたよ。 早く書いてね??? てか早く訳してなのかな。
続きまだー
ゲーム化されるらしいね
kwsk
252 :
名無しは無慈悲な夜の女王 :2012/05/05(土) 11:37:27.59
あぐぅえーえ
アシモフのファンデーションシリーズでかき立てたりなだめたりする能力が描かれてるね。 ずっと前に読んだので忘れてて、最近あらすじ見て思い出した。
ミストクロークまで読み終わった 滅茶苦茶面白かったんだがなんでこんなマイナーなんだろうな 霧はお前に力を与えてくれる!←胸熱
マイナーなんかじゃないもん!! 今は過疎っているが、過去スレ読んでみれば、 胸熱の大群に遭遇するはず。
海外小説なんて翻訳されてるだけでトップレベル 2chにスレがあるとなると神作品レベルだろ
錫を燃やすロムニー
時の車輪それなりに面白くて楽しんだが、 こんなところで、時間と才能を浪費していていいのかと小一時間。
時の車輪のおかげでNY タイムズベストセラー#1になれて知名度大幅アップだよ
新作早く翻訳されねーかなぁ……英語出来ない身が恨めしい
やる気になれば読めるさ 学生時代、英語が学年で下から10番だった俺でも、作者の注釈の5〜6割くらいは理解できるようになったんだぜ
時の車輪 ここでいいの?
話題もないし、どぞ。
やあ( ・(ェ)・)1年ぶりの、炎の残りかす:スプークマです どうやら話題もなしということで、密かに作者の注釈を復活してみたりします 9章の注釈 こんな話を聞いたことがあるだろうか。 一般に新進の作家と比較すると、より経験豊富な作家の方が1つの作品に長い時間をかける傾向があるらしい。 多くの新進の作家は、最初の作品に平均で数日〜数週間費やすようだ。 一方、より洗練された作家による作品は、数ヵ月やあるいは数年に渡って練り込まれることが多いという。 まさしく、本に関するそういった記述を僕が目にしたのは偶然の一致からだったのかもしれない。 つまるところ、それが本当であると考えるために、これといった理由も必要としなかったわけだから。 実際の所、確かにそれは僕自身にも当てはまる部分のある話だ。 僕の場合はといえば、例えば世に発表されていないものを含めれば僕の6作目にあたるエラントリスには、2ヶ月の期間を費やした。 そしてこのミストボーンでは各セクションや章の間にそれより多くの時間をかけている。 僕が思うところ、新進の作家というものは、長い時間をかけて構想を練るということを避けているというか、そのことに脅かされているところがあるのかもしれない。 あるいは、無意識に何かに急かされているのか。 続く
続き いずれにせよ、この本のために必要になるものやその分量を予測し、どれだけ時間をかけることになるかを綿密に考慮する必要があった。 これは僕がミストボーンに対しストレートに強盗小説の要素を実現しきれなかった理由についての最初の手がかりでもある。 この本では物語の世界で流れる時間についてはあまりに多くの時の移り変わりをカバーしており、そして結末に至るまでにはあまりにも多くの出来事が起こるべくして起こる。 僕は、登場人物の行動の全てが読者にとって手放しに面白いものになると単純に考えてはいなかったし、アティウムを盗む「強盗」に集中する以上に、ヴィンという人物の成長にもより多くの集中を注ぎたかった。 ---------------------------------------- 本章における戦闘は、事実上の物語で最初の本当の意味の合金術での戦闘だと考えている。 というのはこれを期にヴィンが合金術を通じて「自由を感じる」ことを意識するようになるからだ。 合金術の戦闘は、優雅であり、また鋭くもある。 霧の中を飛び、押し引きを手際よく駆使する。 僕はこの魔法体系を楽しんでいるが、これは金属とその理論あってのものだ。 霧についてのアイディアと、霧のマントをはためかせて飛ぶ姿も気に入っている。 この場面での戦闘相手がケルシャ―であることは、書き手たる僕自身にとってはもちろん明白なことだが、ちょっとした驚きのために決着の瞬間まではそのことを明かさなかった。 ケルシャ―相手の模擬戦であることを伏せることで、適度な緊張感を引き起こせるものと思ったからだ。 とはいえ、ここではヴィンも相手を敵であると仮定して全力で当たっている。 ---------------------------------------- 続く
僕は、ヴィンがセイズドにうながされるまでもなく自分からケルシャ―に話しかける点を指摘したい。 このことが読者にとっても何か意味をなすべき点だと思う。 これはヴィンが頭の中に響くリーンの声を無視したくなってきていることを初めて示している。 それはこの2,3ヶ月で彼女が遂げた進歩の証と言える。 ---------------------------------------- ヴィンが霧や合金術に対して持っている感覚は、物語の結末自体に関係があり、いずれ彼女は力の不足を補うために霧の力を利用する。 残念ながら、物語が佳境にいたるまで、僕にはそれ以上言及することができないが。 ( ・(ェ)・)さてさて、仕事やら病気やら忙しくて留守にしてるうちに、和訳版で言うところの3冊目、 広場の処刑のあたりまで注釈の訳が進んでる。 小出しにしていく分にはストックは沢山あるんだけど、何分昨今の規制ラッシュでいつ書き込みできなくなることやら・・・
10章の注釈(1) この章では、僕のお気に入りである「ハムのちょっとした哲学的ジレンマ」が含まれている。 ただ、物語をこの章までしか読んでいない読者の多くは、ここでのハムの議論にはあまり賛同しないのではないだろうか? おそらくは支配王に抵抗することの方が、明白に正しいことだと思うだろうからね。 しかし読者がそのように、支配王に抵抗する人々が政府に対して持っている憎しみに共感できるとしたら、実は僕はひそかに自分の仕事をうまくやれていると推測するよ。 実際のところは、この世界に住む人々にとって、答えはそう単純ではない。 僕の考えでは、ハムの意見の中にも重要なポイントが隠れている。 大きいものではないが、考慮する価値のあるものが少なくとも1つは。 ---------------------------------------- 続く
続き 最初の草稿では、ケルシャ―はこの章の会議に登場しなかった。 彼はイェデンに勧誘を全て任せる予定だったんだ。 しかし、書き直しを進めるにつれ、僕はスカ―の民の前にケルシャ―自身の姿を示してほしいと思うようになった。 ケルシャ―ならば、雇い主であるイェデンができないようなことをやってのけるということを示すためにも。 もちろんこれは、読者がケルシャ―の真の計画を知るための最初のヒントでもある。 僕は、彼がスカ―に対する彼自身の名声を築き上げるという計画を開始するためにも、この会議でのスピーチを彼自身にも行ってもらうことにしたんだ。 ( ・(ェ)・)さすがケルシャー、イェデンにはできないことをやってのけるッ
10章の注釈(2) 君達は今、セイズドがチームのメンバーに2,3の宗教を説くのを目にしただろう。 僕が彼の人物像を思いついた過程について興味はないだろうか? それは僕が映画「マミー」を見ていた時のことだ。 いや、すまん、わかってるよ。 恥ずかしながら、僕は時々そんな形でアイディアを得ることがあるんだ。 セイズドに関するインスピレーションを得たのは、脂ぎったこそ泥がミイラに襲われ、助けを求めて神に祈りを捧げるために、山のようにある聖なるシンボルの中から正しいものを引っこ抜く場面からだった。 僕はそこに、100の異なる宗教を説く一種の宣教師のようなイメージを得た。 例えるなら、ある男性に彼が最も被り心地の良いと思える帽子を提供しようとする仕立屋のように、彼に最も合うたった一つの信条を膨大な数の宗教の中から探し出して提供しようとするようなイメージだ。 それが、「たもちびと」全てに関する発想の源となった。 すぐに僕は、終の帝国において支配王はあらゆる宗教を排除し、その中にあって全ての宗教を集めて保存しようとする神秘主義者の集団があるという構図を考案した。 これらのアイディアをまとめた結果がセイズドだ(それにあたり僕は「終の帝国の物語(これが何かについては後程言及する)」から魔法体系を抽出し、ミストボーンの世界に反映させ、伝金術が誕生することとなった)
11章の注釈 この本は、エラントリスよりかなり暴力的な部分もある。 時折僕は、そのことが心配になる。 初めて僕の本を読む人が、そのことで途中で嫌になってしまわないかと。 それに対しては、いくつか救いとなる点もあるとは思うけれど。 1つには、人々はエラントリスをそれほど恐ろしい内容とは思わなかったようだが、実際には相当不穏な要素も含んでいる物語だった。 例えば、人々の残虐性や、Dakher monk達(※1)によって行われた虐殺、1章では少年が喉を潰され、血をまき散らした。 実際のところ、ミストボーンいはそれほど際立った場面は多くない。 僕が思うに、決定的な違いは、ミストボーンでは英雄となる男がある意味殺人者としての一面も持っていることだ。 読者はこの章で実際にその場面を見るだろう。実際に、全くもって不穏だ。 ---------------------------------------- ※1 ( ・(ェ)・)スプークマはエラントリスを読んでいないので、この「Dakher monk」が エラントリス和訳版でどう呼ばれているものなのかわからず訳せなかった。すまない
11章の注釈 この本は、エラントリスよりかなり暴力的な部分もある。 時折僕は、そのことが心配になる。 初めて僕の本を読む人が、そのことで途中で嫌になってしまわないかと。 それに対しては、いくつか救いとなる点もあるとは思うけれど。 1つには、人々はエラントリスをそれほど恐ろしい内容とは思わなかったようだが、実際には相当不穏な要素も含んでいる物語だった。 例えば、人々の残虐性や、Dakher monk達(※1)によって行われた虐殺、1章では少年が喉を潰され、血をまき散らした。 実際のところ、ミストボーンいはそれほど際立った場面は多くない。 僕が思うに、決定的な違いは、ミストボーンでは英雄となる男がある意味殺人者としての一面も持っていることだ。 読者はこの章で実際にその場面を見るだろう。実際に、全くもって不穏だ。 ---------------------------------------- 続く ※1 ( ・(ェ)・)スプークマはエラントリスを読んでいないので、この「Dakher monk」が エラントリス和訳版でどう呼ばれてものなのかわからず訳せなかった。すまない
続き 当初、僕は虐殺現場でヴィンにそれほど感情的影響を受けさせない書き方をしていた。 僕は彼女が今までの人生経験からそのような場面でもさほど衝撃を受けないほど、多くの辛苦や死に近い場所にいたということを意味しようという意図があった。 しかし、アルファ読者はそれを見て彼女が非常に冷淡であると見てとったようだ。 書き直してみたところ、ヴィンが死の場面に際しもう少し感情面での反応を持つほうが、僕自身にとっても好ましい判断だと理解した。 この先彼女はより強い部分を前面に出してくるし、それが非常に彼女らしいことだろう。 もう彼女は物事に対し無反応に通りすぎることはないだろう。 ---------------------------------------- 続く
続き ここで「深き闇」について新たな言及がなされる。 悲しいことに、僕は支配王の強大さを打ち出す裏で、彼に関する伝説や神話といったものの説明にあまりスペースを費やせなかった。 幸いにして続く2冊目では多くを語れるはずなので、期待してほしい。 ---------------------------------------- ああ、なんてことだ。 キャモンを吊るしたロープのことをうっかり忘れるところだった。 君達も早いうちから、彼がこのような結末を迎えることは予期していたんじゃないか? (もっとも、本当のことを言うとこれは書き直しの最中に新たに加えた場面だ。 この部分を書くまで、僕はキャモンが死ぬための具体的な方法を特に考えていなかった。 ただ、尋問官が手を下すなら何かストレートな方法ではなく、何らかの徹底した手段を使うだろうことは、漠然と考えてはいたけれども。)
( ・(ェ)・)スプークマ さん、復活お待ち申し上げておりました! ゆっくりでいいので、またよろしくお願い致します!!
スプークマさんありがとう!
はい( ・(ェ)・)なんか復活してます。 去年は仕事の昼休みにノートにメモった翻訳をテキストに起こしてたせいで手間取ってたけど、 今は直接テキスト入力なので1章分の投稿に10分もかからんです、はい。 問題は、so-netが全規制くらって書き込み代行サイト使ってるんで、 もしそれが使えなくなったら投稿できなくなるってところです。 それさえなければ、少なくとも支配王があぼーんするあたりまでの注釈は、 一定ペースで投下できると思います。
12章の注釈(1) なぜ僕はこの物語の中に舞踏会の場面を展開したか? これはアクションストーリーであるべきではないのか? さてさて、絶対的な要点は、僕自身が単にこのようなパーティーのシーンが好きだということだ。 しかし、これは少しおかしなことだが、実は僕自身は実際にパーティーに参加すること自体は特に好きなわけではないんだ。 物語においてはヴィンのこれまでの暗闇をしのび歩くような人生との良い対比となるだろう。 陰鬱としたルサデルの中にある豪勢な生活の側面を示すのにも良い機会だ。 エラントリスにおいても舞踏会の場面は、人物がくつろいでいた点も考慮して、僕が好むいくつかの場面の1つでもある。 さらに重要な点を挙げるなら、言葉によるスパーリングや機知に富んだ議論が交わされるということなどもある。 ミストボーンを計画しはじめた時、いくつかのパーティーの場面が入ることになるのはわかっていた。 そして、それはつまりヴィンをパーティーに参加させなければならないということで、かつ彼女が貴族女性になりきらなければならないということでもある。 そのように物語を組み立てる計画が回りだしたのは、結局のところ僕がこの本に舞踏会の場面を差し込む口実を欲しがったところから始まっている。 -------------------------------------- 続く
続き ヴェンチャー城を照らすライムライトは、モウシェの提案で加えられることになった。 初期の構想では、適当なことに城の外で焚火が焚かれているだけというお粗末なものだった。 現実的に考えてみれば、ヴェンチャー城のステンドグラスを充分に照らすほどの光量を焚火で確保しようとするなら、どれほど巨大な焚火を用意しなければならないんだ? それを維持するための大量の燃料を彼らがどうやって調達するのかも甚だ疑問だし、焚火はどれほど窓に近づけなければいけないのか。 あまりにも危険だ。 更にモウシェは、ステンドグラスには光を収束して照らさなければ意味が無いため、そもそも焚火でそれを行うのは物理的に無理だということも指摘してくれた。 (全くだ、照らされたステンドグラスを誰も見ることができないのなら、何のためにゴシック大聖堂様式のヴェンチャー城を舞台にこの場面を書く必要があるのかということになる。) とにかく、ヴェンチャー城にはモウシェによってライムライトが設置された。 終の帝国の文化レベルに見合うような正しい手段で照らされたステンドグラスは、この場面に実に良く働いてくれた。 僕の考えるところ1900人ほどの人々が集まっていたヴェンチャー城という舞台を照らすために。 つまるところ、それはここで新たに話の舞台に上がってくる「彼」を照らすための光ともなったわけだ。
12章の注釈(2) 他にもいくつかのことが、書き直しの段階で追加された。 1つはヴィンがステンドグラスを見上げ、「深き闇」について考えをめぐらせる場面だ。 僕はこの世界の神話的なものについて説明する機会を探していた。 モウシェもそのことを言及していたので、私は6度目の草稿で(この本はコピー編集を含めて7段階の草稿で書いている)ヴィンによる考察を通して「深き闇」に関する説明をする場面として、ここを追加した。 もう1つの大きな追加は、支配王が従える聖職者達の呼称だ。 当初、彼らは単に「僧侶」と呼ばれており、鋼の聖職省のかつての呼び名は「鋼の宗家」だった。 僕は終の帝国における宗教と政府をありがちなものにしたくなかったので、それらを「鋼の聖職省」と「義務官」に変更した。 これはこの世界において彼らが単なる聖職者ではなく密偵と官僚を兼ねたような存在であるため、それを反映した呼び名にしたいという意図からだ。 この変更は彼らの僧侶とも官僚ともつかない立場を確立し、より物語の内容にとって適切な呼び名になったのではないかと思う。 ちなみに最初に「義務官」という造語を思いついたのは僕の友人のネイト・ハットフィールドだ。 ありがとうネイト! ※( ・(ェ)・)原書では義務官は [ obligator ] と表記されている。 これはobligate = 義務を負わせる + 人( or ) で「義務を負わせる者」という造語になっている
これは単に義務官による目撃承認システムの紹介だけではなく、彼らが貴族を監視している立場であることも同時に示している。 モウシェはこのことを強調して書くべきだと僕に勧めた。 実際このことは良いはたらきを生んだのではないかと思う。 ついでに、この場面を書くことで当初の予定では1冊目の最後まで登場する予定が無かったヴィンの父親について、その存在を早期に示唆しておく機会も生み出すことになった。 ------------------------------------ そして、エレンドについて。 彼もまた、このミストボーンシリーズにおいて僕にとって極めて重要な人物だ。 物語が進めば彼の出番はどんどん増えていくので、楽しみにしていてほしい。 僕は切に、彼には極めて機知に富んだ面とだらしない面(あまり身だしなみに気を使わない男性によくあるだらしなさという意味で)の両面を持ち合わせてほしかった。 僕の身近な人々からは、僕が自分自身の性格の一部を丸ごとエレンドに書き写していると指摘されるんだ。 実は僕がもっと若い頃、パーティーの場で可愛らしい女の子に注意も向けずに、隅の方でこっそり本を読んでいたりしたんだ。 エレンドについては後々もっと沢山話すことになる。 にも関わらず、僕はここである重要な点について述べておきたい。 パーティーに参加した少女が、本来会話を交わすはずのないような身分や立場の少年あるいは青年と会話を持つ機会をなぜか持ててしまうのは、理屈ではなく物語の法則というものだ。 非現実的だからと目をそらさずにいてほしい。
13章の注釈 一見、「エレンド」と「ストラフ」はどちらもドイツ名だ。 彼らは親子なので、近いイメージを持つ命名をしようとは思っていたが、完全に同じ言語で統一しようというところまで意識したわけではなく、自然にそうなっていた。 奇妙なことだが、我々ファンタジー作家は無意識のうちに現実で関連性の深い言葉を選択していることがあるんだ。 さほど厳密に意識して命名したわけではないが、ヴィンが移動に使う経路はスパイクウェイと呼ばれている。 ルサデルとフェリスの間をどうやって移動させるかを決定するまでには、多くのトラブルがあった。 (この道には最初、確か「テネース」という名前が付いていたが、物語の中の何か他の物にも同じ名前をつけて競合してしまったために変更した経緯がある。 しかしその同じ名前がついていた何かも結局は別の名前になってしまい、今となってはそれが何だったのかすら思い出すことができない) とにかく、スパイクウェイもまた、魔法体系の中での面白い応用として、僕の頭の中に浮かんできた。 物語の進行上、ケルシャ―を短時間で迅速に往復させる必要もあったので、これを考案した。 魔法体系を論理的な方向に適用することで、このように霧の落とし子が速やかに移動する必要が生じても、それを解決できるようになった。 これはファンタジーの長所の一つで、様々な障害を突破するために魔法体系を大いに活用することができる。 -------------------------------- 続く
続き ここで君達は初めてアティウムの効果を目にする。 僕が思うに、金属は魔法体系をより巧妙なものとしてくれた。 実際、僕がミストボーンを書きたいと考えた理由の1つは、物語世界で魔術が使われる際に消費される希少な金属の存在を描くことだった。 そして希少であるがゆえに何らかの非常に強力な効果を持っているのは、至って自然なことだろう。 合金術は基本的に身体に関わる戦闘指向の魔法体系だ。 そのためアティウムが持つ目覚ましい効果も何らかの身体的効果で、かつ1対1の局面で役立つものでなければならない。 わずかだが未来の影を予見する能力が面白いイメージだと感じたので、それをアティウムに適用させた。 初期構想の段階では、主役の人物はアティウムに困窮しており、それを得るために話の大部分を費やすことになっていた(彼は暴君の圧政の中、小さな村でアティウム鉱山を発見する予定だった)。 本編でも少量のアティウムを得るために登場人物があれこれと手を尽くすことになるのは、その初期の設定の名残でもある。 実際には、アティウムの不足のために彼らは物語の後半でもっと苦労することになる。
14章の注釈(1) この夜ケルシャ―の後をつけることは、おそらくヴィンがこの物語で実行することのうち最も愚かな行動だろう。 ケルシャ―がヴィンの同行を許可することもまた、彼がこの物語で実行したことの中で、疑う余地もなく最も愚かな行動だ。 しかしながら、この2人の性分は多くの点で徐々に似てきている。 どちらも、軽率で無鉄砲だ。 ヴィンは、チームのメンバーが互いを本当に信頼していることを理解しはじめている。 問題なのは、本来ならば彼女はごく自然に(特に彼女くらいの年齢の少女としては)そこに加わるような願望を持っているべきだということだ。 彼女は、例え彼女をを必要だと考えている人々からですら、自分が期待に応えられず役に立たないということになれば、捨てられてしまうのではないかという根深い恐れを持っている。 そのため、彼女は自分ができうる限りの速さで、自分が役に立てるための方法を学ぼうとする。 ケルシャ―の傍で彼の影響を受けたために、彼が無敵の存在であるかのように思えてしまっている。 それは常にケルシャ―側の問題でもある。 彼は自分の進むべき道を突破するための手段を自ら生み出せる人間だ。 自身の失敗すらもどうにかして成功へと転化してしまう。 支配王が彼を穴倉に送り込んで殺そうとしたことが、結果的には彼を霧の落とし子へと変えてしまったという事実のように。 ------------------------------------ 続く
続き この章で訪れる宮殿の一室は、この本の中でアティウムを盗み出す以上の目的を作らなければならなかった理由の1つだ。 ケルシャ―は支配王が財宝よりむしろアティウムこそをこの部屋に隠しているのだと半ば確信していた。 財宝であろうとアティウムであろうと、いずれにせよケルシャ―のような霧の落とし子にとってこの部屋に侵入することはさほど困難なことではないはずだった(少なくとも、彼自身はここで尋問官にそれを阻まれるまではそう思っていた)。 何にせよ、ケルシャ―はこの部屋に侵入して多少の金属を盗むために、仲間達の力を借りるつもりはなかった。 序盤で彼はすでに、ヴェンチャー城において同様の盗みに成功している。 霧の落とし子を他の霧の使いより遥かに強力にしたことによって、僕は単純な強盗の仕事を遥かに超えた計画をケルシャ―のチームに与える必要があった。 軍を立ち上げて帝国を転覆させるほどの難題こそ、それに相当するだろう。
14章の注釈(2) メアとケルシャーのバックストーリーについては、ここでは詳しくは語らない。 多くのことについては後程言及するつもりだ。 しかしながら、彼らのかつての計画の失敗については、この場面からおおよそ把握できるはずだ。 ケルシャ―はこの部屋にアティウムが隠されていると考え、この部屋に侵入しようとした。 そして捕えられ、穴倉へ送られることとなった。 ある意味では、もちろんケルシャ―は再びこの部屋に侵入することで、彼がメアと共にあった最後の日を追体験しているともいえる。 彼は今や霧の落とし子であり、当時失敗したことを今達成しようとしている。 ----------------------------------- この章は、ケルシャ―が持つ鋭利な側面の一例でもある。 彼は少しの躊躇もなく敵対者を殺していく。 僕の考えるところでは、「穴倉」が彼をこのように変えてしまった。 彼は今や、霧の落とし子となる以前とは違い、死に対して恐れるほどの何かすら感じることもなくなっている。 ----------------------------------- 続く
続き ケルシャ―が侵入しようとしている一室は、終の帝国における宗教的な側面を丸ごと体現しているといえるだろう。 以前言及したように、僕は故意にこの世界の宗教に官僚的な要素を与えた。 もし、神がまさに生きて存在しているなら、そこには信仰や祈り、崇拝といったものより忠誠と服従が強く発生するのではないかと思っている。 したがって義務官と聖職省は僧侶というより警察に近い位置付けだ。 それでも、僕は聖職省にはある程度宗教としての儀式的な側面もあることも示したい。 とは言っても、支配王が一般大衆に対し、儀式的な宗教参加や自分に対する信仰を要求しているわけではない。 この場面でケルシャ―が目指した小さな部屋には、一種の神秘的かつ宗教的な雰囲気を喚起する目的もあった。 ただし、物語とこの注釈を並行して読み進めている読者には現時点ではわからないような、もっと重要なヒントも実際には含まれている。 とはいえ、もし1冊目を最後まで読んでいないにも関わらずにこの注釈だけを読んでそれに気がついたとしたら、君はある種の人間を超えた推察力をそなえているだろう。
最近読んだから本当に有り難い 乙
15章の注釈 前章とこの章の2つは、まさしく僕が1冊目の中で特に思い入れを持っている箇所だ。 僕が思った通りの構成に成功しているとしたら、読者の方々にも同じように感じてもらえるのではないだろうか。 読者から登場人物への愛着を持ってもらうためには、物語に緊張感が必要だ。 合金術を理解してもらうためには、混乱を与えない迅速なアクションも必要となる。 そして何らかの危機的状況を読みとってもらうためには、物語の展開の前後関係を理解できるような構成にしなくてはならない。 そういった要素が全てまとまった時、読者は非常に強力に、うまくいけば実感を得られるのではないだろうか。 ヴィンが雨の中を転げ落ち、屋根に打ちつけられ、水たまりへと這っていく場面は、僕がこの物語のために考案していた中でも特に臨場感を持っていたものの一つだと思う。 瀕死のヴィンを腕に抱えて隠れ家に現れた、穏やかで控えめな学者であるはずのセイズドのイメージについて、まで含めてだ。 そういうわけで、僕はこれら2つの章が、僕が今までに書いたものの中では現時点で最高の場面の1つであると感じている。 -----------------------------------
ところで、合金使いが無意識状態でも本能によって金属を燃やせるという設定は、僕がこのような場面のために本に加えなければならないことだった。 物語の進行ペースを維持するために、一般人と合金使いを比較した時に相対的に素早い治療を行える方法が必要だった。 僕は合金使いの体がそれを必要とした時、無意識に金属(特に白鑞と錫)を燃やせることにした。 ----------------------------------- この章まで読んで、君達は支配王がどのようにして驚異的な治癒能力を得ているのか疑問に思うかもしれない。 さて、それは伝金術と関係がある。 思いだしてもらいたいのは、人体を癒す力も伝金術によって蓄えられることのできるものの一つだということだ。 そして、合金使いであり、かつ伝金術師でもある支配王は、彼自身の伝金術の蓄えを燃やすことで無限に近い力を得ることができる。 彼は、彼が望むどんな年齢であることもでき、彼が望むだけ長く生きられる。 そして彼は、彼が望むだけ素早く治癒することができる。これ以上は2冊目以降で語る事にしよう。
2部 まとめ 2部は1冊目で最も短いセッションだ。 自分で読み返してみても、結末が迫ってくるまでの早さに驚くほどだ。 我々は、不安を持ちつつ最初の舞踏会に出席するヴィンと共に、そのまま同じ夜のうちにクレディク・ショ―に潜入することになる。 ---------------------------------- 1つの読み方として、1部や2部などの大きなまとまりを読み終えた後、各章冒頭部をまとめて読んでみる読者もいるかもしれない。 ここにはある人物が自分自身の物語を語ったものを細切れに載せている。 この中には、後の物語で重要となってくる情報を投げ込んでおいた。 そのため、もし君が各章冒頭の文章を読み通していないとしたら、いくつかの要点を見逃していることになる。 各章冒頭部の概念、いわゆる劇中劇のようなものは、僕が書きたかった大きな要素の1つだ。 ミストボーンの物語は基本的に第3者視点で展開していくが、各章冒頭の文章は1人称視点で書かれている。 では、この文章は誰の視点で語られたものなのか? またその内容は物語内のどこから引用されているのか? 君達はすぐにそれを知ることになるだろう(おそらく、あと2,3章も先に読み進めば)。
16章の注釈(1) この章冒頭の文章は、おそらくどこかで見たような内容と思われるのではないだろうか。 君達がある程度ファンタジーに親しみがあるなら、この手の内容の物語をどこかで読んだことがあるに違いない。 つまるところ、名も無い田舎の若者が立ちあがり、英雄となって巨悪に立ち向かう、といった類の話だ。 もしかすると、君達はジャケットフラップ(※)あたりでもそのような筋書きの話を読んだことがあるんじゃないかな? これはファンタジーにおいて基礎的なコンセプトだ。 もちろん僕もそういった田舎育ちの少年や青年が成長し、ついには世界を救うような物語をあまりに多く目にしてきた。 そのため、この章の冒頭部では世界についての預言となるようなものを書いてきていたはずが、いつの間にかどこかで見たようなものになってしまっていた。 これは失敗だった。 とはいえ、もちろんそのコンセプトをそのまま使ったわけではなく、進化して適用させたつもりではある。 最初に考えていたのは、英雄となった若者が、支配王に打ち倒されてしまうことだ。 しかしながら、僕はそれよりも、田舎の若者が英雄ではなく支配王になってしまう方がより面白いのではないかと考えた。 -------------------------------- ※( ・(ェ)・)ジャケットフラップとは、閲覧者に子供〜中高生くらいを対象とした、小説や絵の投稿サイトっぽいもののようです。 投稿作品にはアマチュアからセミプロ、プロまで混ざってる模様?うん、実際のところよくわからん
新生ケルシャ―はこの本にとって重要な要素となる。 彼が危うくヴィンを失いかけた責任(かつて自分の仕事の失敗によりメアを失ったような)に直面しなければ、彼は今後の物語で目的を達成するための厳粛さと専念心を持つことはできなかっただろう。 今後の数章では、彼は今までのように冗談を飛ばしたりする自分に立ち戻ることもある。 しかし、彼はもう少しでヴィンを失うところだったことを常に意識しており、そのことが彼の人間性にとって重要な効果をもたらしている。 ところで、ヴィンの台詞にある「私達は無敵じゃない」は、極めて重要なポイントだ。 第2部において、僕は霧の落とし子がどれほど驚異的な能力を備えているかを強調するために、多くの時間を費やした。 同時にその強力さを示すと共に、彼らが決して不滅ではないことを示すため、彼らが死に瀕し、大きな失敗に直面する形でセクションを終える必要があった。 敗北の可能性が無いヒーローほど退屈なものはないからね。
16章の注釈(2) セイズドの人物構築にあたり、彼を宦官とすることは、ほとんど自然に最初から僕の心の中で決まっていたことだった。 支配王がテリスの従僕を完全な出産管理体制の下に置くためには、テリスの男性の大半を去勢させることが彼にとって重要だろうと考えた。 さらに、僕はこれまでに宦官のキャラクターを書いたことがなかったため、実際の事例を参考にするべきだと考えた。 僕は、実際に思春期以前の去勢による人体への影響の事例としてどのようなものがあるかを調べてみた。 多くの場合に見られる傾向は、「肥満」とのことだった。 他にも、一般の人々より背が高くなる傾向もあるらしい。 宦官を描いた創作物ではやはり肥満の特徴を書いているものが多かったので、僕は敢えてそちらは使用せず、もう一方の背が高いという特徴をセイズドに適用することにした。
色々な決定が進むにつれ、セイズドはより複雑な存在になっていった。 一見すると読者からは二次的脇役と思われるポジションの人物に対して、彼がやがては最も重要な存在の一つになっていくための複雑な動機付けをすることは、僕が絶対的に好むやり方だ。 --------------------------------- メアがケルシャ―を裏切ったのではないかと推測できるいくつかの材料は、僕が度々ばら撒いてきた情報だ。 僕は、それらについて君達が何らかの推測を巡らせてくれたものと期待している。 僕が思うところでは、それはケルシャ―が感情的に苦悩する余地を残すという意味も含んでいると考えている。 彼には、自分が本当に裏切られたのではないという可能性を望み、苦悩する人物であってほしかったんだ。 --------------------------------- 僕はヴィンが「ああ、セイズドが自分を助けたのは、彼がケルシャ―とそう約束していて、そうしなければならなかったからだ。 結局のところ、他にどんな理由があるっていうの?」と考えるセクションを、ほとんど作りかけていた。
それは最初期のヴィンを表現するのであれば適切だが、この時点のヴィンにとってはもうふさわしくない考え方のように思えた。 彼女はすでに、必要とされなくなることを恐れたり、孤独感といった感情を持つことはある程度乗り越えはじめている。 そしてセイズドについても、彼が約束や義務感からではなく、彼自身の親切さからそうするのだと理解しはじめている。 そのため、僕は上記の内容を強調はしない形で他のパラグラフへ移し、ヴィンがここであれこれ考えるスペースを短縮した。 いっそ丸ごとカットしても良かったのかもしれないが、彼女がまだ完全には心理的なこだわりから抜け出せてはいないことも暗示したかった。 彼女には、まだ捨てきれていない過去の考え方がいくらか残っている。 進歩しているのは、そのことについて深く思慮することがなくなったという点だ。
( ・(ェ)・)風邪ひいた 17章の注釈(1) さてさて、ここでは色々と話さなければならないことがあるぞ。 まずはヴィンのイヤリングについて。 これを身に付けることについて彼女はいささか病的といえるほどのこだわりがあり、それはこのイヤリングが彼女の母親のものであった時から続いていることでもある。 母親がヴィンの妹を殺し、彼女をも殺そうとした時、リーンが彼女を救いだした。 そのことについては、後ほどもっと多くの事実を話すことになるだろう。 僕の感覚では、イヤリングはヴィンにとって、リーンを含めた本当の家族との最後のつながりだ。 本当のところ、それは彼女の人生にとって良いものでは全くなかったが、しかし、穴倉が今のケルシャ―を形成する一部であるのと同様に、それもヴィンの一部だ。 彼らは常にその傷を抱えていく。 イヤリングもヴィンにとってはそれと同じことだ。 -------------------------------- 僕は、イェデンがケルシャ―に対して信頼や好感を示すように変化していく過程を、もっと時間を費やして書きたかった。 残念に思うところはあるが、僕はヴィンの周りに話を集中させることを優先した。 今や、彼女がますます物語の中の多くの視点をとっていること、そしてケルシャ―中心の視点が徐々に減ってきていることを見てとれるだろう。
これは、物語の焦点が強盗物語から別の物へ移行したもう1つの理由でもある。 僕はチームの手練のメンバー達よりも、ヴィンに物語の中心であってほしかった。 ヴィンは僕にとって深みのある面白い人物であり、物語の中の多くの時間をかけて焦点を当てるに値すると思っている。 シリーズ全体においても、支配王に抗う手練の盗賊達よりも重要なはずだ。 しかし、結果としてイェデンのような脇役に割くスペースは減ってしまう。 そのため、この章で彼のケルシャ―に対する態度が以前とは大きく変化していることのように、そうなった過程を書いていないがために急速に変化したように見えてしまっている。 -------------------------------- セイズドが翻訳している日誌こそは、各章冒頭に導入されている文章であることはもうわかってもらえただろう。 アルファ読者のほとんどが、これを書いた人物が何者なのか、文章が意味するところは何なのかを推測することに多くの時間を費やしていたため、 最初はこの章で初めて登場していたこの日誌の内容を、ミストボーン1冊目の各章冒頭で少しずつ出していくのが面白いだろうと考えた。 この手の預言めいた類のものは、物語を語る上で役に立つし、また物語の進行によって日誌そのものが発見されることによって、その内容が集約される。 結果的にこの文章が非常に多くの意味を成しはじめたことに、僕はとても満足している。
17章の注釈(2) 僕の記憶する限り、本章で初めてセイズドがブリーズを彼の本名である「ラドリアン」という名で呼んでいる。 ブリーズはこの名で呼ばれることを快く思っていない。 君達は後ほど、彼が皆に対し(というよりは、唯一彼をラドリアンと呼ぶことのあるセイズドに対して)自分をラドリアンと呼ぶのをやめさせようとする場面を見ると思う。 理由は簡単だ。 「ラドリアン」は、彼が生まれ成長する過程で呼ばれてきた彼の本名だ。 彼は実は、メンバーの中で唯一、スカ―の血が混ざっていない純血の貴族だ。 もちろん、そのことを知る者は仲間の中には1人もいない。 彼は皆とは逆方向の、社会の上層から地下世界へ転落してきた。 彼は何人かの少数の人々にしか本名を知らせていない(彼がもっと若い頃の話で、しかも自ら知らせたのではなく不可抗力により知られることとなった)。 ラドリアンという名の貴族が終の帝国において特段名の知れた貴族だということはなかったが、 若き日に貴族社会から姿を消したラドリアン卿という人物と、ブリーズを結びつけられる可能性が無いとは言いきれない。 もちろん彼は地下世界で生きる以上は自分が純血の貴族であるという事実を知られたくはなかったし、 そのことが知れればケルシャ―のように特に貴族を憎む人魔から怒りの矛先を向けられることにもなっただろう。
そのため、彼は本名で呼ばれるのが嫌だという理由を何か適当な嘘ででっちあげ、自分のことは常に「ブリーズ」と呼ぶよう皆に頼んでいる。 これらのことはもちろん、物語の中では一切語られていないことだ。 この場がなければ君達にこのことを語る機会も無かっただろうね。 これで、ここを読んでいる君達が、少しではあるけれども本当に内輪の情報を得たということで、やっと注釈としての面目を保ったと言えるぞ! ブリーズについては、彼のファンである皆のために2冊目でもう少しスポットを当てることになる。 彼の人物像を掘り下げる手がかりとなるだろう。 ---------------------------- 花について。 実際のところ、花無しで世界を書くのは思いのほか難しいことだった。 例えばケルシャ―がヴェンチャー城の温室で戦う場面などでは、本来なら「花壇」と書けばすむところを別の表現を探さなければならなかった。 花無しで庭の風景を書かなければならないのも、面倒な作業だった。 結局、花の無い世界はどうなっていくのか? そもそもなぜ花が存在しないのか? これら全ての疑問は、やがて解決される。 多分、3冊目で。 すまん。
17章の注釈(3) バルコニーでのケルシャ―とヴィンの会話は、少なくともヴィンの性質がこれからどのように変化していくかについての基礎となる場面だ。 以前言及したことがあるように、僕はしばしば世の中に対する物の見方がひどく楽観的だと非難される。 それはおそらくその通りではあるが、しかし僕の知る限り楽観主義者の多くは結果的に幸福である傾向が多いと考える。 ある意味では良い生き方と言えるのではないだろうか。 とにかく、僕は単純に自分に近しいものを信頼することが人間の心理にとって良いだろうと思っている。 しかしながら、その場合ケルシャ―の身に起こったようなリスクに対処しなければならないことも事実だ。 誰かが自分を裏切った時、その相手を愛することをやめるとしたら? それはそれで傷みを生む選択となる。 別離が困難であるのは、自分の感情をそう簡単に切り替えることはできないからだ。 乗り越えたとしてもそこには大きな苦みが残るだろう。 -----------------------------
また、僕はこれがケルシャ―とヴィンの関係を堅く築くための時間だったと思う。 ヴィンのケルシャ―に対する英雄崇拝的感覚は、特に明示してはいないが崩れつつあるし、むしろそうでなければならない。 ケルシャ―はなおも彼女の保護者のような意識であるし、言うなれば娘を見る父親のような感覚だろう。 そう、それだけのことなんだ。 そのため、2人の間に何らかのロマンスを期待していた読者がいたとしたら、申し訳ないがそれは全く無いことを明言しておくよ。 1章を女性からの視点、2章を男性からの視点としておきながら、それを何かしらのロマンチックな展開へと結びつけなかったことで、物語というもののセオリーをいくつか破っているであろうことは認識している。 単にケルシャ―がヴィンよりかなり年上だということだけが理由ではないが、とにかく彼は実際のところそれ以上の関係を意識していない。 そもそも今の彼の人生の中で、そういう意識には焦点が合っていかいからだ。 というように、僕は2人の間に特別な緊張感を意図しなかったが、アルファ読者の中には、僕が予想した以上にそれを望んでいる者が多いことがわかった。 そのため、僕はあくまでケルシャ―にはそういった意識がないということを明確にするために、もし彼に娘がいたら今のヴィンに接するようにしていただろう、ということをわざわざ付け加えることになった。
所々変な記述ミスがあるな すまない( ´・(ェ)・) 熊インフルで頭をやられたかな
楽しく読んでるよ 熊さんお大事に
18章の注釈(1) そう、ヴィンは赤いドレスを着ている。 それが最良の選択のように思えた。 ところが、アルファ読者の中の何人かの女性は、彼女は黒いドレスを着るべきだと考えているようだった。 実際のところ、1人は「もちろん彼女には結局のところ黒が似合う!」と主張していた。 ---------------------------- エラリエル家の舞踏会場は、今まで僕が実際に訪れた場所とは違う(ヴェンチャー家とレカル家は、実在する場所に基づいていた)。 会場の屋根部分にステンドグラスが備わり、上から照らされているコンセプトは良いイメージだと思う。 舞踏会場は、この本の中において貴族の贅沢な生活を誇示するための唯一の場であり、登場する4ヶ所の会場についてはそれぞれが個性的で、かつ視覚的に面白味があるものとなるよう特に熱心に書いた。 --------------------------
僕は、最終的に1冊目の中でエレンドが持っていたほどの大きな役割を、最初のうちは計画していなかった。 しかし、彼の登場場面を次々と書いていくうちに、僕は彼の人物像に対してより大きな愛着を持つようになっていった。 エレンドは更にヴィンに対して恋愛的な興味を与える対象としてだけではなく、貴族社会の中の人間的な面を示すための存在でもある。 僕は物語の中で、貴族社会の中にも少なくとも1人は善良な人間が必要だと考えていたし、またそうでなければケルシャ―の貴族に対する徹底した非情さが全て正しいわけではないという穴もなくなってしまう。 そうして僕は、ヴィンが舞踏会で出会う1人の貴族の若者を決定していった。 エレンドのシーンを書きはじめて、僕は彼の登場する場面がとても容易に書き進められることに気がついた。 僕は本当に、彼のある意味気の抜けた会話と愛想の良さが気に入っている。 ミストボーンは過酷な世界や社会を描いているだけに、暗澹たる流れになっていくのはやむなしと考えてはいたものの、僕はもっと気楽な時間も提供するために、エレンドのような人物を必要としていた。 さらに彼は、暗い流れの中にあっても思慮深い方法で面白い展開を提供してくれる。
彼は僕が期待していたよりも遥かに重要な人物となってくれた。 これはおそらく、物語を書く上で最も大きく、最も嬉しい驚きだ。 --------------------------- 貴族の中にある人間的な部分は、スカ―に対するエレンドの興味を通じて示すことになった。 僕はエレンドには、スカ―に対して過度な共感や興味を持ってほしくはなかった。 彼はあくまで貴族であり、虐げられる者の権利を守るために立ち上がる救世主ではないからだ。 とはいえ僕は、エレンドが他の貴族のような残酷な人間ではないことを、単純に彼がスカ―に興味を持っているという事実を通して示したかった。 加えて、多くの貴族がどれほどスカ―のことを知らないかについても、だ。 これは、ヴィンが世界に存在する多くの苦痛を貴族達が知ろうともしないことについて不思議に思うことを示すのにも有効だったと思う。 エレンドや他の貴族のように、舞踏会や貴族家を保持することに多くの時間を費やしていれば、スカ―の生活を本当に理解していることはまずありえないだろう。
18章の注釈(2) シャンは後から物語に追加された。 初期の草稿でもシャンという人物についての言及はあったが、当人が実際に登場することはなく、ヴィンに対してリーズ卿がシャンについて話す場面も無かった。 しかし草稿を進めるにあたり、僕はヴィンが舞踏会に出席する上で多くの緊張感と政治論争が必要となることを認識しはじめた。 そのため、名前のみで存在が示唆されているだけだったシャンを拡張し、実際にヴィンと相対するためのより大きな人物像を構築することにした。 そして最初の書き直しの時点で、この場面にシャンと、関連するいくつかの人物を付け加えた。 シャンという人物を登場させる目的は、つまるところ、ケルシャ―が言うような貴族の本質というものが確かに存在することを示すためでもある。 重要なことは、物語の中で君達がこの世界の貴族について得る情報の大半がケルシャ―によってもたらされるものであり、しかも彼は非常に偏った視点で貴族を見ているということだ。 今のところ物語の中で実際に貴族と接する機会はこの舞踏会の中のみであるため、読者が貴族の実態を把握できるようこの場面に様々な人格の貴族を登場させることが必要だと考えていた。 -------------------------- モウシェは1冊目が中盤に差し掛かるにあたり、世界がどれほど危険であり、終の帝国がどれほど残忍であるかを読者が忘れてしまわないか(ちょうどヴィンがまさしくそうだったように)について心配していた。 舞踏会や煌びやかな服装といったものが、そうさせてしまうことを。
そういった懸念もあり、夜の舞踏会の美しさと、そのすぐ傍らにある卑劣な残虐行為との対比をこの場面に投げ入れることで、ヴィンと共に読者の意識をこの世界の現実に引き戻す必要があると感じていた。 中庭でスカ―が殺される場面も、草稿プロセス後半で追加された。 -------------------------- なぜエレンドは舞踏会にわざわざ危険な本を持ち込んでいるのか? 次の章でもう少し知ることになると思うが、更にいくらかの洞察を提供しよう。 エレンドは舞踏会の後に友人達と会い、政治理論などについて議論する。エレンドはその会合のリーダーであり、 議論を主導する必要があるため、議論を継続させるための面白い考えや論法を示すための準備が不可欠だと考えている。 そのために彼は舞踏会では常に本を読みつつノートにメモをとり、夜の議論のための準備を進めている。 彼は持てる時間の最後の最後まで常に最善のための準備を続けるタイプだ(それは僕についても言えることだ)。 彼は基本的に安全な立場にあり、自分の読む本が原因で問題が起こることなど想定していないため、こういったことに不注意であることが習慣になってしまっている。 そうして彼は義務官や貴族でいっぱいの部屋で、聖職省で禁止されているような本を持ち込んで読んでしまうんだ。
イェリーナ・・・許してくれ!
>>309 テラモンよ、闇に侵されて妻の名前すら忘れてしまったのか・・・
イリェーナじゃね?
311 :
名無しは無慈悲な夜の女王 :2012/10/03(水) 20:18:48.45
(お・・いい女!)フンフノフ〜
モイレイン様萌え〜 全裸で走り出すモイレイン様 戸口に立たされるモイレイン様 ランフィアにタックルかますモイレイン様
歌うような声音のモイレイン様も好きです
19章の注釈(1) 1冊目の物語は、終の帝国の成り立ちや合金術の秘密についての話じゃない。 それらは2冊目以降で主題になっていくことになる。 1冊目は、信頼について自らの抱える問題を解決する術を学んでいく少女と、打ちひしがれてなお抵抗を続ける人々の物語だ。 とは言っても、僕はこの世界の自然や神話の性質に関しての秘密について、読者にちょっとしたヒントや伏線を出しておきたいとも思った。 セイズドが翻訳中の日誌以外から現時点で得られる最も大きな手掛かりは、合金術を使用した者に霧が反応するという点だ。 霧はその者の周囲で渦を巻くように流れる。 これはミスとボーンの世界における霧が、自然のものとは異なる何かであることを示している。 それは気象現象以上の存在で、実際のところこの世界の魔法の一部といえる現象なんだ。 ------------------------------- この本は、完成前から僕があらかじめ出版されることを知った上で書いた最初の小説だったんだ。 これまでに、本となって世に出るとは想定せずに13本ほどの小説を書いており、今回このような形で本を書くというのは奇妙な感覚だった。
だから、ある意味では、これは僕にとっての記念小説だ。 そしてその記念の一環として、僕は長年に渡って僕を助けてくれている人達の何人かを、小説の一部として含めたいと思った。 ミストボーンの登場人物の中には、この本が出版されるために応援してくれた僕の友人達と、アルファ読者の名前にちなんで名付けられたキャラクターもいる。 ある意味では、彼らは僕の最初のファンであるとも言えるだろう。 そんなわけで、物語の中の多くの脇役の名前には、友人達の名前を拝借している。 最後の章のステイス・ブランチェスは、ウィザーズ・オブ・ザ・コーストの編集者ステイシー・ウィットマンからだ。 テキエル家の人物の名は、友人のクリスタ・オルソンとライターグループのメンバーから(ちなみにその兄のベンは、僕のかつてのルームメイトだ)。 ルサデルのアームストレール通りの地名は、友人のピーター・アールストレムより。 彼はトーキョー・ポップの編集者だった。 そのように本の一部として使わせてもらった友人は他にも沢山いて、さすがに全員について紹介できないのが残念だ。
しかしながら、僕はここであえてチャーリー(物語の中ではエントロン卿の名前の元となった人物だ)について言及したい。 実は彼に直接会ったことは一度もないんだが、彼はここ3,4年の間、タイムズワースターガイド(※)の掲示板にたむろしている男だ。 彼は僕にとって多分最初のイギリス人読者だと思う。 僕は彼=エントロン卿の死体がケルシャ―によって壁の上から投げおろされることによって、面識が無いにも関わらず記念小説の一部に加わってもらうことにしたんだ。 スプークについては、僕が直接知っているある人物に基づいているが、それは後で言及しようと思う。 ※( ・(ェ)・)タイムズワースターガイドとは ゲーム、漫画、小説などのレビューとか感想を投稿できる場所? うん、実際のところよくわからん
19章の注釈(2) この章は、ケルシャ―が夜間に1人でどのようなことに取り組んでいたかを直接見ることのできる唯一の場面だろう。 1冊に対して1000ページ以上もの原稿があるのだから多くの事を書く余裕がありそうなものだが、困ったことに実際はそうでもないんだ。 ヴィンの進捗に焦点を当てて話を書けば、同じ頃に裏でこそこそ暗躍しているケルシャ―の仕事ぶりについては、実際のところほとんどスペースを割く余裕はなくなってしまった。 全てにおいてもっと余裕があればと思うほど、物事が進んでいくのは速いものだ。 それでも、一つの章くらいはこのような場面を差し込むことで、書く方も読む方も適度な息抜きになるんじゃないか? やっかいな作業の枠組みの外で、ケルシャ―のパートに関してアイディアを練るというのはそういうことだ。 実際、それほど長くはない場面の中に色々と情報を詰め込んだこともあって、この章もなかなか面白いものだと思ったよ。 ケルシャ―自身が情報屋と接触してルノー家に対する世間の評判を探ることで、読者にはチームのメンバーが今のところ安全な状態にあるように見えるだろう。 かと思えば、ストラフに対して当のケルシャ―自身が「生き残り」についての反応を伺うことで、貴族間でケルシャ―の悪評が高まっており、もしかするとチームがすぐに危険な状況になるかもしれないという見方もできるだろう。 ---------------------------
当初、ここでケルシャ―が情報屋に扮して接触する貴族は、ヘイスティング卿の予定だった。 これがヘイスティング卿自身が登場する唯一の機会だったが、書き直しの段になって、結局はエレンドの父親であり今後も多々登場の機会があるストラフに差し替えることにしたんだ。 この場面では、ストラフが高圧的かつ頑強に見えるように、更に書きなおした。 最初に書いた時点では、ケルシャ―の流す偽情報をあっさり信じて動揺していたため、どこか弱々しい印象があった。 また、ケルシャ―があまりに多くの嘘情報を拡散することは危険であり、本当に効果的な仕事とはいえないことも理解した。 ケルシャ―は明らかな嘘よりも、半分事実を含んだ嘘を広める必要があるだろう。
( ・(ェ)・)スプークマさん、いつも乙です!本当にありがたい。 それにしても、この些末まで微に入り細に入り語らすにおれないサンダースンは、真の意味でのオタクだなぁ。 この語らずにおれない自意識が暴走せず、作品として節度を保ったエンタテイメントになってるところがすごいわ・・・。
はい 毎度どうも( ・(ェ)・)スプークマです 謎の体調不良でちょろっと間が空いたりしてますが、予定通り支配王があぼーんする辺りまでの注釈は最低限続けます。 と言ってもそれだけでもあと20日分以上手元にたまってるので、毎日とは言わずともちびちび投下して11月中旬くらいまでにはいけますかね。 20章の注釈 僕は本章について、少々心配事がある。 問題はおそらく、最も多くの改訂を加えられた章の1つだということだろう。 本の中にいくつかの場面を追加する時、それをどこに配置するのが適切か、という類の問題だ。 最初はいくつかのパラグラフに分かれていたものを、結果的にまとめてしまったのがこの章になる。 例えば、前の部分から引きずっているヴィンとシャンの関係。 以前の2人の相対シーンからある程度の時間が経過し、なお二人の険悪な関係は続くことを示す必要があったためこの章に入れたが、章前半にスペースを割きすぎた気がしている。 次に、僕はミストボーンの世界の状態がどれほど良くないものかということを読者に思いだしてもらうために、スカ―の生活(子供達が木を揺すって灰を払い落しているところ)の場面を加えた。 キャラバンを運河輸送船へ変更するためにも手を加えた。
まだある。 ついでにヴィンがマーシュと共に彼女の母親に関して話す場面までここに放り込んでしまった。 全部ひっくるめて、完全にごった煮になったことを否めない。 それで多くの重要な情報を提示することはできたものの、話のテンポを損ねたことはちょっと好ましい状態とは言い難いな。 ------------------------------- 僕は、読者が合金術の理論とその効果について、どのくらい関心があるかについて確信がないんだ。 ただ、少なくとも一部の人々はこのような魔法体系の理論とバックグラウンドに興味があると思うので、時折解説を含めるようにしている。 そうではない人々に対しては、ここでのマーシュによる長くくどい説明が行われたことを謝罪するよ。
21章の注釈(1) この物語の中の運河に関する設定で、僕は編集者のモウシェに感謝しなければならない。 実は彼はちょっとした運河オタクなんだ。 彼は僕の原稿を読み直している時、ミストボーンの世界の文明レベルにつりあった相応の運河技術とはどういうものかを興奮しながら解説してくれた。 それで、彼の提案によって元々陸路の移動キャラバンだったものは輸送船になり、馬車はロングボートに差し替わることになった。 変化のある世界は良いものだ。 古典的な物は確かに魅力的だが、一様にそればかりが並んでいるのを見たり、聞いたり、書いたりするのでは退屈になってしまう。 だから、ファンタジーだからといって一様に汎用的な馬に乗っての旅ばかりを行うだけの世界ではなく、色々な特徴のある要素を組み合わせていきたいと僕は考えている。 それにしても、モウシェ、この男。 随分と色々な事について詳しく知っているんだな。 -----------------------------------------
当初僕は、例の日誌の内容を抜粋する目的で、この章を書き始めた。 しかし考えてみれば、そもそも日誌の内容は各章の冒頭の部分に少しずつ書いてるじゃないか。 そのため、章内にまで日誌の内容が重複して、事態は混乱してきた。 そこで、単にセイズドが翻訳した日誌の内容を吟味するだけではなく、その頃ケルシャ―がルサデルを離れて何をしていたかという場面を急いで付け加えて、その道中で暇つぶしに日誌の翻訳分を読ませることにしたんだ。 これは日誌の内容をある程度まとめた形で見る最初の機会になる。 各章の冒頭は、章内で展開する話と直接関係しないので、その場限りの読み物でしかない。 こうして章内でまとめたものを出すのは、これまで各章の冒頭部をある程度流し読みしていた読者にも必要な情報を再提供する意味合いや、 あるいは読み込んだ読者でも毎度細切れな文章なため前後のつながりが理解しづらいため、前後関係がはっきりした形で読んでもらおうという意図もある。 ------------------------------------ この章では、ハッシンの穴倉で行われていることが実際にはどういった内容かという情報がはじめてもたらされる。 これは当初は計画しておらず、ここでケルシャ―が訪れる洞窟と、ハッシンの穴倉に意識的に共通点を持たせる意図はなかった。 しかし、僕が穴倉について設定していたことが、この洞窟内のひびわれとうまく合致していたようだ。 結果としてこれはケルシャ―の過去を探求する余談を追加するために有効なポイントとなった。
21章の注釈(2) おかしなことだと思われるだろうけど、当初、僕はケルシャ―がルサデルに残り、ヴィンとイェデンを共にこの洞窟へ向けて旅立たせようとしていたんだ。 実際にケルシャ―が「洞窟へ向けて出発しろ」というようなことを言って、ヴィンとイェデンを送り出す場面を半分くらい書き始めてすらいた。 正直に言って、当時の僕が一体何を考えてそんなことをしていたのか未だによくわからないんだ。 幸いなことに僕は正気を取り戻し、速やかにこの場面を書きなおした。 ヴィンには色々やることがあるので、ルサデルに留まる必要がある。 とはいえ編成が進んでいく軍の様子を示す機会も欲しかったので、代わりにケルシャ―を送ることにした。 そうすることで、ケルシャ―の姿を軍の参加者に対して直接アピールする機会も得られた。
しかし、僕はこの場面に多くの時間を費やしたくはなかった。 ヴィンが洞窟に来る当初の計画では、ここで2,3章も費やす予定だった。 それがケルシャーへ代わった際に、僕はそれを1つの章に短く圧縮した。 そういった理由から、後半パラグラフの初めでは全知の魔法たる「おかしな時間の経過」が発生することになる。 ------------------------------------- この章についての最後の注釈は、ビルグについてだ。 僕は彼が決闘の中で死亡する流れを想定していた(彼はこの章の最後で、ケルシャ―の密かな援護を受けたディモ―と決闘する)。 オリジナルの草稿では、決闘の結末はケルシャ―がディモ―を通じてビルグを殺 すことになっていた。 僕はこれをケルシャ―のやり方として適切であると考えていたんだ。 というのも、僕はケルシャ―にある冷酷な一面も強調したいと強く思っていたからだ。 彼は自分の目的の達成のためには、やらなければならないと考えれば何でも実行する覚悟がある。 彼を面白い人物にしているのは、陽気で軽口を好む緩い部分と、抵抗勢力の冷酷な指導者の側面が混在しているところだと僕は考えているんだ。
ジョシュアはこれについて大きな不満を持ったようだ。 彼は、私の本には主要な人物がこのような厳しい決断をするのに相応しくない、あくまで楽観的な印象を持っているらしい。 実際、彼に限らずアルファ読者の中にも、この流れに読者が賛同しないのではないかという懸念点を挙げた者は一定数いた。 もちろんケルシャ―に対して僕とほぼ同じ印象を持っていた人もおり、何人かは決闘でビルグが死亡する流れに納得していたが、他の人達はこの展開を嫌ったようだ。 これは困った事態だったね。 結局、僕はジョシュアの提案に沿って、決闘の中でビルグを殺 すことはせず、その後処断という扱いにした。 僕から見れば、この展開はこの場面をやや骨抜きにしてしまったと言わざるをえない。 とはいえ、最低限必要な場面は変化無いことではあるし、ケルシャ―の人物像にそれほど大きな影響を与えることもないだろう。 しかしながら、今後の2,3冊目に向けて物語上の様々な準備を重ねるためにも、ビルグは決闘の中でディモ―(ケルシャ―)に殺されるべきだったと僕は今でも思っているよ。 そのため、僕の意識ではここは結果的に本から削除されたシーンだという考えでこの場面を見ることにしている。
22章の注釈(1) 伝金術。 この呼称ほど、この魔法体系にふさわしいものは他に無いだろう。 じゃないか? これは最初は血金術と呼ばれていたが、それは後に出てくる第3の魔法体系により適切な呼称のため、そちらに使用した。 (のちほどそちらについても紹介するだろう) 伝金術は、「終の帝国の物語」(僕がこの本に取り掛かる前に書いた、ミストボーンの原型)から移植した魔法体系だ。 これの使い手は、彼らが必要な時に様々な特質−−−例えば、強靭さなど−−−を金属に蓄積することができ、任意の時にその蓄積分を 解放して使用できるというものだ。 問題は魔法体系自体があまり汎用的ではなく、使い所をあまり作れなかったため、僕が望むほど頻繁には活用する機会が無かったことだ。 この世界を構築していた時、僕は「たもちびと」には尋常ならざる記憶の手段が必要と考えていた。 その手段として、伝金術がセイズドと彼の同胞にとって完全な魔法体系を構成できると感じた。 この魔法体系にも金属を使用できると決めた時、(それぞれの種類の金属にどんなものを保存できるか、そしてそれらを 持ち運ぶのにどういう携帯・保存方法を用いるのか、様々な制限の定義を与えることによって、 これは遥かに面白いものとなったと思う)僕は自分が本当に何か良いものを持っているんじゃないかと思ったんだ。
この物語では複数の魔法体系が使用されているが、それらに共通の要素を持たせることが重要だと僕は考えている。 伝金術と合金術は、同じ概念から生まれた別々の側面だ。 この2つは似ているようで異なる効果を発揮する。 これらについてはまだまだ色々と語るべきことが出てくると思うよ。 ------------------------------------- スプークは、僕がタイムワースターガイドの掲示板で知った非常に緩い人物に由来している。 彼の投稿ネームはザック、あるいはジェムだっただろうか。 彼は突拍子も無くランダムな話題を投稿するのが非常に上手く、それはよくよく注意深く見るとかなり詩的だとすら言えるほどだったんだ。 僕はリズム感のある方言で話す人物を作りたいと思ったが、実はそれはとても難しいとだったんだとわかったよ。 スプークの初期の人物像はまさにそこから来ている。 通常、僕は特段方言に思い入れがあるわけじゃない。 ただ、その何かが興味を掻き立てた。 彼らの言葉の意味が全く理解できないほどの場合でも、なんとなく彼らの言葉の響きを気に入ることがある。 とはいえ、彼らの言葉を文章で読むのはやはり好きではないね。 スプークに関しては心配はいらない、彼は少しずつわかりやすい言葉を話すようになっていくから。
22章の注釈(2) テリスの宗教と「たもちびと」が珍しい存在であるのは、社会の構成要素として興味深くも悲劇的な側面を示している。 僕は、彼らが未来の人々のために過去に関するあらゆる知識を集めて保存するという概念が気に入っている。 しかし、ミストボーン全編を通して起こっている全てのことに関する手掛かりがテリスの宗教の中に隠されているため、 僕はテリスの中に彼ら自身の宗教の専門家というものを存在させることができなかったんだ。 彼らが失われた自分達自身の宗教を未だ見つけられていないということが、彼らが宗教に関して重要な知識を集めることの大きな動機になっている。 彼らはありとあらゆるものに関しての記憶をため込んでいるが、彼ら自身が最も求めている知識は失われたままなんだ。 ----------------------------------- ハムの家族は1冊目では姿を見せていない。 彼に家族がいるという設定も、人物にもう少し深みを与えるために気まぐれに追加したことではあるが、 残念なことにそのあたりについてもっと深く掘り下げて書くだけのスペースがなかった。 その中で、ドクスのために多少のスペースを割くことができて良かったと思う。 彼がどのような人物で、行動の動機はどういう理由から来るのか、そういった彼の人間らしさを垣間見ることができるヴィンとの 会話の場面に僕は満足している。 ドクソンがケルシャ―のやり方に完全に共感している理由についても、ここから読み取れるだろう;もっとも、彼自身の生き方自体は ケルシャ―よりもずっと抑制されたものだけど。
この世界の最も不快な要素として、貴族が定期的にスカ―農園の女性を強姦しているという点がある。 僕は自分の本に過度な性的要素を持ち込むことを好まない。 かといって、本の中に性的要素が存在していることと、本自体がセクシャルブックであることはまた別の話であるとも思う。 様々な点で、これは不正かつ堕落した社会だ。 それがどの程度酷いのかを示すため、この場面が必要だった。 更に、僕は読者にヴィンの視点で物事を見てもらいたかったので、この場面には衝撃的であって欲しかった。 プロローグでのトレスティング卿の例にも見られたように、これが貴族社会でしばしば行われていることは読者にも周知だ。 しかしそれも、ヴィンのように貴族社会に一旦入り込んでしまうと、表向きの華やかさに粉飾されて、半ば忘れかけてしまう部分がある。 その上で、貴族の中でも例外的存在であるエレンドの人柄に触れたり、あるいは華やかな舞踏会を体験することは、 貴族の無情な裏面を忘れさせることを助長しているはずだ。 そのため、ドクソンが改めて現実についてにべもなく口にする時、読者はすでに知っていることではあるけれども、 言われてみればそういうものだったと改めて驚くことを期待している。 一部のアルファ読者は、ヴィンがこれほど思い違いをしていたのが非現実的であると思ったようだ。 というのも、スカ―の地下生活を送ってきたヴィンは、売春宿などについての実態も当然理解しているわけだから。 しかい、実際に貴族と交流を持ってその生活を見た後には、再び現実に直面するまでに ヴィンがそれらのことに意識を向けていなかったのはごく自然なことであると思う。
23章の注釈 前にエレンドの姿を見てから、ここで彼が再登場するまでの時間はかなり長かった、じゃないか? 僕はそう思う。 物語のもっと早い段階から、一貫して彼の出番を用意できれば良かったんだけど。 とはいえ、これから話が進めば進むほど、彼の姿を目にする機会はますます増えていくと約束する。 つまるところ、彼は1冊目だけでなくミストボーン全編で主要な人物となっていくわけだから。 ところでこの章の義務官の場面は、ヴィンにとってもそもそも義務官のシステムがどういうものかを理解する機会となり、うまくいったと思う。 僕らの世界では一般に普通の聖職者といえば、彼らは人々の精神的な幸福を見守る存在だ。 しかし、支配王の関心事はそこにはない。 そのため、彼の聖職者たる義務官は、帝国の経済を見守る。 それは概念としての神ではなく、まさしく今生きて存在する神の下でだからこそ行われることだ。 ----------------------------------
このシャンの場面は、一種の場繋ぎだ。 ここでは彼女は、まだ彼女がヴィンの周囲でうろついて、ヴィンの人生を面倒なことにしているということを 君達に思いだしてもらうためだけに現れた。 後で彼女を敵対者として利用したかったので、僕は君達が彼女を誰だったか忘れないように再確認しておく必要があったんだ。 ヴィンの能力を暗示するため、1冊目の中で彼女が戦う相手として霧の落とし子を1人用意することも重要だった。 そしてもちろん、シャンについての読者の予想を上手くひっくり返すことも。 ----------------------------------- ここでのヴィンとエレンドのシーンは本当にうまくいったと思う。 2年程前、休暇でパームスプリングへ行った帰りに、車の中でこの部分を書いたんだ。 ディモ―隊長の命名の元であり、当時の僕のルームメイトでもあったミカ・ディモ―が、僕が執筆できるように 帰りの道中ずっと運転を引き受けてくれた。 何て素晴らしい男だ。 ディモ―隊長は、彼の名を取って付けるに値する人物になったと思うよ。 -----------------------------------
まだ言及していない裏話として、金属「錫」についての一件がある。 当初、錫は合金術用の金属の中には入れておらず、現在の錫のポジションには銀が使われる予定だったんだ。 聞いてくれ、僕は白?の成分の中に多くの銀が含まれると思い込み、当初「銀と白?」を対の合金にしようとしていた。 さてさて、実際にはそれは間違いだ ( 思い出して欲しい、合金術で対となる金属は、1つの金属とそれが含まれる合金のセットだ ) 。 白?が銀と鉛から成る合金であるという僕の間違った確信が発生したそもそもの発端は、僕の幼少時の経験にある。 僕は当時、地元の玩具屋で買ったフィギュアが鉛塗装だったことを覚えている。 店員の一人は、僕にフィギュアの生産業者が安全性を重視した塗料を採用するため、フィギュアの価格が上がりそうなんだということを教えてくれた。 彼らは、白?が鉛より毒性が低いため安全だという理由から、鉛の代替塗料として採用されると言っていた。 僕が鉛と白?の違いが何なのかを尋ねたところ、彼は「白?は鉛に銀を混ぜているから、安全だけど値が張るんだ」と言ったんだ。
Σ( ・(ェ)・)しまった「しろめ」は環境依存文字だった
彼が銀と錫を勘違いしていたと、今の僕にはわかっている。 いずれにせよ、その経験は長いこと僕の頭に留まっていたようだ。 僕は真実に気がついた後も、銀を錫に正しく変えることに抵抗感があった。 問題は、そう、かつて銀を燃やす予定だった合金使いの呼び名「銀の目」が気に入っていたことだ。 それは錫の目よりずっと響きが良かったから。※ しかしながら、結局はご覧の通り変更した。 1つの呼び名の響きの良さを残すことよりも、魔法体系の中に事実に基づいた一貫性を持たせることが重要だからだ。 僕はこのやり場の無い思いを、あの地元の玩具屋にぶつけたいと思う。 ちくしょう! ネブラスカ州リンカーン市の 「hobby town」め! ※ ( ・(ェ)・)原書では、錫の目は tin eys と表記される。もちろん銀の目だとシルバーアイだったわけで、 言葉の響きとして著者が銀の目に未練があったのも無理はない。スプークもシルバーアイになりそこねてしまった。
( ・(ェ)・)今週は一週間ほど全く投下してなかったんで、今日はもう少しいってみます 24章の注釈(1) この章でヴィンは、誰かから手渡されたカップで飲み物を飲んでいる。 非常に些細なポイントではあるが、彼女が舞踏会に行くようになってから、同じようなことはしばしばあっただろう。 それでも、このように彼女に休憩の時があり、最初の頃の彼女からどれほど遠いところまで来たかを振り返るような、一種の隠喩的な確認の場を持ちたかった。 ----------------------------------- もし君がスプークの方言を好まないなら、僕はこの章について謝罪する。 この部分は、僕がこの本で最も時間をかけた部分だろう。 僕は本当にここで出てくる彼らの方言のフレーズが好きだ。 僕は方言のリズムと響きに焦点を当て、単純に声に出した時に頭韻を結んでいて面白いようにしようとしたんだ。 君達が、この場面での彼らの会話が何を言っているのかわからなかった場合にそなえて、 会話内容を大雑把に標準化したものを以下に用意しておこう;
スプーク「いいことないのはもてあそぶのが許しないのこと (そういう風に人の感情を弄んでいると、嫌われることになるよ)」 ケルシャ―「気にかけないのがあの男。心配の必要ないのない (あいつのすることに関して、お前が気にかけてやる必要はないぞ。それほどの価値もないさ)」 スプーク「やめるのやっぱりやる輩 (多分、あなたの言う通りなんだろうね)」 ブリーズ「ふたりして何をわけのわからんことばかりいってるんだね?」 スプーク「そうあるのある頭のよさ。それを望むのための男 (彼は賢くありたいんだ。自分が賢いということを証明したいから、他人を使いたがるんだ)」 ケルシャ―「ずっとであるのこれするため (あいつはいつだってそんな感じさ)」 ハム「ずっとであるの望んでこれするため。頭よく望んであるのない (彼は不安なんだよ。俺が思うに、彼は本当は自分がそれほど賢くないかもしれないと心配になって、 ああいうようにしてるんだ)」 ---------------------------------------
※( ・(ェ)・)スプークのことなので、スプークマもこの下りについて言及してみよう。 この部分について、和訳版の訳者はけっこう苦労したと思う。 原書では、著者が前の注釈でも言っているように「リズム感のある方言」ということで、 スプークは Wasing という謎の単語を多用して wasing the was 〜や、 Riding the rile of the rids to the right のように、 早口で言うと「わじわずわじ」とか「らいざらいぶらいざらい」のように転がすような発音になる言葉使いをしてる。 これが著者がこの注釈で言っている、「声に出した時に頭韻を結んでいる」ということかと思います。 ただ原書の文章をそのまま訳しても日本語では「頭韻を結んでリズム感のある方言」を表現することは かなり無理があるため、訳者はとりあえず独特な言い回しでなんとなく面白い会話になるようにということで、 おそらく方言を正しい英語表記に戻した後で機械翻訳に突っ込んだような雰囲気の訳にしたんではないかと思う。 例えば普通に和訳すると「これはどういうことだ!」という意味の文章の原文を機械翻訳に入れると、 「これであること!」というようにスプーク風になったりするんです。 ということで海外小説を機械翻訳に突っ込むと、場合によってはすべての登場人物がスプーク化する恐れがあるので、 お勧めできません。
君達は、ヴィンがこの部屋の外の暗闇から、部屋の中の談笑や温かさを見ていたことを覚えているだろうか。 あの場面は、結局のところヴィンが以前のポジションから大きく離れて、今のこの場面に至ることがわかっていたからあったものだ。 様々なことが、この時点から新たに動き出すだろう。 僕はまだ悪名高い「ブランドン雪崩」を起こしていないが、終盤に向けてここからペースが上がっていくはずだ。 そのため、僕は嵐の前にちょっとした平穏と気楽さのある、リラックスした場面が欲しいと思った。 また、僕は笑いが好きだ。 ミストボーンは、僕のこれまでの本ほどには親しみのこもった冗談をおりまぜる余地が無かった。 これはより暗く、より激しい物語だ。 しかし、機会があればそういう場面は必ず入れたかった。 ここは本の中でも特に気に入っている場面だ。 ( ・(ェ)・)「ブランドン雪崩」は日本の訳者や解説者による独自表現かと思ったら、著者自身による公式名称だったようです
24章の注釈(2) 君達が気がつかなかった場合にそなえて書いておくと、ブリーズを軍に送ろうとするケルシャ―の意図は、彼の隠された計画に関係がある。 彼は仲間の各人がいずれは人々のリーダーとなっていくことを期待しており、この場面では現在軍を預かっているハムと交替させることで ブリーズにも指揮官としての経験を積む機会を与えようとしている。 ----------------------------- 11番目の金属の信憑性については言うまでもなく、人々の間で増大していくケルシャ―の評判に対して ヴィンとハムが持った不安感が、君達にも伝わっていれば幸いだ。 問題はケルが計画の中の自分自身に関わることを彼らに全く説明していなかったことであり、また、 事態はケルシャ―が彼らに話していたものを超えて動き始めているように彼らには思えていることだ。 11番目の金属は非常に疑わしい存在だ。 すぐに、ヴィンがそのことについてケルシャ―に詰問することになる。 また、10番目の金属について明らかにしていくことも約束する(申し訳ないことに、かなり長い説明になると思うが)。
ヴィンが都市部で、人々が虐待されているのを目にする場面は、複雑なスカ―の生活についての説明補強とするために、 書き直しの際に追加した一例だ。 モウシェは読者にこの設定を印象付けるため、いくつかの場面に徹底的にばらまいておくことを望んだ。 それと、ヴィンとハムが白?について議論するところは場面としては悪くなかったが、 合金術の説明という意味で見た場合はあまりうまくない結果だったと思う。 問題は、ハムがこのことをヴィンに話すために議論を長引かせてしまったことだ。 彼女は身体的に作用する金属の扱いが非常に上手いので、白?のような金属については議論として紹介するより 彼女が本能的にそれを使用する場面を用意した方がわかりやすかったのかもしれないと思っている。 この場面にハムが混ざってくる理由付けについては、うまくいっていると思う。 チームのメンバーの中でもごまかしや遊びのない彼のストレートな個性は、物語の中でとても良いキャラクターとして働いてくれている。 とはいえ、もちろん彼に関しても全てが上手くいっているというわけではない。 いつだって、そういうものだ。 じゃないか?
343 :
名無しは無慈悲な夜の女王 :2012/10/29(月) 21:08:10.38
ageとくか。
オウフ ( >(ェ)<) 熊インフルか? 25章の注釈(1) 僕は白めの引きずりが、ちょうど僕の帽子から引っこ抜いた何かのように思われないことを願っている。 僕は作者が唐突に魔法体系の新しい要素を付け加えてしまうようなことが好きではない(魔法体系のシステムをどう発展させるかについて書いた、僕の最近の随筆物を見て欲しい)。 その代わり、登場人物ができることをもっと最適に実行するための新しい方法を見つけることは、僕にとってはより良いことだ。 これは白めの自然な効能だと僕には思える。 更に、ケルシャ―とヴィンを速やかに戦場に届ける必要があった。 この本で僕は、彼らがしなければならないことを適切な時間の中で片づける方法を考えることが、最もやりがいのある局面の1つだとわかった。 3冊目では、ある人物が大陸の半分を横断して、ラストシーンまでに別の方法でまた戻らなければならない局面が生じる。 --------------------------------------------- このように軍を潰すことは、最初から予定されていたことだ。 僕はチームの計画に何らかの大きなねじれを与えることが必要と考えており、これが物語の展開に良く働くと考えていた。 加えて、それはケルシャ―自身の増大する評判に単を発する原因から起こるので、自然な展開であるとも感じた。 彼が懸命に進めていたものが、ここで彼に背を向けることとなったわけだ。
アルファ読者がこの章を読んだ時、彼らは軍の損失がそれほど大きな障害になるとみなさなかったようだった。 それは、僕の初期の草稿の大きな欠点を認識した最初の一件だった。 僕はチームがアティウムを盗むための活動については色々書いたが、一方で軍の編成や勧誘に関しては薄かった。 そのため、読者は都市の確保よりアティウム強奪に大きな集中を向けることになったのだろう。 確かにそういった観点からだと、軍の損失はそれほど絶望するほどの問題でもなく見えてしまうのはもっともだ。 そのため、僕は書き直しの際にもっと軍にも着目すべきだと考えた。 そうすることで、本章での軍の壊滅という事象はより心に訴えるものになるのではないか。 チームの雇い主であるイェデンは死んだ。 それは一つの面では全ての終りを意味していなければならない。 ---------------------------------------------
ヴィン自身が指摘するように、これはケルシャ―が単独行動を計画したにも関わらず、彼女が強制同行した2度目のものとなる。 しかしこれは前回とは異なる、または比喩的に異なった意味を持たせたいと僕は思っていた。 ヴィンが同行していなければ、ケルシャ―は敵軍を襲撃しただろう。 そうなれば彼はおそらく死んでいただろうし、それは本当の終りを意味する。 彼は衝動的に動こうとしたが、しかし、ヴィンはクレディク・ショ―での瀕死の経験から学んでいた。 霧の落とし子が無敵ではないこと、また、ケルシャ―にも未だつかめていないような、ヴィン自身が持つ何らかの特質についても。
25章の注釈(2) 僕はヴィンとケルシャ―が長距離を移動するのにかかる時間と、軍が崩壊するまでの時間とのバランスがうまくいくことを願うばかりだった。 これは以前述べたように、僕がファンタジーを書くにあたって最も困難に感じていることの一つだ。 正しい速度で事態を移動させることと、実際の移動距離を適切なバランスで合致させるためのコンセプトを僕はつかめていないんだ・・・うむ、これは本当に難しい。 白めを引きずることでどのくらい速く走れるか、それが軍の行軍速度と比較してどの程度の差があるのか、また、運河船と比較した場合はどうなのか。 それらのことをすみやかに決めなければならなかった。 全てを適切に計算して比較できる人がいれば是非連絡が欲しいところだが、うむ、今回はもう書き終えてしまった後の話なのでもう手遅れか。 とにかく正しく書けていることを祈るばかりだ。 --------------------------------- そう、ヴィンの合金術はケルシャ―よりも強力だ。 それは2人が洞窟を下っていく場面でも暗示しようとしていることだ。 それにしても、ケルシャ―はここで「合言葉など必要無い」と言っているが、以前洞窟を訪れた際に、誰であろうとそういった例外を許可して通してはならない、というようなことを兵士に対して説教したのは誰だっただろうか? ああ、ケルシャ―・・・ ----------------------------------
以下、この章を書き終えた日の僕の日記より(僕は時々、この注釈を書く時のために日記を残している)。 物語の視点をヴィンに切り替えてから、この章の前半はすぐに書き終えることができた。 僕が望んでいたように、彼女はすでにケルシャ―以上に物語を支配するようになってきている。 僕が思うに彼女はケルシャ―よりも多く深く内面的な葛藤を抱えているため、そのことがかえって彼女の視点で物語を書くことを容易にしているのではないだろうか。 場面が再び洞窟に戻ると、事態は全く面倒なことになった。 僕はメニスを再登場させ、ケルシャ―が一種の自己分析の時間を持つことを望んだ。 問題は、彼が自己解決のために費やす時間がどれくらい必要なのか、今一わからなかったことだ。 彼は物事の結果から自分を批判し続けるようなタイプではないので、あまり長い時間悩んでもらいたくはなかった。 更に僕は、メニスとケルシャ―の議論を次の章まで持ち越すことも避けたかった。 結局のところ、軍は壊滅したものの、計画自体が失敗に終わったわけではないからだ。
章の後半は、メニスが会話上の対立者としてケルシャ―に「もう充分にやったのだからここでやめてしまえばいい」というニュアンスの意見を出すと決めるまで、中々作業が進まなかった。 これはプロローグにおけるメニスの役割と結局さほど変わらないわけだが、僕がなぜそれだけのことを決めるのに時間をかけたのかよくわからない。 書き直しの時にはもっと速やかにそこに辿りつく流れにしようと思う。 挫折や失敗の場面を描くセクションを上手く重ねていくことができれば、最終的に物語がひっくり返った時に圧倒的な感覚を生みだせるものだと思う。
白鑞 MS−IMEには登録されてないかな。
( ・(ェ)・)普通に書き込みできれば問題ないんだけど、代行書き込みを使用すると白めは漢字で打っても投稿後に「白?」になってしまうんだ。 というかいつまで続くんだこの規制は 3部 まとめ あらかじめ述べていたように、事態は次の4部で急速に展開する。 しかしながら、3部はその展開の遅さにも関わらず、人物の成長については思い通りに進められたという点で満足している。 ヴィンがチームの仕事に加わることを通して自分の居場所を学ぶこのセクションには、精神的な自由感がある。 彼女は当面の間は合金術を使用しないことを言いつけられるが、その結果として多くの時間を様々な人物と共に過ごすことになる。 そしてそのことがエレンドの人物像をも確立させていくこととなった。 さて、軍の壊滅とこの先いくつかの章での出来事によって、この状態は長く続かない。 事態は危機に至り、ルサデルの都市は極度の緊張状態へと突入していく。 ----------------------------------
せっかくこのような機会があるので、以前から話したいと思っていたことについて言及させてほしい。 ヴィンの名前についてだ。 この名前を、昨今人気のあるアクションスターと関連付けした読者もいるのではないだろうか。 実際のところは、つながりは全く無い。 ヴィンの人物構成を考え始めた時、僕は何か短くてシンプルな名前が欲しかった。 明確な理由は無いが、単一音節名であることが、この主役にとって重要な気がしていた。 それは彼女の基本的な性質を決定し、広げていくために自然なことであったように思う。単純でストレート、それでいて印象も弱くない。
しかしながら、ヴィンは元は少年だった。 「終の帝国の物語」として書いていた頃の主役は少年だったんだ。 それをミストボーンとして再構築するにあたって、様々な人物像を固めていく中、主役を女性に変更することがより良い方向へはたらくと考えるようになった。 人生に対するある種の諦めやぶっきらぼうな態度は、少年のヴィンにはやや不釣り合いなところがあった。 それらはヴィンを女性に変えることで、うまく当てはまったと思う。 ミストボーンの最初のサンプルでヴィンを少女として実際に書いてみて、僕はある確信をした。 「終の帝国の物語」では、僕は主役の性別を取り違えていたんだ。
今ちょっと3週間休み無いので、後程生きてたらまた来ます
白鑞もやしてがんばれー
a memory of light 出たな
もしかして1年半ぶりに規制解除されているのかな?
おお、いけた。 無事生還したものの書き込み代行の串が枯渇してて結局書き込み不能でした。 またすぐに規制かかったりしたらどうもなりませんが、今後も書けそうだったら続きをやってみます
26章の注釈 この章は、1冊目の中で僕が特に気に入っている部分かもしれない。 ----------------------------------- これは物語が新たな局面を迎える章だ。 僕は結果的にこの場面が特に気に入っているんだ。 噴水広場の場面は最後の最後になって追加した。 処刑が行われることは最初から計画していたが、実際のところそれがどのように実施されるかというところまでは決めていなかった。 劇的かつ記憶に残る必要があることはわかっていたので、ギロチンなどのようなありきたりのものは使いたくなかった。 都市に噴水広場があることは想定していたので、本章での処刑に独特のイメージを持たせる手助けになっただろう。 本章で気がかりなことは都市の人口の表現だ。 ルサデルには多くの人々が住んでおり、各区画に過剰に押し込められている。 僕はこの場面でいかに多くの人々がいるかを表現できていることを期待しており、また当初は1人ずつ行うことにする予定だった処刑を4人単位とすることで、より多くの住人の中から多くの処刑対象が選ばれたということを示したつもりだ。 -----------------------------
本章では、ブリーズがついにケルシャ―に対して感情的に意見をぶつける。 彼の主張はおそらく多くの読者にも理解できるものではないだろうか。 それをここではっきりと彼に言わせる必要があった。 僕はその場面と処刑の場面を同様の1つの理由からまとめて計画した。 処刑の場面については詳しい描写は少量にとどめたが、ケルシャ―が仲間達をそのような死と破壊の場面に立ち会わせることこそが、極めて重要なことだった。 ブリーズの爆発は、本章で彼に言わせるべきことを言わせること以上の意味を含んでいる。 これはケルシャ―が、仲間達が真実を受け入れるために彼が用意できる最後の機会であり、また、もちろん今や彼らがそれを受け入れることができるほどに成長していることを確信していたとも言える。 それによって、この本は1つの目的に向かってより集中した道を進んでいくことになる。 それはもはやアティウム強盗に関するものではなく、帝国を打倒することだ。 --------------------- <以下、ネタバレ防止反転処理部分> ケルシャ―が立ち、支配王のなだめに抗って仲間達をかきたてるところは、後に2人が都市の広場で相対する場面の伏線予兆となっている。 一方はあひたすらに強力で、もう一方はひたすらに頑強だ。
27章の注釈 ここはこれからやらねばならないことの再確認の場面だ。 チームは修正された目標に向けて方向転換し、再充電を計る。 多くの再計画と共に。 とにかくこの場面には良い感触があり、執筆も迅速に進めることができた。 さらに僕は、ヴィンが11番目の金属についてケルシャ―に詰問するところが気に入っている。 まさにここでは、ケルシャ―がこのことについて嘘をついているのかそうではないのかを読者が判断するポイントともなっていると思う。 11番目の金属に関する伝説を彼は本当に発見したのか、そしてそれを信じているのかいないのか。 <以下、ネタバレ防止反転処理部分> 実際のところ、彼はその伝説を発見したのか? セイズドも知らないような伝説を。 他の誰もが聞いたこともない伝説を。 答えはyesだ。 彼が発見したそれは疑わしいものだったが、それでもケルシャ―はそれを信じた。 彼がどこでその情報を得たかについては、シリーズ後半で語られると思う。 <以上、ネタバレ防止反転処理部分> ---------------------
9番目の金属。 これがどんな効果を持つのかを決めるのは難しいことだった。 僕はこれがアティウムに対して反対の方向へ働く何かとなることを望んでいた。 そのため、アティウムのわずかに未来が見えるようなものと同じ種類の、過去に対する歪んだ展望を与えるものとした。 明らかに、これは後からプロットに戻ってくるだろう。 この金属を紹介する場面に到達するまでに、あまりに長い時間をかけてしまったことを懸念している。 君達は9番目の金属が燃やされた時に起こったことについて、長らく疑問に思ってはいないだろうか? そう思うとしたら、それはヴィン自身もこれによって起こったことが何なのか明確に把握できていないからだ。 そしてそれは僕自身の書き方にも原因がある。 問題は、ここが実際にこの金属を燃やす最初の場面だったということだ。 合金術は非常に複雑な魔法体系であり、僕はその多くの奇妙な側面についてわかりやすい金属から順に掘り下げて、読者が合金術に慣れるために十分な時間をかけることを望んでいた。 ---------------------------- ああ、それと、僕は君達がマーシュのことを忘れてしまっていないことを期待している。 覚えていてくれたなら、彼の入れ墨に関してもすぐに理解が行くと思うが、義務官となる道を辿ることが彼が聖職省に潜入するための唯一の手段だろう。 彼の名誉のために言及すると、マーシュはケルシャ―と同じくらいに人々の信頼を得ている。 それが表面に出ていないのは、彼が賞讃や名声を得ることに全く関心が無い人物だとことが、恐らく大きな理由だろう。
クマさん待ってました! いつも楽しみにしてるよー、ありがとう!! マーシュェ……ミストボーンの続編が出たら出るかもしれないと聞いて気になってる
どーもすいません、相変わらず仕事が地獄行き状態でして 4月になって多少落ち着いてきたっぽいので、そろそろ再開できると思います
28章の注釈 「ヴィンが本章でどのような服を着ていたかを決めるのに、自分達には何も意見を求めなかったじゃないか」、と言う女性数人からの苦情を受け、このパラグラフでヴィンに白いドレスを追加した。 正直に言って、女性は非常に奇妙なことを気にするもんだなと思うよ。 生きるか死ぬかの戦いが生じているというのに、彼女達が気になるのは死にかけた男の返り血が服にかかった時に印象的に見えるかどうか、ということなのだから(・ω・) ------------------------ チームのメンバーの生活はほとんど貴族と変わらないという点は、ヴィンが本章で指摘する重要な事象だと思う。 多くの人物との交流を重ねることで今の彼女が作られ、それによってより自然に貴族の中に混ざることができるようになっている。 すでに彼女はケルシャーの計画での自分の役割ばかりに意識が向いているわけではないということに、君達も気がついたかもしれない。 それは彼女が良い方向へ向かっていることを意味している。 --------------------------
ヴェンチャー家とアティウムの関係は、今後の展開を予兆する何らかのちょっとした要素を出したいと思って設定した。 しかしながら、本章の時点のエレンドが自分の家やアティウムについて知っていることを絞りだしても、ヴェンチャー家と穴倉とアティウムの真の関連性は伺い知れない(それが、今後の展開を予兆するための「ちょっとした要素」としか言えない理由だ) ところで、エレンドが「数年前にあることが起こって以来」とアティウムの発掘を妨害する出来事があったとほのめかしているが、これは穴倉に送り込まれたケルシャ―、ハッシンの生き残りが覚醒し、穴倉近くの貴族や兵士の仮住まいを吹き飛ばして全員を殺した事件のことだ。 ------------------------ 以前書いたように、僕はエレンドが物語の一つの視点となっていくことを待つ必要があると感じた。 これにはいくつかの理由がある。 最も優先される理由は、この物語が基本的にはヴィンについての話だということだ。 ケルシャ―にも中心的役割はあるが、この本の全てのものはヴィンとその周りに及ぶ影響について焦点を当てている。
エレンドが早々に物語の主要な人物になってはこなかったのは、当初僕が彼を不安定に思っている部分があったからだ。 僕は多くの登場人物の中で、彼を非常に気に入っている。 しかしながら、彼を中心にすえていなかったことで、僕は読者が、ヴィンに対しエレンドが真剣に相対しているのか冗談半分なのかを判断しかねる部分があったのではないかと思う。 執筆にあたっての僕の協力者達は、エレンドの動機が純粋だったかについて一定の議論をした上で、彼に対してよく共感した。 それができたのは彼らがエレンドの考え方を完全には知らなかったからで、またその議論にふれることでヴィンと共に彼を登場させることでより成長させていくことができるのだろうと思った。 結局のところ、エレンドの動機が純粋だったかということは、ヴィンに関して重要なことであるのだから。 しかし、最終的にはまわりくどいことはやめ、エレンドが実際に読者が思った通り含みの無い人物であることをそのまま読み取れるようにした。 それはこの章で破壊されかけている「信頼するということ」への救済として来るべきものだ。 (要するに、捻じれてしまったプロットを逆方向に捩じり戻してまでエレンドの場面を増やすわけにもいかなかった) --------------------------- おお、そういえば、テンス―ンは本章の中で少しだけ顔出ししている。 もし君達が3冊目をすでに読んでいたら、これが何らかの意味をなすだろう。
29章の注釈 これはおそらく支配王の日誌に関する中で特に僕の好きなセクションだ。 ここで今まで読者が各章冒頭で断片的に見てきたものが集まり、一つの物語が完成する。 この、物語の中で語られる物語という構成を楽しんでもらえたら幸いだ。 最終的にわかるように、この日誌は実際に物語としての目的や役割を持っている。 少なくとも、このコンセプトが君達の好奇心を引くことができていることを望んでいる。 結局のところ、この日誌に書かれた過去の話は、田舎の若者が哲学者の予言に導かれて何らかの巨悪に立ち向かったという、ありふれた空想物語だ。 ただし、君達もおそらく推測できるように、この日誌は何かがおかしい、という点を除いてだが。 僕自身はありふれた流れの空想物語は書かないようにしてはいるが、もちろんそういった物語に対する興味はある。 そのため、本筋では避けたものの劇中劇的なこの日誌においては、そのようなコンセプトを使ってみたかった。 そうすることで、「僕の書くありがちな空想物語」を読むことに読者の全ての時間を使わせることを強制せずに、少しだけそれを見せることができたと思う。 (多くの空想小説かが未だにこの古いコンセプトで自分の物語を創ろうとしているように思える。僕は読者としての立場から、そういった古いコンセプトで新しく物語が書かれたものを読みたいとは思わない。僕は「今までに見たことのない物語」を読みたい) --------------------------------------------------------------------------------
ヴィンの言う「全ては変わっていく」というのは、ミストボーンの中の議論で最も誠実かつ真理的な最大のものの一つとして僕に響く。 僕は主役を演出する方法として本章が気に入っている。 僕は時折ヴィンと同じように考え、また、多くの人々が将来に向かって進むことによって現在上手くいっていることが崩れてしまうのではないかという不安感を抱えていることも知っている。 僕がこの章でセイズドが宗教について語るスペースを多くとったことは偶然ではない。 過去と未来についてのヴィンとケルシャ―の思慮と、セイズドの語る宗教の相互作用には興味深いものがあると思う。 -------------------------------------------------------------------------------- <以下、ネタバレ防止反転処理部分> 本章には主要な伏線要素が2つ含まれている。 1つ目はヴィンがセイズドの伝金術によって蓄えられた金属で行おうとしたことだ。 それは彼女自身の力によって蓄えたものではないため、その力に触れることはできない。 ここに含まれる意味は、もし仮に彼女自身が伝金術によって金属に蓄えをもたらすことができたなら、それを燃やすことで元来金属が持つ力に伝金術で蓄えた力を上乗せして効果を発揮できただろうということだ。 また、ケルシャ―とセイズドの、ヴァ―ラの宗教に関する議論は、ケルシャ―が不安を感じていることを示している。 ただし、彼がここで気にかけている本当のところは、決意を伴う指導者の死は、民衆を打ちのめすだけではなく逆に彼らをより強くする要因にもなりえるということを再確認することだ。 <以上、ネタバレ防止反転処理部分>
クマさんお疲れ……楽しんでいる一人だが、無理はしないでね
また解除の見込み無い規制に巻き込まれたようです。 p2で書き込みできるかな?
いけました。 今後、忙しいとか隊長悪いとかで失踪する時は何かしら書きおきするます。 黙って消滅したら規制等のどうにもならない理由からってことで。 というか、どっか別のとこでやった方がいいんだろうか。 たまに何か書こうとして規制されてズコーした人もいるんじゃないだろーか 30章の注釈(1) ヴェンチャー城は実在する大聖堂がベースになっている。 僕が実際にいくつかの大聖堂を訪問したことが、この本の中での建造物の全体的な構造テーマの口火を切るきっかけとなった。 ヴェンチャー城の主なインスピレーションは、僕の愛するワシントンDCの国立大聖堂であり、両サイドの巨大な窓や建物を支える支柱、バルコニーからの素晴らしい景観などが参考になっている。 実際には拝殿ホールである場所を劇中では舞踏場へと変え、元の概念に少しずつ変更を加えた。 続く他の貴族家は容易なことだった。 レカル城はベガスのルクソールを参考にした。 残りのうち一方は塔、もう一方は天井にステンドグラスの窓を備えた部屋を想定していたため、ヘイスティングとエラリエルについては自分で考案した。 --------------------------------------------------------------------------------
エレンドがこの章でヴィンを拒絶することは非常に重要だった。 僕は物語の進行の都合上で、話を手っ取り早く進めるためだけに男女関係の不整合を用いることは極めて気にいらないことなので、この章で若干それが行われてしまっているのではないかということが気にかかっている。 これは僕のとある友人が「拗れ仕掛けの神」と呼んでいる、ロマンスコメディではよくあるちょっとした問題だ。 こじつけや間に合わせではなく、現実的な動機付けをすることがより良い緊張感を生むはずだ。 本章中でそれができていることを願っている。 エレンドは彼自身の感情にほぼ完全に正直な人物であったがために、ここにきてはじめてヴィンがずっと彼に偽りの立場で接していた事実を発見した。 しかしながら、彼はそのことに対して苦みや悔しさではなく、自分が愚かだったことを強く感じている。 彼は自分の周りでずっと何らかのゲームが行われており、ヴィンもその一部であったことに憤っている。 それが転じて、彼の今までのやり方がもう潮時であり、自分の家に対しての義務を果たすべきだと実感させた。 そのため、彼は彼女を追い返すこととなった。 この全てにおいて重要な部分はもちろん、彼が彼女を拒絶したにも関わらず、それでもなお彼を愛し守るかの決断の時であるということだ。 これは恐らく物語全ての中でもヴィンにとって最も重要なステップとなるはずだ。 彼女は、ケルシャ―が話したように、彼女に必要な信用について学んでいた。 もしかすると裏切られるかもしれないということを知った上でなお誰かを信頼するという考え方は、もうすでに彼女の手の中にある。 --------------------------------------------------------------------------------
さて、セイズドが彼女を1人で残しておいたことについて、それが暗示していることに貴方が気がつかなかったとしたら・・・うむ、君は伏線学校に戻って勉強する必要があるぞ。 バラ窓を吹き飛ばして霧をかきまわしながら建物から飛び出していくヴィンのイメージは、僕がこの物語の戦闘シーンのイメージとして最初に思いついたものの一つだ。 それを思いついた時、この戦闘シーンはヴェンチャー城で行われるように話の流れを誘導する手段を絶対に見つけなければいけないと考えた。 当初僕は、ここでヴィンに人目の多い場所であからさまに合金術を使用させるつもりでいた。 結局のところ、単に構成上の都合から、群衆の中ではなく建物の奥の廊下でのことになってしまったが。 いずれにせよ、ここは非常にパワフルな章となり、僕にとってもかなり満足のいくものとなったと思う。
スプークマ注釈 30章注釈(1)内で、今回「拗れ仕掛けの神」と訳した部分は、作者の原文では Deus Ex Wrench となっております。 これはもちろんデウスエクスマキナをもじったジョークなのですが、どういうことかというと デウスエクスマキナはご存知の通り物語内において状況が解決困難になった時、 神様やらその他なんかすごい力を持った存在が謎パワーで問題を解決してしまうような展開のことですがー つづく
作者の友人が言うデウスエクスレンチというのは、男女のキャラクターが展開上で道を違える必要があるのに そうなるための良い理由が思い浮かばない時、小説家が安易に利用してしまいがちな 「このカップル、喧嘩したんで分かれることになりました」的な展開のことです。 ブラン丼さんがここで心配してるのは、エレンドには自分の家に対して義務をはたすべき明確な理由ができたため ヴィンを追い返したという描写をしたつもりだが、観る人によっては単に今まで騙されていたことに腹を立てて 追い返したんじゃないかと思われないかちょっと不安だ、ということなんだと思う。 たぶん
拗れ仕掛けの神って面白い訳だなwそのセンス好きです ブラン丼www
30章の注釈(2) 以下は、僕がこの章の第一稿を書き終えた直後に書いた注釈だ。 30章:ヴィン、舞踏会でエレンドを守る 2004/5/19完了 一つの章が、構想通りに上手くまとまるのは素晴らしいことだ。 初期草稿の段階から、僕はこの物語での主要な戦闘シーケンスの1つとしてこの場面を想定しており、長い時間をかけてこの章に取り組んだ。 僕はバラ窓を吹き飛ばして霧をかきまわしつつ大気中を突っ切るヴィンのイメージをはじめとして、エレンドの救出も加えて主役ならではの活躍の場面を与えようとした。 元は単に合金使いの暗殺者を遠方からこっそり始末するだけで直接戦わせるつもりはなかったのだが、ここで完全な霧の落とし子同士の戦いを差し込むことを決めた。 ヴィンによる他の合金使いとの戦いは、基本的に全てが尋問官に関係したものだからだ。 本章のこの場面は、これまでのところ僕が特に気に入っているものの一つだ。 しかしおかしなことに、ここに至るための前置きを重ねたせいで、戦いに入るまでに随分と長い時間がかかってしまった。 結果的に、僕はこの場面が今までヴィンに関して考案してはみたものの捨てる予定だったいくつかのアイディアを残すのにこの上ない機会だと考えたからだ。 恐れ、不安といったものはヴィンの人格構成から最も多くカットされてきたもので、これは「終の帝国の物語」から引き継ごうとしていた要素だ。 それはこの場面の設定で上手くまとまったと思うし、書き直しの中でもう少し強調するだろうと思う。 次の章は実際にそのアイディアを元に進む予定だ。 下着姿で人々を殺しながら走り回る少女を書くのは何かおかしいとは思うが、しかし実際に直前の舞踏で使用したかさばった舞踏ガウンのままで戦うための合理的な理由がどう考えても見つからなかった。 だからおかしなことは何もないぞ!
クリスとシャンの両名は、僕が初めに意図したより遥かに大きな役割の人物となってきた。 クリスは1つの章だけに登場する使い捨ての人物を意図していたが、今や情報提供者および共犯者の役割を担うに至った。 書き直しの際にはもっと早い段階で彼女の登場の機会を用意し、より特殊な個性を与えなければならないだろうと思う。 シャンについては・・・うむ、僕は彼女のために丸ごと2つ分の章を追加することになった。 明らかに、彼女に関しては書き直しの際に同様に多くの時間が必要になるだろう。 いくつかの章でヴィンと敵対関係となった彼女との殴り合いが発生すれば、名もない合金使いと戦わせるよりもヴィンの戦いはより印象深いものとなるだろう。 ヴィンが舞踏会に参加する場面は思ったより多く本の部分を占めることとなったので、 定期的に登場する人物としてクリスとシャンを加えたことはプロットラインの肉付けをする上で大きな助けになるだろう。 次の章でヴィンにすさまじい状態での帰還をさせるために、本章でどうやってセイズドを会場から引き下がらせておかなければならない。 どうしたら無理なくスムーズな流れになるか、これには非常に悩むことになった。 僕はその点の対処がうまくいったのか不安だ・・・実際の戦いの場面に関しては、全体的に非常に上手くいっただけに。 まあ、もしこの物語を読んでくれる人がいたら、その時どう思われるかわかるだろう! (注:上記の文章を書いたのはエラントリスの出版の1年以上前にあたる頃だったので、僕は多くの人々が自分の本を読んでくれて、 良きにしろ悪きにしろ内容についての沢山の反応が帰ってくることなどその時には想像もできていなかったんだ)
クマさんありがとう! エラントリスの名前と2004って日付に懐かしくなった エラントリスも続編ありそうな形で終わってるんだよなーブラン丼先生 頼む!あなたのオリジナルも読みたいんだ!そろそろミストボーンかエラントリスの続きを・・・
ミストボーンの続編は存在してるね。 いつ日本ででるかは何の情報も無い。
31章の注釈 この章は僕が気に入っている章の一つだ (ところで僕にはお気に入りの章がいったいいくつあるんだ?)。 とにかく、この章はヴィンが誰かのために何をしたかについて言及するための時間だった。 ケルシャ―と彼のチームのメンバーは、間違いなく一般的なスカ―とは異なっている。 ある意味では、彼らはスカ―よりはどちらかというとエレンド達の議論グループに近いとも言える。 彼らは一般的なスカ―の境遇を良くないものと感じ議論や提案はするが、本当の意味でスカ―の心情の理解に至る事は難しい。 僕はここでヴィンが帰還する場面が好きだ。 おそらく僕はメロドラマ構築のための遺伝子も持っているが、ここではそれが彼女が血まみれでずたのドレスで帰還し、怒りで爆発するという形でうまく働いたと思う。 僕は、この場面の最後の行を変更した。 コピー編集の時点までは、ケルシャ―の視点 (屋根の上のヴィンの場面に切り替わる前) の最後の行は、彼が「ああ、ヴィンは以前とはすっかり変わったな!」と考えているのがそのまま書かれた記述だった。
これは多分に皮肉が多いような感があり、また前の章のラストの緊張感や感情を損なうように思えた。 時には、短い一言が良い効果を生む場合もある。 しかしながら、今回の場合はそれが場違いであることが感じた。 ここはケルシャ―の幾分ひねくれたコメントを差し込むべきところではなかったようだ。 -------------------------------------------------------------------------------- ヴィンのもう一つの大きなステップは、彼女がリーンを愛していたと認識することだ。 彼女はようやくにして自分が何をどう感じるかを受け止め、常に抑制されていたことを認めるようになった。 それが傷みを伴うことであろうと、それを得ることは彼女のために良いことだ。
もちろん、君達はまたヴィンの放棄しきれていない問題点を見ることになる。 それが何かということはまだ本の中で強調していないが、それはいつもそこにある。 しばしば孤立感や孤独感などの本の初期のヴィンに示されたようなものが未だ見られるのは、最終的には誰もが自分を残して去っていくという思いが残っているからだ。 -------------------------------------------------------------------------------- 最後に、銅の雲を突き通すヴィンの能力について触れておこう。 ここでは明らかに何らかの奇妙な現象が起こっているわけだが、その詳細については3冊目まで君達に伝えることができない。 ケルシャ―には出来ないことをヴィンが実際にやってのける理由については、この世界そのものと合金術を含めた全ての魔法体系の仕組みをもって説明がつく、と言うに留めておくことにする。
クマさん乙です
リーンはミストボーンの3巻ラストの一言に泣いたなぁ
でも今思い返すと破壊神の一言だったんじゃねーよなとgkbr
>>381 マジか……じゃあハヤカワに祈るしかないのか
32章の注釈 僕がクライマックスのために大きな余地を残し、小さいプロットを片づけに入った時、もう作業は本の最後に到達していると思ってもらってかまわない。 この章では、2つのちょっとした決着が待っている。 1つは、スプークとヴィンの関係について。 これ自体は取り立てて重要な要素でも無いが、スプークは後の本でより多くの役割を得ることもあって、ここで彼の人間味を増しておくことは非常に良いことだと思う。 2つめは、ヴィンの合金術の訓練が終了することだ。 これについても、これ自体は小さな要素でしかないが、合金術を学ぶ1つの区切りとして、良いことだ。 彼女は今や、単純なon/off使用である銅以外の基本的な金属全てについての技量が一定の水準を上回っていると言える。 -------------------------------------------------------------------------------- この章は、ケルシャ―の救済者としてのイメージを示す場面として、僕にとって最も公然かつ明白なものだ。 僕は、そのことで君達が頭を殴られたような衝撃を受けたりしていないことを望んでいる。 (僕は本の中で実際にこの構成を展開するまで、「生き残り」と「救済者」の間の類似性を考えていなかった。) いずれにせよ、そう、キリスト教のイメージが被るのは意図的なものだ。 これは単に僕がキリスト教徒だからという単純な理由でそうしたわけではない (見てもらえればわかると思うが、ケルシャ―はキリスト教で伝えられるような方法で人々を救おうとしているわけではない)。 僕がそうしたのはキリスト教のイメージやメタファーが僕達の文化に深く根付いていると思ったため、そのイメージを重ねることでより物語に説得力が生じるのではないかと考えたからだ。
キリスト教徒である人がこれを読んだ場合、実際に神ではないケルシャ―がいかに際立っているかということについて不快に感じたりするかもしれない。 彼の行動の中にはいくらかキリストが行ったことと同じ役割のこともあるが、しかし彼は人間性という観点ではキリストとは全く異なる性質の男だ。 彼は色の薄っぺらい模倣のようなものだ。 一方で、キリスト教徒ではない人にとっても、ケルシャ―が確実性の無い希望を人々に与え、しばしば宗教の中で行われるように人々を扇動しようとしているという観点で不快に思うかもしれない。 いずれにせよ、彼は彼であることにかわりはない。 本当のケルシャ―は、僕達が死の間際に見るような、枕元に立ち黒い衣服の中で何かがくすぶっているようなものだ。 彼は強力な信念を持った、危険な人物だということだ。 -------------------------------------------------------------------------------- これはまた、1冊目において穴倉とアティウムについて示される最後の章でもある。 君達はようやくそれを初めて目にすると同時に、そこに行ったケルシャ―の報復を目撃する。 僕はケルシャ―がアティウムの水晶体を破壊する方法を知っていたことについてあらかじめ指摘し、そのことをもっと予示するべきだったと心配している。 原因は、僕が穴倉に関する情報はできるだけ伏せておき、穴倉というものをミステリアスな存在にしておきたかったということだ。
33章の注釈(1) 最後の章を待たずして、おそらく公式に「ブランドン雪崩」が開始されるだろう。 しかしながら、僕は前作よりも良い仕事ができたと思う。 今作での雪崩は、エラントリスであったような「突然」と言えるほどのペースでは発生しない。 とはいえ、警告させてほしい。 もう始まっている。 それはもう起こり始めているんだ。 -------------------------------------------------------------------------------- この場面では、ケルシャー以外の仲間達はこの仕事はほぼ終わったと考えている。 ここは少し前に計画が終わりかけたのとは一種異なる感覚を持つ場面のため、重要だと思っている。 以前に軍が崩壊した際には、彼らは本当に「諦め」かけていた。 ここでは、彼らは自分達が一定の結果を遂行したことを見てとり、それに関して良い感覚を感じている。 これは「諦め」という意味での仕事の終りではなく、彼らが計画したもののある程度の部分を実現しての終りだ (少なくとも彼らはそう考えている)。
この二つの終わり方には明確な差があり、本の中にその2つが両方あることは重要だと思う。 この場面は、比喩的に彼らが支配王及び終の帝国を破壊できる可能性をずっと確信できていなかったことを示している。 障害はあまりにも多かった。 代わりに、彼らは常に可能な問題を1つずつ潰していくことを計画した。 それに関して、彼らを責めるところはないだろう。 彼らは多くのことに取り組み、多くのことを片づけた。 彼らはその点についてはケルシャ―よりずっと現実的だ。 加えて、彼らは8冊目がこれから始まることを知らない。 -------------------------------------------------------------------------------- ※( ・(ェ)・) ちょっとよくわからなかったけど、作者の言う「8冊目」というのは 多分作者が書いた本の通算8冊目 = ミストボーンの2冊目 のことだと思う。 登場人物はこのミストボーン1冊目が終わった後に2冊目が続いていくことを知らないため、すっかり仕事を終えた気分でいるんだというようなことを言ってるのではないかと思う
単に穴倉を破壊することは、おそらくここで仮定するいくつかの理由から、経済の不安定化にまでは至らないだろう。 まず、一時期のアメリカにおける金がそうであったように、アティウムは終の帝国の経済における金銭価値の基盤ではない。 それは単に支配王自身にとっての優先的な確保事項であり、力の基盤であるということだ。 それが失われることは確かに支配王にとっての打撃となるが、しかし帝国自体を打ち倒すために充分とはいえないだろう。 そして金属の希少価値が上がれば、支配王は彼自身のアティウムの蓄えを隠し持っているために、アティウムのインフレを通じて個人レベルでは逆に裕福になるだろう。
クマさん乙です! いつもクマさんの注釈もほうほうと頷きながら読んでおりますよー
>>388 1部の時も雪崩があったのか。
あのあたりは普通の小説のクライマックスと変わらない感じだけど。
33章の注釈(2) 正直に言うと、ケルシャ―が後に残って人々を助けるために戦うか否かについて、ヴィンの考えが正しいかどうかはわからない。 彼らを助けようと努めることは確かに英雄的なことだ。 この場面は、ヴィンがまだ彼女の中にリーンによって形成されたわずかな利己心 (あるいは、おそらく、自己保存性) を示している。 ケルシャ―は、友人のために自分の全てを危険に晒す覚悟ができている。 この衝動は愚かであるとも言えるだろうが、僕はこれこそが「高貴であること」だと思う。 ここでのヴィンの過失は、彼の後に続くことがどれだけ危険かと考えて決定したことではない。 彼女はここで彼の後に続いたところで自分は役に立たないという結論にあまりに早く届きすぎたことが問題だった。 彼女は臆病者ではないし、恩知らずでもない。 彼女はあまりに長く通りで暮らしていた。 このような状況になった時、彼女の本能が最初にとる行動は、戦うことではなく隠れて逃げることだった (ちょうど何章か前に軍が襲撃された時のように)。 --------------------------------------------------------------------------------
<以下、ネタバレ防止反転処理部分> ところで、支配王の軍がルノー家を攻撃した理由は、マーシュが口を割ったからではない。 尋問官は未だヴィンを追跡し続けており、ついにルノー家に辿りついた。 つまるところ、ヴァレット・ルノーという貴族の女性に。 彼らは、彼女がルノー家の貨物馬車に同乗していると完全に予期して襲撃した。 しかし実際彼女は不在であったと知り、彼らはケルシャ―が友人のために現れることを知って罠を仕掛けた。 実際のところ彼らは、マーシュが聖職省を探るために送り込まれたスパイだということには全く気がついていない。 <以上、ネタバレ防止反転処理部分> --------------------------------------------------------------------------------
自分で言うのもなんだが、いくつかの非常に壮観な戦闘シーンのための準備をしている。 本章中のものはそれほど長くはないが、悪くないと思う。 しかし、もっと沢山のものがやがて来るだろう。 僕は、1冊目の出だしの章以来、ケルシャ―と尋問官を対決させるのを待っていた。 彼はそこでの追走劇で、1歩リードしている。 その場面を直接書かなかった理由の一部は、この瞬間が来ることを読者に予測して欲しかったからだ。 更に私は、ヴィンが負傷したクレディク・ショ―の潜入時にもケルシャ―と尋問官の戦いを直接描写しなかった。 要するに僕は、ケルシャ―が持てる技量の全てを完全に見せることができる場面が来るまで、彼と尋問官の戦いの場面をとっておきたかったんだ。 そして直接の戦いを迎えるために、多くの準備を重ねてきた。 正攻法で押しあえば、ケルシャ―は負けるだろう。 では、実際に対峙した時、彼はどうするか・・・うむ、とにかく読んでみてくれ。
クマさん乙です! ずっと規制で書き込めなかったよ(ノД`) 確かにケルシャーと尋問官の戦いとか逃走とかずっと画面外だったね
こんちわす 以前、今までまとめた分を1ファイルでアップロードとかやった時のDL数から見ると、たまに覗いてる人が20人くらいはいそうなかんじなんすよね。 俺も含めてですが規制ラッシュでずっとはじかれて、一言書こうと思ったら寄生虫とかけっこうありそうかと思ってます。 で、前回5/8投稿以降、変な風邪だかなんだかよくわからない状態が今も継続中で、だるくてさぼってたんですが、 別に一回の作業量なんて微々たるもんなのでやっとけばよかったな・・・ 1冊目(和訳版で言うところの1〜3冊目)分ももう少しで終わることですし( ´(ェ)`)
34章の注釈(1) 僕は、戦闘シーンが好きではない人々がいることも認識している。 その点についての僕の光明は、ミストボーンの本の中でこれらの場面は単に戦いだけのためのシーンではないということだ。 これらは魔法体系の表現でもある。 もし君達が金属の押し引きの理解に多くの注意を注いでくれていたら、ケルシャ―と尋問官のこの戦闘からいくつかの臨場感のある光景を想像してもらえるのではないだろうか。 いずれにせよ、この章は私の好きな展開の始まりに当たる。 それは昔ながらの良好な、善悪の対決だ! あるいはすくなくとも、ケルシャ― vs 悪の! 正直に言って、この場面を準備し始めてから実際に本の一部として完成するまでに、僕はこの戦いの映像を頭の中で100回は再生した。 これが君達にもうまく作用する場面となっていることを期待する。 さほど長くはない場面だとは思うが、その中で反復性を感じさせず、また合金術の性質と効果性をふんだんに組み込んだ見ごたえある戦いを考え出すことは、やりがいのある挑戦だった。 これは本当に楽しい作業だった。 おお、それとカンドラについて長らく秘密にしておいて申し訳ない。 もちろん最終的には知ってもらうことにはなるのだけれど。 ケルシャ―の視点を通すことによって、彼がルノーの真の性質について知っていることを認識できるだろう。 ただ、この場面において彼はそれを考慮する時間的な余裕が全く無い。 いずれにせよ、君達のほとんどはおそらくここでカンドラという存在についてある程度のことに気がついたはずだ。
34章の注釈(2) この章でケルシャ―がエレンドを助けたのは、確かにレ・ミゼラブルへのオマージュのようなものだった。 それは僕の好きな名著のうちの1つであり、エレンド自身の人物像や、彼が哲学議論を共にする貴族の友人達のグループなどについても、 部分的にマリユスと彼の一団に触発され影響を受けているところがある。 僕は元々この場面にエレンドを登場させる予定は無かったが、ここでのケルシャ―の行動が今後の物語の展開に内部的に作用するように エレンドを助ける機会を与え、またケルシャ―が死を迎える前に彼が最終的には貴族に対する個人的な感情を越えて行動するまでに なったということを示すために、ここにエレンドを登場させることにした。 -------------------------------------------------------------------------------- 僕は、支配王が現人神であるという彼の信念に隠喩的な基準を与えるため、元々計画していた黒一色だけではなく、 ここでは黒と白の両方が混ざった衣装となっている。 彼は全てを制御かつ包含するため、黒と白の両面を合わせ持つ。 もちろん、彼は自らを偽装している。 この世界の神話の中には、破滅と保存の2つの力が存在しているが、支配王が実際に触れたのは2つのうち1つだけだった。 しかし、それについては後の本で詳しく説明することになる。 --------------------------------------------------------------------------------
君達もご存知のように、僕は常にハッピーエンドを好んでいる。 そしてまた、様々な人からは僕が時によりあまりに無情な結末を用意する、と苦情をもらう。 ここに良い例がある。 ケルシャ―は死んだ。 そう、彼は本当に死んでしまった。 しかし、僕にとって彼の死は、真の悲しみを伴うものではない。 彼は多くのことを成し遂げ、支配王自身に対してさえ威圧しながら死んでいった。 その死は悲しい死ではない。 正直に言って、君達も彼にこの結果が訪れることはわかっていたのではないかと思う。 そういう意味では、僕はその予想通りの流れをそのまま実行して彼の死を描くことに若干のためらいもあった。 指導者というものはたいがい命を落とす結末が待っているものだが、僕は単にそういう観点からこうしたわけではない。 しかしながら、僕は良い物語のためには常に予想を覆し驚きを提供することばかりが重要なわけではないと判断した。 時には、人々の多くが期待している流れよりも、自分だけが正しいと思うことをしなければならない場合もある。 望むべくは、僕が自分自身の選択でそれができているかどうかということだ (それについては次の章を含めて判断してほしい)。
クマさん乙です またいつ規制くるかわからんからなぁ・・・ レミゼのオマージュもあるのかー レミゼも読んでおくべきか
4部の総括 おお。 僕は次に何が起こるのか待ちきれない! 実際に、ミストボーンでのセッションの区切りは、この本の中で僕にとって多くのことを意味する。 頭の中で小説を分割していったエラントリスとは対照的に、この本ではその場面の視点が変わるタイミングでセクションを分割した。 僕は小説を書く時、しばしば、セクションの山場辺りで主な視点となる人物が切り替わるような流れに計画することがある。 つまるところ、この物語だとヴィンが瀕死になった時や、ケルシャ―が死んだ時などにそれが起こっている。 この本ではそれだけでなく、最初の2章のように時間の経過のタイミングで焦点の当たる人物を切り替える構成が多々見られるように構成した。 それは僕のやり方としては珍しいことのように思うが、とにかくそれはそれとして、多くの場合、僕の本の中には単純に章そのものがクライマックスと言えるようなセクションがある。 この本においては、この4部はクライマックスへの誘導だった。 そして5部は本質的に、1つの大きく長いクライマックスだ。 いわゆるブランドン雪崩というやつだ。 ではなぜ、これらを1つのまとまりとせず、クライマックス前の部分に切り離された短めの4部というセクションがある形になっているのか? それは僕がどのように本を書くかに関係している。 小説は、まず僕が作業をするにあたって全体をいくつかの塊に分割する必要がある。 僕は頭の中でセクション毎に分割し、プロットを別々に各セクションへ割り振っていく。 プロットに沿った概要をどのセクションにふるか、そしてクライマックスをどう割りふるか。 それは、セクションがセットアップされる前に分割処理しておくことを僕の脳が勝手に要求するからだ。 そのような流れでセットアップが終了すれば、僕は実際にそれを出力して書き出すことができる。 そうやってできたものが、君達が見ているものだ。 僕の頭から出力されたもの。 君達がそれを楽しんでくれることを願っている。
35章の注釈(1) (すまない、僕がこれを書いた時、非常に急いでいて校正していないので、タイプミスがあるかもしれない!) 黙っていれば誰にもわからないことだが、実はこの部分は1冊目の最後のシーンの1つとして書いていたものだった。 僕は、本を書き始めた時点でこれを正しく巻き取る手段を持っていなかったことを認める。 書き始めてすぐに、僕はケルシャ―がいくつかのマスタープランを持っていなければならないことを理解しはじめた。 彼より大きな何かが、僕にそうさせていたと思う。 それは彼の個性が成り立つために必要なことだから。 加えて、僕は物語に重みを増すための要素を必要とした。 僕が元々構想した単純な強盗の話よりももっと重大な要素だ。 (結局のところ、強盗物語としての要素だけであれば、物語は20万語未満で全てを書き終えてしまうだろう) ケルシャ―が洞窟に赴いて兵士達に影響を与える場面を書いていた時点では、僕の中で彼の真の計画の詳細についてはまだ固まりきっていなかった。 その時点でもちろん、本は半分以上書き進んでいた。 したがってそこからケルシャ―の真の計画を構築しはじめたため、それをふまえて最初から色々と書き直しをしなければならなかった。 僕は、ケルシャ―がスカ―から名声を獲得することで、仲間達は彼が第2の支配王となることを危惧するだろうということもわかっていたので、ケルシャ―が死ぬという選択肢自体は初めから考えていた。 彼の増大していく評判がずっと彼の計画の一部であったため、これらの2つを組み立てることは、僕が彼の計画を繋げるために実現しなければならないことだった。
結果的に、僕はこれが自分にとって驚きを伴う非常に良い1つの結果であることがわかった。 しかし、僕にとって「最高」の1つとは言えないことも明確だった。 というのは、この結末を納得してもらうためには読者にここまでのケルシャ―の視点の多くを振り返ってもらわなければならず、また、彼の死後に遺書という形で多くの事後説明を必要としてしまったからだ。 ただ、遥かに良い驚きが後にあった。 チームのメンバーが建物の上に立ち、彼らの仕事における成長に理解を示すかのように霧が街を取り巻くような美しい光景を持つに至ったことには、とても満足している。 これは僕にとってもう1つ上の良い感覚の炸裂だった。 -------------------------------------------------------------------------------- 少し思い出してもらいたい、ここでヴィンが思いだしていたのは、過去の実際の経験だ。 それはケルシャ―との最初の訓練の場面であったものだ。 彼は、もし彼女が合金術を正確に使えずに壁から落ちても、受け止めてやると約束した。 それは君達にはその場面のちょっとした一幕のように思えるかもしれないが、ヴィンにとっては非常に重要なことだった。 それは、ケルシャ―との間の最初の率直な会話の中でのことであり、また、彼女の人生の中で転機となる基盤のポイントの1つだった。 (彼女はケルシャ―から渡された3000枚のボクシング金貨を持って逃げるのではなく、チームのメンバーとして残ることをその夜決めた) そのため、彼女がここで思い出すことは極めて重要だ。 この1年間の彼女の人生の基盤だったケルシャ―が、たった今彼女から切り離されたのだから。 彼女の抱える懸念事項は、ますます強くなろうとしている。 ただ幸いにも、彼女がより深く沈みこむ前に、都市で起こりつつある何かが彼女の気をそらすこととなった。
35章の注釈(2) 僕は、本の中から気に入っていた工程を1つカットすることを余議なくされた。 ここでそれを話しておこうと思う。 この章のはじめの方でヴィンについて以下のように書く予定だった: 「彼女はそこにいるが、同時にどこにもいなかった」 モウシェは、このくだりが充分な意味を内包できていないことを僕に気付かせた。 僕はここでヴィンがどのように感じていたかを、なんとかして表現しようとしていた。 彼女はケルシャ―の死によって、自由から切り離されていた。 しかし、それでも彼女はまだそこにあった。 彼女は魂が無くなったかのように感じ、霧に混ざって消えてしまえばいいと考えていた。 しかし、彼女はそう望むように消えることなどできなかった。 ああ、良い文章を完全に破壊する文法が忌まわしい! -------------------------------------------------------------------------------- この章でのセイズドは、「信用」について少々説教じみたところがあると思う。 彼は、現実での問題についての僕の考え方をここで示している。 実際に試される機会がなければ、信頼は強固にはならない。 ただ、僕がここにこの会話を入れたのには他にもセイズド自身が後の本で信頼を試されることになるということに加えて、後で彼が「金を口のあるところに入れる」(※)と言うことができるために必要だった。
ケルシャ―はこの章にいくつかの最後の言葉を遺している。 彼自身がその機会を勝ちとったのだと僕は思う。 少し前にも言ったように、長い間カンドラの真実について隠しておいて申し訳ない。 しかしながら、それが発覚することを読者にはヴィンがそれを知るのと同時に知ってもらいたかったために、あえてここまで伏せておかなければならなかった。 ルノーの正体が何であるかについて君達がすでに考えていたとしても、この場面は意外な新事実を発見するものとしてよりインパクトがあったと思う。 とにかく、ケルシャ―はその人物像の奥深さについて、僕が個人的にとても気に入っているキャラクターだ。 彼は帝国全体のみならず、仲間をも最後まで騙し通した、複雑で多面的な男だ。 僕は手紙だけだとしても彼にいくつかの最後の言葉を語らせなければならないと考え、その結果、これは読者と彼のある種の適切な告別となったと思う。 さらに僕は、ケルシャ―が死を迎えた今、花の絵をヴィンに渡すことで、彼女にメアの夢を象徴的に委ねたいと考えた。 -------------------------------------------------------------------------------- ふむ、ちょっと待ってくれ。 僕は何か忘れていないか? この章で「ボクシング金貨」について言及している。 もう1冊目の大半を読み終えたというところで、このボクシングという単語をどのように設定したかに興味がある人もいるかもしれない。 僕の頭の中にある設定では、ボクシング(金貨)は、帝国内では正式には「インペリアル」と呼ばれている通貨であるということになっている。 しかしながら、それはどうにもありがちな名称だ。 つまるところ、人々がこれをボクシング金貨と呼ぶのは、コインの裏面にクレディク・ショ―が彫られているからだ。 支配王の居住、要するに彼の「箱」。 箱が刻まれた金貨だ。
( ・(ェ)・)「金を口のあるところに入れる」って何ぞ? これは、著者のサイトの原文では put his money where his mouth is と書かれているもので、 「自分が口出ししたことに対してはちゃんと金も出す」 実際には単純に金のことだけではなく、何かに言及する際に口を出すだけではなく自分自身の労力や資産などを提供することで公約としての裏づけをとるという、ことわざのようなもののようです。 ただ、セイズドが後でストーリーのどの部分でそれに該当する発言をしたのかをよく覚えておらんのです。 すまぬ。
というか、「金を口のあるところに入れる」じゃバリバリ直訳ですな。 「口を出す所には金も出す」くらいに言っておけばもう少しわかりやすかったかも。
36章の注釈(1) おお、本が終りに近づくにつれ、この注釈もどんどん長くなるぞ。 ここでも話すことが沢山あるんだ! ここでの黄色い空が象徴するものは、本の中で僕が気に入ってるもののうちの一つだ。 1冊目では、明らかに最終的に降灰や霧の原因を突き止めるには至らず、それらが止むことはない。 それはメアの夢だった。 しかしながら、僕はケルシャ―に一種の象徴的な勝利を与えたかった。 そのため、彼の行動によってスカ―の意識の中に新たな要素が発見されたことを象徴するように、このシーンでの空がケルシャ―とメアが望んでいた本来あるべき色に見えているような場面に変更した。 実際にメアの夢が実現したというわけではないが、その第一歩なんだ。 -------------------------------------------------------------------------------- 僕は、君達がケルシャ―が以前クレディクショ―に入った時の方法と、今回のヴィンのそれの違いを意識してくれることを期待している。 彼女は衛兵に正面から歩み寄り、殺すのではなく説得しようとした。 彼女は最初の潜入時に初めて人を殺した衛兵室をそのまま歩いて通過する。 最早彼女は攻撃する必要もなく、単に敵をやり過ごして通れるほど充分に強力だからだ。
ケルシャ―については、殺害が常に勝利の一部だった。 ヴィンはおそらく、もっと大局を見ている。 さらに、彼女は殺すことを嫌う。 したがって、彼女はただ単に敵を回避しくぐり抜ける方法を選ぼうとする。 その後の部屋での尋問官に対してのように近づくことも困難であれば、彼女はトリックによって彼らを止める。 かつて彼女は、路上で生き抜くために何かを得る際には、何らかの些細な要素を最大限に活用しなければならなかっただろう。 彼女は、手に入れられるものなららば非常に小さな利点でも巧妙に利用できる必要があった。 そうして無意識のうちに、わずかな金属で合金術を可能な限り活用していた。 今や彼女の技術は非常に強力であり、豊富に使用できる金属と、彼女に備わった賢さと機知を活用することで、ケルシャ―より遥かに熟練した合金術の使い手となっていくだろう。
36章の注釈(2) もし僕が再度本を書き直す機会を得るとしたら、変更を加えたい点の一つがこのヴィンが捕まる場面だ。 変更の方法としては、2人の尋問官が完全に無力化されたと偽装し、そのためヴィンは奥へ進むことを安全と認識するという具合だ。 実際のところ、尋問官はこの本で書かれているよりも更に早く回復することができるからだ。 この場面についての僕の問題は、あまりにも容易にヴィンが追い込まれて捕えられるように書いてしまったことだ。 僕は、そもそもここで部屋に侵入することを躊躇するのが本来の彼女の判断だったと思う。 しかしながら、ここではそのようには書けていないと思う(彼女が尋問官に対して驚き、掴まれるところ)彼女は本来もっと注意深いはずだ。 結果として、ここでは話の流れとしてヴィンが捕まる必要があったがためにたやすく掴まれたというような結果ありきの場面になってしまっている。 これでは場面の展開にとって充分な説得力は無く、充分なリアリティも無い。 ヴィンは11種類の金属を使用できる。 ここでは、どれだけの合金術が支配王によって隠され、秘密裏になっているかについての最初のヒントを得ることになる。 ヴィンは、今までに理解した11の金属が合金術の全てではないことと、ここで新たに与えられた金属を燃焼させることで他の全ての金属を失うということを理解する。(ちなみにそれはアルミニウムだ) ------------------------------------------------------------------------------- 駆け足ではあるが、君達はここでエレンドのシーンを見ることになる。 1冊目ではそれほど多くの登場場面を持っているわけではなかった彼にとって、クライマックスに向けて僕が提供できる最良の機会がここであったと思う。(大きく分けて今まで彼の視点で展開した場面は3つほどになると思う) スペースが限られる中で、これは彼の人物像にとってかなり良いクライマックスになったんじゃないだろうか。 彼は父親の元から立ちあがり、彼自身の信念に基づいた行動を試みる。 彼がスカ―の反乱がおこっている現実に対して、自分は間違った側にいるということを認識する展開は、僕が気に入っているストーリーラインの1つだ。
36章の注釈(3) 支配王の玉座の間は、この本の1つのモチーフとなっている中世ゴシック様式大聖堂の最終的な外観となる。 僕はステンドグラスのコンセプトに執着があり、部屋のサイズに対して限界まで拡張した巨大なステンドグラスを適用した。 したがって、僕にとってこれは中世ゴシック様式と一種のニューウェーブの融合といえる演出だ。 それが最終的にはこの本の中で示すことになった「舞踏会場」に適切だということがわかった。 義務官 VS 尋問官の政治工作は、巨大な政治制度のほんの一片だ。 これを見て君達は、うまくすれば何世紀にも渡って支配権のために奮闘する様々な行政区分(県、州のような)を想像できるのではないだろうか。 この場面は、尋問官が議題に出した、ヴィンを生き証人とする義務官についての問題の小さな集大成と言える。 僕がこの場面を本当に気に入っている理由は、ケルシャ―の計画と彼のチームのメンバーの筋書きの傍らで、彼ら以外の物事が起こっていることが示されているからだ。
尋問官が、義務官の権力機構の穴を探し、その証明の手段としてヴィンを捕獲し利用しようという点で、この本で動く全てのことが同時に動き出している。 ヴィンを探している間に起こった事の全てーーー10年以上に渡る彼女とその兄を追跡、キャモンやセロンのチームの虐殺、それがケルシャ―の計画と交錯したこと、 全ては単にヴィンを証人として利用し、尋問官が聖職省を掌握するために仕組まれたことだった。 2つのプロットが交差する時にその両方の中心がヴィンであったことは全くもって皮肉なことだ。 テヴィディアンの死は、貴族がスカ―の女性を強姦した結果、合金使いの誕生を阻止するために義務官と支配王の間でどのような議論がなされたかということを示すための理由の1つだった。 一番最初の章の中のトレスティング卿と義務官の会話を持って説明されたことについて、本の終了間近に決着をつけることは本の中で良い対称性となったのではないだろうか。 -------------------------------------------------------------------------------- 僕は、支配王が非常に長い年月を生き、非常に多くの経験を積み、そして非常に強力な存在であることを踏まえた上で、彼になんらかの嘘が通用するようでは意味を成さないと考えた。 彼は何世紀にも渡って人々を見て来た。 その彼をだまし通すことは、現実的に困難だろう。 彼の合金術に関する極端に強力な力については、現時点ではまだ説明が足りていないだろう。 その真の理由に到達するためには、3冊目の内容が必要になってくる。 その時が来るまで我慢してくれ。
規制とけたか? クマさん乙です マジでこの規制の嵐どうにかならんものか・・・
誰かの規制が解除されたら、俺の規制も解除されてますか( ・(ェ)・) 投下しよう→規制 の流れで、最初に注釈の投稿してからもう2年も経っちゃったじゃないの 37章の注釈(1) おお! テンションが上がってきたぞ。 本を書くにあたって、結末を書くのは特に楽しいことだ。 以前僕は、本を終了させるために1日で16000語を書いたことがあった。 (数週間前に「scribbler」を書き終えるまで、それは僕の最高記録だった。その時は確か23000語ほどになったと思う。) この章は、僕らのドクソンの視点から始まる。 このように終盤に近づくにつれて、それまでより多くの人物の視点から開始することがあるのが僕のスタイルの特徴だと気がつくんじゃないだろうか。 僕はそのことで引き起こる混沌とした感覚と、その時起こっている物事を多くの側面から示す方法が好きだ。 加えて、君達からも正面から見るのとは異なる視点を得ることで、終末に向けてより特別な感覚を持たせることになるだろう。 エレンドは理論と政治についての彼の理想主義を持って、彼の人物像に忠実な形でこの場面に現れる。 彼は本当に良いキャラクターとなり、それは2冊目以降で彼を目にする機会が大幅に増える理由であることが判明した。 ところで、ゴラデル隊長は僕の友人のリチャード・ゴードンにちなんで命名されている。 -------------------------------------------------------------------------------- ヴィンと尋問官の場面は、最終的にリーンについての設定を完結させる場所となった。 ここで尋問官が話したことは真実だ。 彼は最後までヴィンを裏切ることはなかった。 その前に彼の命は尽きていた。
リーンは確かに、良い人間ではなかった。 彼はヴィンを度々殴ったし、利己的な性格でもあったし、また、悪行に手を染めることもあった。 しかしながら、彼は妹を愛していた。 結局のところ彼がヴィンを殴るようになった理由の大半は、地下世界で生きていく上で自分の愛情が妹に知られれば、それが原因で彼女が自らが兄の足手まといとならないために死を選ぶような選択をする可能性を心配していたからだった。 彼は彼女の混血の性質から尋問官が彼女を追っていたことも知っていたので、常に街から街へ移動して妹の痕跡を消して回っていた。 彼は生きることは過酷であることを彼女に教えたが、しかしそれは生き残る術を教えることだった。 そして、最後には尋問官が彼を捕えたが、彼は妹を裏切らなかった。 以上が、彼について言えることだ。 尋問官が本章において、標準的な悪役とはややずれた行動をとっている点について、私は少し心配している。 彼は、ここで少々の語りを終えて、セイズドとヴィンをそのままに立ち去ってしまう。 彼らが連れていかれなかったことについて、心配している。 少なくとも、尋問官がなぜそうしたかについては、僕には相応の理由が説明できると思う。 彼はほんの数分前に聖職省の頭という肩書を得ており、その立場のためにここに長く留まってはいられない。 実際、尋問官は皆、聖職省に待機している必要がある。 そのため、支配王は1人の混血の少女を観察するためだけに彼らが行動することを許可しないだろう。
( ・(ェ)・)「scribbler」って何だったろう? 著者のサイトのどこかで表記を見た記憶はあるけど、原書の刊行リストをさらっと見ても見当たらなかったような気が。 まあなんらかの読み物であることには違いないようですが。
37章の注釈(2) ここでのセイズドの行動は、伝金術の実際の効果を君達が最初に垣間見る機会となる。 これは面白い魔法体系であり、2冊目ではもっと目にする機会は増えることになるだろう。 この場面にはヴィンにとって2つの重要な出来事があった。 一つ目は、彼女がここにとどまりセイズドを助けようとしたことだ。 僕が以前言及したように、これは彼女のキャラクター性にとってのクライマックスだ。 彼女は単に信頼するということだけを学んだわけではなく、犠牲の精神についても成長していた リーンによる彼女の魂への被害のほとんどは、理想主義的な盗人グループに見守られ愛される中で逆転されている。 2つめは、彼女の合金術無しでの戦いだ。 僕はそれが彼女にとって素晴らしい瞬間であり、また彼女の真の勇気を示すことになったと思う。 強力なヒーローを描く上での問題の一つは、その人物にとっての挑戦となる難題を見つけるのが難しくなるということだ。 かといって、彼らを敗者とするような形で課題を与えることも、話の流れを作る上では容易なことではない。 この場面でヴィンは一般人と同じ条件の元で戦い、かつ合金術なしでさえほとんどの一般人より優れていることを示すことになった。
彼女の決断は、この決断によって例え死ぬことになろうと、かつての隠れ、怯え、不信から愛する友人を守るという意識へ変化した跳躍性の現れであり、彼女自身の人物像にとっての長い物語の1つの成就を示している。 彼女にとっての報酬は、この勇気を持ったことによってエレンドが戻ったことと、そして彼女を愛する友人達を生命の危険から遠ざけることだ。 彼女のエレンドに対する「あなたは戻ってきてくれた」という言葉は、この本でヴィンが得るストーリーラインの中で、最も重要だろう。 ここで支配王の元へ赴き決着をつけるというヴィンの決断は、本来最優先すべき目的と異なる二次的なものであると私は思う。 というのも、セイズド達と共に帰還するという選択より、おそらく現実的なものではないからだ。 にも関わらず、ケルシャ―の死から物語は彼女と支配王の対決を要求しており、それが物語の流れとしては当然の流れとして作用していると思う。 私は本当にすぐにでも最終章を書きたいが、まだ別の仕事が残っている。 最終的にクライマックスを終えるのは、月曜日になるだろう。 それほど長い章にはならないと思うが、まずエラントリスの書き直し作業を終わらせないと・・・
やべえ(;・(ェ)・)文章の投下順序間違えた
>>419 は37章(3)の後ろでした
ゴラデル隊長が戻ってくるのは、エレンドをヴィンが捕われている場所に導くだけでなく、おとぎ話のジャンルによく見られるような隠喩の引用でもある。 例えば、ライオンがネズミを食べずに見逃した結果、いずれその結果ライオンはネズミに救われる展開が待っている。 あるいは物語の最初に老婆を助けたなら、後半に彼女が再び現れて祝福を授けてくれる、といった類の話だ。 つまるところ、彼を殺さずに反乱に参加するように説得して去らせたならば、彼は最後の瞬間に彼女を救うために複数の兵士と彼女のボーイフレンドを連れて戻って来たということだ。 最後に、ヴィンはエレンドと出会う機会を持つ。 僕はこの場面に、純粋な感情、ユーモア、そして活力を混在させることができて良かったと思う。 ここには行動に対しての現実的な見返りが込められており、それは僕が物語を作るためにこうやりたいと思っている方法だ。 ヴィンは今まで嘘をついており、実際は霧の落とし子であったことを明かし、一方でエレンドは以前に嘘をつかれ裏切られたという感覚を持ったものの、 今ここで彼女の中に彼女自身の高潔さを見てとって、全ての事実を受け入れた。
37章の注釈(3) 以下は、僕が3年前に本章に関して書いた仕訳だ。 それは、僕がその仕訳を書いた時から3年後の今日、本章に関する作業を全て終えた時に向けて遺している楽しみのようなものだ。 2004年5月22日 37章完了 うむ、またヴィンは下着姿で走り回っている。 これについては正当な理由は2つ3つある。 まず、合金使いを捕えた場合を考える時、その危険を警戒して最初に行う処置は彼らを完全に裸にすることだろう。 ほんの少しの金属片でも隠し持っていた場合、それだけで様々なことが出来ると想定されるので、見逃してはならない。 今回の場合は、仮に金属を隠し持っていても尋問官はその能力により発見が可能なため、さほどの問題にはならない。 しかしながら、金属に限らず危険除去のために囚人の衣服を奪うのは標準的な段取りであることには変わらないだろう。 それについて大きな問題として書かないことにした。 結局のところ、成人男性を裸にして牢屋に放り込むのと、歳若い少女に同じことをするのは話が違ってくると私は思っているからだ。 そして、本章はヴィンのキャラクター性についてのクライマックスだ。 彼女は最終的に、人々を信頼することはつまるところ自分自身を信じていることでもあり、あるいはもっと重要なのは自分自身を身捨てて放棄しなければ友人達を身捨てることもないということに気がつく。 セイズドのために留まる選択をし、エレンドと再会することは、ヴィンにとって非常に重要な出来事だ。
正しい文章順は
>>418 →
>>421 →
>>422 →
>>419 となります。( ・(ェ)・)失礼
あと4回くらいで第一部全部終わるので、その時に最初から全部まとめたテキストをどっかにあげておきます
新☆ハヤカワ・SF・シリーズ 第二期ラインナップ 2013年12月より隔月刊行予定 タイトルはすべて仮題 1.グレッグ・イーガン『白熱光』 2.ジョン・スコルジー『レッドスーツ』 3.ロラン・ジュヌフォール『オマル』 4.チャールズ・ユウ『SF的な宇宙で安全に暮らすっていうこと』※円城塔訳 5.ロラン・ジュヌフォール『オマルの征服者』 6.マデライン・アシュビー『vN』 7.ブランドン・サンダースン『王たちの道(1)』 8.ケン・リュウ『紙の動物園』 9.ブランドン・サンダースン『王たちの道(2)』 10.ハンヌ・ライアニエミ『複雑系王子』 11.ブランドン・サンダースン『王たちの道(3)』 12.グレッグ・イーガン『クロックワーク・ロケット』
サンダースンの新刊がでるのは嬉しいが時の車輪はどうなってるんだ
時の車輪ももうサンダースンの物だろ。
後二冊の翻訳出るか心配してるんでしょ
「新刊」が出続ければ問題ないだろってこと。
( ・(ェ)・)最終章でござる 38章の注釈(1) ここでのヴィンの登場は、この本の中で僕が気に入っている場面の1つだ。 短いが、非常に映画的だ。 それは合金術の押し、ステンドグラス、渦巻く霧、霧のマントなどのこの本特有のイメージを全て集めている場面だからということもある。 マントは何らかの形で本に盛り込みたいと強く思っていた。 僕は読者によってはこれが正しい選択だと想像するのに苦労する人もいると思うが、霧の落とし子が身につける何か独特な物が欲しかった。 標準的なマントやケープならばわかりやすくてそれも良いが、僕は僕自身が考えた独自の何かを使いたいと考え、またこの霧のマントの多層かつ房のある構成は、霧のテーマにもよく合っているように思えた。 少し前に言及したように、僕は本の終了に近づくにつれて、多くの人物の視点から物語を展開する傾向にある。 ここでのカ―の視点はまた別の意図があり、ヴィンの登場を効果的に見せるためにはヴィン自身からの視点より他の人物から見た視点の方が良いと考えた。 加えて、ここでは尋問官には周囲の風景がどう見えているかという要素も示している。 -------------------------------------------------------------------------------- 支配王を殺そうとヴィンが試みた方法は、考え方としてはある程度賢いものだったと僕は思う。 僕は彼女が金を燃焼させた時に、自分の過去像に触れることができる場面を以前作った。 ヴィンの作戦がこの場面ではうまくいかなかった理由はいくつかある。 第一に、過去像はあくまで像でしかないということだ。 ヴィンが自身の過去像の顔に触れた時、それは全て金が作った「現像」でしかなかった。 現存する物質では一切無い。 同様に、彼女が支配王の過去像に触れることができたとしても、彼女はそれを殺すことや、そのことで支配王自身を傷つけることはできない。
同様に重要な理由が他にもある。 ポイントは、そう、11番目の金属は金の合金ではなく、アティウムの合金であるということだ。 君達が合金術の理論を理解していれば、これがなぜなのかわかるだろう。 金属は4種類が相互関係にあり、それぞれ2つの純正の金属と、その2つの合金の4つから成っている。 純正の金属は、鉄や亜鉛のように引きの効果を持つ金属だ。 また、この4つは2つの内的な効果を持つ金属と、2つの外的な効果を持つ金属という観点からも構成されている。 自分自身に影響する金属と、他人に対して影響する金属だ。 11番目の金属は、アティウムと同様に外的な効果、つまり他人に対しての何かについて働く金属だ。 この2つの金属は対になっているため、両方とも外的な効果のある金属でなければならないからだ。 金(およびその合金)は、内的、つまり使用する合金使い自身の何かについて作用する。 したがって、アティウムは誰か他人の未来の姿を示し、11番目の金属マラティウムは誰か他人の過去の姿を示す。 そして金は自分自身の過去の姿を示し、金の合金であるエレクトルムは自分自身の未来の姿を示す(後の本でこれについて話すことになるだろう)。 そういう理由から、アティウムと11番目の金属マラティウムは、どちらも自分以外の他人の未来や過去の姿を像として写し出す点で一致している。 そして、アティウムによって見える未来の像が実体ではなく触れることができないのと同様に、マラティウムによって見える像もアティウムのそれと同様に単なる影にすぎず、ヴィンが触れることができた金によって発生した自分自身の過去像とは異なるものだ。 それが、11番目の金属によって見えた支配王の過去の姿にヴィンが触れることができなかった理由だ。
38章の注釈(2) 君達はおそらくマーシュが戻ってくることを期待していたのではないだろうか。 少なくとも、彼が「死んだ」章を読んだ時には。 血金術によって尋問官を作りだすためには人間を殺すことに関わる工程(そのプロセスについては3冊目で説明する)が要求され、その結果としての混乱が多い。 なんにせよ、僕はここで彼が帰還するための計画を立てた。 僕自身が、彼にまだ色々やってもらいたいことがある、ということもあった。 マーシュは聖職省の内部で周囲からの評価を得るようになり、彼を尋問官にしようという計画が持ち上がった時、これを好機と見てその計画を受け入れた。 尋問官が採用されるには、現存する尋問官が古くなり破損する前に、聖職省が新たな人員を確保し、入れ替える。 聖職省は尋問官にするための要員を1人探しており、その時マーシュは聖職省内においてルサデルで最も有望な訓練生となっていた。 彼は潜入によって自分がどれほどのものを失うかを理解していなかった。 しかし、支配王は尋問官に対する支配力を維持するために弱点を遺しており、結果としてマーシュは失った物への対価として、尋問官を殺す方法を知ることとなった。 適切な釘を引き抜けば、彼らは崩壊する。
支配王を殺すためのマーシュの計画は、かなり良いものだっただろう。 しかし不運にも、支配王の力は尋問官のように血金術から成るものではなく、他の手段によって発揮されているものだった。 だがもし、彼が引き抜こうとしたのが釘ではなく腕輪であったなら・・・ ところで、ここでヴィンとカ―から霧が離れていったのは、ある種の手がかりとなる。 合金使いとは異なり、尋問官が力を使うと、霧は彼らから離れていく。 このことについても、3冊目で説明しよう。 -------------------------------------------------------------------------------- 伝金術によって蓄えることができる力の2つとして、治癒と素早さを紹介した。 支配王を非常に強力なものとしている要因の一部として、彼はこの2つを同時にかつ拡張された特殊な方法を用いて爆発的な威力で使用できるという点があげられる。 2冊目でもっと詳しく解説しよう。
38章の注釈(3) 本章について僕が残念に思うのは、結果的に僕が僕自身のルールを破っていたように見せなければならなかったということだ。 合金術・伝金術・血金術の相関する3つの魔法体系は、僕が今までに考案した中で最も複雑なマジックシステムの1つだ。 3つのシステム間の相互作用は、この世界の神話 (それは基礎的なレベルで霧を含む) と混合された、いくつかの非常に複雑なルールに基づいている。 僕はそれらについて、できるだけ単純に説明しようとしている。 単純で基礎的なルールが、結局は全ての魔法体系にとって必要な要素だからだ。 もちろん、深く複雑な設定は、一見しただけでは混乱をさせるいくつかの要因に結びついてしまう。 僕は1冊目の時点では、ヴィンが霧を取り込んで使用することを計画していなかった。 これは後の本のためにとっておくつもりだった。 しかし本章の初期バージョン (ヴィンは支配王の腕輪を単に自分の手で掴んで引き抜く形で書いていた) は、適切なドラマやインパクトを欠くものだった。 そのため、僕は予定を繰り上げて、次の本まで明かすつもりではなかった彼女のいくつかの能力をここで使わせることにした。 合金術のルールのうち多くは、僕の頭の中では、物理学の基礎的なルールにのっとっている。 それらは単純に意味を成し、容易に説明することができる。 それらは現実の世界ですでに証明され、様々な所で発表され説明されていることだからだ。 君達が実際に高度な物理学にとりかかる時には、伝統的なニュートンの法則のどこかしらの部分にとりかかることになるだろう。
合金術についても同じことが言える。 合金使いの大半は、物理的に基本的な範疇を越えるような強力な力を発揮することはない。 そのため、彼らにとっては「体内にある金属を押し引きすることはできない」という基礎ルールが成り立つ。 それを説明するのは容易なことだ。 「人々の体内の金属に大きな影響を与えることは極めて困難であり、通常出会うことのないようなごく特殊な一部の者だけが、それを行える」 それは力の程度の問題だ。 ヴィンはいずれ僕が説明するとある理由から、合金術の力へのアクセスについては標準的な合金使いより遥かに上の能力を持っている。 支配王についても、ヴィンとは異なる理由からではあるが、根本的には同様の手段を用いている。 そのため、彼は血液によってブロックされている体内の金属にも影響することができる。 ヴィンが同じ結果を生むためには外部から別の動力を供給する必要はあるが、同じことは彼女にも可能だ。 物語的な流れを見ると、僕は僕自身のルールを破っているように見えるのではないかということが気がかりだ。 しかしながら、この章での効果とドラマ的な要素のバランスをとるため、結局そのような展開にすることを決定した。 僕は、現時点で合金術について読者に理解されている要素だけを用いれば、法則の中に欠陥が見えることを本全体を通して確証した。 誰も知らない金属がまだある。 銅の雲は突き通すことができる。 実際、君達も感付いていることと思うが、今のところまだ明かされていない要素があるために現時点で合金術を完全に理解することはできないだろう。
38章の注釈(4) 物語の中で僕が気に入っている謎は、ラシェクが実際には支配王となっていたという事実だ。 僕は、この事実の発覚が、読者にとっては私が望んでいるものと同じかどうかよくわからない。 これは、過去に起こった物語に関してどの程度深く読み、着目し推測したかに依存する結果だ。 しかしながら、もしこのことを全て予測できたとしたら、読者は非常に満足できるのではないだろうか。 この本を考え始めたコンセプトの一つは、まさに「暗黒卿が勝利したらどうなるか?」だった。 そして更に、もし主役である人物が結果的に暗黒卿となった世界はより恐ろしいものだろうと考えた。 「フロドが指輪を自分の物にしてしまったらどうなるか?」という類のアイディアだ。 さて、僕はそれをもう少し捻って、「サムがフロドを殺して指輪を奪い取り、暗黒卿と化したらどうなるか?」とういう形にした。 そう、いつだって別の秘密が隠されている。 じゃないか? 完成した物語はもちろん、そこから更に発展した。 ラシェクとアレンディ (日誌を書いた無名の英雄) の間の相互作用は、僕にとって充分に面白いものになると感じたので、各章冒頭の文章としてそれ自身に物語を与えることを決定した。
最終的に、僕はこの本は3人の人物の視点から見たものと考えている:ヴィン、ケルシャ―、アレンディ こういった事実の発覚について僕が好むのは、読者が本全体をすっかり理解して馴染んだ後にようやくわかる、というものではない。 もし正しい手がかりに注意を払っていれば、君達はかなり早い段階でラシェクと支配王の事実を予想しているかもしれないだろう。 これらの手がかりは、支配王の不死の源に結びついた。 年齢は伝金術が蓄えることのできる要素の一つであることが予示され、支配王が外見的な年齢を変えていることからそれは確立された。 そのため、僕は伝金術の蓄えが彼の不死の背景にあることをヴィンが理解するためには、それほど大きな引き延ばしがあったとは思っていない。 このことについては、エピローグでより詳細な説明を得るだろう。 -------------------------------------------------------------------------------- 最後に、君達は横たわる支配王の傍らにヴィンとセイズドが立ち見下ろしている場面を見るだろう。 これは、今やルサデルで活気づくスカ―達がかつて帝国の元で彼に抑圧されていたことへの比喩的な場面だ。 外に昇る太陽も、このことを明確に照らしている。 また、支配王は地面に倒れ、槍で胸を貫かれることで、ケルシャ―と同じ方法で死ぬことになった。
( ・(ェ)・)残りはエピローグと付録、本全体のまとめについての注釈です
エピローグの注釈(1) この最後のエピグラフは、正規の流れからは外れている。 これまでのものは、ヴィンが日誌から読み取ったようにほとんど時系列だった。 しかしながら、これは日誌の最後の部分ではない。 ただ、これが終幕に適したものであるように感じたので、僕はここにこれを置いた。 確か以前に言及したと思うが、アレンディの日誌の内容は一通りを全て書いた後で、分割して各章の冒頭に配置した。 僕は2冊目でも同じように、物語で登場人物が現在直面していること以外に、裏側に重要な問題が存在していることを各章冒頭の文章で暗示することにした。 --------------------------------------------------------------------------------
そう、エレンドは王として選ばれた。 これが伏線と見なされるかどうかわからなかったというのが、実際に王となる瞬間の場面そのものを書かなかった理由の1つだ。 実際にその場面を書くより、単にその事実だけを説明するほうが物語の流れとしても良いと思った。 問題は、ヴィンと支配王の対決での大きなクライマックスの後、エレンドの即位スピーチを差し込んでいたら冗長だっただろうということだ。 そのため、ここは事実だけをそのまま述べるに留めた。 これはそもそも不吉な結末であることを、僕は知っている。 エレンドは王となったが、彼も周りの者も、誰もがこのような立場に立ったことはない。 ケルシャ―のチームのメンバー達はもちろん、政府を運営する経験など持っていないし、エレンドもそれは同じことだ (とはいえ、彼は少なくとも、多くの政治理論を知識として持ってはいるが)。 したがってこれは2冊目のための前ふりであり、僕はいくつかの非常に困難な課題を彼らに課したかった。 帝国を打倒することは、それを円滑に維持していくことと比べれば遥かに容易だと僕には思える。 これは彼らが対処していかなければならない大きな問題だ。
エピローグの注釈(2) 合金術と伝金術を同時に使用し相互作用させる仕組みは、僕が今まで考案した魔法の中でも最も説明が難しいものの1つであり、僕はそれが説得力を持って動作していることを願っている。 僕の本で楽しんでもらえるもののうち1つは確実に魔法についてだと思っており、またこれは以下の2点をうまく成り立たせなければ技術的に面白いものとすることはできないだろう。a、複雑であること b、感覚的に理解できること 僕は2つの魔法体系を合わせて使うことで、予期しない結果を取得しようと考えた。 例えば2つの化学薬品を混ぜた時や、あるいは1つのコンピュータ上で同時に作動する2つのプログラムが、何かしらの奇妙な結果を生むことがあるように、合金術と伝金術を混ぜ合わせて使用することで、何か特殊な、強力な結果が生まれることを期待した。 もちろん、理論的に説明がつくことによって支配王の神格性は落ちることになるが、それは意図的なことだ。 結果として彼を打倒した者達の功績は多少下がるのかもしれないが、尚も彼の打倒が極めて困難であったことには変わりはなく、それを成し遂げた彼らは偉大な勝利を手にしたと言える。 しかしながら、僕はその中で提供しようとしたものがある。 暗示の感覚だ。 支配王の最後の言葉を思い出して欲しい。 彼は極めて重要なことを口にしている。 アティウムの欠如はケルシャ―がすでに死んでしまったという事実とともに、2冊目で非常に大きな影響となるだろう。 支配王の打倒は極めて困難ではあったが、しかしそれはまだ、三部作全編の中ではまだ容易な部分だ。 事態は今後、遥かに厳しくなる・・・
エピローグの注釈(3) そして、ここで君達は本の最後の場面を見る。 ここはいくつかの理由により重要だ。 僕がまさに本の一番最初の部分でリーンの声がヴィンの頭に響く場面にフォーカスした時と同様に、意図的に彼の囁きをとりあげている。 ここで、僕はヴィンの成長が1つの最終段階を迎えたことを示したかった。 僕の本は明らかに恋愛小説ではないが、しかし確かにロマンス的な要素は含まれている。 ヴィンとエレンドの関係は、実際には初期から計画されたものではなかった (確かどこかで言及したと思う)。 確かに彼女には何らかの形で男性をつかまえて欲しいとは思っていたが、それがどういう形になりどんな結末を迎えるかということはわからなかった。
僕は、自分の本は基本的にハッピーエンドだと思っている。 時々、不吉なものや苦々しいものが混ざっているが。 しかし、この時点での彼らの状態について、個人的には幸福であると思うしこの結果に満足している。 僕は不滅のロマンチストであるわけだし、この場面で2人が互いを見つける場面が気に入っている。 もちろん、これで終りではない。 ヴィンとエレンドは真の信頼関係に至ったわけではなく、それは1つの芽を出したばかりだ。 彼らはより多くの問題・・・2冊目では様々な要素で試されることになるだろう。 しかし今のところ、彼らには幸福の中にいてもらおう。 それはこのミストボーンの世界において、充分に貴重な価値ある時間なのだから。
巻末・秘奥義についての注釈 それは僕にとっては意外なことだが、一部の人々にとって、このような本末の付録的な要素は各人の意見の食い違いを生ずる原因になることがあるようだ。 まず本を手に取った時に、その本に付録と物語内の地図が載っているかを確認する人がいて、両方が揃っていると実際に読まれる可能性が高くなるというケースがある (僕がもっと若かった頃は、僕自身が実際にそういう人間のうちの1人だった)。 十代の頃の自分を分析する場合、僕が興味を持った本の著者が1つの本に彼の多くの仕事を注いでおり、かつ内容が複雑であり、更にそこに付録が付いていれば、それはまさしく僕が読みたい本だっただろう。 また、全く逆のパターンから学んだ例もある。 僕は、本の後ろにこの手の付録によってまとめや補足事項を作る著者は、タイトなストーリーを本編だけで伝えることができないからこのような付録で補っているのだと考えている人々に遭遇した。 あるいは、物語が本編だけで純粋に楽しめないほど複雑になっているからだという指摘もしていたようだった。 僕の最初の本であるエラントリスでは、僕は本の後部に発音ガイドや人物紹介を作るために奮闘した。 最近は他人の本を読む時にしばしば登場人物の名前を忘れてしまうような、僕の信頼できない脳が一因でもあるのだが、僕は本に付いている付録が好きだ。 僕が自分でそうしたいと思った通り複雑な (そうなっていると思いたい) ミストボーン三部作において、これから2冊目を読んでもらう際には1冊目を思い出してもらうのを補助するためにも登場人物のリストを付けておくべきだと考えた。 そのため、2冊目にはもっと量が増した付録が付いている。 しかしながら、僕はこの付録のスペースでもう1つくらい何か他のこともしてみたかった。 僕が、読者が尋ねたいであろうと予測したものは、金属の効果をまとめたものだった。 そのため、僕は友人のアイザックの力を借りて、金属の一覧と効果を視覚的に参照できる美しい金属一覧テーブルを開発した。 僕はこの一覧に関してこれ以上ない程に満足しているが、君達の目にはどのように見えるだろう。
その項目タイトルの「Ars Arcanum(アルス・アルカナン - 秘奥義)」は注目に値するのではないだろうか。 僕は、アン・マキャフリーが自身の小説パーンシリーズの付録に、ドラゴンとインデックスをかけあわせた「dragondex(ドラゴンデクス)」と命名していたことに非常に感銘を受けた。 僕の本の中でも大きな売りの1つでもある魔法体系は、新しい物語を書く度に全く新しいものを考えるので、 (今まで書いたものの多くも、mistborn三部作と同様に1つの物語の中に複数の魔法体系を持っている) 付録の題名としてはその複数の体系全てを総括できるような命名をする必要がある。 僕はしばらくの時間をかけて、色々と考えてみた。 例えば最初に思いついた「Ars Magica (魔法大系)」は「magical arts」や「magical skills」などに近い意味のラテン語由来の表現だ。 しかしながら、それはとあるRPG内での魔法スキルを意味するカテゴリーとして使用されていたので、そこから離れて考えることにした。 次に考えたのが、現在の「Ars Arcanum (秘術大系)」だった。 それがより本当のラテン語に由来している感覚があったので、僕は結局こちらが気に入って使うことにした。 僕は自分の考案する魔法体系を、それが使われる世界のための新しい科学のように感じており、それを作りだすこと自体を楽しんでいる。 思い通りに出来ていれば、これらの付録は有用なものだと思う。 少なくとも、2冊目を読むにあたって1冊目に登場した人々を思い出すためには、登場人物のリストは意味あるものとなるはずだ。
本全体についての注釈 うむ、これで、ミストボーンの1冊目に関する注釈が全て完了するわけだ。 1冊目のペーパーバック版はちょうど3週間後に出版されるので、そのペーパーバック版リリース前に注釈を全て書き終えるという僕の目標は達成することができた。 これは書いていて非常に楽しい本だった。 2、3ヶ月後には2冊目もお目にかけられると思うが、こちらについては僕が思うに今まで書いてきた中で最も困難かつ挑戦的な本になりそうだ (そのことは引き続き、2冊目の注釈でも伝えていこうと思う)。 全ての本には、丁度君達が想像した通りに展開することもあれば、君達を驚かせたりあるいは予測と全く違う方向へ向かったりすることもある。 本書では、「強盗」の要素についての感触は全てにおいて問題無しとは言えなかったと思う。 僕は書き終えた本をじっくり読んで振り返ってみると、本を書く前にその構想が頭の中にあっただけの頃のように本を想像できる。 それにはいくつかの重要な点でずれが生じているにも関わらず、実際の本と想像段階での物語でいくつかの要素では共通しているというところもあり、奇妙な感覚だ。 登場人物のキャラクター性については、僕が期待した通りの設定ができ、最終的にそれが形にできたのは非常に嬉しいことだ。 合金術がうまく働いたこともあって、ケルシャ―のラストシーンの衝撃についても、良い反響をもらうことができた。 結果的に舞踏会の場面のに割くスペースを増やすほど、さまざまな登場人物の人物像を拡張させる要因の人物となるまでにキャラクター性が広がったエレンドも驚きの1つだった。 すべてにおいて僕はこの本に非常に満足しており、それはエラントリスよりも上手くできなければ意味がないと考えていた僕の望む結果を実際に達成できた証だと思っている。 結果として2冊目では、僕が実際に何ができるかということを示すことができるだろう。
( ・(ェ)・)1部が全部終わったので、全部まとめてテキストをあげておくます。
パスは kuma
http://balsamic-mic.info/up-insalata/download/1375283074.txt 規制ラッシュやら体調がおかしいだのと中断しまくってたら2年も経っているとかそんなバカな。
2部は10章くらいまでは訳してあるけど、最近は昼休みに作業できる環境が無いのでなかなか進んでおりません。
また2年かけるのもどうかと思うし。
一方でThe Stormlight Archiveが翻訳出版されるようですが、こちらは著者サイトに現時点で注釈は存在しない模様。
( ・(ェ)・)とりあえずどうすっかなーと
169KB分の翻訳とか、すげぇ…… スプークマさん素敵! 抱いて!
448 :
名無しは無慈悲な夜の女王 :2013/08/14(水) NY:AN:NY.AN
やっと読み終わった・・・セイズドが主役にしか見えない
クマさん乙乙 まとめたテキストもDLさせて頂きました! 2年とか凄いよマジで 規制一時解除らしいからきっと書き込めるハズ・・・?
クマさん乙です、自分も頂きました クマさんのおかげで読み返す楽しみが増えました 2部もお願いしたいですけど無理しないでください
「皇帝の魂」がヒューゴー賞を取ったので読んでるがまあまあ面白い。 魔法に疑似科学的論理性を持ち込むのが特徴的。だからヒューゴーなのかな。 ファンタジーの作家さんだけあってキャラ描写に厚みがあるのは流石。
452 :
名無しは無慈悲な夜の女王 :2013/11/25(月) 20:57:42.79
保守
なんでもっと翻訳されないのだろうかー 時の車輪は未読なのだが既読の方がいらっしゃったら感想を教えてください 面白いですか?
時の車輪はシリーズを読んできた人なら感動するレベルで同じだったので 面白かった。 シリーズを読んでない人にはオススメしない。 時の車輪自体は それなりに面白いけどね。
時の車輪、学生時代に新刊で買って読んでた時はイマイチだった。惰性で集めてはいたが。 特に女視点のパートはイライラさせられる。 最近、初めから読み直したら楽しかった。いろんな伏線の意味がわかってニヤニヤできたし。 でもナイニーブ、こいつのパートだけは今でもダメだったわ。
456 :
名無しは無慈悲な夜の女王 :2014/01/04(土) 09:19:35.17
保守
13部と14部ってもう原書は出て完結してるんだよね時の車輪 ハヤカワ早く出さないかなあ
>>457 そうなんだ!さすがサンダースン
完結させてくれたんだから読みたいなあ
2013年ヒューゴ賞中篇部門受賞 『帝王の魂』 帝国の運命は盗賊の手にゆだねられた! シャイは月笏(ムーン・セプター)をほぼ完璧な偽物とすり替えようとする最中捕縛され、 助命と引き換えの取引を強いられた。 暗殺者が皇帝アシュラヴァンを意識不明にしてしまい、事態は王妃の死によって隠蔽された。 もし皇帝が100日間の哀悼期を過ぎても姿をみせなければ、遺産派(ヘリテージ・ファクション)の統治権は失われ、 帝国は混乱に陥ってしまうだろう。 シャイは不可能に近い任務を与えられた。100日以内に皇帝の魂を生み出す−'鋳造(フォージ)'−任務だ。 だが彼女の'魂鋳造'は捕縛者たちには忌まわしい行為とみなされた。 狭く薄汚い独房に幽閉され、彼女を憎悪する男に護衛され、自らの血によって封印された扉の奥に囚われたシャイ。 政治家たちはひそかに彼女を監視している。 期待できる味方は皇帝にもっとも忠実な顧問官であり、彼女の真の才能を把握すべく奮闘するガオトナのみ。 期限は刻一刻と迫っている。 鋳造をおこない、捕縛者たちの動機を推し量りつつ、彼女は完璧な逃亡計画を練らねばならない・・・
ごめん、forgeは作中では鍛造ではなく偽造の意味で使われたたわ 本文読んで気づいた
プロローグ ガオトナは分厚いカンバスに指を走らせ、彼がこれまで目にしてきた中でももっとも偉大な芸術作品を精査した。 不幸なことに、それは贋作であった。 「あの女は危険だ」 彼の背後からささやき声が聞こえた。 「忌むべき行為だ」 ガオトナはカンバスを炉の赤橙色の光にかざし、目を細めた。老年に達している彼の視力はかつてよりも衰えていた。 (なんとも精巧な) 筆使いを精査し、油絵の具の層を指で感じ、感想をいだいた。まさしく本物とみわけがつかない筆使い、色使いであった。 ガオトナ自身では、贋作と見抜くことはできなかったであろう。 花は微妙に位置がずれており、純銀の月は夜空からかなり下に描かれていた。過ちを見分けるには、専門家たちでも何日もの詳細な調査を必要とした。 「彼女は現存する最高の贋作製造者(Forger)の一人だ」 話し声は、ガオトナの同僚調停者、皇帝のもっとも重要な官僚団たちのものだった。 「彼女は帝国中で評判を獲得している。見せしめとして処刑せねば」 「いや」 調停者の指導者フラヴァは鋭く鼻にかかった声を発した。 「彼女は貴重な道具だ。この女はわれらを救うことができる。利用せねば」 (なぜ?) ガオトナはふたたび考えた。 (なぜこのような高度な技術を持ち、これほどの荘厳な作品を生み出せる者が、贋作に手を染めたのか。 なぜオリジナルな絵画を創造しなかった。なぜ真の芸術家たらない。 理解せねば。)
「よし」 フラヴァは続けた。 「女は盗賊で、忌まわしいわざを実行した。だがわしは女をコントロールすることができるし、女の能力があればわしらが陥った難局を乗り切ることもできよう。」 他の調停者たちは不安げに反対意見をつぶやいた。 彼らが話題にしている女、ワン・シャイ=ルー、はたんなる詐欺芸術家ではなかった。それ以上の存在だったのである。 彼女は現実そのものの性質を改変することも可能だった。それがもうひとつの問題をもたらしていた。 なぜ彼女はわざわざ絵描きを習得したのか。一般的な芸術は、彼女の神秘的能力と比べて平凡なものではなかったか。 謎はあまりに多かった。ガオトナは炉辺の自席から見上げた。他の者たちは、フラヴァの机の周囲に集い、あたかも共謀者の一群のようであった。 「私はフラヴァどのに賛成だ。」とガオトナは言った。 彼らはガオトナを一瞥した。彼らのしかめっつらは、彼の発言をほとんど意に介さないことを示していたが、彼らの態度は別の話を物語っていた。 彼らのガオトナへの敬意は心の奥深くに埋め込まれており、体がそれを覚えていたのである。 「贋作製作者を召喚せよ。」 立ち上がりながらガオトナは言った。 「私が彼女を取り調べる。フラヴァどのがおっしゃる以上に、彼女をコントロールするのは困難かもしれぬが、他に手はない。 あの女の能力を利用しなければ、われらは帝国の支配を失う。」 つぶやきは失せた。フラヴァとガオトナが何らかの意見の一致に達したのは何年ぶりであろうか。 それがよりにもよって、贋作製作者を利用しようなどというあやうい事柄とは。 残った3人の調停者ちは、ひとりまたひとりとうなずいた。 「では、はじめよ。」 フラヴァは穏やかに言った。
何にも増してジョエルはリズマティストになるのを夢見ていた。 謎めいた入門儀式で師範によって選ばれたリズマティストは、チョークリングと呼ばれる2次元の物体に力を注ぎ込む能力をもつ。 リズマティストは、切り刻まれた死体を残して目覚める無慈悲な生物−野生のチョークリングに対する人類唯一の防壁だ。 ネブラスク(Nebrask)のほぼ全領域にはびこったチョークリングは、いまやアメリカ諸島(American Islands)を脅かしている。 アルメディアス・アカデミー下級チョーク職人の息子ジョエルは、 彼が練習することもできない魔法技術を学ぶリズマティストの生徒たちを眺めるばかりだ。 そのうち生徒たちは失踪し始める−血の痕跡を残して夜間に自室から誘拐され・・・。 事件を調査する教授の助手に任命されたジョエルと彼の友人メロディは、予期せぬ発見の手がかりを追っていることに気づく。 それはリズマティストを−そして彼らの世界を−永遠に変えてしまうこととなるだろう。 ベストセラー作家ブランドン・サンダーソンは、心躍らせる危機とサスペンスに彩られた、10代向け新エピックシリーズ第1弾を開幕させた。 トレードマークの独特な世界観は健在。 サンダーソンは、革新的で細部にわたる魔法システムを創造した。 戦略的・戦術的駆け引きを賞賛する読者たちは、リズマティストを現代世界に息づかせたいと望むことだろう!
ブランドン・サンダーソンは1975年ネブラスカ州リンカーンに生まれた。 子供時代読書を趣味としていたが、薦められる種類の本を読むことに興味を失ってしまい、 中学校になるまで可能ならば決して本を読むことはなかった。 だが、8年生のときバーバラ・ハンブリーの『ドラゴンスベイン』を教師に薦められたことで、事態は変わった。 ブランドンはこの書物大いにを楽しみ、同ジャンルの本を求めるようになった。 ロバート・ジョーダン、メレイン・ローン、デイヴィッド・エディングス、アン・マキャフリー、 そして、オーソン・スコット・カードの著作に出会ったのである。 ブランドンは、中学・高校を通じて貪欲な読書家でありつづけた。 エピック・ファンタジーを大いに好み、自ら執筆することを試みるまでになったのである。 彼が言うには、最初の挑戦は、ひどい有様であった。 トール・ブックス社のモシュ・フィーダーが彼の6作目の著作を買い取ったとき、ブランドンは13作目に取り掛かっているところであった。 トール社は、エラントリス、ミストボーン三部作、続編'Alloy of Law(法の合金)'、ウォーブレイカー、ストームライト・アーカイブ10部作の第1作『王の流儀』を出版してきた。 (後は受賞暦が並ぶので割愛)
新☆ハヤカワ・SF・シリーズ 第2期ラインナップ > 第7回、第9回、第11回配本 2014年12月、2015年4月、2015年8月 > 王たちの道 1〜3 > The Way of Kings(2010) > ブランドン・サンダースン Brandon Sanderson 川野靖子/訳 > 石と嵐の世界ロシャルを舞台に、数奇な運命に翻弄される > 重厚な人間ドラマが展開される大河ファンタジイ第1部を、3分冊で刊行。 まーた三分冊か
>>465 2014年12月、2015年4月、2015年8月
って、間隔空けすぎじゃないか?
せめて、間に時の車輪挟んでくれ
いばらの秘剣みたいに1部だけで終るとイヤだから様子見だわ
「ミスト」世界にあの世があるってことだが、だったら 支配王とケルシャーがあの世で再会したときの口喧嘩を見てみたいもんだ。
ケルシャーとかあの世からしょっちゅう出張してきてたよな
新刊出るんだったらあげよう
メアとヴィンはうまくやれそうだ エレンドは改めて娘さんをくださいをすべき
ミスト三部作って、緻密すぎてキャラクターにほとんど行動の自由度がない。 どのキャラが、紙一枚違う行動をとっていてもダメ。 そしてどのキャラも、紙一枚の違いもなく性格通りに動く。 えらくややこしい数学の証明を学ぶような快感はあるけど、人間という 気はあまりしない。人間はもっと矛盾してるよ。
473 :
名無しは無慈悲な夜の女王 :2014/09/08(月) 21:41:17.85
矛盾というか、不合理な行動はしていたと思うんだけどね。
新刊もう出た?
475 :
名無しは無慈悲な夜の女王 :2014/10/16(木) 23:25:55.87
王たちの道、所謂中世ヨーロッパ的な世界観じゃなくて中東とかアジアっぽい雰囲気も感じるんだけど みんなどんな感じでイメージして読んでる? あとこの表紙の鎧の絵酷すぎだろ。「破片」鎧っていう言葉だけで描きやがったな。ちゃんと本文の該当描写も読めよ
良スレ
477 :
名無しは無慈悲な夜の女王 :2014/10/17(金) 18:06:28.74
新刊が本屋に見当たらないから、Amazonで購入した。 やっぱり2,000円越えだと本屋も置きたがらないのかな。 それでAmazonで買わざるをえなくて売れ行きが上がらないと負のスパイラルだな。
478 :
名無しは無慈悲な夜の女王 :2014/10/19(日) 12:23:57.41
王たちの道が届いたけど、洋書みたいな作りだね。 若干縦長で本屋が置きたがらないかも。 紙のカバー無しで表にいらすとが直接書かれてる。 ビニールカバー付き。 これから読みます。
479 :
名無しは無慈悲な夜の女王 :2014/10/20(月) 23:13:23.65
王たちの道面白かった。けどぶつ切り感が半端ない。 早く続き読ませて、ていうかこれ10部作予定なの?wハヤカワちゃんと最後まで訳してくれるんだろうか…
本屋で見かけたけど 第一部三分冊で2000円超でどれだけ動くか
>>478 ちょっとめまいが…
いや、あなたの方がまっとうなんだ
前のSFシリーズが終わって40年(!
本家のポケミスもある程度以上の書店じゃないと置いてないんだから
時の車輪を最後まで出すまで、ハヤカヤはもう買わない
時の車輪を喜んで買いあつめてた俺のおやじはもういない
「王たちの道」って、あの厚さで三十冊、ってことだろ? 〈氷と炎〉どころか「グイン・サーガ」超えるんじゃないか?
最後まで全部出ると良いねえ
486 :
名無しは無慈悲な夜の女王 :2014/10/23(木) 10:07:55.14
絶対最後まで出ないわ
サンダースンの昨日って映画化はしないのかね エラントリスにせよミストボーンにせよ王たちの道にせよ向いてると思うけど
488 :
名無しは無慈悲な夜の女王 :2014/10/23(木) 18:40:40.91
>>481 ああ、ググってみたけど、このポケミスのシリーズは図書館でみたことあるよ。
中身読んだかどうかは覚えてないな。
まだ40にもいってない期待の若手だわ マーヴィンピークは30半ばいでタイタスグローンを書いてるが
新聞の書評欄でも王たちの道が紹介
491 :
名無しは無慈悲な夜の女王 :2014/11/30(日) 22:39:06.35
王たちの道のkindle版がきてたから、他のストアも出てるかな。
492 :
名無しは無慈悲な夜の女王 :2014/12/12(金) 09:04:05.50
王たちの道の続きが気になる。
>>484 最後まで翻訳が出て欲しいが、期待薄いだろうな・・・
頑張ってくれハヤカワ
493 :
名無しは無慈悲な夜の女王 :2014/12/21(日) 13:18:28.83
王たちの道の続きはまだか! 発売まで間隔空けすぎだろ
元が1冊のを分冊するときは売り方考えて欲しいよね 全然途中でぶった切られてモヤモヤモヤモヤ
全然の使い方にもやもやするわw
496 :
名無しは無慈悲な夜の女王 :2015/01/31(土) 21:34:00.49
質問があります。 ヴィンとエレンドはエッチするとき錫を燃やしてますか? 気になって夜も眠れません。
用語集2の後ろにもつけといて欲しかった
ミストボーン第5巻 今年でるぞ
ミストボーンのゲームって今年出るかと思ったら来年になってたんだな
500 :
名無しは無慈悲な夜の女王 :2015/02/13(金) 19:39:15.62
王たちの道2がもう出てるのね。 Amazonでポチった。
501 :
名無しは無慈悲な夜の女王 :
2015/02/19(木) 17:36:08.51 王たちの道2は販売されてたのかw あまりにも話題にならなくて気付かなかったわ 買うかな。