今日読んだSF/FT/HRの感想 6冊目

このエントリーをはてなブックマークに追加
530 ◆GacHAPiUUE
最後のウィネペーゴ
著)コニー・ウィリス 訳)大森 望

 この人の短編を楽しむコツは次の特徴を掴んだ上でそれを愛することにある。
1)登場人物は良く喋るが、お互いがお互いの会話を聞いていない。聞こうともしない。
2)やってる事と喋っている内容はまったく関係がなく、ともすればどちらかがどちらかに悪影響を与えてる。
3)キャラがどんどん増えてくる場合、作者もキャラ本人も含めて自分の立ち位置が誰もわかっていない。
 その他、作品内で「自明の理」とされている内容はどんなムチャでもそれは正しいとして噺が進むなどなど。
この手の法螺はSFでは常套手段です。実にラファティです。

・女王様でも
 女三人寄ればかしましいというが、5人も揃えば、もうこれはやかましいという物で。
作品内でつまびらかに列挙されているのは、男の知らん世界。月経についての知識というより、
苦情、愚痴、よもやま噺、エトセトラエトセトラ。「そんなわけないでしょ。少なくとも五千回にはなるはずよ。」
女性だからこそ描ける話として、かなり貴重でしかもS-Fだからこそ描ける噺なので実に痛快なのです。
―――俺は頼まれてもビッシュのような立場にはなりたかないね。よく耐えられたな…。

・タイムアウト
 人間の時間認識を至上として、その時間エネルギーをどーこーしてタイムスリップが可能でどーしよーって言う話なんだが、
とてもタイムスリップ物には読めない。みのもんたがいつ出てきてもおかしくない。ワイドショー的。
どーしてメリケン人ってのはこーも身持ちが悪いのかしらね?いや、話半分に聞いてもだよ。おまえら仮にもキリスト教徒だろうがと。
そんな中でも主人公とヒロインの「純愛」が実に清清しくまとめられてて、実にハッピーエンド。傑作やんか。

―――続く―――