今日読んだSF/FT/HRの感想 8冊目

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88ミステリ板住人 ◆iyLCFWuASU
石森章太郎「変身忍者嵐」   5点
今回は少々毛色が変った作を紹介しておこう。
特撮ドラマ化もされ、知名度はそこそこありながら、
アニメ化もされず、長く絶版状態にあった石森作品中では不遇な作である。
父の仇、宿敵魔神斎が実はハヤテの父親だった(しかも、無意識のうちに魔神斎に
なりきりになっていたという悲劇)という真相に至る父殺し、
そして兄弟殺しというトラウマ満載のラストまで一気に読ませるSF忍者漫画の
力作、収録作品中では、中島敦の「山月記」を想起させる第2巻収録の「虎落笛の遠い夏」が私のような読書人をニヤリとさせるところか。
前述したとおり、信じていたもの、守るべきはずだったものに裏切られ主人公が精神的な
業を負うという石森作品(ただし、映像化されたものではなく原作に限る)に特有の
テーマが色濃い。
明日あたり、本作を読んだアホなSFオタが近所の縁日で買った変身忍者嵐のお面を被り、
ボロきれによる自家製のコスプレを纏って「変身忍者嵐見参!!」とか叫びながら、
アキバを徘徊するやもしれぬ。無惨なり…としか言いようが無いものがある。