アースシーではなく、ましてやハリーポッターでもない
新しい「魔法遣いの作り方」。それがこの物語。
ギフト 西のはての年代記 (1)
アーシュラ・K・ル=グウィン (著)
谷垣 暁美 (翻)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4309204643/qid=1151937585/ さる大陸の西のはて、南北に連なる山脈の北部に位置する「高地」。
そこに住む人々には特殊能力「ギフト」が一族代々に連綿の伝わっていた。
ねじり、呼びかけ、封じ、切る。そして、「作られたものを作られる前まで」もどす、など。
あいまいさを完全に排除した、これら直接的かつ強力な能力は、それでもやはり扱うのが人なので
お互いを牽制しあうことにしか使えないのだ。
そうしてお互いを、お互いの財産を、そして限りある知識すら奪い合う世界が繰り広げられていた。
これら高地の人たちが「貧しい」のは、当然のように後ろ向きにしかギフトを使うことしか出来ない、
というギフトのギフトなのだろう、「いと高き国々」がもっと貧しく描かれているのもそのためだろうと。
こんな貧しい農村の一つ、カスプロ家に生まれたオレックはとある事情から己の目を封じる生活を強いていた。
誰のためか、何のためかもわからないまま…。
ル=グィン母さんの「絵」のような描写力、名台詞、名シーンの連続に一読しただけでは
只ヶ圧倒されるだけだろう、それに相変わらず物語りにも隙がない。
三部作になる予定ということだけど、ル=グィン母さん、メルさまみたいに途中で投げないでよね。
それにしても、オレックは本当にギフトを…?