wwwwwwww
ばかめ
プルガサリは日帝とアメリカに神罰を下す神獣
偉大なるわららが半島を破壊するわかがないのだwwwwwwwwwwwwwwww
>>502 (゚д゚)ポカーン
燃えてるのは半島の北側なんだがwwwwwwww
藻前ら餅つけ
今日は何の日だ!
ごじらだ
爺様のごじらかよwwwwwwwww
ガクガク((( ;゚Д゚)))ブルブル
昨日更新されたWEB世界地図の航空写真で、偶然発見された北朝鮮の森林火災。
この山火事は数日前に発生しニュースや新聞でも、小さな記事として扱われていた。
そもそも北朝鮮での出来事のため、例によってその規模など詳細な内容が、一切公開されていないのだ。
しかし目敏い者達がいち早く巨大掲示板で話題にしたのは、その火災の中に写る巨大な影だった。
周辺の木にしてはその影だけが突出して背が高く、また見方によっては巨大な生物の様にも思えた。
話題の場所が場所だけに、この正体不明の影(怪物?)は、北朝鮮制作の特撮映画に登場する怪物の名から、
プルガサリと呼ばれるようになった。
『ニュースの時間です。
本日早朝、富山県沖を漂流している中国の原子力潜水艦が、海上自衛隊の護衛艦によって保護されました。
防衛省の発表によれば、この潜水艦は何らかの事故に遭遇し、船体が外的要因で酷く破壊されており、
生存者はいないかったとの事です。
心配される原子炉からの放射能漏れによる汚染ですが、今のところ放射能漏れは起こしておらず、
近海は汚染されてません。
なお核ミサイル搭載の有無について、中国当局は黙秘しております。
政府は中国政府に対し厳重なる抗議をする方針ですが、現在揉めている東シナ海付近の海底資源開発
問題の事もあり、刺激すべきではないとの声も出ており、今後の対応が注目されます。』
某巨大掲示板でも早速話題になってますね、プルガサリ。
僕も航空写真見た時は、エイプリルフールの釣りかとw
ありゃどうみても巨大生物だと思います。
火星の人面岩は不鮮明な影をデジタル処理したときに、解析パラメータに『火星には文明があった』という
解析者の思いが含まれていたために、あんな風になっちゃたと言われてます。
だけど今回のは何の処理もされてないし、太陽や炎の具合からも光の悪戯には見えないんだよね。
そしてここ、この僕が○印してるとこなんだけど、影から炎みたいなのが出てるように見えませんか?
もう一つ気になる点。
さっきニュースでやってた中国潜水艦なんだけど、事故は日本の領海の外、北朝鮮側で発生したのかも。
そもそも中国艦が探知されるのを覚悟で、わざわざ日本領海奥まで入ってくるとは思えません。
報道写真をよく観察すると、原子炉付近がそっくり無くなってるみたいに見えるんだよね。
おまけにVLSの一部まで壊されてるって事は、核を積んでたんじゃないのか?
プルガサリの正体は、15年前に警戒レベル3、10年前には過去20年間出現しなかったため、完全警戒解除となった、ゴジラ、
或いはガメラなんじゃないのかなと思うわけです。
だとすれば北朝鮮の山火事、あれは山林火災なんじゃなく、秘密の核施設が襲われたのではないかしら。
中国は北の怪物の事を知っていて、情報収集を行っていた。そしてイザって時は核攻撃を考えていたのかも。
ミイラ取りがミイラになってしまったと考えると、全てがスッキリするんだけど。
最後にこれが本当にゴジラやガメラだとすれば、今度出現する先は、高速増殖炉 もんじゅ。
怪物が出現するのは嬉しい反面、やっぱ怖いよね。
(当たらずともイイ線いってるじゃないか、お嬢さん)
プルサガリの噂が気になる人物の一人が、苦笑いしながらマッキーのブログを見ていた。
防衛省統合情報局、大戸三佐である。
彼もまた30年前の巨獣出現による被害で家族を失った一人であり、その復讐の為に入隊したのだが、
20年前当時は既に事件も下火となっており、巨獣対策特別チームも規模が縮小され新規人員の補充は
終わっていた。
配属先の情報処理部隊での技能を買われ、統合情報局配属となったのだが、007の親玉みたいな部署と
言えば聞こえは良いものの、実際には世界の軍事情勢から経済、果ては重箱の隅をつつく程度のニュース
までをも分析し、仮想敵国の動きをシミュレートするという、まさに地味な仕事の連続であった。
しかし彼はその多忙な業務の合間を縫って、心の中の宿敵であるゴジラ、ガメラの出現からの事件を
追い続けていた。
「ゴジラあるいはガメラと思われる巨獣が次に目指すは、もんじゅに間違いありません。早急に特別
災害派遣・準防衛出動要請の閣議開催を具申します。」
大戸のレポートはすぐに防衛省から政府のトップにまで配信された。
しかし潜水艦問題で中国との関係が微妙な状態になっており、そこに不確定要素の多い巨獣の為に、
日本海側に装備を集結するのは、近隣諸国と余計な緊張を生じるとの理由で却下された。
そもそも巨獣は過去20年以上も出現していないのだ。
そして二日後・・・・・・
『竹島に巨獣出現、現在韓国軍と交戦中! 巨獣はゴジラら或いは類する物と思われる。』
巨獣出現が確実になった時点で、特別災害派遣・準防衛出動が発令されたものの、突然の指令に部隊の
展開は進まず、その進路が確実にもんじゅ方向にあると分かった時でも、陣地の構築と住民の避難が行
われていた。
竹島を襲った巨獣は、予想通りもんじゅを目指した。
本格的な商用運転が始まってから、今や四機の増殖炉が稼働しており、もしここが襲われたら日本海は
死の海と化す。
既に水平線には閃光が走り、水柱が上っていた。
轟音を轟かせ飛び去る戦闘機、その後を海面すれすれで追う戦闘ヘリの大群。
道路には火砲が並び、巨獣を待ち構えている。
「やっぱりゴジラ、、、だよね。」
地域住民は既に避難済みのはずなのに、見晴らし良い高台に人影が一つ。
マッキーだった。
彼女は自衛隊や警察の警戒網を突破し、前線付近の高台に忍び込んでいたのだ。
<<実況 自衛隊 vs ゴジラ>>
彼女は携帯電話のカメラを使い、ネットに壮絶な戦闘の様子を実況していた。
情報局にも戦況はリアルタイムで伝えられていた。
モニターには様々な角度からの現場の映像の他、各部隊の戦力の状況が表示され、秒刻みで数字と
グラフが変化している。
「駄目だ、今の戦力では奴の足を止めることさえできん。」呟く大戸。
そして何気に目を向けた一般放送のモニターに映し出されている中継。
ワイドショーでもマッキーの実況が話題になっていた。
(何処の馬鹿だ! ふざけた真似をしやがって)
「おい、この馬鹿を保護させろ!」
ミサイルや砲弾をものともせず、時折放射熱戦で応戦しながら、ゴジラは一歩一歩確実に陸地に近づいてくる。
「うひゃー、流石に生の大迫力。でっけーwww・・・・・・。あうっ?」
実況の映像が乱れ、取り押さえよとする自衛官と抵抗するマッキーの映像が一瞬映った。
マッキー フルボッコwwwwwwwww
■━⊂( ・∀・)彡ガッ☆`Д゚)
ボッコ!
あ、ちちさわった!!!!!!!!
逃げれマッキー!!!
(#゚Д゚)ゴルァ! 自衛官 公僕の分際で俺のマッキーの乳を触りやがったな!
なにいいいいいいいいいいいいいいいいい
チチ (´・ω・`) ウラヤマシス
映像にオーバーラップされている字幕が弾幕のように流れ、そして実況は途切れた。
そのとき現地では、鈍い爆発音が辺りを包み込んでいた。
「お嬢さん、一体何のつもりか知らないけれど、今度やらかしたら注意だけじゃすみませんよ。」
小松基地の一室で、マッキーは大戸から説教されていた。
「しかしよくそんな古い放射線防護服を持ってたもんだ。」
「父の遺品です。30年近く前、ゴジラの襲撃に遭い私を逃がそうとして・・・・・・ あれは災害だからしょ
うがないと思ってますが、この災害について知る権利はあると思うんです。だから巨獣情報専門のブログを
立ち上げたり、実況やったり。」
「事情は分かります。だけど今後は謹んで貰います。あれだけの惨事の中、何ともなかったのが奇跡な
くらいだ。」
大戸からこってりと絞られたマッキーだったが、事件後は一躍有名人となり、何かにつけてはテレビや
ラジオに出演していた。
ブログのサイトもアクセスが急上昇し、そこに目を付けた防衛省はPRを兼ねて、秘密に触れない範囲で
情報を提供する事を条件に、彼女のサイトに巨獣情報のリンクを張ることになった。
敦賀沖
文科省の調査船が海上自衛隊の護衛艦と共にゴジラのもたらした被害の調査を行っていた。
もんじゅはゴジラにより全ての炉が破壊され、漏れ出した放射能で周囲の土地と海は完全に汚染され
てしまっていた。
「放射性物質は今の技術なら20年もあれば中和できますが、生態系が完全に復元するには100年以上
かかるでしょうね。」海洋環境研究所の山崎教授は言った。「ところでその後ゴジラは?」
「少なくともこの海域から離れたところまでは追えたのですが、その後の行方は海自の探知網をしても、
引っかからないんですよね。」PCのモニターを見ながら、米谷一尉が言った。「おやっ、この水温分布で
すが・・・」
「ああ、気付かれるとは目敏い。最初は微量な変動だと思ってましたが、事件の6時間後から緩やかながらも
確実に上昇しています。放射能汚染だけでは、このような変化は無いはずなのですが、過去のデータと
比較しているところです。丁度ガメラの亡骸周辺ですよ。」
米谷がパラメータを幾つか入力すると、別のウインドウが開き、周辺の海底地形図が表示された。
「ああ本当だ。ガメラ・・・。30年前にもんじゅを襲ったゴジラと、戦ったうちの一頭ですね。」
「しかし30年経っても腐るどころか、原型を留めているとは、未だ謎だらけの生物ですな。」
ゴジラの行方は依然不明のままであり、世界は再び巨獣の不安に襲われた。
ゴジラが日本に付けた傷跡は深く、世界に与えた衝撃もまた大きかった。国連には対策本部が設置され、
日本主導で対巨獣兵器の再開発が進められる事になった。
以前使用された兵器は、馬鹿にならない維持費から、巨獣の脅威が完全に去ったと宣言された10年前
に、完全に破棄されていたのだ。
不思議なことに、いつもなら他国主導の兵器開発に横槍を入れてくるアメリカが、今回口出しする事は
なかった。国連の対策本部に名を連ねるどころか、独自にGAT(Godzilla Attack Team)を再創設したのだ。
アメリカの不参加により兵器開発は、なかなか思うようには進まなかった。
ラスベガスの夜。
スロットマシーンで大当たりが出て、そのカジノは大いに沸いていた。
大当りを出した男は、全てのギャラリーに酒を振る舞った。
「我らがアラーの神に乾杯!」
カジノ中の人々がグラスを傾け、熱気はさらに上昇した。
(注:イスラム教の戒律では酒は禁止されてますが、海外に出たら酒を飲むちゃっかり野郎がおります)
そんな興奮に包まれたラスベガスの街中に、突如ゴジラが出現した。
ゴジラの熱線と延焼の炎、爆発、交通事故、逃げ場を失い戸惑う人々で、大パニックとなっていた。
そこへどこからとも現れた数機の攻撃ヘリ。
武器オペレーターのHMDの照準は、ゴジラに向けられている。
全機の安全装置が解除され、『FIRE!』
一斉に放たれた砲弾がゴジラの装甲の様な皮膚を貫き、激しい閃光と共に巨獣を内部から吹き飛ばした。
ゴジラは倒れた。
しかし飛び散ったゴジラの肉片により、ラスベガスもまた汚染され、ゴーストタウンと化した。
この戦法は遅々として進まぬ兵器開発が完了するまでの間、暫定的な攻撃方法としてやむなしとの見解を、
各国政府及び軍隊は示した。
但しこのとき使用された特殊な砲弾は、アメリカの兵器会社がパテントを保有していた。
そのためこの兵器の導入にはGATの介入をも受け入れる事を、アメリカは条件に含めてきた。
当然アメリカは多額の外貨を獲得し、赤字の続いていた対日本及び対EUの貿易は黒字に転じつつあった。
アメリカの狙いはそこにあった。
「一体どこからゴジラは現れたんでしょう?。幾ら広大なアメリカとは言っても、上陸して陸地を
移動してたら、ベガスに到達するまでに見つかっちゃいますよね。」とマッキー。
「そこが不思議なんだよな。まさかモグラみたいに地面の下を掘り進んだとも思えんし。」
コーヒーを飲み干す大戸。
防衛省がマッキーに情報を展開するようになってから、その対応をする係も大戸の役割となっていた。
単に彼女に説教をし面識があるからというのが、その役割を押しつけられた理由だった。
「それともう一つ不思議な事があるんです。ガメラなんですけど・・・・・・」
そう、30年前の事件の時には、ゴジラの現れる先には、ガメラも出現していた点である。
ガメラはゴジラを餌とする、天敵であった。
しかし今回はそのガメラが現れていないのだ。
可能性として考えられる事がある。
そもそも30年前の事件はインド洋沖の海底に時空の歪みが発生し、遙か未来から巨獣が出現したとされている。但し今回は時空の歪みが発生した期間が短く、ガメラは巻き込まれなかったのではないか。
そしてもう一つ、ゴジラが陸地に突如出現した理由。これもある程度の目星は付いていた。
巨獣化ウィルス。
それはゴジラが媒介したとされるウィルスで、発病すればたちまちゴジラの同様の姿形になり巨大化して
しまうものだった。
この事例は極端に少なかったため、初代GATの活躍と世界的な隠蔽工作が功を奏し、都市伝説として語られるだけである。
尤もこれらは推測の域を出ない上、一般公開されていない情報のため、大戸も知らぬふりを決め込んでいた。
「人のゴジラ化なら、どんな網にも引っかからないし、街中に突然現れてもおかしくありませんよね。」
がおっ!と戯けてみせるマッキー。
一瞬どきりとするが、苦笑してみせる大戸。
ラスベガスの事件から一月後、マルセイユの街中に突如ゴジラが出現した。
フランス軍はいち早く対巨獣用の特殊砲弾を入手していたものの、導入契約上GATが主導権を持ってこれを
撃退した。
当然マルセイユはラスベガスの二の舞となったが、それでも一つの都市の一部が被災した程度で済んだ。
その後ドイツ、中国、韓国、イギリス、ブラジルと様々な都市で事件が発生し、その都度GAT主導でゴジラを
撃退した。
今やGAT、引いてはアメリカ無くしてゴジラ対策は無いと言われるようになっていた。
多くの都市がゴーストタウンと化した。
しかし未だにどのような経路でゴジラが出現するのか分からなかった。
日本もまた暫定措置として、アメリカとゴジラ対策兵器の契約を結んだ。
そして・・・
自衛隊がGAT指導の下、対巨獣対策の訓練を初めて一月が過ぎようとした頃であった。
札幌にゴジラが出現したのだ。
この数ヶ月間に渡る各国での実績から、今回もまたGAT、実質的には合衆国がその指揮権を握り、対
ゴジラ作戦が展開された。
偶然とは言え自衛隊の対巨獣訓練は、北海道で実施されていたため、その展開は素早く、被害も札幌の
郊外の一部が、立ち入り禁止区画となっただけで済んだ。
(またしても、やられたか・・・)
廃墟を見ながら大戸の脳裏に、幼かった頃ゴジラに襲撃された記憶が甦る。
倒壊し炎上する家々
人々の悲鳴、巨獣の咆吼、爆弾の爆発・・・
アメリカ以来何故立て続けにゴジラが現れるようになったのか。
やはり・・・
「大戸三佐、本部より連絡です。」付き添いの隊員が、無線機を手渡した。
「大戸です、おお、米谷一尉か。うん・・・・・・」
『・・・調査に当たっていた藤岡二曹が、課長の推測を裏付けられそうな資料を纏めてます。』
「分かった、引き続き分析を続けてくれ。俺も入間行き輸送機に便乗し、夕方には本部に戻る。」
会議室で大戸は米谷、藤岡の報告を聞いていた。
「例の中国原潜から押収したデータ、かなり破壊されてましたが、可能な限り復元したものと、原潜と
の通信と思われる暗号を解読したところ、色々と面白い物が出てきましたよ。それら最新情報を含めて、
これまで収集した情報とを総合すると・・・・・・」
まず最初の巨獣出現の頃から、北朝鮮もまたゴジラ細胞のサンプルを入手し軍事利用の研究をしていた。
しかしろくな研究設備も無く、かと言ってCOCOM等の制約から設備を導入することは困難だった。
そこで裏で支援を行ったのが米国だった。
「北に入ったバイオ及びコンピュータ関連で、COCOM違反で引っかかった国内の会社がありましたが、
その辺から探りを入れたら、芋蔓式にヒットしたわけです。」続ける藤岡。
当たり障りのない物品はそのまま、COCOMに引っかかる恐れのあるものは、世界各地に作った二重三重の
ダミー会社を経由して北朝鮮に送る。
単品だけなら理化学の試験機材に見えるが、全てを組上げると、ちょっとしたバイオプラントの完成だ。
「しかし遺伝子研究にはスーパーコンピューターが欠かせないだろう。」
「これがまた巧妙な手口を使ったんですよ。」
つまり高性能家庭用ゲーム機を、やはりダミー会社を経由し、少数を何回にも分けながら数百台を送り
分散並列処理システムを構築したのだった。
北朝鮮はゴジラ化ウィルスを培養し、アメリカの手引きで今回の事件を起こした。その見返りとして、
北の核開発や武器輸出をアメリカは黙認するというものだった。
「この潜入調査は流石に犠牲者がでましたが、ここからがゴジラ化ウィルス説の確信部分です。」
北朝鮮はなんとゴジラ化ウィルスによる聖戦を、中東ゲリラにけしかけたのだった。
「ベガスでのゴジラ事件。この時手配中のゲリラの一人が、空港のカメラに映ってます。神のためなら
我が身をも捧げる連中です。ゴジラとなって異教の者に死を与えられるなら本望でしょう。
また今までGATが対処した各国のゴジラ事件も、その数日前にゲリラの一員と思われる人間が、その土地の
監視カメラに映っていました。」
「ゴジラ化ウィルスは俺も想像はしていたが、あれは感染力が弱い上に陽性でも発現率は極端に低い。
しかも発現させるには強力な放射線源も必要だ。その放射線源はどうやって持ち込んだんだ?」
「それについては、目下調査中です。」
ゴジラになる者と見返りに、中東ゲリラには武器が北から格安で供給された。中東ゲリラが活気づけば、
アメリカは連中と戦争を続けるための口実ができる。
「だがGATあるところにゴジラが出現する理由が分からん。中東ゲリラ組織が独自に行動しているだけなら、
もっとランダムに出現しても良さそうだが。」
「事件発生前に工作員とゲリラの接触が確認されています。」
「アメリカは北を手引きし、北は中東を手引きする、、、か。」
「さて中国原潜ともんじゅを襲ったゴジラとの関係ですが、あれは30年前に出現したゴジラのクローン
だと思われます。」と米谷。
「北は中国とも裏取引をしていたんですよ潜水艦から押収したデータから分かった事ですが・・・・・・。」
藤岡が言葉を継いだ。
中国は北朝鮮のゴジラ細胞培養を支援し、見返りに核ミサイル開発の技術を提供するというものだった。
例の潜水艦事故はクローンゴジラ回収の際、手違いでゴジラが覚醒したときの出来事であり、その後の展開は
誰もが知るところである。
「その中国原潜ですが、実は乗組員の一人が生きているとか。富山の海岸に漂着しているのを保護された
ようですが、警察が駆けつける前に逃走。目下公安と協力して行方を追ってます。
それから核搭載の有無ですが、兵装リストにそれらしき表示が一つ。」
「そいつを捕まえれば、詳しいことが分かるかもしれんな。原潜と言えば、中国がブラックボックスの返還を
求めてるな。データを拝借した後、全て返還したと思ったが。それも核に関わる物なのか?」
「ねじ一本残らず返還してますが、それも生存者を保護すれば明らかになると思います。」
札幌でのGAT戦法によるゴジラ撃退で、世論は新兵器不要論が持ち上がっていた。
いつ完成するか分からない物を待つより、一気にゴジラを吹き飛ばして、放射能を中和した方が却って
安上がりになるというのが、そんな意見の大半だった。
当然マッキーのサイトの掲示板にも連日のように、新兵器やGATに関する激しい論議が飛び交っていたが、
GAT戦法への賛成派が過半数を占めていた。
また防衛省の提供しているリンク先にも、いつの間にかGATのページが新設されていた。
米国との契約の事もあるとは言え、あまりに強引な内容は誰の目にも、GAT賞賛としか映らなかった。
「それって、ちょっと変じゃありませんか?」大戸に噛みつくマッキー。
「GATのコーナーに関しては、こちらも手を出せないんだ。」
「だけどあたしのサイトがまるで、GATの広告塔みたいじゃ。。。」そこまで言ってはっとなる
「うっそー、広告塔だったの?」
「申し訳ない」
涙目で大戸を睨むマッキー
「俺たち、いや世界中が、嵌められたのかもな。」呟く大戸。
「テロ?」かすれた声でマッキーは言った。
「さあな。おっと、あくまで私見だぞ。ま、ブログに書いたところで、都市伝説が一つ増えるだけだろうが。」その時ノックの音と
同時に、米谷が入室し大戸に耳打ちした。
表情が変わる大戸。
「お嬢さん、すまないが今日はここまでだ。それからこれは俺からのプレゼント。」
ガメラをコミカルにデフォルメした、ぬいぐるみのキーホルダーだった。
「ゴジラの天敵と言えば、ガメラだろ。」ウインクする大戸。
「大戸さん、本当はキャラ被ってません? うふふ」悪戯っぽく笑い、失礼しますと言って、マッキーは
防衛省の応接室を後にした。
米谷と目が合う大戸
「キャラ被ってません? うふふ」茶化す米谷
「行くぞ!」
市ヶ谷を後にしたマッキーは秋葉原で電車を降り、かつて電気街と呼ばれていた国際OTAKU通りを歩いていた。
PCショップやホビーショップを散策するのが、彼女の気晴らしの一つだった。
この街は昔から外国からの買い物客も多く訪れ、日本語に混じって英語はもとより、様々な国の言葉が聞こ
えて来る上に、外国人の経営する怪しい露店も数多くあった。
そんな露店の一つに中古ノートPCを扱う店があり、その店の前で彼女は立ち止まった。ノートPCと言うより
そのPCの画面に出ている、自分のサイトが目に入ったからだった。
「お姉さん、安くするよ。」怪しいな日本語で、店の男は話しかけてきた。
「あ、いいえ。今日はお金持ってないから。」
「お金いらない。もうすぐいらなくなる。」
「? ああ、ゴジラが暴れたら、お金どころじゃないものね。」苦笑するマッキー。
「お姉さんゴジラの人でしょ。本物のゴジラ見たくないか?」
(本物のゴジラって。)
「もうすぐここにゴジラが来るよ。神の戦いを世界に実況して欲しいよ。」
危険なものを感じた彼女は、立ち去ろうと踵を返した。
しかし既に遅く、数人の中東系の男達に包囲されていた。
『み、皆さん、ゴジラが出現します。』上ずった声でマッキーは言った。
『アキバ周辺の皆さんは、急いで避難してください。』
『ジハード万歳! アラー・アクバル!!』
画面に割り込み、声高らかに叫ぶイスラム戦士達。
『イスラムこそが正義。今こそアラーの神の力を知るがよい!』
ゲリラの一人が片手を高らかに挙げた。その手にはワインボトルの様な物が握られていた。
『ジュワーっ!』
男が叫ぶと同時に、画面が真っ白になった。
マッキーが連れて来られたビルの屋上に、大きな閃光が走った。
目がくらみ何が何だか分からない状態で、彼女は腕を掴まれ無理矢理引っ張られた。
その直後、数発の銃声がおこり、そして静寂が戻った。
視力が回復すると、そこに藤岡三曹と二名の自動小銃を構えた自衛官がいた。
「手配中の中東ゲリラの一味が東京に潜伏してるという情報があったんで、マークしてたんだ。
ゴジラは現れんよ。」
「でもどうしてここが?」
「連中を追ってたら、たまたま君が拉致されたんだよ。」と言って藤岡は笑った。
「えっ? このガメラのマスコットに発信器とか盗聴器とか?」
「はぁ? お役所にゃそんな予算無いよ。」
「だって柄にも似合わず、バリバリ硬派の大戸さんがわざわざくれたんですよ。ドラマチックな展開の複線かとばかり。」
「そりゃドラマの見過ぎだ。はははははは。」
「なあんだ」呟くマッキー。
東京でのゴジラ出現は未然に防がれた。
しかしこの中継はネットで世界中に流れており、時を同じくして様々な国に、同時多発的にゴジラが出現した。世界は混乱したが、GATと軍隊の活躍で各地のゴジラは殲滅、同時にマークされていた中東ゲリラもまた全て
検挙された。
そして一ヶ月後
『合衆国はついに、中東ゲリラによるゴジラテロの証拠を突き止めました。発表によれば、ゲリラ組織は
何らかの方法でゴジラを誘導、意のままに操ることで、大規模テロを発生させていた模様です。詳細に
ついては、引き続き調査が進められているとの事。
米大統領はこの攻撃を、平和な世界を脅かす卑劣な行為と批判し、自由社会の繁栄のため徹底的に戦うと
声明を述べ、また世界各国にも協力を求めました。』
世界中にニュースが流れた。
「何が自由社会の繁栄のため徹底的に戦うだ。八百長のくせに。」
大戸は吐き捨てる様に言った。
「ゲリラの連中なんか聖戦は神の意志であり、よもやアメリカの掌の上で踊らされているなんて、夢にも
思ってないでしょうね。」米谷が言う。
そこへ藤岡が入ってきた。
「分かりましたよ、ゴジラ化のトリガー。」
「おお、技研に頼んでた例のワインボトルか。」米谷
「ええ。あのワインボトル風の容器は、小型のガンバレル型原爆みたいなものです。容器の二箇所に
高密度の核物質が納めてあり、ボタンを押すと火薬の勢いでこの二つが衝突する。量が少ないだけに
核爆発こそ発生しませんが、ゴジラ化細胞を活性化するには十分な量の放射線を発生できるんです。」
「しかしそんな物騒な物、どうやって持ち込んだんだ?」大戸が訪ねる。
「恐らく米国が軍やGATを隠れ蓑に持込み、北の工作員に手渡した。」
「現在纏めている最新の資料なんですが、ラスベガスの一件やGATに関しても、面白い事実が浮かんで
きましたよ。まずGAT再創設が動き出したのは、なんと、もんじゅ襲撃の半年以上も前。ゴジラのゴの字
も出る前から巨獣対策を始めるなんて変じゃありませんか。それでベガスの一件について探りを入れてみた
ところ、ベガス大手のホテルやカジノ、そればかりか公共施設までもが、5年程前から去年くらいにかけて、
巨額の保険に加入してる事が判明。全て巨獣に関する特約が含まれているもので、それも海外の保険会社に
ばかり。」
「そしてゴジラ襲来。」藤岡二曹が言葉を引き継ぐ。「街は被災したものの、復旧できるだけの保険金が
入ってくる。またGATと新兵器の契約金で国内も潤うと、アメリカにとっては痛くも痒くもないどころか、
笑いが止まらない状況になっているのは、ご承知の通りです。」
「つまりラスベガスは、GATのデモンストレーションだった。」大戸は続けた「Godzilla Attack Team とは上手いな。」
その真意を米谷が言う。
「ゴジラによる攻撃・破壊集団!」
風通しの悪そうな薄汚れた個室で、同じニュースを聞きながら、何やら通信機器のような装置を
操作する男がいた。男がスイッチを入れると、幾つかのパイロットランプが点灯し、暫くして『動作中』と
書かれたランプが点滅を始めた。
男は「好(ハオ)」と呟きニヤリと笑った。
(奴は生きている)
いやはや中東ゲリラに拉致られた時は、流石に僕もガクブルでしたよ。
もう絶体絶命かなって思いました。
自衛隊の活躍で東京は無事、聖地アキバも何事も無かったのですが、同時多発テロの引き金だったとは・・・。
GATの活躍は認めるけれど、ゴジラとゲリラ組織の関与が解明され、新たな戦争の火種に発展したことに
ついては、ちょっと解せませんよね。
ゴジラ出現から妙に話がうまく進みすぎてて、まるでシナリオがあるみたいな気がしてならないのですが、
皆さんはどう思いますか?
ところで事件解明と言われて半年余り、ゴジラは現れなくなりましたが、これは中東ゲリラが静かになった
のか、アメリカの活躍のおかげなのか。
もんじゅを襲ったプルガサリも、どこかで倒されてしまったのかしら?
もしかしたら、どこかでひっそりと時が来るのを、待ってるのかも知れないと僕は思うのです。
米海軍ミレニアムシリーズ空母二番艦、ミレニアム・イーグル。
最新鋭かつ世界最大の原子力空母であり、核弾頭搭載の巡航ミサイルから中距離弾道弾までの運用能力を
持つ事から、この艦一隻の配備で太平洋の勢力図が、大きく塗り替えられるとも言われていた。
原子力を動力としている事に加え核攻撃能力を有する事から、当然日本国内の反発は大きく、加えて
中国やロシア、北朝鮮の反発もそれまでの空母配備の比ではなかった。
その空母が横須賀に向かい、三浦半島沖を航行していた。
「この艦の配備も対巨獣兵器の見返りに、ごり押しされましたね。」テレビニュースを見ながら米谷。
「ああ。今回の件は全てアメリカの一人勝ちだ。事件を解明したところで、全ては外交の壁の向う側。」
渋い顔をして大戸が言う。
「あれっ、マッキーが実況やってますよ、課長。へぇ、彼女ミリオタなんだ。」藤岡だった。
「そんなに好きなら、自衛隊に入りゃいいんだ。」
彼女のいる場所からは、空母はまだ水平線の向う側にあり、そのシルエットすら見えない。
「ところで藤岡、例の中国人の足取りは掴めないのか?」
「ええ、それがあと一歩のところで中華街外れのスラムに逃げ込まれ、難儀してます。」
『・・・水平線の向うにやっとマストらしき物が見え始めました。私の周囲には見物人やミリオタ、
反対派の人たちで、ごったがえしてます。』マッキーの実況は続いていた。
そしてまたTVでも世紀の大空母入港と言うことで、彼女とは違う場所から生中継が実施されていた。
「対ゴジラ契約の見返りか。色んな意味で高いものについたな。」
その時、情報局分析室の電話が鳴った。
「米谷一尉、山崎教授からお電話です。」電話を取り次ぐWAF。
「ご無沙汰してます。・・・えっ? ちょっと待ってください。」オペレーターに指示を出す米谷。「モニター
4を調査船のリアルタイムに切替えてくれ。」
『ご覧のとおり、例の場所の水温が急上昇してます。我々も今海域を離れているところです。』
「分かりました。こちらでも緊急警戒に当たらせます。」電話を切る。
「ゴジラか? よりによってこんな時に」大戸
「ガメラかも。とにかく小松から警戒機を上げて、百里の偵察機到着まで監視させましょう。」米谷
「分かった。至急手配してくれ。」
同じ頃ミレニアム・イーグル入港反対派の船を監視するため、海自は哨戒ヘリを飛ばしていた。
「今のところ空母進路上に、船影無し。遠巻きにしてます。」監視員の久永三曹だった。
『了解。引き続き監視を続行せよ。』
久永は双眼鏡と肉眼を交互に、海面を隈無く監視を続けていた。
そして、海中に黒い影を発見した。
(潜水艦?)
「機長、4時方向の海中に影。潜水艦の様ですがコクピットから確認できますか。」
「潜水艦? まさか。ソノブイ投下。」
ヘリから投下されたソノブイは、パラシュートを開きゆっくりと海面に落ちていった。
水平線上で一瞬何かが光った様に見えた。
「あ、今空母がいると思われる水平線上で、何か光りましたが、、、何でしょう。」実況するマッキー。
同じ方向を見ていた野次馬達も、閃光の見えた辺りを指さし、口々に騒いでいる。
その時マッキーの携帯が鳴る。液晶には大戸の名前が出ている。
「もしもし、今実況中だから、デートのお誘いなら、、、」
『逃げろ! もうじきゴジラが来る。その辺りも避難命令が出る。急げ! 死ぬなよ。』
大戸が言い終わらないうちに警報がなり、避難命令のアナウンスが流れた。
「ゴジラが出現した模様です。避難命令が発令され、辺りは騒然となりました。残念ですが実況を
終わります。私も逃げます!」
言い終えて、マッキーは身支度を調え、人々の流れの中に入った。
大混雑する駅まで辿り着いた時、遠くから爆音が聞こえて来た。
空母内でも警報が鳴り響き、兵士達が慌ただしく戦闘準備を整えていた。
しかし想定外の戦闘配備のため、6機の戦闘機が上がったところで、空母はゴジラとの交戦に入った。
ゴジラの熱線による衝撃波と水柱で、巨大な空母が木の葉のように揺れた。
戦闘機がゴジラにミサイル攻撃を仕掛けるが、全く効果がない。
全ての対地ミサイルを撃ち尽くした戦闘機は、バルカン砲攻撃に切替えたが、ミサイルが通用せぬ相手に
20mm砲弾が通じるはずもなく、ゴジラの足を止めることさえできなかった。
ゴジラは再度の熱線攻撃を行つもりなのか、背びれが鈍いブルーの光を放つ。
そして口元が青く光り出した時、ゴジラの体に爆発の閃光が走った。
厚木から飛び立ったGATと自衛隊の攻撃ヘリから放たれた、ロケット弾だった。
一面が炎と爆煙に包まれた。
歓声に沸く空母の兵士。
だが数分後、消えゆく炎の中で巨大な影が、ゆっくりと動き出した。
咆吼
ゴジラはかすり傷一つ負ってなかった。
『GODDAMN! 第二波攻撃だ!』
それまで空母を狙っていたゴジラが、ゆっくりとヘリを狙い始める。
最初の一撃で2機の攻撃ヘリが爆発し落ちた。
それまで有効だったGAT戦法は、全て無効だった。
それ程ゴジラの装甲は厚く、特殊砲弾の集中攻撃であっても、戦車に機関銃で立ち向かうような
ものだった。
予想外の結果に攻撃ヘリの陣形は乱れ、一部はゴジラに落とされ、一部は操縦を誤り僚機と接触、全滅した。
「奴なのか? しかし特殊砲弾が何故効かないんだ」呻く大戸
「紛いなりにも、本物のゴジラですよ。 突然変異によるゴジラ化とは、細胞構造が異なるのかも。」米谷が言う。
まさしくその巨獣はクローンゴジラだった。
ゴジラは中国原潜ともんじゅで得たエネルギーで力を得、日本海を脱出。海流に乗って移動していた。
そこへ核エネルギーの大きなミレニアム・イーグルが通りかかったため、餌を求め襲撃したのだった。
「敦賀沖の偵察機より、海中で爆発。えっ? ガメラが出現しました。」
対ゴジラ戦で次の手を考えなければならない矢先の事だけに、情報局は騒然となった。
「やっぱり、ガメラか」米谷
「小松の戦闘機はどうした?」と大戸。
「5分待機の2機が上がります。他の機も準備ができ次第、逐次上がるそうです。」
「目標、ガメラと確認。」
『洋上で撃墜せよ。』
「Roger」
パイロットのHMDにガメラが標的として表示された。
ミサイルの照準マーカーがガメラと重なり、パイロットはボタンを押す。
2機の戦闘機から放たれたミサイルは、ガメラを直撃。
ガメラは一瞬体制を崩しかけたが、すぐに持ち直し急反転、戦闘機の至近距離をかすめた。
衝撃波で一機は揚力を失い、きりもみに入った。パイロットは辛うじてベイルアウト、パラシュートが開く。
もう一機は急旋回したが、あまりに距離が離れたため、追いつくことが出来なかった。
「ガメラ逃走。方位082に向かってます。」
攻撃ヘリを落としたゴジラは、再び空母を目指した。
空母もミサイルの集中攻撃で応戦したが、やはり何の効果も無く、一歩一歩と歩を進めるゴジラ。
空母の運命もいよいよ最後と思われた時だった。
西の空に青白い光が見えたかと思うと、それはみるみる大きくなり、その光点からゴジラ目がけて
オレンジ色の火球が放たれた。
巨大な水柱に飲み込まれ、一瞬海中に没するゴジラ。
『大変な事になりました。ガメラの出現です!』 女性レポーターが興奮して実況を続ける。
超望遠のため、巨獣の戦いは時々フレームアウトする。それでも水柱と炎らしき光が映っていた。
ガメラは生きていた。
長い時間をかけて傷を癒していたのだが、もんじゅの破壊による放射能流出で、細胞が一気に活性化、
普通のの生物では考えられない早さで治癒したのだ。
『水平線では巨獣たちの壮絶な戦いが展開されています。』
ゴジラの周りを旋回しながら、一発、二発とプラズマ火球を連射するガメラ。
だが必殺の一撃がなかなか決まらない。
そのうちゴジラの熱線攻撃が、ガメラを直撃した。
体制を崩し、墜落するガメラ。
追い打ちをかけるように、ゴジラの熱線攻撃。
そこにプラズマ火球を見舞うガメラ。
激しい水蒸気で、ゴジラの視界からガメラが消えた。
「おい、今の!。」米谷が叫ぶ。
TVには時々実況のレポーターと、ゴジラとの戦いを見物する野次馬が映し出された。
その野次馬に混じって、
「ほら、こいつ!」
手配中の中国原潜の生き残り、張艦長だった。
情報局からの連絡で、近くを警戒していた隊員が駆けつける。
「きゃっ。一体何なの?」事情がわからず、戸惑うレポーター。
突然の武装した自衛官の乱入で、中継現場もまた騒然となった。
混乱に乗じて逃走を図ろうとした張艦長だったが、銃を構えた隊員に囲まれ身動きが取れなくなった。
しかし艦長は開き直って、両手を上げた。その手にはスイッチの付いた箱が握られており、ボストンバッグ
の中身と太いケーブルで結ばれていた。
彼は中国語で何かを喚いている。
当然その様子はTVでも中継されていた。
「ゴジラもガメラも、我が中国が撃退する。アメリカの好き勝手にはさせない。」中継の音声を翻訳
する米谷。「やばい!」
しかし遅かった。
艦長はスイッチを押した。
誰もがその場に伏せた。
が、何も起こらなかった。
いや
水平線にもう一つの太陽の目映い閃光
遅れて熱波と衝撃波が現場を襲った
中継の映像は、一瞬真っ白になってすぐに途切れた。
数十秒後、防衛省にも遠雷が聞こえて来た。
桜の咲き乱れる市ヶ谷駐屯地の歩道を、大戸とマッキーが歩いていた。
「あれから2ヶ月、たまにそれらしい姿を見たって話を耳にするけど。」少し寂しそうに
マッキーは言った。
「さあな。たまにレーダーやソナーがそれらしき影を捕らえたという報告もあるにはあるが、
誤認ばかりだ。」
「やっぱりあの時、死んでしまったのかしら。」
「核で蒸発したというのが有力だからな。しかし30年前にも核攻撃を受け、生き残ったとも
言われている。もしかしたら海底のどこかで、眠っているのかも知れん。」
「ゴジラを悪用するなんて許せない。おかげで世界は半分に分かれ、暗い世の中になって
しまったのだから。」
「俺の仕事が増えないことを祈るばかりだよ。」
「ところで、大戸さん。」立ち止まって、大戸の顔をのぞき込む。「キャラ被ってるでしょ。」
「ばか。」
マッキーのバッグに下げられた、少し煤けたガメラと真新しいゴジラのマスコットが揺れた。
クローンゴジラは中国原潜を襲った時に、核弾頭を飲み込んでいた。
張艦長はそれを知り、持ち出した遠隔起爆装置によって爆発させたのだった。
巨獣達は核の炎の中に消え、空母ミレニアム・イーグルもまた海中深く没した。
中国では自ら犠牲となりながらも巨獣を打ち倒し、更に太平洋の脅威となる米空母を沈めた事で、
張艦長は国家的英雄になった。
当然ながら空母を沈められた米政府、そして核の被害を被った日本は中国を激しく非難した。
そしてこの出来事は、数年後に新たな戦争の引き金を引く、きっかけとなった。
それから数え切れない程の年月が過ぎた。
地上の喧噪は消え、雨風のたてる音以外は、風化した文明の名残が崩れ落ちる音が時折
聞こえる程度だった。
地上の生命は死に絶えているように見えた。
しかしミクロの視野では、放射能をエネルギーとする単細胞生物が活動していた。
そして更に長い時が流れ・・・・・・
闇の中、ゴジラとガメラの咆吼が木霊する。
− 完 ー
なんとも拙い文章ですみません。
僕の文章力で不足な部分は、皆さんの想像力で補強して頂けたら幸いです。
あまぎ氏の、ゴジラやガメラが他の生物同様、進化によって自然に発生した点やガメラがゴジラの捕食者である点、
怪獣の出現も災害として扱われている点など、今までの怪獣作品とは一味違った独自設定が面白いなと思っていた
ところへ、今度はA級戦犯氏の人ゴジラ化というあり得ない設定にぶっ飛びました。
しかも完結編希望という挑戦状付きで(笑)
続編を作るなら、やはりお二方の設定を生かさない事にはと、色々考えるもなかなか良いアイディアが浮かばず。
そもそも前2作はベクトルの異なる作品なので、それらを融合させるなんて無茶やんw
何とか無難に、無難すぎて何のヒネリもなく、着地させましたけど。
過去の作品をコピーしてたものの、PCを新調した時に無くしてしまい、思い違いで前2作と矛盾があるかもしれませんが、
そこはご勘弁。
最後に、独創的な設定や物語で新鮮な驚きを与えてくれる、このスレの作家諸氏に乾杯!
何時の日か、ゴジラとガメラ、夢のタッグが劇場のスクリーンで展開されん事を。
>>539 乙です!
この3部作の矛盾点を修正して、もう少しテンポよくしたら、見応えのある作品になるかも。
まだ規制中?
巻き添え規制を受けて書き込めませなんだ。
「MILLENNIUM」投下終了お疲れ様です。
あんな厄介な挑戦によくぞ応えられました。
まったくもって驚くしかありません。
あまぎ氏の「甦る伝説」と拙作「シャドウズ」には、ネタだけ振って細目は書かれていない大ネタがそれぞれ一つづつありました。
「甦る伝説」では、インド洋の古代遺跡の正体が、近未来の東京であるということ。
東京で大破壊があったらしいことまでは推察できますが、その正体は書かれていませんでした。
読み手の想像に委ねられていたわけですね。
「シャドウズ」では、ウイルス進化説(これれっきとした学説です)に基づき「人ゴジラ化ウィルス」というシロモノを登場させましたが、それではガメラの正体は??…というと何も書きませんでした。
かつて自分で試作した第三部は、「甦る伝説」「シャドウズ」の10年後ぐらいを舞台にして、ガメラの発生と東京の破滅をあつかうものでした。
繰り返しになりますが、「MILLENNIUM」作者様、お疲れ様でした。
ゴメス対ガメラ
>>542 最初はゴジラとガメラの戦いに人類が巻き込まれ全滅するという話を考えてましたが、
人間の活躍の場が少なくなるのでやり直し。
所詮人類は自らの手で自滅するのがオチじゃなかろうかと。
最後は核で両者蒸発した事にしようかととも思いましたが、いくら自然発生的生物と
言っても、紛いなりにゴジラとガメラ。 それじゃあんまりだと思い、その後の行方は
曖昧にしました。
またあまぎ氏の作品で、ガメラが甲羅を剥がされ死ぬという、怪獣ファンにとって
あまりにショッキングなシーンがあったため、逆手にとって、あのシーンは今作の
伏線として使用させて頂きました。
GATについても、所詮アメリカの手先というどんでん返し設定にしてみました。
ゴジラとガメラのタッグってスクリーンではまず見られないだけに、自分で創作
するだけでもワクワクしますね。
test
>>532 空母に巡航ミサイルや弾道ミサイルを運用させる理由が不明なんだけど…何で?
周りにいる駆逐艦でも潜水艦でも、空母が乗っけている飛行機でも、選択肢はいっぱいあるでしょうに。
>>546 軍縮や少子化で、装備の集約化、統合化が進められている時代の物語と解釈してください。
兵器の運用方法は、その時代の戦略思想で変化するものだから、そんな空母が将来登場しても、
そんなにおかしな事では無いと考えます。
少なくとも今現在のお話ではありませんので、その辺は柔軟に解釈して頂けたら助かります。
549 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2010/04/21(水) 19:23:02
>>544 それじゃまるでデビルマン
ゴジラ、ガメラ、デビルマン、クトゥルフ神話も、まぜちゃおう。
デビルマン以外なら、ずいぶん前に混ぜたことがあるよ。
キャスティングは…
日本側
ゴジラ、ガメラ、その他東宝・東映・円谷の特撮怪獣・怪人オールキャスト。
アニメから「となりのトトロ(実はツァトッガ)」
アメリカ側
黒幕がナイアルラトホテップとダース・シディアス
斬り込み隊長格が「クトゥルーの騎士」オトゥーム
人工衛星によって惑星配列を代替させ、クトゥルー復活を狙うアメリカ側。
日本側はそれを阻止できるのか?
宇宙空間でスターデストロイヤー艦隊がムカデ砲を組んでベムズン、ギエロニアと艦隊戦やったり、吸血鬼ドラキュラとボバ・フェットが銃撃戦。
ダース・モールがハロルド・ロイド、バスター・キートン、チャーリー・チャップリンと対決。
…ってスケールだけはデカいバカ話だった。