銀河英雄伝説 素朴な疑問Vol_49

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9名無しは無慈悲な夜の女王
Q.「バーミリオン星域会戦の際、ヤンは何故、勝利(さもなくば同盟の敗亡)を目前にしながら、政府による停戦命令を受け入れたの?」
A.「建前は、同盟政府による命令故であり、ヤンは、民主国家の公僕であり、軍人であり、政府の指揮下に有るからです。
本音としては、ヤンがラインハルトとの会談で語った、【人民を害する権利は人民のみに有る】という彼の考えに拠ると思われます。
これは、言い換えると、【人民の運命の自己決定権】ということです。
ヨブ・トリューニヒトを元首に選んだのは同盟市民であり、
その結果の責任を、正であれ負であれ、同盟市民は負わなければなりません。
たとえ負の結果であっても、それを引き受けるのが尊厳です。
その尊厳は、何者も否定してはならないのです。
それを、現場の軍人に過ぎないヤンが阻害してしまっては、
【完璧な名君による善政】を否定する理由が無くなるのです。

卑近な例で例えると、自分で作った借金は、自分で始末をつけるのが大人です。
子供なら、親に頼って良いでしょうし、子供を助けてやるのが親の責務です。
ですが、大人でありながら、その責任も尊厳も放棄し、
親に尻拭いを頼るような人間は、大人を名乗る資格が有りません。
ヤンは、あの折、同盟市民に対し、【大人】足るべく望んだのです」