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ミステリ板住人 ◆22RAaWR.nE :
横山光輝『兵馬地獄旅(上・下)』 5点
Sf漫画も描くマエストロの手になる成人向き忍者漫画だが、
(大ヒット作「伊賀の影丸」を代表作として、忍者漫画はSF漫画と並ぶ横山作品の主流
なのは言うまでもない)
その忍法合戦はトンデモSFそのもので予想外に楽しめ、読み応えがあるものになっている。
また、九の一によるお色気シーンが多いにもかかわらず、この作者がエロが描けない人だったと
再認識させる作でもあった。(とにかく、裸がエロくない)
ストーリーは、服部家家臣であった主人公兵馬がフィアンセを自害に追い込んだ
服部家二代目当主(半蔵正就)を討ち果たすまでの顛末が、半蔵が放つ忍者群との対決を
メーンに描かれてゆく。白土作品なら「あり得ない」展開だろうが、ラストは兵馬が彼を慕う
九の一と共に新天地を目指して旅立ってゆくというハッピーエンディングである。
Sf小説の読み過ぎで、「ワレワレハウチュウジンダ」とか呟きながら、町を徘徊するアホな
Sfオタは枚挙に暇がないが、本作に影響されたオタがマジで忍びの者になった気分で、
箪笥の奥から引っ張り出した風呂敷でセルフメイドした忍者装束に身を包み、
縁日の夜店でゲットした玩具の刀を持って、「たあー!伊賀忍者群参上!!」
(「群」って喪前はひとりだろう(w )とか絶叫しながら師走の町を走り回る悪夢がよぎる・・・