今日読んだSF/FT/HRの感想 8冊目

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359ミステリ板住人 ◆iyLCFWuASU
石森章太郎「新変身忍者嵐」           3点
前記した「変身忍者嵐」の「続篇」ならぬ「新篇」。
同一キャラを主人公とした完全なアナザー・ストーリーとなっている。
主人公ハヤテを含む変身忍者群が地球に漂着したエイリアンであったという
トンデモな結末(魔神斎はアンドロイド、骸骨丸は完成した宇宙船によりハヤテとは
対決せず地球を去る)に至るまで、正編以上に変身忍者とハヤテとのバトルが正面から
描かれ、仮面ライダー(原作よりもむしろテレビシリーズの旧1号ライダー編風だが)
の時代劇バージョンとでもいった展開、変身に関するトンデモ科学とでも称すべき
薀蓄も散りばめられている。
ゆえに、娯楽性には事欠かないものの、最後にギリシャ古典劇やシェークスピア劇にも
通じる父殺し、兄弟殺しがモティーフだったとわかる重厚なタッチの正編と比較すると、
全体的に軽さが否めないものとなっている。
新キャラとして登場した隠密親子(父と姉弟)も、なぜか第7話でフェードアウト。
前述したトンデモなラストといい、どこか適当に投げてしまった感がある作とは言い得る。
明日あたりには、アキバの街を「新変身忍者嵐見参!」とか絶叫しながら疾走する
アホなSFオタの姿を見ることになるのであろうか。
(「新」はいらねえよアホが(w )
なお、ドラマでもおなじみだった変身の際の決め台詞はこの「新」で登場するもの
である。なぜか最終話だけ「変身忍者」でなく「化身忍者」となっている。