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ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :
カート・ヴォネガット・ジュニア「タイタンの妖女」 4点
カート追悼記念の再読第2弾である。
タイトルに冠されたタイタンの妖女は彫刻であり実体は無いというオチがつく。
作者の代表作といわれ、爆笑の太田氏も絶賛する作であるが
実は筆者は刊行当時にも、あまり面白いとは思わず、今回もその感想は変ることは
なかった。
筒井堂を知る日本の読者には、文明批評の目的に「SF」という枠組をツールとして
使うカートの手法は、さほどの特異性は感じられないうえに、
メリケン人でないとストレートにはわかりにくい記述が多いのも難。
とかく過大評価されがちな作だが、SFとしてはこの程度に評価しておくのが妥当
かと思う。