今日読んだSF/FT/HRの感想 8冊目

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530ミステリ板住人
星新一『ちぐはぐな部品』       4点
S・Sの大家の手になる長年に渡って版を重ねている作品集のひとつである。
作者あとがきにもあるとおり、旧版が存在しこれを読んだ記憶がある。
和田誠氏の表紙イラストの本書を、新古書店で久々に手にした俺はイカれた
(注 イカしたではない(w )SFオタが憑依したかのように叫んだ。
『星新一本ゲーー―――――――――――――――――――――――ット!!』と。
内容的には、わりと長めで地の文が多い作品が多く、書き込んであるせいか、
シニカルでヘビーな印象の作が多く収録されている。
解説の尾崎秀樹氏は『いじわるな星』『凍った時間』『神』といったSFテーストが濃い作
を推しているが、動物を使ったシニカルな寓話『陰謀』、洒脱なオチが効いている『夜の音』
といったS・Sの見本(3頁程度)とでも言うべき作品にこそ、やはりこの大家の本領が
十二分に発揮されているやに思う。
各人、心して読め!。