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ミステリ板住人 ◆22RAaWR.nE :
ナンシー・クレス「ベガーズ・イン・スペイン」 5点
SF者が強く推す作(「2009年 SFが読みたいベスト10第6位」)だが、
まあ、評点はこんなもんでしょ。悪くはない。
この板でも大好評な収録作品全話講評逝ってみようか!!!
・「ベガーズ・イン・スペイン」
初っ端から表題作。本邦初訳ながらヒューゴー、ネビュラ等のSFに関する
主要な賞をほぼ総なめにした作だそうな。
だが、正直な感想はそれほどの作かという感が強い。
遺伝子操作により誕生した無眠人と有眠人の対立は深まり、無眠人への迫害が
始まる。なんか俺なんかは「スラン」を想起してしまった。
作者は教育と文学を専攻した文系人間ゆえ、遺伝子操作ネタはあっさりと書かれるのみ、
グレッグやテッドちゃんを愛読する科学オタのSF者には、この点は物足らないものがあるやもしれぬ。
ラストは、有眠人の妹のアシストで両親に虐待されている無眠人の子供を救出
したヒロインのリーシャ(無眠人のエリート法律家の卵)は、2人を乗せた車で
州境へと疾走する・・・
姉妹の和解と理解(無眠人と有眠人のそれらを示唆する意もあるが)といった締め、見え過ぎなありきたりな展開と言うしかないか。
・「眠る犬」
「ベガーズ・・・」と被る時間軸の物語で無眠犬ネタである。
ヒロインは、有眠人の少女キャロル・アン。
無眠犬に幼い妹を殺された(事故とも言える状況ではある)ヒロインが
犬の売主へのリベンジを決意(何か逆恨みっぽいが)する。
(結局、成功しないが)
乾いたタッチのハードボイルドな設定と語りが俺好みではある。