政局を銀河英雄伝説風に語るスレ 第伍期

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300名無しは無慈悲な夜の女王
「昨今、小沢代表がすでに亡くなられた、と、奇怪な流言をとばす者がいるが、そなたもこのような流言に踊らされているのではあるまいな」
「めっそうもない。ただ、党員として、小沢代表のお姿を拝したいだけのこと」
「そうか。それならよいが……」
菅直人は、威厳と脅迫の見えない短剣を、たくみに左右の手であやつりながら、請願者を壁ぎわに追いつめた。
「いま、参議院戦に勝利し、自民党幹部は辞任、安倍内閣は改造するかもしれぬのだ。
日本の命運がかかるかもしれぬ、この重要な時期に、徒党を組んで小沢代表の御心を騒がせるとは、何の謂(いい)あってのことか」
請願者は屈しなかった。
「重要な時期であればこそ、小沢代表の御尊顔を拝し、おことばを賜りたいと望むのは、当然ではないか。
小沢代表は、一部の党幹部の占有物ではあるまい。われら党員すべてに、党是と慈悲を与えたもう御方ではないか。幹部であれ、平の党員であれ、党員はすべて平等であるはず」
寄せ集め集団のなかで民主主義原理にもとづく主張がなされるとは、菅直人にとっては笑止であった。彼が冷笑を皮膚の下にとどめて、何か言いかけたとき、請願者たちの表情に、驚愕と感動の波紋が広がった。
不可視の巨大な掌で押さえつけられたかのように、彼らはひざまずき、それを両眼に映した菅直人は、自らもひざまずいた。頸すじに冷感の刄があてられていた。
薄闇のなかに、請願者たちの畏敬と服従の対象がたたずんでいた。縞のネクタイに黒いスーツの、影のような人物であった。
「小沢代表!」
「……経世会を捨てし者ども、ことごとく滅びるがよい。自ら根を絶ってなお生き続けることが出来るものであればな」
謳うようなつぶやきに、やや脚本を読み上げるような声がつづいた。
「菅直人代表代行は、わが腹心である。彼のやりかたに従い、その成功にそなたらも寄与するがよい。
それでこそ、経世会の栄光を回復する日も近まろう」
党員たちは、いっせいに拝跪した。