今日読んだSF/FT/HRの感想 5冊目

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50ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2
C・G・ユング著 松代洋一訳「空飛ぶ円盤」       5点
UFOの実在を信じるSFヲタ97%、愕然とせざるを得ない数字である。
ゆえに、この板に巣食う連中は是非とも読むべき1冊と言える。
(ただし、第3章「絵画におけるUFO」はあまりにもこじつけ、
トンデモ解釈に走り過ぎているきらいはある。この辺がユングにはアンチも多い所以で
あろうか)
私事ながら、学生時代にユングにはまった時期があった。
きっかけは心理学のレクチャー、内容そのものはフロイト中心のものであったが、
関連して触れられたユングに惹かれ、関連書籍を読み耽ったものである。
その時読んだ1冊に本書の初訳バージョンもあったわけだが、今回再読して、
アキバで「漏れの空飛び円盤クルー!コレ!」等と絶叫しながら虫取り網を持って
走り回っているSF兼UFOヲタに突き付けて読ませたい、と改めて思うた。
そして、「気を確かに持て、アレは集合的無意識の現れに過ぎないのだから…」と
肩のひとつも叩き、高級サンドウィッチのひとつも奢ってやりたい気分である。
なお、本書はユングの遺作であり、彼氏の心理学の基本概念に関する説明は無いため
事前にユングの心理学に関する入門書を読んでおくことが好ましい。
秋山さと子著「ユングの心理学」「ユングとオカルト」(共に講談社現代新書)
を推しておくこととする。