まとめサイトに作品名リスト作りました。もし抜けがあったら教えてください。
それと作品名リストを作ってる間に集計した感想数を書いときます。
海外:642個
日本:165個
合計=807個
ちなみに感想数が多い作家は海外だと
1位:グレッグ・イーガン
2位:フリップ・K・ディック
3位:クリストファー・プリースト
4位:アーサー・C・クラーク
5位:ロバート・J・ソウヤー
日本だと
1位:神林長平
2位:小川一水
3位:山田正紀
でした。
>198
ミス住さんの論考が漏れているぞ。
至急訂正しろ。
200 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/29(土) 21:00:39
自分の好きな感想しか載せてねーからな。
まとめじゃねーわな。
ミス住自演はそのくらいにしとけ。
まとめさん乙かれ。
基地外の感想なんかいらん
まとめ人さん乙GJです
→200
文句があるなら具体的に何が抜けているのかきちんと指摘すること。
204 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/29(土) 21:12:06
ミス住以外でも載せてないんだが。
自分の好きなまとめサイトと改名しとけ
まとめ人さん乙です。
何が抜けているのか具体的な指摘ができない204は
イチャモンつけるのが目的のただの荒らしだな。
>>204 じゃあミス住を載せてないことには異論は無い訳だね。
207 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/29(土) 21:28:37
俺の感想が載ったり載ってなかったりする。
俺は選別される為に感想書いてるんじゃねぇ!
わかったか?
俺の感想は全部載ってるからまとめ人GJ
どのレス書いたのかをちゃんと指摘しろよ。
名無しで俺が俺が言われても埒があかん。
>>207 どうせ載ってないというのは嘘なんだろ?
>>207 匿名掲示板で「俺の感想」とか喚いてるあなたはアホですか?
ネタ感想すらもまとめサイトに載っていたというのに・・・
まとめ人さんはちゃんと
>もし抜けがあったら教えてください。
といっているんだよね。
なのに何が抜けているのか教えようともしないで
ただインネンつけているだけの奴の感想なんか、
載せる価値なんかないかもね。
214 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/29(土) 21:44:20
これからは全部載せろ
なら文句ねぇから
嫌なら辞めろよ。
ミス住はイラネ
くだらねえ煽りが文章の大半
載せる価値なし
> 俺の感想が載ったり載ってなかったりする。
だからさっさと「載った感想」と「載ってなかった感想」を示せ。
出来ないなら他人に命令するのは止めろ。
199=200=204=207=214=ミス住だな。
載せられていないというお前の感想を指摘できないのは、
名前欄にミス住と入っているからだよな?
お前の駄文なんかいらん。
多分>9と一緒でまとめサイトに対してネガティブキャンペーンしてる人がいるのでは
皆さんは、まとめの人に載せてもらいたくて感想を書いてる訳ではないんでしょ。
価値があるとか無いとか個々に決めればいいのであって、まとめの人も自由にすればいいのでは。
わたしは皆さんの感想を読んでいるだけですが、いろいろな感想があって面白いです。
どこが抜けているか具体的な指摘もしないで因縁つけてるだけの奴はスルーで
>「シュワッチ!」とか雄叫びを上げながら、ハイタッチしている特撮ヲタ兼SFヲタ連中
>を見かける事が多くなって来た今日この頃である。
こんなゴミは載ってなくて当然でしょ
最初は削除されてたけど素直になったら今は元気です
つまり自分の感想も全部載ってるからまとめ人GJ
まとめんさんは、何を載せるとか載せないとかの選択を
するかしないかに関しては、どうぞ好きにやってください。
というかまとめサイトは個人運営でしょ?
だとすれば、どんな内容にしようが管理人の方の勝手。
「俺の感想は俺に著作権あるから消してくれ」以外は、
このスレの住人であっても口の出せないことだと思われ。
ともあれまとめ人氏は乙です。
よくわかんない流れになってますね。
まとめサイトに載せる載せないの選択もなにも、このスレッドに書き込まれた感想は全て載せるようにしています。
ミステリ板住人に関しては、本に対する感想以外のノイズが大きいので載せていません。
4年間もスレが続き、書き込まれた感想数が800を超えたということにちょっとした感慨を覚えただけに、できれば荒れないで欲しいなあと思います。
しっつもーん!
転送量とかだいじょうび?
もまえらおちつけよ、
逆に考えるんだ、京都ではもしかしたら塩撒きすぎてるのかもしれないだろ?
文句のある人は自分で作るべき>まとめサイト
だってサイト作ること自体は簡単でしょ。定型フォームあるし。
大変なのはデータ入力
>226
ミス住に関しては載せないという判断は適切だと思います。
雑音は気になさらずに。
まとめの人、おつかれさん。
個人的な要望を言わせてもらうとゼラズニイの項がほぼ一人の感想で占められてしまってるので、
誰かもっと感想かいてー。
てか自重しろ俺。
光の王
海外SFノヴェルズ
ロジャー ゼラズニイ (著)
深町 真理子 (翻訳)
古本屋で装丁版を発見、すぐさまゲットする。だれが新刊なんか買ってやるもんか。
他惑星に新しい文化を切り開いた人類、彼らは現住する知的生命体や新世代、
お互いの政治的闘争の手段に”科学技術”を神の御技に昇華させていた。
永久に続くかと思われていたインド神話然とした世界をシッダルダ、仏陀、
あるいは終わらせる男、通称サムが殺していくのだった…。
死の神ヤマ、雷神アグニ、その他美の神、法の神…
西欧人としては考えられないほどの造詣と知識でもって綴られる新しい物語。
もしインドでこれが翻訳されたらどんなことになることやら。
メリケンでもちゃんと調べ、読み、考えればこれだけの知識が得られるんだな、とちょっと感動した。
実は再読だったんだけど、何度読んでもいいものはいい。
10点
>>233 > 古本屋で装丁版を発見、すぐさまゲットする。だれが新刊なんか買ってやるもんか。
ハイエナは、新刊を買って古本屋に流してくださる貴人さまのおこぼれを
頂戴して生き長らえているのだということをもっと自覚しましょう。
アルザボなめんなよアルザボ
236 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/30(日) 01:54:37
> 古本屋で装丁版を発見、すぐさまゲットする。だれが新刊なんか買ってやるもんか。
ガチャはしんでいいよ。
旧版は萩尾望都のイラストだった件について。
それはそれ
ミス住とガチャはスルーで。同類だから。
ガチャの感想をのせてる時点で
まとめさんの懐の深さを感じるよ。
まあ、ちょっとおかしな人ではあるが、ちゃんと読んでの感想には違いないしな。
読みもしない本の「感想」を書き散らす馬鹿といっしょにするのは可哀想だよ。
まとめ氏に唯一載せて貰えないミス住哀れwww
おまえが一番うるさいんだよ>クネクネ
【クネクネ】
ミス住が自分を叩く相手を表現するときによく使う言葉。
ミス住の自演と思われたくない人なら絶対に使わない言葉。
もう二度と古本屋には売らないと心に決めました。
>>247 どうした。あまりの引取り値の低さにびっくりしたか?
余程の美本でない限りそんなもんだ。例え稀少本でも。
古本屋へ売るのは、ゴミにして出すより安上がりで、しかも誰かが読むかも知れないという希望があるからだ。飽くまで希望であって、やっぱりゴミになる場合が殆どだがな。
>>247は上のアホが書いたレス読んで言ったんじゃないの
250 :
248:2006/04/30(日) 14:04:29
>>246 そうかぁ?
もともとは、ミス住が変なことを書いて、他の人から間違いなどを指摘されると、
ミス住は変な言い訳をしたり、論点をずらしたりしてごまかしていた。
その、「変な言い訳をしたり、論点をずらしたりしてごまかすさま」を
「クネクネ」という言葉で表現したのがはじまりだったと思ったけど。
使用例:
ミス住のやつ、またクネクネと踊り始めちゃったよw
論点をずらしたり誤魔化しにもならない誤魔化しでお茶を濁そうとすることを「クネクネする」というが
あの馬鹿は自分が言われて悔しかったもんだから、単なる罵倒の言葉として使っているんだよな。
だから、奴が「クネクネ」という言葉を使うときは、本来のニュアンスとぜんぜん合っていないw
独演会は終わりましたか?>クネクネ
つーかいいかげん感想書けよ
>>237 「新刊」jなくて「新版」と書けば問題は起きないんだよ。
ねぇ、ガチャとクネクネとミス住って仲悪いの?
もうクネクネとガチャとミスの話題はやめろ
スレ違いだ
どうしてもやりたければ最悪板にでもスレを立てろ
先日NG登録して以来快適です。
なのでどうしても絡まずに居られない人はキーワードを略さずに入れておいて下さい。
ミス住
マイクル・クライトン「恐怖の存在」
キバヤシさんが真顔で「地球温暖化は・・・・本当は起きていないんだよ!」と力説してくれる小説。
まあクライトンが地球温暖化に対してどんな意見を持っていようと内容が面白ければ関係ないんだが、
映画化を前提にしたような無駄にアクションシーン・パニックシーンを捻じ込んだストーリー構成は上手いとはいいがたい。
そのアクションシーン・パニックシーンを演出する環境テロも、口が裂けても科学的であるとは言えないなあ。
うーん・・・。
いつからクライトンはこんな作家になってしまったのだろうか?
5点
昔から
それはちがう
アンドロメダ病原体はなかなかハードSFしてたけど、それ以外は確かにそんなもんだと思うw
262 :
でへ:2006/05/01(月) 23:06:40
フェアリィ・ランド ポール・J・マコーリィ ハヤカワSF
1999年にハードカバーで出た本の文庫版
ヒトの心や記憶まで作り変えられるフェムボット(ナノマシン)と、
遺伝子操作によって生まれたドールという生体ロボット
そしてドールから作られた知性を持つフェアリィ
そのフェアリィを作り出した天才少女を追うデブオタの主人公
それらが荒廃した地球で繰り広げる物語
フェムボットに対して抗体をもてない貧しい人たちは、
フェムボットによって、記憶や自分の信条までも作り変えられてしまう。
自分の記憶に対するあいまいさ、自分の信条に対する不安感
(誰かに埋め込まれた信条ではないかという)
これはディックの小説みたいだ。
そして最終章で暗示される、、、、、、
(ディックっぽい結末じゃないよ)
主人公さえ気にならなければ、結構面白かったです。
8点
クライトンだけど「スフィア」は良かったと思うな。あと「ジュラシックパーク」と「ロストワールド」も。
もちろん映画は抜きの話ね。
あと「原人伝説」(だったかな。中世のアラブ人が主人公)も良かった。
SFマインド満載だと思う。
クライトン読んだことないが
たぶん「北人伝説」。
266 :
264:2006/05/02(火) 23:47:08
北人伝説はクライトンで唯一よかったなー。
ベタなお勉強ネタが出てこないと、かえってストーリーテラーの才を発揮できるのかもしれない。
ムスリムが主人公ってのも意外性あるし、8点くらいあげてもいいかな。
れっきとしたバルト系民族のヴェンド人を半身半獣熊人間にしてるとこらへんがまあ米人伝説
北神田説と誤変換された
「ストリンガーの沈黙」林譲治
「ウロボロスの波動」に続く長編。いろいろな意味での、異質なもの同士の接触を
描いた宇宙SF。理解することや知ることが、きわめて意識的に、論理的に綴られていると
感じられる作品です。力作であり、傑作だと思います。
「どうしてこうなっているのか」「これは何なのか」という、
物語上の謎が解き明かされていく過程の議論や相克は、思わず座りなおす面白さです。
たしかにとっつきにくさや軽い描写の違和感、
戯画化された彼我の対比などは否定できませんが、
正直この作品にとっては瑣末なことのように思います。
SFを読み込んだ人にとってはそうでもないのかな…。
もっと話題になっていい作品ではないかと感じます。
(ただ、前作を読んでおいたほうがいいとは思います)
9点
林譲治って駄作量産作家だと思ってたが、化けたのか?
和製SFはガジェットがアニメ嗜好で鼻につくから読めない。
面白いアイディアもあるんだろうし、勿体ないとは思うんだが。
そんな派手なガジェットが出てくる日本SFって何?
高千穂遥。
……は冗談として。
最近だと、小川一水「第六大陸」の少女の造形とかが読んでてキツかったです。
ガジェットじゃねーじゃん
それに小川はラノベ出身だから人物描写がアニメっぽいのは仕方ないだろ
太陽の簒奪者とか良くない?
『地球の長い午後』 ブライアン・W・オールディス
とりあえず言えるのは、ハヤカワ文庫の紹介文は間違っているなw。
一部引用すると、(前略)だが滅びの運命に反逆した異端児がいた……、って。
そうかなぁ?
若くて威勢の良い兄ちゃんが、場当たり的に暴れ回る作品だと思うがw。
個人的には読後の疲労感が、『蝿の王』(ウィリアム・ゴールディング)に似ていた。
ちょっと途中で読むのが辛くなった作品でした。
評価 3点
こういうレスを読むと、
昔なら「そんなことはない! あんな名作を!」と
必死で抗戦したところだが、最近は年のせいか、
逆に喜ぶようになった。
地球の長い午後はアミガサを引っ張りすぎだと思う…
あの作品には生態学的スケッチ以上の価値を見いだせないな。
まああの設定でデューンみたいなのやられても困るけど。
『啓示空間』 アレステア・レナルズ
分厚いことがやたらと知られている本書。実を言うとそれに惹かれて買った部分もある。
書評でよく触れられているように、本書自体が様々なSFのガジェットの融合疫みたいな内容で、
元ネタを推測しながら読むのも一興かと。
内容自体は分厚さの割りに、よく言えば読みやすくすらすらと読めるが、一方その長さの割りに
舞台が主に巨大な船内に終始していたせいもあるだろうが、こまごまとまとまっているという印象を受けた。
あと、宇宙史ものであり、続編があるとのことなので仕方のないことなのかも知れないが、
アルファレベル、融合疫、インヒビターの尻切れトンボなど説明不足に感じた
どうでもいいが、尺八はそういうことに使うものではないと思う
7点
>>278 うん。ストーリーはどうでもいいよね。
超未来の幻想的生態系にハァハァするのが正しい読み方。
281 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2006/05/07(日) 16:55:46
>>275 あの作品が読解出来ないということは修行が足りないのではないか?
オールディスらしい芳醇な「イメージ」の異世界を堪能すべき作であって、
キャラやストーリーは二の次でよい。
読了後、木に登って「ウーターヤー!」と叫びたくならなければ嘘である。
突っ込みキター
283 :
でへ:2006/05/07(日) 17:33:08
グリュフォンの卵 マイクル・スワンウィック ハヤカワSF
同じ作者の作品で、前に読んだ「大潮の道」は、ラストに
激しく違和感があっていまいち面白くなかった。
今回の短遍集はなかなか面白い、
新しいテクノロジーによって、人間は人間でなくなって
しまうのか?
という重い問いがあってなかなか良い。
「大潮の道」同様、少し、「文学してる」って感じの
話があるのが、気になるヒトは気になるでしょう
8点
「スノウ・クラッシュ 上」 ニール・スティーブンソン
もしかしてこれはバカSFなのだろうか
冒頭の数十ページに渡る命を懸けたピザ配達。そしてワキザシとカタナをタイトウして
街を、そしてメタファーの電子世界であるメタヴァースを闊歩する主人公。しかもその腕はネットでもリアルでも超一流。
家族には内緒で、車とかに引っ付けてその勢いでボードにのりのりかっ飛ばす危険なクーリエの仕事をするヒロイン。
謎の男レイヴンのギャグにしか思えない登場シーンと設定。
そして見ただけでメタヴァースでのアバターにも、リアルにも感染する「リング」みたいな表題のウイルス。
サイバーパンク的な部類に属するのだろうが、サイバーパンク特有のトゲトゲしさや、人物のアクが強くないせいか、
非常に読みやすい。内容も情報系だけでなく、オタ好みの古代文明とかをも絡ませたもので興味をそそられる。
サイバーパンクものでは変な日本人(観)をださないとダメだという規律でもあるのだろうか
まだ上巻しか読んでいないのだが、これは大本ではミームとかの方面の話なのだろうか。気になるところではある
8点
後半になるとさらにバカさ加減が炸裂、乞うご期待。
そしてラストでは…
ラストが上手い作家ではないね
ニール・スティーヴンスンは紛れもなくバカSF作家
ミス住がまともなことを書いている……w
ミス住、最後の一行さえ無ければいいコメントだったのに。
ニール・スティーヴンスンは、話が脇に逸れ出したら徹底的に逸れるのが凄い。
『木を見て森を見ず』って感じだけど、その『木』の描写が半端ないからなぁw。
スノウクラッシュは面白かったよ
小説としてはぶっ壊れてるけどね
>288>289
最後の一文以外はパクリ
つーか、ウーターヤーって何ですかミス住さん?
「ウーヤーター」ならミラクルボイスなんだけどね。
気違いネタはもういいよ
「雪はやんだ、フレッシュボイス」ならしってる
馬の名前?
とっとと感想書こうぜ。
啓示空間/アレステア・レナルズ
結構面白そうな大ネタが、ストーリーを引っ張るためだけに存在しているのがちょっと不思議。
結局、キャラクターを楽しむ小説かも?
口絵をつけたのは正解かもしれない。
文学刑事サーズデイ・ネクスト〈1〉ジェイン・エアを探せ!
ちょっとテムポ悪いかなと思ったが読み進むに連れて
奇妙な世界にはまった。イギリス系のクスクスギャグも
好みに合う。悪役の絵に描いたような安倉つぶりも笑える。
これはかなり良い
350点
「デセプション・ポイント」ダン・ブラウン
本当はSFではなく謀略サスペンスの類のジャンルに入るが
SFっぽいガジェットが含まれていたので載せておく。
北極に異星生物の化石が含まれた隕石をNASAが発見したが実は云々と言う話。
この作者の作品がよく売れる理由は、薀蓄の解り易さと物語の冒頭から終わりまで
謀略あり謎解きありアクションありといったエンターテイメントに徹している所だと思う。
しかしその分ありきたりなハッピーエンドにストーリーが収束してしまい、後半の方は簡単に
ストーリーの先が読めてしまうのも欠点だと思うが。
でも面白かったので7点
>>302 >しかしその分ありきたりなハッピーエンドにストーリーが収束してしまい、
後半の方は簡単にストーリーの先が読めてしまうのも欠点だと思うが。
だったら評価は3点くらいにしとけよw
50点満点とかw
305 :
でへ:2006/05/14(日) 07:29:58
アラビアの夜の種族 古川日出男 角川書房
大人向けのアラビアンナイト風の話を含んだ、
複数の物語が(時間軸の違う話も含む)、展開し、
最後に一つにまとまって、見事な大団円
となりました。堪能しました。
これ以上は、これから読む人にとって面白さが
スポイルされるでしょうから書けません。
むりやり当て字を使うところや
物語の重層性があることから
ちょっと癖のある内容だと思います。
書痴または本好きな人にオススメ 9点
古川日出男の千夜一夜はレインのでもなくマルドリュスのでもなく
バートンの千夜一夜なんだよな。
バートンの千夜一夜なんだよな。>
註釈だらけで、ペダンチックなのか?
注釈だらけの小説といえば厭な記憶があり、昔々一部の人々に流行った「なんとなくクリ(ry
バートンというとフィリップ・ホセ・ファーマーのリバーワールドが思い出されて素直に読めない
309 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/15(月) 00:26:02
デヴィッド・エディングス『宿命の子ら』ハヤカワFT文庫
ベリアルガード物語(全5巻)の続編であるマロリオン物語の五巻目にして最終巻。
このスレは性質上、シリーズ物は最初の一巻以外はなかなか紹介しにくいのだけど
今回、巻末の解説で笑わせてもらったので紹介。
「ファンタジーに興味はあるけど指輪物語は難しい人にお勧め」
解説者、ぶっちゃけ過ぎ。
話の方は面白いです。ベリアルガードを8点として7点。
べるがりあーど……
いや何でもない。
311 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/15(月) 00:33:51
ごめん。
ベルガリアードと言えば五巻でガリオンの身分が明らかになって
整列する一同が右手を挙げて「ハイル! ベルガリオン!!」と
忠誠を誓う場面は怖い魅力があったなあ。
「百億の昼と千億の夜」光瀬龍
文章は美しいし、しだいに壮大な物語の全貌が明らかになる構成は見事。
そういう意味ではおもしろいが、アイデアによりかかっているだけの作品ではある。
東洋的な無常観めいたものが描かれるものの、哲学の勉強に励んだインテリが机の上で人類やら宇宙やらを考察して書いている感じが強く、なまなましい感情の動きなどを我がことのように感じることはできなかった。
弥勒信仰などの扱い方も、宗教を信仰する人というのをちょっと上からの視点で見ている作者の意識が透けて見えて何か萎えた。
あしゅらおうの描き方が、妙に愛情のこもったものでちょっと引く、という欠点もある。
終盤で「あしゅらおうは今や追いつめられた小さなりすだった。」という文に出くわして正直笑ってしまいそうになった。
以前読んだときは、プラトンだのイエスだの神だの宗教だのといった高尚っぽい要素に酔えたのだが、今再読してみると別にどうでも良く感じられた。年齢的なものがあるんだろうと思う。2点。
313 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/15(月) 21:15:44
沈黙の声(トム・リーミー/サンリオSF文庫)
なんか読んだ事あるような展開だと思ったら「夢見る宝石」(スタージョン)
そっくり、と言うか裏返し(この作品では観客の女の子の視点から物語が
展開する)
ただ、田舎町の雰囲気の描写はよくできている。アイディアよりも情景描写
を楽しむ作品だろう
>>312 を読んで心底、歳はとりたくないもんだなと思った。
>>313 似てるねえ。ついでにブラッドベリの『何かが道をやってくる』もそっくり。
比べて読むと3人の資質の違いがわかって面白い。
ウィリアム・バロウズ『ノヴァ急報』(ペヨトル工房版)
以前現代文学を集中的に読んでいた際に入手したもの。
「ふーん」と流し読みしてポイしていただけだったが。
いま読み返してみるとワイドスクリーン・バロックの傑作だった。
例えが変かもしれないけれども、バリントン・J・ベイリーが
「俺のアイディアを実現するためにはもう小説という形式をブチ壊すしかない」
と決意したかのような内容だ。
怒涛のごとく溢れ出るイメージの奔流に身を任せていると、ノヴァ・ギャングとノヴァ警察がどのような興亡を繰り広げているのかが、なんとなくわかるようになる。
『星条旗よ永遠なれ』をコラージュしたり、ライヒのオルゴン理論を礼賛したり、サイエントロジーをクソ味噌に言ったりと、アナーキスティックな思想書としても楽しめる。
だがとりあえず、アルフレッド・ベスター言うところの「エクストラボレーション」が堪能できた。
よって、10点。
『爆発した切符』も読みたいが、こちらはサンリオでしか出てないんだっけか。
バロウズめちゃくちゃだよね。
頭の中身をそのままぶちまけて
おまけにでたらめにシャッフルしたような内容。
だが、そこがイイw
>>317 それでも意味というかストーリーらしきものが見えてくるのが不思議だね。
7〜8年前に浅田彰と山形浩生が対談して、情報工学的にどうこう言っていた気がするけど、
あんま憶えてないな。誰か知ってる?
古川は『ロックンロール七部作』もよかった。
あえて言えば、『アラビア〜』が内向きに重厚なものを目指したとすれば、
『ロックンロール〜』は外向きに開かれたものになっている。
どっちがいいってわけじゃないけど。
点数忘れてた。
古川日出男『ロックンロール七部作』
10点ね。
安易に10点付ける奴って自分の読書生活の貧困さを自慢してるようなもんだよな。
点数だけつけて感想は無しか
???
324 :
320:2006/05/16(火) 22:04:31
なんか非難されているようなので付け加えておく。
文字通りの連作短編。七部作それぞれに地球上の大陸が割り当てられ、ロックの
ルーツに20世紀の歴史とが准えらて語られる。
スケールの大きなマジックリアリズム風の物語の素晴らしさもさておき、グルーヴ感すら感じ
させる語り口にやられてしまった。
ほんとにロックを聴いているみたいだ。俺は作中にも出てきた、『カリフォルニケイション』
(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)をかけながら読んでたよ。
また、合うんだこれが。
『アラビア〜』では語り口を多層化させることで、スケールの大きな偽書を作ろうと
画策していたようだけれども、『ロックンロール〜』はそのベクトルを正反対に向けてみた感じ。
SF的には、ディッシュの『歌の翼に』をより力強くポップにしたような語り口だと思った。
ここだけの話、ギュンター・グラスに二十世紀の歴史を一年ごとに語っていく、って長編があったけど、
正直あれよりもずっと良かった。よって、文句無しの10点。
ロックを聴いてるのがいいならロックを聴いてろよw
おまえはガチャとミス住にだけからんでろ>クネクネ
人の感想にけちつけるのはやめようよ。
端から見てても気持ちのいいものじゃない。
319に一応感想書いてるのに、点数だけとか言いがかりつけてるし
>>327 中傷はやめろ。
感想にケチつけてるやつなんていない。
羨ましい。10点付けられるような本なんて読んだことないよ。
オレは最高で9.6667だな。
文句つけている奴は、黙って感想を買いてろ。
安易に高得点にしない俺カッコイイ!!
黙ってロックを聴いてろ。
レッチリなんか聴いてる暇があったらじゃがたらを聴け。
俺にはロック雑誌なんかいーらない
336 :
320:2006/05/18(木) 11:43:15
スルーしとけばいいんだろうが、なんか無意味に弄られているようでムカつくので敢えてコメントする。
まず、『ロックンロール七部作』は真の傑作だと思うので、10点は譲れない。
古川作品で言えば『サウンドトラック』や『ボディアンドソウル』よりも遥かに高く評価している。
俺的には前者は7点、後者は6点くらいだ。
ほかに名前出したやつだと『アラビア〜』は9点、ディッシュは10点、グラスは8点だ。
ここまで書いたのだから、安易に高得点付けないとか言ってる奴らは、いったいどんな作品を高く評価しているのか教えていただきたいものだ。
大体ロック聴いとけとか言っている奴ら、ロックがどれだけSF/FT/HRに影響を与えているのか知らないのか?
ハーラン・エリスンの絶叫に心震えたことはないのか?
「サイバーパンク」小説の語りが醸し出すグルーヴに酔い痴れたことはないのか?
ナンシー・スプリンガーの『炎の天使』のヘヴィメタル魂に共鳴しなかったのか?
そして、我らが難波弘之のの「Too old to Rock'n Roll, Too Young to Die」に涙したことはないのか?
ちなみにじゃがたらは好きでたまに聴く。ついでに言えば渋さ知らズも好きだ。
337 :
329:2006/05/18(木) 16:46:22
俺には別に他意は無いよ。
10点付けるほど感動させられた作品は人生でまだ読んだことは無い。
10点つけられる作品を読んだらその時はSFを読み止めるときだと思ってる。
10点ってのは俺にとってそういう評価の点数だってだけ。
古川日出男って読んだことは無いが、人がそこまで熱く語れる本は素直に読んでみたい。
今度読ませてもらうよ。
落ち着け
2chの音楽板なんかは「通好みの音楽が好きな自分が好き」な人達の集まりだから
そんなにむきにならんでも・・・
SF板的には、古川日出男の小説なら「ロックンロール7部作」よりも「ベルカ、吠えないのか?」か上で挙げられてる「アラビアの夜の種族」の方がいいかな
329は別にいいと思うんだよ そういうのは個人差があるから。
でも321は普通怒るだろ、人格攻撃を含んでるから。
2ちゃん慣れしてる人は別として。
ま、気を取り直して次の感想いきましょー↓
むやみやたらに満点つけるのもどうかなと思うけど・・・
どうしても満点つけたいって言うならかまわないけど、
感想が幼稚だとたたかれても文句言わないでくれよな。
いや言うだろ普通に。
満点をつけた、という一点のみでそんないいがかりを付けられたら。
後にも先にもこれっきりかもしれないんだから今是非を言うのはナンセンス
この10点が正しかったかどうかは320が今際の際に決めればよい
というか「今日読んだ」感想つーことで別に同じものでも読んだ時点ごとに点数変動してもいいんだろ?
意外にうるさいのが多いんだなぁ。
「ドラえもん」や「アンパンマン」に満点つけられてもなあ・・・
ネチネチしつこい奴のほうがよっぽど幼稚だと思うのだが
まんてん のカツカレーが食いたくなってきた。
俺はキッチン南海が好き。
350 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2006/05/20(土) 16:29:19
小松左京「さよならジュピター」 3点
御大の数々の実績に敬意を表して、これでもやや甘目の評点である。
太陽に迫り来る巨大ブラックホール、この太陽系最大の危機に対して木星を爆破して、
ブラックホールへ衝突させるという奇想天外なワンアイデア、これが「日本沈没」を
上回る長大な作品の全てと言い得る。
本書にある科学的な薀蓄に対する説明は私の責務ではないが、小松御大がノリノリで
書いているのはわかるものの、全体的には基本設定が「日本沈没」の宇宙版に過ぎない
感が強く、結果的に作品評価は厳しいものとならざるを得ない。
作品中で、掛詞的役割を果す海豚のジュピター(鮫に襲われた人間を救うため犠牲になる)
も創り過ぎた余計なキャラ(?)と言い得る。
本書の一部分のみを再読三読し、「無重力セクース!!」とか絶叫しながら、
石丸の屋上からダイブを試みるSFヲタが現れないがどうか、この点のみが深く
憂慮されるところである。
「公衆道徳」、これもまたSFヲタに欠ける要素のひとつと言い得よう。
心しておけ!
「個人的にこれが好き!とかなら7点か8点あたりつけるんだが、
10点となるとどうしても「ほかの人にお勧めしたい名作!満点!」なニュアンスが漂うからなあ。
指輪、ゲド戦記クラスにならないとつけにくい点数ではある。
352 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/20(土) 17:02:38
>>350 なんか20年くらい前,さよならジュピターが発表された
時にに言い尽くされたことを蒸し返しただけような感想文だな.
分かり切ったコトを書いてもしょうがないじゃん.
もう少し工夫してくれよ.
感想の感想ってどいつもこいつも雑音にしか聞こえないな。
このスレは感想だけ書いてあればそれでいい。
感想の感想の感想なわけだが
感想を書いて無反応な時は寂しいから、軽くレスくらいは欲しい所だが。
オレは感想も感想の感想もそのまた感想も同じ基準で評価している。
そしてもちろん、
>>353 がカスであることは言うまでもない。
よかったな、評価が一致して。>353
>>355 「オレは感想も感想の感想もそのまた感想も同じ基準で評価している。」
もはやつっこむまでもない感想の感想の感想のそのまた感想の感想と言う、この無限の連鎖。
果たしてその感想の先には何があるのだろうか?SF的エクストラポレーション思考の魂を揺さぶるレス。
だがしかしここは本来は小説の感想を書く場であり、感想(の感想)^nは数レスで終わらせるべきなのであろう。
そもそも
>>319からはじまったこのレスの応酬であるが、その着火点ともいえる
>>321は
実は
>>319-320だけを指しているだけでないのがミソ。
さらにそのあとの
>>322の微妙な勘違いなど混乱が混乱を呼び、物語はいまだに現在進行形の形を見せる。
0点
イアン・ワトスン「スロー・バード」
短編集。良い意味でくっだらない馬鹿SFとシリアスなSFとのバランスが絶妙。
正直、国書から出ている「エンベディング」よりも面白いと思う。
「大西洋横断大遠泳」でヤクザ坊主もどきのスイマーに一瞬にして日本経済が崩壊されられたかと思うと、続く「超低速時間移行機」でガチガチのハードSFを見せつけられるといった按配。
とに認識の変容を扱った短編で考えこまされ、馬鹿話で笑ってと兎に角バラエティに富んでいる。
特にラスト三つ「2080年世界SF大会レポート」「ジョーンの世界」「スロー・バード」はどれも素晴らしい。
・・・こんなに褒めておいて言うのもなんだけど、これを読むまではイアン・マクドナルドとイアン・バンクスとイアン・ワトスンの区別がいまいちついていませんでした。ごめんなさい。
8点
そこはお乳なの
イアンなんてありふれた名前をつける親が悪い。
イヤ〜ン
点数は、読み手の主観的満足度を示す指標なんだろうけどね。
それが他人にとって参考になるかどうかは読み手しだいだろうな。
小学生が評価したのか教養ある成熟した大人が評価したのかで
同じ10点でも作品の価値には雲泥の差があるだろうからねえ。
えーい、いちいちこまごまめんどーだ、
1かゼロかだ、それでいいじゃねーか
何点をつけてもいいじゃない。
ただ、何点で満点かは極秘というルールで。
「俺は5点だ」(実は5点満点)
「私は80点をつける」(だけど200点満点)
カッコ内は極秘でw
それがいい。そうしよう↑
まあ大半が主観的感想からの評価なんだろうし。
他人の参考になるかどうかは、自分の感情論と
別個のところで客観的評価を加えるかにもよるし、
伝え方の熱意にもよるだろう。
いくら客観的になっても2chの場合、かなり雑多な
客体価値が入り乱れてるから、
相反したり違和感を抱いても仕方ない品。
点数は個人的満足度って認識でいいんじゃね。
『スロー・バード』は面白いよね。
特にバカ系がいい。見直したよワトスン。禅スイマー!
「世界の広さ」のゲーム版がどんなのか知りたい。
シリアスな話だと、表題作よりも「超低速時間移行機」のほうが好きだな。
スローバード、読みたくなって探したが絶版じゃねーか
ショボーン
「SFマガジン ベストNo2」全体で4点。
銀背だけあって、今読むと年代ものの作品のそろったアンソロジーである。
好意的にとらえれば知的な読み物と言えないこともない、アイデア頼みの短編ばかりで構成されている。「旧来の文学性なんかクソくらえ」という作家たちの意気込みが伝わってくるようで、何ともいえず悲しい気持ちになってくる。
「フェッセンデンの宇宙」のハミルトン、「睡魔」のブラッドベリはとても文章のうまい作家なんだと改めて感じた。
それと比べると、クラークとハインラインは何か地味に下手で、読んでいて引く。
>>369 クラーク、ハインライン、アシモフで小説下手50年代SF作家の御三家でつ
「タイム・トラベラー」新潮文庫
時間SFアンソロジー と銘打っているが、
最後のほうに入っている3つは(傑作だけど)、
普通の分類では時間SFとはいえない。
それ以外も普通にイメージする時間SFはほとんど入っていないが
解説によると確信犯的にそういうセレクトをしたようだから、
何も言えん。
少なくとも初心者には不向きのマニア向けのセレクション。
出版当時(昭和62年)の新し目の作品が多く、今読んでも、
質は割と高いと思う。
特にファーマーの「わが内なる廃墟の断章」の凄さと
ワトスンの「バビロンの記憶」の心にしみる良さが印象的。
ハーネスの「時間の罠」も、40年代の作品とは思えないぐらい凄い。
バズビイの「ここがウィネトカなら、きみはジュディ」は、
ケン・グリムウッドの「リプレイ」と双子のようにそっくりで、
バズビイのほうがずっと古いから、グリムウッドのほうがパクリか。
そのリプレイをぱくってる北村薫以下は……(略)
こういうアンソロジー、最近またぽつぽつ出るようにはなってるけど、
もっと出して欲しい。
8点
>>371 内容忘れちゃったけど当時読んで面白かった記憶あり。
たぶん「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の影響?で時間ものが売れて
いたんじゃないでしょうか。
それであえて変化球主体だったような・・・。そこがよかった。
「ミラーグラスのモーツァルト」のどうしようもない脳天気さ加減も80年代っぽくて記憶に
残っている。
代表的サイバーパンク作家によるインチキサイバーパンクwの名作。
うん。「タイム・トラベラー」に入ってる短編はどれも面白かった。
短編集の出来としては最高レベルだと思う。
新潮のアンソロジーは確か他にもあるよね。
大森望の企画じゃなかったっけ?
スターシップとスペースマンがある。
>>371 ライバーの「若くならない男」がめっちゃつぼだった。
「神への長い道」小松左京 ハヤカワSFノヴェルズ
表題作が強烈だった。
人類が文明を極限まで発達させ、停滞期に入った時代に生まれた主人公が、刺激を求めていきあたりばったりな生活を送り、二度結婚して二度とも妻子を捨てたあげく、
人類の発展は頭打ちでつまらないやという身勝手な理由で世間を見捨てることを決断する、という設定にまず驚いた。
人類がどうとかいう前に嫁さんと子供を捨てたらいかんだろ、と内心ツッコミを入れざるをえなかった。独特の人物造形だと感じた。
物語は、とあるいきさつによりある惑星へやってきた主人公が、物語開始の時点ではセックスする気力もないほどの倦怠にとらわれている中で、その地において、人類にはまだ進歩する余地があるんだということを発見する、という展開を見せるのだが、
すっかり元気を取り戻した主人公がセックスする気満々になって実際にセックスを始める、という結末には驚愕した。
そのあまりの神展開ぶりには失笑をこらえることができなかった。
人類の進歩が袋小路にはいったのどうのというご大層な理屈と、主人公のバカな人生とが交錯して、たいへん珍妙な作品に仕上がっていると感じ、ある意味で感銘を受けた。
小松先生のナチュラルなギャグセンスには脱帽した、と言う他ない。
他の短編については、児童向けのショートショート程度の物語の枠組みに、冗長な文明批評を詰め込んだだけの小説もどきばかりだったので、あまり笑えなかった。そういう意味で残念だったこともあり1点。
>>387 「ハヤカワSFノヴェルズ」版なんてあるのか?
>>379 古い装丁本のようだよ。
自分が持ってる「光の王」もそうだ。
>>378 久々に大笑いさせてもらいました。ありがとう。
『ハイペリオンの没落』 ダン・シモンズ
重厚長大かつ小説の基本技術の高さが堪能できる小説だった。
今は、出来の良い長編小説を読み切った後の、心地よい疲労と感慨に浸っている最中。
終盤、小説の展開がやや拙速になった気もする。
しかし、これはレベルの高い不満であり(?)、そのことが小説全体の価値を貶めてはいない。
それとレイチェルと○○○○が同一人物(厳密には違う)ということに関して、
成人後のレイチェルの写真が無かったのかな? とは思ったが、それもまた良し。
最後に、続けて『エンディミオン』を読むのも有りだが、ちょっと長編小説のノリに飽きているので、
短編SF小説を中継ぎにした後、次に挑戦したいと思う。
評価:9点
なんだ10点じゃないのか・・・遠慮するなよw
>>383 10点は、今後読む本の為に取ってある。
だから最高点と捉えてもらって構わないよ。
>>384 ちなみに「ハイペリオン」の方は何点なの?
おれは没落はだめだったなぁ、長すぎて興味が持続しなかった。
ハイペリオンは短編集だからOKだったけど。
ストリンガーの沈黙/林譲治
旧世界(=現代世界でもある)の人間たちがあまりに愚昧に描かれているのはホーガン的理想主義がやや鼻につく反面、
娯楽作品として痛快でもあり、ハードSFとしては読みやすくなっている。それにしても最終的逆転手段が、唐突に出てくる
超兵器なのはどうかと思ったが。「精密誘導兵器で敵戦略拠点のみを殲滅」するという現代の、
結局は乱暴な戦略とたいして変わらなくないか、という疑問も出てくる。
本筋はファーストコンタクトものだが、表題の「ストリンガー」よりも、「内なる他者」ともいうべきUIAとの邂逅が
実に衝撃的で面白い。本当はサイバーパンクなのかも。
8点
>>386 ええ〜、こっちは9点じゃないの!? 1点分減点した理由は何つか?
390 :
無名草子さん:2006/05/26(金) 12:09:07
どこへ行っても
締め上げるのはヤメロ
暇があったらハイペ読み直せば9点に上がるかもよ。
あれは没落の為の壮大な前フリだから、そもそも別作品でないと思う。
>>387みたく連作短編として読むなら別作品勘定でいいけどな。
俺もハイペリオンは8点くらいだなあ。
連作短編集として読むと、神父の物語と学者の物語以外はちょっとデキが微妙。
探偵の物語とか、単品で読むと「今更サイバーパンクモドキとか流行んねーんだよ!」と
ブチキレると思う。
>>389 >
>>386 > ええ〜、こっちは9点じゃないの!? 1点分減点した理由は何つか?
物語の中では、主人公たちが時間の墓標へ向かうのは必然。
それは問題ない。
でも小説を俯瞰して見たとき、各人の背負う物語を説明させるために、
時間の墓標まで旅をさせているような感じが臭って来るんだよね。
そうすると時間の墓標を訪れる必然が弱くなり、作品への没入度が微妙に減衰した。
つまり、ダン・シモンズの作為がほのかに臭って来るところが減点理由になるのかな?
よく分かんねぇや、本人もw。
395 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2006/05/27(土) 15:47:30
筒井康隆「壊れかた指南」 2点
収録作品の内容をみると、この板より一般書籍板が適当なようにも思うが、
この作家に対するSFヲタの熱い思い入れを考慮し、この板で取り上げてみた。
正直言うて、往年の悪夢のようなスピード感、トリップ感溢れる切れ味は
最早無く、無難にアイデアをこなしたという感じの作が多い。
一押しは、あえて挙げれば、読書人批判とも読める
「耽読者の家」(ベルトリッチの「暗殺者の家」のもじり)か。
壊れてる男が「壊れかた指南」について語っておりますw
397 :
でへ:2006/05/28(日) 16:32:58
ブギーポップは笑わない 上遠野浩平
もはや おっさんにはピンと来なくなった学園物
(+ヒーロー物)
でも、小説としてはしっかりとかけていると思う。
何よりびっくりしたのは、手に入れたのが第40版で
あったこと(1998年初版)
SFではありませんね、これは(笑)
7点
ラノベだ!
いや、ラノベと切って捨てるにはあまりに惜しい作品だよ。
ハヤカワSFの半分よりは誰が読んでも好評価じゃないかな。後は好き好き。8点。
ただし二作目以降は読む価値無し。
じゃあ、西尾維新は?
>>400 SFかどうか以前に、あんなものは小説ではない
402 :
でへ:2006/05/28(日) 22:56:09
火星縦断 ジェフリー・A・ランディス ハヤカワSF
すごいです。リアルです。ノンフィクションみたいです。
作者はNASAで火星探査機の設計にもかかわった技術者
でありプロの作家でもある、と言う人ですが、
トラブルに遭った第3次有人火星探査のサバイバル物語を、
最新の火星の知識と火星探査に使われるであろう技術を
元に、リアルに書き綴っています。
小川一水が好きな人には一読の価値あり、9点
403 :
でへ:2006/05/28(日) 23:35:06
宇宙嵐のかなた AE・ヴァン・ヴォクト
未読だったので読みました。
非Aの世界、イシャーの武器店、スランなどに
共通のテーマ、超人、超科学、弾圧された超人の
集団などなど、ヴォクト節が炸裂
宇宙船ビーグル号とは一味違った
ヴォクトの世界が楽しめます。
1950年代の作品なので、
宇宙嵐の詳細は深く追求しないように、、、
7点
ヴォクトらしさを楽しむなら創元で今も手に入る
非Aシリーズのほうがオススメかも、これを読むと、
「最後に「ちょー」な世界に逝っちゃった。」
作者のことが納得できます。
アーシュラ・K.ル・グィン「天のろくろ」
6点
作者名に先入観無ければ普通にバカSFとして楽しめたのに、
訳者あとがきで台無し。
正座して正しい心で読むべき本と知ってしまったので
急速に印象薄れた。
世界がどう変わっても現職に留まり続ける
アルバート・M.メルドルw
訳者あとがきのせいで大減点といえば「オールウェイズ・カミングホーム」もそう。
ルグィン自身西海岸かつあの世代なんで、なんつーかスピリチュアルっ子を引き寄せてしまうようだ。
ミス住は偉いな
どんなに脅迫されても屈せず書き込みを続ける
まさに言論人の鑑だ
これからも頑張って下さい
>>404 自分の知り合いは、ル・グィンの『内海の漁師』の冒頭の言葉にハッタリをかまされて、
実際に中身を読んで落胆したと言ってましたw。
天のろくろが復刊されたのも知らん奴が・・・
一瞬「のらくろ」が復刊されたのかと思ったよ。
>>408 確かにスケールは大きい。
夢を見ると見た通り現実世界が変わっちゃうっていう…。
「遥かなる地平1」
ルグイン、ホールドマン、カード、ブリン、シルヴァーバーグ、クレス収録。
いずれも人気シリーズの新作中篇を集めているが、
単独作品としても面白かったのはカード、ブリン、クレス。
特にクレスの「眠る犬」はよかった。有眠人視点なのが新鮮だし、
前半の悲劇から復讐へという話の流れもうまい。9点。
無眠人あんなに面白いのに何で翻訳が出ないんだろう。
カード「投資顧問」7点。他愛ない話だが普通に面白い。
ブリン「誘惑」8点。
メインアイデアの凄さと、知性化イルカの脳や心理に関する分析がよかった。
ルグィンとシルヴァーバーグ6点 普通。
ホールドマンが一番つまらんかった。2点。
全体7点
ロバータ・ロゴウ「マーベリー嬢失踪事件」
5点
SFおたく(トレッキー)がルイス・キャロルとコナン・ドイルを主人公に
ヴィクトリア朝の事件書いてるわけだから、スチームなんとか、とか
ファンタスティックな登場人物とか期待しちゃうんだけど、
そうはならない。オチが女権拡張論だったりして、
著者(はアメリカ人女性)の視点が目立ち過ぎ。
チャーチルのママ(アメリカ人)持ち上げたりとか。
あと、ユーモアが足りなさすぎ。
で、ロリータSMにスカトロまで入ってますけど、
二人の娘を育て上げた著者―当時50代半ば―は母親として
どんな気持ちで書いてたんだろ?
長女Miriam Ann Mooreもミステリ作家だそうですが
翻訳はされてないよね。
ジェフリー・A・ランディス「火星縦断」
6点
とにかく、この題材なのに情景描写が希薄なのが致命的。
テリー・ビッスンみたいに、少ない言葉でイメージを喚起するほど文章上手くもないし。
正直、さすがNASA の科学者! と感じさせるハードSF的要素は、とっかかりの事故とラドコフスキー・
ライアンの過去エピソードくらいだった。
じゃあ小説的には面白いのかというと、そんなこともなく、人物には魅力がないしサバイバルの緊張感も
あんまりないし……正直、野尻抱介とか小川一水に書かせた方がよっぽど面白いんじゃないかと思った。
一番気になったのは、米の科学者ってここまでセクースしまくりなのか?ということw
う〜ん・・・
>>415 >米の科学者ってここまでセクースしまくりなのか
一般受けを狙うには無意味でも濡れ場が必要、と言う話を聞いたことがある出巣
火星SFって時点で一般受けの芽はない気がするが
それよりSF小説に出てくる濡れ場は淡白かHENTAIか極端すぎるのが気になる
濡れ場なんてもんはナベジュンにまかせとけばいいのさ
ロビンスンのも結構ひどかった希ガス>ぬれば
登場人物半分に減らして、短くして欲しいよな火星3部作
全般にロビンスンはたとえアイデアがよくても
無意味に屈折した人間ドラマを入れてつまらなくする癖がある
個人的に、マヤはイヤなSFヒロインの筆頭候補だw
火星縦断のエストレラもなかなかだったが……。
そこで「ゴースト・オブ・マーズ」ですよ。
ロビンスンは
「カトマンドゥからの脱出」が最高に面白かった。
短編集とか出ないかなぁ…
424 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2006/06/03(土) 20:02:42
マイクル・クライトン「恐怖の存在」 5点
真夏にブリーフ一丁になって「なんとも凄まじいまでの温暖化キター!」と絶叫しているSFヲタ、
「タマちゃんやカモちゃんの出現は、極地で何かが起こっていることを示しているのです」
とアキバの駅前で知ったかでアジテーションしているSFヲタ等、
いずれもくだらないSF小説を読み耽った者の末路の恐ろしさを実感させるものがある。
このような者たちには、突き付けて読ませたい書ではあるが、
マイクルらしいトンデモな環境テロのアイデアの面白さを最大限に評価しても
5点といったところか。
内容的には、物語の時点も既に過去となっており、SFと言うて良いかどうか疑問な点
もある作でもあるが、大部ながら、会話文が多いためスイスイスーダラダッタ…と読み
進みことが出来る。
人為的な環境テロにより地球温暖化の危機を煽らんとする環境団体(組織上部の真の
目的は、組織の維持のための資金集めである)、これに対するは、
インディ・ジョーンズの環境学版のようなタフな学者(諜報エージェントも兼ねる)、
彼の姪の格闘技に長けた女性弁護士、高齢ながらタフガイな大企業の社長、
知恵あるしっかりものの美人社長秘書、そして主人公である愚痴は多いがハンサムな
好漢の弁護士等々、彼ら彼女らが仕掛けられた環境テロ(氷山爆破、人工的な津波等)
の企みを次々に打ち破り、ほぼ水泡と化してゆく…
ハリウッド製アクション映画のシナリオを読まされているかのような御都合主義と
類型的なキャラの続出には、いささか(注 先生ではない)うんざりさせられないでも
ない。
余談ながら、突然の慶應大学(三田)の登場には、OB諸君(現在の私大最難関のため
このスレにOBがいるとは思えないが(w )は、ビクーリ、ニヤーリしたのではないかな。
ひきこもり・ニートからの脱出
また自己紹介が貼られているのですか?
427 :
426:2006/06/04(日) 00:06:03
おっとこれでは425への皮肉に聞こえるか。
424が見えないので、あの生き物が
また自分の絶叫体験を告白しに来たのかと思ったのだよ。
個人的に、ブリンの描くヒロインは大体カンに触る。
可愛いのはゲイレットくらいのもんだ。
なぜに突然ブリン?
ブリンは短編がいい。「水晶球」とか「パク博士」とか
「益病」とか傑作だらけなので、ぜひハヤカワで1冊短編集
出して欲しいよ。
ロビンスンのめくらの幾何学者っての読んだけど、
話はなかなかユニークだったけど
やっぱりセックスシーンがキモかった。
いきなりパイズリとかしてたしw
ヒロインの性格もイマイチ良くないし
Mっ気あるのかなぁ作者
あれだけ大風呂敷広げておいて、
結論が「愛こそはすべてだ」だったしなぁ……
何かもったいない作品でした。
おいらは昔々荒れた岸辺ってのを読んだことがある。
どんな話か忘れた。
菅 浩江 「永遠の森 博物館惑星」 ハヤカワ文庫
とてもすぐれた作品であった。
いろんな賞取って評価高いらしいが、それも納得の出来といえよう。
全編きっちり伏線張ってあるし、ヒロインが最後まで出てこないのもクールだ。
個人的には、受ける形の手が差し出す形でもあったのだ、ってとこがよかった。
しかし「SFならではの感動」はあんまりなかったし、かなりベタな人情モノなので、
一般書籍板浅田次郎スレとかミステリ板北村薫スレとかに向いている。
8点
>430
エンディミオンで、愛のニュートン力学云々偉そうに言いながら69しだした時も
驚いた……。
嵐の惑星ガース/E.C.タブ
新装版が出たので読んでみた。ヴァンスにも通じる異星描写が実に楽しい。
天界の音楽を響かせるといわれる嵐の惑星に集う、謎めいた放浪者、狂人、血に飢えた暴君、後継者問題に悩む女皇・・・
異常な環境に、さまざまな背景を持つ人々が放り込まれ、主人公デュマレストの活躍によって、
やがて事件は一つに収束していく。最後の活劇もスリリングでユニークなアイディアに支えられており、
クライマックスに相応しい。作中でデュマレストはほとんど武器を用いておらず、
身一つで宇宙を渡る主人公に似合った、クールな描き様だと感じた。
緊密な構成が職人芸的に見事な中篇。
8点
二剣士とかローダンとか、
同じ人物を主人公にすえた、一環した構想を元にしたのでない連作シリーズには
軽薄なアクション重視の物が多い感じで
なんか食指が動かないんだけど、8点なんて点が付く物もあるのか。
こんど読んでみます。
>>433 関係ないけど、きょう北京の本屋でデュマレストを2冊見つけた。
なんかすげーと思った。
436 :
でへ:2006/06/05(月) 21:58:01
リングワールドの子供たち L・ニーヴン ハヤカワ
リングワールドシリーズの完結編
一応、今まで疑問だった点はほとんど説明してある。
(スクライスは謎のままだが、、)
ドンパチもあるし、楽しい娯楽巨編に仕上がってました。
話題になった作品の続編としては「神の目の凱歌」
よりは面白いと思います。
評価としては、
リングワールド>子供たち>>他のリングワールドシリーズ
ですが、一通り読まないと話が通じなくなるんだな、、
8点
間違いなく星雲賞候補 小隅先生ご苦労様です。
ピーター・ストラウブ「ミスターX(上・下)」8点
「ココ」は途中で挫折したけど、これは面白かった。
無理に分類すればファンタジーだろうけど、
超能力、時間旅行などSF要素もあって、SF読みにはとっつき易い。
濃密な文体の割に、グロ描写があっさり目で上品なのも好き。
クトゥルーネタが入っているけど、予備知識なしでもじゅうぶんに
楽しめました。
前半の謎解きから後半の対決へという流れもメリハリがあって
読み易かった。
ラファティ「地球礁」8点
地球人皆殺しをもくろむ子供たちが最高。ワロータ。
メリハリのないだらっとしたプロットが、とぼけてて好き。
短編よりも好きかも。
オクティヴィア・バトラー「キンドレッド」9点
黒人差別の19世紀にタイムスリップする、
ドゥームズデイブックと似た話。これは面白かった。
「ベータ2のバラッド」はまだ誰も読んでない?
昔は「こんな本」しか書いてなかったのにねえ……orz
その本が気に入られたなら、原型中篇の
「ある晴れた日のウィーンは森に中にたたずむ」お薦めです。
講談社文庫の同題の絶版短編集に入っています
他の短編も全部いい
フィリップ・K・ディック「聖なる侵入」
あの「ヴァリス」の続編と言うことでかなり分り辛い内容ではないのかと思って
期待しないで読んだが、以外に以外、かなり面白かった上に何より分り易かった。
前作と同じく登場人物のセリフには電波が飛び回っているが、ストーリーは
謎の少女と話しながら自分の存在を知っていく少年と、アイドルのケツを追いかけまわる
その父親だけに焦点を合わせているので混乱せずに読めて、綺麗なハッピーエンドに終わったのも
好印象だった。神の良心であるジニたん萌え。
正直、巻末の大瀧啓裕氏の解説の方がはるかに意味不明だった。
ヴァリスの時といい、本当に誰が読むんだあれ。
8点
聖なる侵入はエンタテインメント性高いっすね、確かに。
普通の宇宙SFとして面白い。
ロバート・A.ハインライン「人形つかい」
6点。
ハインラインは好きだけど、
解説の森下さんが何と言おうと、
いくらなんでも古すぎ。
初訳が出たときとか
10代入り口とかに読めていれば
間違いなく楽しめたと思う。
ところで福島正実って主語全部訳してるのか、
一文ごとに“ぼくは〜した。”“ぼくが〜した。”
ってかなりすごくとてもなんだか鬱陶しい。
さらに小松左京って福島調翻訳文体にかなり
影響されてるよね?主語省略無しはともかく、
ちょっとオレサマ調。ゴエモンとか。
なんとなく癇に障ると思ってたけど今わかった。
ずいぶん幼稚な分析だな、おいw
446 :
でへ:2006/06/13(火) 00:48:48
元気なぼくらの元気なおもちゃ ウィル・セルフ 奇想コレクション
SFじゃないと思うけど奇想コレクションシリーズなので読んだ
リッツホテルよりでっかいクラック
ヤク中の描写が良い、ヤク中のどうしようも無い
ろくでなし加減が良い 8点
愛情と共感
ネトネトしたいやらしさが良い 8点
元気なぼくらの元気なおもちゃ
タイトルと内容のばかばかしい対比が良い
俺も車を飛ばすのは好きなんだが、ここまで無茶苦茶な
ドライブは爽快 自分は絶対やらないが、、 8点
ザ・ノンス・プライス
ピンと来なかった、いっぺんムショに入ってみれば
共感できるかも 7点
面白かったけどSFぢゃないや 総合評価はSFぢゃ無いので7点
447 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/06/15(木) 16:13:07
age
448 :
でへ:2006/06/16(金) 23:51:09
侵略者の平和、暗黒太陽の目覚め 林譲治 ハルキ文庫
設定は大変に良くできている話でした。
人物描写は、、、この手の日本SFには、もう慣れました。
小説を読んでいるのではなくて、パラメータの多い
シミュレーションゲームのプレイ記録を読む感覚です。
エッチな話が好きなおっさんとしては、あまりに清潔すぎて
物足りない、たとえば、この物語の「人類」には発情期が合って、、、
とか、清潔さを説明する一文があっても良いのでは、
と思いました。
昔の谷甲州っぽい話でした。
侵略者の平和 6.5点
暗黒太陽の目覚め 7点
全部読むと5冊になるけど、そんなに長さは感じさせない。
架空戦記の人だし
ここちよくひみちゅめいたところ 10てん
ないた。
よかったでちゅね。
452 :
でへ:2006/06/22(木) 21:06:49
ベータ2のバラッド 国書刊行会
ベータ2のバラッド 9点
難しくないので私にはちょうど良い
4色問題 5点
ウィリアム・S・バロウズ+数学の論文
どちらも良く分からん
降誕祭前夜 8点
おおっ、キース・ロバーツ
なので8点
プリティ・マギー・マネーアイズ 8点
既読らしいけど記憶に無い
本当に久しぶりのエリスンなので8点
ハートフォード手稿 7点
時の探検家たち 7点
どちらも手堅い感じの時間SF
ベータ2のバラッドを読むためだけでも、
この本を買う価値あり
総合評価 8点
ただし、この本はニューウエーブと呼ばれた
昔のSF選集です。
買う人はそれを考慮に入れてください。
プリマギは少年と犬の次に好きなエリスン作品だけど
全然ニューウェーヴじゃねえなあw
吉来駿作『キタイ』 2点
怖くない。
相手の正体もすぐわかる。
というか何故殺すのか理由がわからない。
ハッピーエンドかバッドエンドかわからない要素があるが、
伏線が弱すぎて狙っているのかいないのかわからん。
突っ込みどころ多すぎ。
駄作。
小林 泰三『A Ω』
分類に困るこの本。一応出版上の分類は角川ホラー文庫なのだが、ちょっとそれは違う気がする。
「ジュワッ!」とか「ダッ!」とかやるあたり、個人的にはギャグものと理解した。
内容は銀色の巨人が怪獣と戦うというのを、そのヒーローモノの定型ともいえるリスクを伴う変身、
敵に攫われ、拷問されそうになる恋人、四天王との戦いといった物語の金型を通しつつ、やけにハードなSFでもって説得力を増した上で、
グロで煮込んだら、ギャグになっちゃったみたいな話。
結局のところ『影』の目的はなんだったのだろうか。色々と推測や妄想ができそうなだけに解き明かさなかったのはちょっと残念。
どうでもいいが自分は読んだことがないのでわからないのだが、同じ作者の『玩具修理者』とこの本は何らかの関連があるのだろうか?
それともアレは単なる遊びなのだろうか?
ちょっと『影』のあたりに物足りなさを感じたので8点
コニー・ウィリス「ドゥームズデイ・ブック」
登場人物は魅力的で描写も良く、感情移入させられたところでの後半の畳み掛けは
物凄い。
のだが、事件の鍵が「発覚」するまでの紆余曲折が長すぎる。特に現代パートは無理やりのばした
ような感じで、(教授に)もうちょっと要領よくやれよ!と思ってしまった。
まあ、結局感動させられたので8点。
間500ページぐらい斜め読みすると丁度良い感じか
>>456 ウイリスの長いやつはみんなそんな感じ。
登場人物がバカすぎてイライラする。
ドゥームズデイ・ブックは中世の生活やペスト禍の描写が
なかなか迫力あるんだけど、それ以外はちょっとなーみたいな
小説だったな。
「航路」はすげーはまって徹夜で上下読み通しちゃったんだけど
後から考えると、何が凄かったのか分からないという不思議な小説
だったな。
コニーウィリスは面白かったりもするけど、何が面白いんだか
いまひとつ良く分からないのが難点だ。
「犬は勘定に入れません」も登場人物が相変わらず馬鹿ぞろいだったが
お笑い小説なので気にならなかった。
「アトモスフィア」西島大介
噂の西島大介初挑戦。
感想は、「なんだこりゃ、誰が喜ぶんだ」。
漫画というより紙芝居っぽいのは、まあ作者の持ち味ってことで了解。
ただ、話がいまいち面白くない。
ラストもどっかで見たような。
アーケード専門でマリオやったことないから、ピンとこないってのもあるが。
5点ぐらいにしときます。
「おれはおもしろかったぞ!」という方は、どこがよかったのか教えて下さい。
たぶん「喜ばせたら負け」と思って描いてるんじゃねーのかと思う
「SF史が全部入っている」
「神狩りにないものがここにある」
「想像を超える驚きの感覚を用意した」
「分身というテーマを、バラードのように限界まで突きつめた」
――西島大介 (大森望のインタビューより)
君、言いすぎだから。
痛いお人とだ……
つーか神狩りって面白かったのか。
全く印象に残ってない有象無象の一つなんだが。
神狩りは風化してしまったから。弥勒戦争はまだ大丈夫なんだが
神狩りは驚異の新人作家衝撃的デビュー、という伝説込みの評価なんじゃないの。
確かに神狩り読んだ時、「あれ、言うほどのものじゃないじゃん」と思った記憶がある。
次に宝石泥棒読んで打ちのめされたけど。
神狩りがシンプルで好き。
宝石泥棒はファンタジー部分が冗長でツマランかった。
>>460 コニーちゃんの登場人物が「バカ」っぽいのは
一重にみんながみんな、相手の話をまったく聞かない、という点なんだと思う。
これって誰かに似てるよね?
>相手の話をまったく聞かない
今川泰宏作品のことかーーーーー!
ガチャの不幸はコニー・ウィリスの登場人物と違って
「話聞かずに一緒に暴走してくれるお相手キャラ」が一人もいないということだ
さて、そろそろスルーしますか
「錬金術師の魔砲」 J・グレゴリイ・キイズ ハヤカワ文庫FT
科学革命期の科学理論が今から見たらほとんどオカルト、というのを逆手にとって
重力(親和力)をありとあらゆることを可能にする超便利ツールとして設定した世界観は
個人的には気に入った。SF派の人にはぬるいことだと思うが。
キャラ設定、キャラ配置もオーソドックスでケレンがなく、ささやかなエロ描写はある
ものの物語展開は圧倒的に健全で読みやすい。
だから内容にケチをつけるつもりはないのだが。
四分作の第一部とか、そういうことはできたら帯にでも書いといて欲しかった……
いつまで経っても風呂敷を畳む気配が見えなくて、やきもきしたじゃん。
すっげー半端なところで終わって、眼が点になったじゃん。
終わるものとばかり思ってたお話に「つづく」で逃げられてしまうと、独特のフラスト
レーションが溜まると思いませんか。
しかも第二部以降は未刊だし。どうしろと。
つまり、清明vs.道満のよーな孔明vs.周瑜のよーな、ニュートンvs.ライプニッツ
二大自然哲学者大激突の図を期待してた俺は、もにょった気持ちのまま
いつともしれない続刊の刊行を待たねばならないわけですか。
半額で買った古本に文句を言うのも大人げないが。大人げないが。ちくしょう。
ヒント:原書
479 :
名無しは無慈悲な夜の女王 :2006/07/01(土) 11:53:48
原書
流石SF板の名無し。無慈悲だな。
482 :
477:2006/07/01(土) 22:08:05
金子司という人。いい訳かどうかは分からないけど、とにかく癖のない読みやすい
文章だと思うよ。
逆に言うなら、特に魅力のある文体でもないと思う。
誰か続きを訳してこっそりメールで送ってやれよ。
オフシーズン J・ケッチャム
やっぱ出版社の意向で内容変更なんて日常茶飯事なんだね7点。
シンギュラリティ・スカイ C・ストロス 8点
とても読みやすかった。ラノベは全く読んだことないですが、多分殆んどのラノベより
読みやすいんじゃないかな。キャラは立ってるし、ノリは脳天気だし。
あの有名なナレーションがあそこで引用されるくすぐりには笑った。
マンスール大佐を何となく草薙少佐に見立てていました。(原作1巻限定ね)
作者はスキズマトリックスが好きだそうだけど、へび使い座ホットラインにも通じる気がする。
さて、我が日本の明日はどうなるんでしょうね。新共和国の様にならなきゃいいが…
なんて思わせるちょっと意地悪なお話でした。SF者はヒッピー好きだね。
エシャdとロヒャルツの革命についてもっと書き込んでほしかった個人的願望から8点。
ベータ2のバラッド 国書刊行会 7点
ニューウェーブ作品集らしいがそれっぽい作品はベイリ−の「四色問題」ぐらい。
全体としては60〜70年代前半SF短編集というところか。
ベータ2のバラッド ディレーニィ
ディレーニィは初めて読むのでアインシュタイン交点とかバベル17とかノヴァ
と比較してどれだけ面白いか解らないけど、この中編に限れば中々の佳作。
世代宇宙船にまつわる詩と真実の謎解きが心地よい。
四色問題 ベイリ−
散々あちこちでいわれているが意味不明。ニューウェーブの対極とも言える
ワイドスクリーンバロックの書き手のベイリ−がNW作品を手掛けるのが皮肉
とも言えなくもない。セックルエネルギーの話か!?
地下ン百マイルの秘密会議場にはワラタ。
降誕祭前夜 ロバーツ
全体を覆うWWI直後のミリタリーさ+英国の田園風景な雰囲気がたまらない。パヴァーヌ
もそうだけどロバーツはこういうゴシックな風景書かせると抜群だね。
シニカルなラストもパヴァ−ヌに通じるものがあって良い。
プリティ・マギー・マネーアイズ エリスン
エリスンにしては物語の破綻もなくすらすら読める。
しかしこれのどこがNWなんだろうか・・・?
なんか日本の怪奇マンガにありそうなネタではある。
ハートフォード手稿 カウパー
タイムマシン+疫病の組み合わせだと「ドゥ−ムズディ・ブック」を思い出すな。
もちろんこっちのほうが先。
タイムトラベル小説のアイデアとしてはあまり新味は感じられない。雰囲気を楽しみましょう。
時の探検家たち ウェルズ
「ハートフォード手稿」に対する補完として収録。
放りだしたようなラストはさすがに習作と思わせるが、多視点小説なのが目新しいか。
488 :
486:2006/07/02(日) 10:08:16
訂正
X 全体を覆うWWI直後のミリタリーさ+英国の田園風景な雰囲気
O 全体を覆うWWII直後のミリタリーさ+英国の田園風景な雰囲気
>487
新刊ですよー
ロバーツのを読んでみたいな。趣味に合いそう。
全作通じて「で、どこがニューウェーヴ?」って感じだったな>ベータ2
「影のオンブリア」 パトリシア・A・マキリップ ハヤカワ文庫FT
「意味ありげなだけで無内容な文章を、冗長な構成で延々続けた挙げ句、最後は
ご都合主義的な設定を持ち出していい加減にお話を終わらせたゴミ作品」
みたいな評価も、多分あり得る。
でも俺は、名作だと思う。
古い抜け道だらけで全貌を知る者は誰もない城、入り組んだ薄暗い路地が張り
めぐらされた城下町、魔法が支配し物の実在性が薄れ、幽霊が闊歩している地
下世界といった迷路的な舞台設定。
限定された展望しか持ち得ず、その場凌ぎの行動を繰り返すしかない登場人物たち。
読者に、見通しの悪い世界で一向に収斂しない物語を追わせることで、作者は
ある種のトリップ感を実現してる。
コントロールされ蓄積された見通しの悪さが、最終的に「オンブリアは影の世界と
重なり合っている」という構造に回収される。
それまでの過程で散りばめられた種々の謎が整序される結末も見事だと思う。
ネタバレになりそうなんであんまり詳しく言えないけど、フィクションのもつ幻惑感を
濃縮して取り出したみたいな、特別な読書感があったよ。
ファンタジーというジャンルでしか不可能なことをやってる作品だと思う。
個人的には、間違いなく最高級のファンタジーだ。
>>491 サンクス
すげー面白そう。さっそく探してみます。
「星を帯びし者」「妖女サイベルの呼び声」
名作だ。
パトリシア・A・マキリップは好きな作家でした。
新しい小説を心待ちにしていました。
そして「影のオンブリア」
なにも言うまい。
>>491 ここ見るまで読みかけで忘れてたよw
最後まで読んでみるか。
>>493 オレもだ。
あれの良さが分かる491は凄いと本気で思う。
なんつーか、禿同。
498 :
493:2006/07/03(月) 08:42:33
あー、でも
「冷めてしまって泥みたいなコーヒーを前にぐ〜るぐるぐ〜るぐる」
の場面は掛け値なしに「これぞファンタジー!すげー!」と思ったな。
まとめサイトの人乙。
しばらく更新なかったから心配してたよ。
わかった、おまえらw
「影のオンブリア」 が本当にすごいのかどうかはともかく
>>491 の感想は賛否いずれにせよすごいということだな。
ステル・パヴロー「暗号解読」
あのハンコックの「神々の指紋」を下敷きにしアトランティスを舞台とした
SFだがアトランティスを扱った数々作品の中でもかなり破天荒なアトランティスの設定だった。
この設定だけでも読む価値あり、だと思う。
けど処女長編と言うこともあり、膨大で無味乾燥な薀蓄の嵐や厚みのないキャラクターなど
小説としてはまだまだ未熟な所がある。ちょっと清涼院流水に通じる所を感じた。
第二作は小説としてのレベルを少し上げて、この「暗号解読」のようなぶっ飛んだアイディアを期待したい。
6点
>ちょっと清涼院流水に通じる所を感じた。
「読んではいけない作品」リストに「暗号解読」を追加致しました
アースシーではなく、ましてやハリーポッターでもない
新しい「魔法遣いの作り方」。それがこの物語。
ギフト 西のはての年代記 (1)
アーシュラ・K・ル=グウィン (著)
谷垣 暁美 (翻)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4309204643/qid=1151937585/ さる大陸の西のはて、南北に連なる山脈の北部に位置する「高地」。
そこに住む人々には特殊能力「ギフト」が一族代々に連綿の伝わっていた。
ねじり、呼びかけ、封じ、切る。そして、「作られたものを作られる前まで」もどす、など。
あいまいさを完全に排除した、これら直接的かつ強力な能力は、それでもやはり扱うのが人なので
お互いを牽制しあうことにしか使えないのだ。
そうしてお互いを、お互いの財産を、そして限りある知識すら奪い合う世界が繰り広げられていた。
これら高地の人たちが「貧しい」のは、当然のように後ろ向きにしかギフトを使うことしか出来ない、
というギフトのギフトなのだろう、「いと高き国々」がもっと貧しく描かれているのもそのためだろうと。
こんな貧しい農村の一つ、カスプロ家に生まれたオレックはとある事情から己の目を封じる生活を強いていた。
誰のためか、何のためかもわからないまま…。
ル=グィン母さんの「絵」のような描写力、名台詞、名シーンの連続に一読しただけでは
只ヶ圧倒されるだけだろう、それに相変わらず物語りにも隙がない。
三部作になる予定ということだけど、ル=グィン母さん、メルさまみたいに途中で投げないでよね。
それにしても、オレックは本当にギフトを…?
ローレンス・ノーフォーク「ジョン・ランプリエールの辞書」
7点
ハードカヴァ出たとき買えなかったので
2分冊の文庫版で読みました。歴史ミステリの扱いで出てるけど
復讐の天使出現が最大のポイントなのでホラーだよね。
サイボーグ、オートマトンネタもあるし前スチームパンク?
インド人ヒットマンが18世紀ロンドンを彷徨う異郷サスペンス?
オープニング;ジャージー島での話がやたら面白いので
軽く読めちゃうかと思ったら話が止まって1ページ読むのに1分かかる
ような難しい描写が延々続くところも多々あるので
あー、面白かったとかいうほどの読後感は無かった。
解説の杉江とかって人は天然ボケが芸風なの?
それ、最初のほうで時間の無駄だと思って投げたな。
ひさびさのなんでもありスチームパンク小説かと思ったのに。
ジャージー島のエピソードもタルかったし、
主人公が眼鏡デブなのもきつかった。
なにより個人的に、「幻想描写過多なロマン主義文学」だとか
「ギリシャ神話ハァハァしまくり隠喩小説」が大嫌いなので……
そういうのが好きな人なら読めるだろう。
>「ギリシャ神話ハァハァしまくり隠喩小説」
白ンボ毛唐ってこれ好きだよなーほんとにうんざり。
あと北欧神話、ケルト神話、フィッシャーキングも
やたらと見かける。マジウザイ。
ポール・アンダースン「折れた魔剣」
6点
北欧神話よりアイルランド妖精譚が勝ってるみたいな
なんちゃってサガだけど、
アンダースンの場合単なる趣味じゃなく自身のルーツ
(デンマーク系だっけ?)に根ざしてるので
違和感無く読める。痛快さとは無縁の暗さもサガって
そういうもんだと思って読んだので苦痛じゃ無かった。
>>505 ワットの蒸気機関は出来てたけど時代的には
スチームパンクよりちょっと前かな、みたいな。
>>506 むしろ大河エピックファンタスィの方がウザくない?
>>505 主人公の設定は、
ド近眼/長身痩躯でデブの反対だけど
最後に憧れの小悪魔少女とくっつくのは
ヲタの願望充足っぽいよね。
アーヴィング・ストーン「馬に乗った水夫」
7点
この板的にはジャンルSF成立以前の科学ロマン的諸作品の作者、
一般的には社会主義の立場からジャーナリストの視点を持った
ジョージ・オーウェルに先立つ作家、
世間的には「白い牙」とかの冒険作家ジャック・ロンドンの伝記。
なにこのノンフィクションの皮を被ったマンガ
面白すぎ。
良家の生まれながら頭のネジが外れた母。
博識で貧乏人からは授業料を取らない清廉さを持ちながら、
ジャックの母が妊娠を理由に結婚を迫ると
「インポだから」身に覚えが無いと強弁しハネつける占星術師の父。
なので私生児として出生。
母のネグレクトにより、血のつながりの無い姉
(養父ジョン・ロンドンの二人の連れ子の内年長の方、といっても
当時やっと小学校に上がるような幼さ)と黒人乳母に育てられる。
姉は乳幼児のジャックを連れて登校。
ジャックは貧乏のあまり10代になっても黒人乳母の家に
押しかけタカる。15歳のときその黒人乳母から借りた金で
牡蠣密漁船を買い取る。前船長は16歳の情婦を船に乗せていたが
もれなく船についてきた彼女をめぐって、15歳のジャックと
50男の前船長が果し合い。期待を裏切ることなく負ける50男。
密漁船を操る巧みさを買われて密漁取締官へ転進。
そのあとごく自然な流れで浮浪者生活へ(密漁取締官が?)。
貨車に潜んで鉄道ただ乗り、路上でカツアゲ、
住宅個別訪問で乞食。ある日まったく何にもありつけず、
やっと最後に新聞紙に包まれた何かをもらって開けてみると、
ぐしゃぐしゃのケーキだったので泣く。
つぶれてたからじゃ無くて、ケーキが嫌いだったから。
511 :
続き:2006/07/07(金) 13:50:21
社会主義に目覚めてその種のサークルに入る。
そこでちょっと良い家柄の青年と知り合い
その姉にあこがれ有名作家になる見込ならと婚約。
しかし娘に粘着する姑(予定)に音を上げ投げ出す。
親友の葬儀で出会ったその未亡人と、ただ家庭が欲しい
という理由だけで結婚。男の子希望だったのに二人目も
女の子だったので夫婦して寝込む。
列車で隣り合わせたというただそれだけの子連れ女性と
関係を持ったり性的自制心まったく無し。
家族で楽しくキャンプしているその場で妻子に別居通告。
離婚が認められると日曜夜に市役所を開けさせ
判事を追いかけまわして2番目の妻との結婚式を挙行。
その結婚でも生まれて来たのは女の子しかも3日で亡くなる。
子供が恋しくなると前妻との娘に許しを請うがキッパリ拒否される。
出版社からの前借で世界一周目指して船を建造。
進水の時、進水台が割れて沈没、海底に突き刺さる。
なんとか修理したが借金のため差し押さえ。
無視して出航、メラネシアでは原住民の村を襲いドレイ狩。
労働搾取をはげしく糾弾する社会主義者であると同時に
北方金髪民族を支配者とする人種思想の持ち主。
病気と借金のためボロ船(その前に経験の無い俄か素人ジャック
の設計が…)を売り払い世界一周中止。船はその後ドレイ狩り船へ。
$70,000(100年前、現在の価値はどれぐらいか知らない)
の巨費と歳月をかけた邸宅(というよりお城)が竣工引越し当日
の未明に全焼。何者かによる放火の疑い。
当時の借金$100,000。
その年の旱魃で経営していた大農園の作物全滅。
再建をはかりつつも3年後旅行に出る当日モルヒネ自殺…。
512 :
続き:2006/07/07(金) 13:51:35
なお、巻末の解説では作者の強引な解釈/センセーショナルな語り口/
誇張/事実関係の正確さの程度への疑問/女性蔑視等が指摘されてます。
解説でオチつけるんかいっ!しかし疑問なのは、本文452pも
あるのに養父ジョン・ロンドンの二人の連れ子のうち、妹の名前が
一度も出ないこと。結婚するまでジャックら家族と同居してたハズでは?
彼女の2番目の夫の名がジャックの秘書として登場するのみ。
息子のジョニー・ミラー(ミラーが最初の夫の名字か)をジャックの
DQN母が養子にしてジャックが扶養したりしてるのに。
それよりなお疑問なのは、これもともと文庫NFから出てたやつなのに、
新装版\2,625って何? 見栄えのするハードカヴァでも無く
文庫より重くてページ開けにくいだけの四六判並製なのに凶暴過ぎ。
ブッキングからのサンリオ文庫復刊じゃあるまいし。
文庫の値段も当時からすると(消費者物価上昇率とは
まるで関係無く一本調子で)2倍以上になってるけど、
\1800で出てたCDを紙ジャケ/リマスターで\2700
で再発するレコード会社より何のプレミアムもついて無い分悪質。
力作乙。
これ読んだら面白いところは大体解ったんで
「馬に乗った水夫」自体は別に読まなくていいかと思ったw
「ブレイブストーリー」宮部みゆき
映画公開にあわせて読んだ。
ファンタジーというか、まあゲームだな。多分意識してそんな感じで書いてるんだとは思うが、さすがに
「〜を手に入れた!」「新しい呪文を覚えた!」的展開はいかがなものか。あと幻界パートに関しては登場人物
のつながりや関係性の設定が浅いというか、軽いというか。
ただ、幻界に旅立つまでの生活や動機がずっしり重く書かれてたんで、ラストで主人公が現実と向き合うか
の決断はけっこうぐっときた。読み終えて、この「ブレイブストーリー」ってタイトルは良いなあと思った。
7点
映画に関しては、映像9点、ストーリー3点
(場面場面では良いとこ結構あったんだが唐突&説明不足の連続)
まあ宮部みゆきだから・・・・・・
宮部の理由はほんとにつまらんかった。
リアルに書けばいいってもんではないだろ。
あれに直木賞やるってセンスないよな。
火車はそこそこ面白かったが、
レベル7だかなんだかはつまらなさすぎて吐き気がしたよ
ジョン・ヴァーリイー 『ブルー・シャンペン』
本書は六編の作品が収められた短編集。
内容は、表題作がイマイチ面白くなく、その他の作品がいくつか面白い感じ。
個人的には『プッシャー』、『PRESS ENTER■』がお奨め。
なお、『プッシャー』はタイムマシン物、『PRESS〜』はサイバーパンク(ホラー風味)。
ちなみに、過去に読んだヴァーリイーの短編集『残像』と比べると、<八世界>の色は薄かった。
それと『残像』の方は、表題作『残像』の圧倒的な独り勝ちといった内容(短編『残像』の評価9点)だったが、
『ブルー・シャンペン』は飛び抜けた逸品が無い代わりに、平均点が高い感じだ。
評価6点
PRESSをサイバーパンクといったらスターリングの「ハッカーを追え」もサイバーパンクになってしまう気がするのだが
>>523 今みたいにパソコン・インターネットが広まってしまうと、ファンタジーの入る隙間もないが、
80年代の「パソコンでどこまでできるだろう」って雰囲気の中でしか表現できない内容かと。
で、そういうのがサイバーパンクだと個人的に思ってるので。
>>522 表題作はSFというより単なる恋愛小説だからな。
「砂漠の惑星」(新版) スタニスワフ・レム
レムの「ソラリス」といえばオールタイムベスト第一位の名作・・・とされているが、
個人的にはどうにもノリがまったりとしすぎていて退屈な作品だった。
1作だけど作者の評価を固めてしまうのもどうかと思い、新版の発売を機会にこの作品
に手をだしてみた。
・・・いや、゛ごめんなさい。レム先生。こっちはすごくおもしろいわ。
とにかく無駄な描写を省いて未知の惑星での機械生命との死闘にページを割いている。
最初から最後までサスペンスが持続している。
最後のほうの、主人公の孤独な旅にレムの心情の全てを見た気がする。諦観にみちたひとり旅。
「ソラリス」が肌に合わなかった人もこちらを一度試してみてはどうだろう?
8点
山之口洋「オルガニスト」
第10回ファンタジーノベル大賞受賞作。
最初は至高の芸術を追い求める孤高の天才オルガニストを見守るその友人の
一人称がつらつらと書かれていて、面白いがどこがファンタジーなの?と思っていたら
中盤から突然ミステリー調に変わり、そしてSF風のガジェットが登場して
「おおっ!これってファンタジーというよりSFじゃん!」と感じ、ちょっと満足。
しかしミステリーの謎解きも、ガジェットも往年のミステリファンもSFファンもそれほど
唸らせるほどの斬新なアイディアでは決してないが、この作品の魅力はそこではなくて、
全てを打ち捨てて、芸術と言うものを最後の最後まで突き詰めれば何処まで達するか?という
主題をミステリやSFを使って提示した所であると思う。
9点
あくなきオルガスム追求の物語でつね
小松左京+谷甲州「日本沈没 第二部」
5点
何この臆面の無いユートピア小説。
臆面してたら小松左京じゃないけど。
出る人出る人深くてスゴイ人ばかりなのが
恩田陸みたいでリアリティ無さすぎ。
対米認識はやっぱりベ平連てゅか戦中派。
支那のガッツキぶりは「パンドラ」でも悪役にされてたけど、
歴史上常に夷狄の侵入にさらされてきたので
対外恐怖意識から過剰に反応するって違うと思う。
単に自他の区別がつかないので手の届く範囲にあるのは
何でもオレの物としか認識出来ず摩擦とか気にしてないだけ。
谷甲州さんはクラークの設定で通俗小説書いたジェントリー・リー
でもなく共作名義で自分の小説書いたバクスターでもなく、
小松左京さんの運転手みたいな感じだったのね。
目的地と寄ってくとこは決まってるけど道はまかせる、みたいな。
その二人以外にも大勢かかわってるんでしょ?
左京のあとがきによると。
スタンリイ・エリン「特別料理」
5点
収録10作中ドッペルゲンガーものの“好敵手”と
仮想現実ものの“パーティーの夜”以外は普通の小説
なんでちょっとキツかったです。表題作も普通だった。
普通なのになぜきついの?
SFじゃ無かったから。
チャールズ・ボーモント「夜の旅その他の旅」
6点
収録15作中SFは3つぐらい。
“お父さん、なつかしいお父さん”(どうみても田中啓文作品)
“かりそめの客”(チャド・オリヴァーと共作の真正バカSF)
“叫ぶ男”(壮大なバカホラー)
あとは超自然じゃ無いけど“越してきた夫婦”が邪悪さ10倍の
ウィークエンドシャッフルみたいな感じ。
“マエストロを殺せ”みたいな普通小説が大部分だけど、
話の作り方が面白いので「特別料理」より楽しめた。
>>526さんの後追いだけど
スタニスワフ・レム「砂漠の惑星」
6点
国書のレムコレクション既刊3冊読んで
内容の難しさよりもむしろレムの気難しさ
の方が鬱陶しかったりするんだけど、
これはなんだかマイルド。
てゅかリズムというかテンポが良いのか。
主人公の名前ロハンって
Lindsay LohanのLohanかな?
幸田露伴ってことは無いよね。
この作品で、脳を初期化しちゃう勢いの磁場って出てくるけど、
それだけ強い磁場って身体自体には影響無いのかな?
>>504-508 お前らの悪評で逆に興味を持ったから「ジョン・ランプリエールの辞書」上下買って
読んでるぞ。
まだ上巻だが、冗長な描写が多いな。。。それなりに面白いかも知らんねー。
537 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/07/14(金) 23:34:34
↑
宇宙一の閑人
>>535 血流が止まりそうだよね。
いや、知らんけど。
>>536 いや、悪評はしてないから。
けど重要なネタバレ書いちゃった。
☆復讐の天使出現
☆目出度くあこがれの彼女とくっつく
>>539 いや、そう思うならわざわざもう一度強調するなよ……。
陰険な奴だな君は。
シンギュラリティ・スカイ/チャールズ・ストロス
早川の新訳ものでは久々の当たり。
ドストエフスキーかトルストイの小説の舞台になりそうな封建的ロシア系植民星に、
突如、雨のように降り注ぐ携帯電話…という冒頭から、引き込まれる。
主人公である二人のスパイのロマンスがメインプロットだが、むしろ
「相手を楽しませる」ことを条件にどんな願いも叶える「フェスティヴァル」と呼ばれる異星人(?)
が引き起こすとんでもない事態と、それに翻弄される人々の群像劇的描写が面白い。
「敵役」であるところの停滞した封建社会の軍人や秘密警察たちも、決して無能一遍に描かれるわけではなく、
かえって彼らが最善を尽くすからこそ、そのテクノロジー的、認識論的限界が露呈される結末が悲哀さえ感じさせる。
有能な指揮官と充実した装備を擁しながらも、圧倒的に異質な存在を相手に、何が起きているのかも分からないまま敗北していく
宇宙艦隊戦の描写は、迫力十分なだけに悲劇的。
人知と隔絶した超AIなど「ハイペリオン」を思わせる設定も多いが、本作はキリスト教的「愛」や人間の進化・進歩、
といったものにまったく回収されることなく、それらの価値観に恐ろしく冷笑的なところがイギリスSFらしい。
状況をひたすら混乱させるだけ混乱させて去っていくだけの「フェスティヴァル」の冷たい異質さは、
禍々しくも魅力的で、自由と啓蒙を説く主人公たちの苦闘が、その暴威の前に水泡と帰すさまは、いっそ爽快でさえある。
9点
っても異本的にはかなりスラップスティック風味でありんす
>>540って、反応がおかしくないか?
504(508)もちょっと分からんけど。
クネクネにまともな反応を期待してはいけない
ジェフリー・A.ランディス「火星縦断」
6点
理工系の人たちからすれば、
よくぞここまで描いてくれたって感じかもしんないけど、
通俗ドラマパートの方がリアリティ無さすぎ。
キャリアバリバリのロケットサイエンティストが何も
一人でジェントリー・リー役までやらなくても、みたいな。
本文550ページあるけど章が改まるごとに改頁、
しかも各章がとても短い上、
単純で分かりやすいキャラしか登場しないので
所要時間的にはその半分ぐらいの感じ。
>>541 それ昨日読んだ。なんとなく「火星夜想曲」と
ヨーゼフ・ロートを思い出しました。
そんなロマンティックな雰囲気もありつつ、
全体的にはバカSF(理工系の知識に裏打ちされた)
で面白かった。長いけど。
タイ人とストリート出身のおっさんが早い段階で死ぬのがワラタ>火星縦断
ブラジル人女性もだんまりだし、書きにくかったんだろうなあ、みたいなw
ノヴァ (文庫)
サミュエル・R. ディレイニー
伊藤 典夫
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4150115397/ おお!見よ!輝きたる太陽を!掴め、その手に!
おお!聴け!復讐の凱歌を!轟け、世界に!
数奇な運命に彩られた登場人物たちのロンド、巡り、出会い、別れ、すれ違う…。
時には手をとり、時には抱き、そして憎み合う、その様はまるで宝石にカッティングされたエッジのように、
切子面に反射する物語という光は、観る者の観る視点によって色合いを変え、輝きに沿える、
絶対無敵SF作家サミュエル・R. ディレイニー 初期長編の傑作の一つ、それが本作だ。
一つの世界を救うため、残る二つの世界の凋落を招くため、超物質イリュリオンを得るためにロークが選んだのは
多大な犠牲と引き換えにした新星爆発への突入だった。
カティン、マウスの漫才のような語らいを軸に、ロークの過去、宿敵レッド兄妹との丁丁発止のやり取りなど
まるでアレクサンドル・デュマを読むような興奮を現代SFで得たい人は是非どうぞ。
「読み解き」なんて無粋だと思う。感じるんだ。10点
>>549 あれ虎虎とどっちが先なの?
後なら若干評価落ちるかも。
>>550 解説によると、「アインシュタイン交点」の次に発表されたとのこと。
>>550 たしかディレイニーは虎のことを「最高のSF」と評していたはず。
ソースは忘れた。
むう。たしかに虎虎へのオマージュといっていい感じがするな。
でもマウスと艦長とに視点が分散してたのがちょっと印象を弱くしている。
虎虎の圧倒的パワーは視点があっちこっち飛んでても主人公はデコ刺青ひとりで、
それがまたキ○ガイめいた雰囲気をかもしだしてたからなー
マイケル・ムアコック「額の宝石」
7点(↑創元ちゃんは“マイケル”なんだよね)
エルリックはどうにもなじめ無いんだけど
こっちは設定といい、キャラといい
ガジェットやら痛快な戦闘シーンといい全部ツボ。
エルリックが女の子向けなら
こっちは男の子向けって感じ。
英国をモデルにした暗黒帝国って自虐でブラックw
>>541 バナナナメクジ萌え。
ちっ、一足遅れたか。
やはり、自分はファンタジーが好きになれない…。
額の宝石【新版】
【ルーンの杖秘録1】
マイケル・ムアコック / 深町眞理子 訳
http://www.tsogen.co.jp/np/detail.do?goods_id=3574 レムとは対極、始まりの物語を描くついでに長編にしたような作品だった。
第一部、ブラス伯爵と宿敵メリアダス伯爵との相克を描く
かなり力が入った文章、情景と物語りが彩りよく配分されたパート。個々の登場人物がよく描かれていた。
第二部、ホークムーン登場
ムアコックのヒーロー像は常に「剣を振るう蛮勇戦士」という欠点があるが、
ここではそれよりも主人公ホークムーンの数奇な運命に至る過程と一時的とはいえ
「カマルグの戦い」において宿敵を退ける戦いを描くパート。
後半の戦線の活劇も雄雄しく、まあまあの出来。敵暗黒皇帝が総裁Xなら、メリアダス公爵はベルクカッツェか。
第三部、黒い宝石沈静化まで
大味。どこへ行ってもなにをやっても大味。イッセルダ姫にケツ叩かれてどうしようもなくなって
仕方なく魔法使いマラギギ探しにいくホークムーンはなんか情けない。
ピンチの連続のように見えるが、どのピンチも結局オラダーン頼りなのもやはり情けない。
メリアダス公爵退治はなんだ、ついでだ、ついで。どうもこの辺りの展開はキン肉マンめいてる、
さらなる悪魔超人が出てくるのか、それとも結局なんだかメリアダスさん再登場の予感。なんとも情けない。
こうゆう「ラノベ」な展開は少年時代に読むにはいいんだろうが、大人になると「えー加減にせい」と思えてしまう。
なんか必殺技考えろよな、とも。
7点
作者自身が金に困って三日で書き上げたとか言ってる作品だしねぇ
>>557 三日もあればこれぐらいの作品は書けるってことか
たとえ割と力量のある作家でも、何年もかけたからといって名作になるわけでもないからな。
ヴァーナー・ヴィンジ 『最果ての銀河船団』
宇宙で商業活動を行うチェンホー船団、集中化技術を用いる独裁制のエマージェント船団。
蜘蛛型種族の文明が存在する惑星に利益を求めやってきた二つの人類文明グループ。
戦闘の結果、双方ともに装備の大半を失う結果に。
そのため、かろうじて勝利したエマージェントの指揮の元、
負けたチェンホーを含めて蜘蛛型種族の文明の勃興を待つ耐久生活へ。
ストーリーは、エマージェントとチェンホーの共同生活、蜘蛛型種族の文明世界を交互に交えながら進んでいく。
『遠き神々の炎』と微妙に被る内容があって、『遠き〜』を読んでいるとニヤニヤする箇所あり。
といっても、『遠き〜』読んで無くても本作は楽しめるから問題ありません。
チェンホーの臥薪嘗胆、ファム・トリンリの狸っぷりに心を打たれた。
あと、エマージェントの集中化技術が気味悪かった。
個人的な好みは、『最果て〜』>>>>『遠き〜』でした。
評価8点
ジョナサン・キャロル「パニックの手」
「黒いカクテル」
7点
奇想と(ブラックな)ユーモアと物語運びの
バランスがカンペキ。収録作全部ハズレ無しだった。
けど津原さんの解説にもあるけど、
なんでわざわざ薄い二分冊にすんの?
5百数十ページぐらい文庫で普通じゃん。
両方合わせて\1512って
1135pの「カズムシティ」と同額です。
エリック・マコーマック「隠し部屋を査察して」
6.5点
上のジョナサン・キャロルと比べてバランスとかは最初から無視。
ユーモアは前面には出ないけど(文章じゃ無くシチュエーションで
表現してる感じ、意味無く家族に命をつけ狙われる少年とか)、
でも笑える。一部乾いて引きつった笑いw
ロマンティックでもあるけど奇想の止め処無さはほぼパンク小説。
収録作は巻末の方ほど前衛/不条理さが増してく感じでした。
トーマス・オーウェン「黒い玉」
6点
2時間で読んじゃったけど、
奇想よりは雰囲気で勝負な感じなので、ヒマがあったら
再読してみたいような感触はあった気がする。
これも分冊の半分みたいらしいけど、
「パニックの手」の二ヵ月後に「黒いカクテル」が出た
キャロルと違って9月の刊行予定に見当たらないんですけど。
わーい、積んどいた本ぜんぶ読んだ。
今夜から「イリアム」と「カズムシティ」読むんだ。
…一晩じゃ無理だけど。
>>563 積読本読了か・・・おれには夢のまた夢だなorz
>>549 ノヴァの良さが全くわからない俺は逝ってよし?
虎虎もあまりおもしろくなかったんだよなあ。
積読本、あと……400冊ぐらいはあるかな……orz
>>566 一回古本屋に売ってリセットしたほうがいいんでは?
週末に「イリアム」と「カズムシティ」読んだら
S-Fマガジン発売前に残りもちゃちゃっと片付けちゃお、
と思ってたところ、「七王国の玉座V」がT・U巻の二割増ページの上
「ティンカー」が合本版エルリックよりも分厚かった件。
来週の「メモリー上・下」発売までに読みきれるかなぁ…
8月上旬にはケン・マクラウトも出るだろ
個人的にはこれが本命
ヴァン・ヴォクト「宇宙嵐のかなた(新版)」
差別のために地球から逃亡したデリアン人/非デリアン人/混生人がマゼラン星雲に築いた
星間国家<50の太陽>と彼らを地球帝国の版図に組み込もうとする地球戦艦スター
クラスター号の虚々実々のコンゲーム(だましあい)を描いたスペオペ。
ハヤカワSF文庫創刊当時に発売されたスペオペだが、ガジェットのかっこよさは現在でも通
じるな。
「全長10km、船内の各エリアは転送装置で結ばれ、緊急時に1000の小型宇宙船に分裂できる
地球戦艦スター・クラスター号」
「転送装置の実験のアクシデントで偶然産まれたミュータント、デリアン人」
「美貌のうら若き(35歳だが・・・)女性艦長」
宇宙船内での権力闘争は「宇宙船ビーグル号」、デリアン人/混生人の描写は「スラン」
という風にヴァン・ヴォクトの他の作品思わせる描写もある。
スペオペの常としてこの作品でもラブストーリーがあるんだけど、よくある「ヒーローと
ヒロインが一目合った瞬間恋に落ちた」的なものとは一線を画していて中々面白かった。
・派手な宇宙戦闘よりもだましあいが好きな人
・一風変わったツンデレ女艦長(くり返すが35歳・・・)が萌える人
・ミュータント/超能力キャラが好きな人
にオススメ。
7点
「ニューヨークの魔法使い」 原題 Enchanted, Inc.
ガーゴイルとか、羽の生えた人とか、耳の尖った人とか、
なぜか不思議なものが見える以外は普通すぎるぐらい普通の娘さんが、
都会の不思議な会社に転職する。
好感の持てる男性と出会い、女同士の友情も忘れず、
自分の持てる特別な能力(いや、むしろ、持たざる能力?)に気づき…という、
まあ、それなりに大人の女性向けラノベって感じか。
田舎出身の主人公のキャラクタがいやみがなくどこか呑気で、こういうの好きな人は
面白く読めると思う。
↑で、何点なの?
ダン・シモンズ 「イリアム」
5点
何この「戦乱の大地」の轍。
視点人物は;学師のホッケンベリー、おぼっちゃんのディーマン、
モラヴェックのマーンムートの三人?。お行儀よく順繰りに
話が進み、登場人物入り乱れプロット絡み合ってワケワカメ
とかにはならないので意外と読みやすいです。
しかし、その三人とも感情移入しづらいキャラな上、
文章がとにかくクドくて長い。
で、長い長い760ページ(本文)読み終わったところで
続篇を待て…って、ナメてんかーっ!!
逆に300ページぐらいにまとめてたら傑作だと思うんだけど
米英の人たちってそうは考え無いのね。
集中力がなかなか続かず結局読むのに8時間かかった…
とか言っといて続篇出たら意地でも読んでやる。
「オリュンポス」1000ページカモーン!!
アレステア・レナルズ 「カズムシティ」
6.5点
レナルズのテーマはエンジニアリングうんぬんとか
って訳者あとがきにはあるけど、
理工オンチにとっては普通に楽しい探偵アクションでした。
追われるレイビッチがDQNと思いきや以外に高潔だったり
追う“おれ”がアイデンティティクライシスに陥ったり
しちゃうところはちょっとアンドロ羊風味?
けど自分自身ももしかしてアンディさん?とか疑いはじめる
デッカードと比べても“おれ”の場合はもっとハンパないぜ。
おれだとばっかり思ってたおまいが実はあいつでそいつが
おれのいやおまいの、ちげーよだから…みたいな。
「イリアム」とどっちが面白かったって言うと迷わずこっち。
でも「啓示空間」と比べたらあっち。「カズムシティ」の方が
読みやすいけど。
しかし長くてダレる部分(主観)もあってページに白いとこも
多いわりに所要時間は「イリアム」と同じぐらいかかりました。
前日から持ち越した眼精疲労(↑こいつのしわざ)のせいとか言ってみる。
「さようなら、いままで魚をありがとう」に
アメリカの出版社がやたら分厚い小説を出す云々
ってくだりがあったけど、20年を経てイギリスもいっしょ。
ウイリアム・テレンス・マッカーシィ「コラプシウム」
個人的にハヤカワラノベ風イラストSF第二弾として、啓示空間に続いて買ってきたこの本。
内容はなかなかのハードSFでした。
遠未来、人類はコラプシウム、ファックス装置による不老非死が実現され、
その遺伝子に根付いた女王を象徴とした王国が形成された太陽系。そこで超光速通信の為の巨大な宇宙工学物である
リング・コラプシターで生じた事故を解決するために、主人公のカイパーベルトに引きこもる自分だけの惑星を持った
女王を凌ぐほどの大金持ちのコラプシウムの発明家であり、専門家のヒキコモリが活躍するお話。
コラプシウム、ウェルストーンといったSFガジェットは専門家だけあり、『竜の卵』並みにハードだが、物語自体は
一日で大発明を成し遂げる主人公とか、事故で11歳の捜査局長になった表紙の少女とか、何度でも膜が復活する処女王とか、
どっかのエロゲでありそうなほどにライトで、非常に読みやすい。
また、非死になって、さらに分身を働かせたり、再統合したりする時代だが、そうなった第一、二世代あたりの物語ということもあり、
『ディアスポラ』ほどには吹っ飛んでおらず、人間的で面白い。巻末の資料も充実しており初心者むけのハードSFとしていいかもしれない。
ただ、ラストは少々安直すぎ、さらに伏線があってもいいんじゃないかと思うくらいにハッピーエンドなのが残念。
7点
正直「アグレッサー・シックス」の方が
妙な(異様な?)面白さがあって良かった。
577 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2006/07/24(月) 22:29:43
「日本沈没 第2部」を買おうかどうか、小1時間迷った末、スルーした。
谷甲州の名を見て「パンドラ」を読んだ時の怒りと失望がビビッドに甦って来た
からである。
この谷(注 アテネオリンピックで負傷したヤワラちゃんの旦那ではない(w )作品
に限らず、藤崎の「ハイドゥナン」もひどかったし、マエストロの作品に目を転じても
「銀齢の果て」の筒井堂には、かってのハイスピードな斬れ味は感じられず、
「虚無回廊3」の小松御大には、これからどこへ行くのか不安を感じさせるものがあった。
(そもそも完結するのか…)
海外作品の「ディアスポラ」もヲタ向きの難解なだけの作であり、期待した手練れ
クライトンの「恐怖の存在」もハリウッドの水に馴染み過ぎたというか、
安手なストーリー展開は失望の極みであった。
*上記の作品群に関する詳細なる論考に関しては過去ログを熟読すること。
21世紀も既に6年目、その年も半ばを過ぎた。
俺たちは、既にかってのSFが描いた「未来」の一部に住んでいるのである。
そろそろ、俺のような読書人も満足させるアーサーの「幼年期の終り」、
スタニスワフの「ソラリスの陽のもとに」、本邦の作なら小松御大の「果しなき流れの果に」クラスの作品が登場して来るべき時である。
さもないと、SFはミュータント並の無気味なヲタがむさぼり読むような異本という
イメージが定着してまうぞ(w
> この谷(注 アテネオリンピックで負傷したヤワラちゃんの旦那ではない(w )
この部分は未来永劫語り継がれる事になろう
スルーしとけって
つうか自演じゃろ……
sage進行のスレが上がってておかしいと思ったら……。
>>577 最近来ないから心配してたぜ
捕まったのかってwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
夏休みでつか?
ミス住は年中夏休み
別にダンナじゃなくてヤワラ自身も谷なのだがな
おれも毎日が日曜日
俺なんか毎日が日曜日の午後六時以降だよ
>「日本沈没 第2部」を買おうかどうか、小1時間迷った末、スルーした。
平日から本屋で、たった1冊の本を買うかどうか小一時間も迷ってウロウロするオヤジってw
無職ってやだねーw
ビンボーくせーw
いや、マジで貧乏の身には最近の書籍価格はこたえますから
ワトスンの『スロー・バード』と
カードの『無伴奏ソナタ』、どっちもハイレベルな短編集だった。
どっちも8点で。
592 :
石川誠壱(アジェンデ) ◆vxLXv2XtyY :2006/07/26(水) 03:06:13
石川誠壱(ミステ住)さん自作自演売名行為はやめてください。
593 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2006/07/26(水) 22:06:21
ここで、この1年半ほどの間に俺が読んだSFを列挙おくこととする。
(再読も含む)
順列都市 山椒魚戦争 模造記憶(作品集) 猿の惑星 シリウス
人類補完機構 第81Q戦争 パンドラ アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
マイナス・ゼロ 夏への扉 2001年宇宙の旅 都市 ジュラシック・パーク
時間衝突 時の門(作品集) コンプリート・ロボット ターミナル・エクスペリメント
砂漠の惑星 ゴルディアスの結び目(作品集) 結晶世界 反対進化(作品集)
日本アパッチ族 地球間ハイウェイ 継ぐのは誰か? 虚無回廊1〜3
ディアスポラ フランケンシュタインの方程式(作品集) 老ヴォールの惑星(作品集)
地軸変更計画 第六大陸 宇宙の戦士 異星の客 海底牧場 銀齢の果て(作品集)
BRAIN VALLEY ハイドゥナン さよならジュピター 恐怖の存在
我ながら自身の読書量には感嘆するものがあるが、上記作品群を総合的に評価して、
言える結論はひとつ、「SFは面白い」である。
しかし、廉価セール対象のSF&ホラー映画のVHSビデオを
底が抜けたショッピングカートに詰め込んでヨロヨロとアキバの街中を彷徨し、
メイドカフェのねぇちゃんの失笑を買っている典型的なSFヲタを見るにつけて、
「心して生きろ!」と言いたくなるのは、果してひとり私だけであろうか?
ちんちんしゅっしゅっ
595 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/07/27(木) 01:26:22
石川誠壱(ミス住)も、もう七十過ぎでしょ。不謹慎な言い方だが残された時間はそんなに長くないのにコピペですか。w
イリアム
ライトノベル風味になったハイペリオン4部作とでも言おうか
表紙がかなり重要な場面のネタバレだったのも驚いた
頑張って来年末までには続編も邦訳してくれ
597 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/07/27(木) 04:19:26
石川誠壱(書斎魔神)さん自作自演はやめてください。
>593
と、一冊の本を買うかで小一時間売場をウロウロして夏休み中の女子高生に
「何あのジジイ、キモイ」
と眉をひそめられた無職が申しております
ミス住快調に飛ばしてるなぁ。
つーか一年半であの程度の読書量で自画自賛出来るとはおめでたい奴
普通に今年半年でいい所を多く見せるために一年半なんて半端なくくりして恥の上塗り
道化コテは確かに快調にアホを晒してるね
601 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/07/27(木) 08:18:42
石川誠壱(アホ書斎魔神)さん自作自演はやめてください。
一年半であの数なら月二三冊程度じゃん。
自慢になるほどの数じゃねえよ。
むしろ年中夏休みのくせにその程度かと。
本屋でウロウロしてる暇があったらもっと読書に励みたまえ、ミス住クン。
ウェン・スペンサー「ティンカー」
7点
良く出来た面白い小説だと思います。
「イリアム」「カズムシティ」より異世界度高い上
中盤までモタりまくるので(結果本文600p超)、
結構読むのに時間かかりました。
ラストは一転ハシリ気味であれあれ〜って感じだけど、
ソレ言ったら「イリアム」もいっしょ。
続篇あるから今日はこれぐらいにしといたる、みたいな。
ヲタク女の願望充足小説にアレルギー反応出ちゃう人とは
まるで評価違っちゃうと思うけど、それは体質だから
しょうがない。命にかかわるし。二回目読むと
アナフィラキシーショックで死んじゃうとか。
一瞬、
>中盤までタモリまくるので(結果本文600p超)、
かと思ったw
>廉価セール対象のSF&ホラー映画のVHSビデオ
これは特撮オタでは?
SFオタなら発売日に即買いしてます、はい。
606 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/07/27(木) 19:42:24
他スレで怖いと言われていた「天使の囀り」を読んだ。
怖くないし糞つまんねーけど設定だけは面白いと思って読んでいたがそれすらラストでボロボロ。
面白い小説を世みたい人には読まないように注意を喚起したい。
ひどい小説を読みたい人にはお勧め。
自分の価値観が絶対的価値観ですかそうですか
>世みたい人
ま、漢字わからん奴は基本的にアウトね。
609 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2006/07/27(木) 22:21:27
>>598,
>>600,
>>602を見ると、歪んだ羨望と嫉妬を感じざるを得ないのは、
私だけであろうか?
この手の輩が、グレー・レンズマンのコスプレをしてアキバあたりを徘徊し、
「SFヲタはアホ」というイメージを対世間的に強めてしまっているのであろう。
そもそも、
>この1年半ほどの間に俺が読んだSF
と記したとおり、ここに列挙したのはSFの範疇にある作のみである。
私の読書は専攻であるミステリは勿論のこと、純文学、ノンフィクション、
社会科学諸分野等に及び、併せて論考の作成まで行なっている次第である。
しかし、SFというジャンルひとつ見ても、あらためて自身の審美眼に
敬服せざるを得ないものがある。
610 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/07/27(木) 23:41:13
最近レスしちゃう人いるけど、スルーしようぜー
612 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/07/28(金) 00:06:24
>>611 石川誠壱(アホミス住)さん自作自演レスはやめてください。
/ ̄ ̄ ̄\
ミミミ 丶
ミミ /一◎-◎-)
(9 U (_ _) )
| ∴) 3 ) 歪んだ羨望と嫉妬を感じざるを得ないのは、私だけであろうか?
/ \_____/
>>593はどうせまた読んでもいない本のタイトルだけをどこかから
寄せ集めて作った見栄っ張り未読魔神のインチキ・リストだろ。
まとめサイトにも過去ログにも、読んだ感想どころか読了報告すら
ないんじゃ、本当に読んだと信ずるに足る根拠がどこにもない。
第一、本当に読んだ本なら長篇か短篇集かを間違えるはずがないw
>>606 同じく他スレの評価を見て読んだけど、読みやすくてよかったですよ。新品を買ってしまったの
はもったいなかった気もしたけど。
とくに新味はなかったけど、まぁそこが読みやすさにつながってるのかなと。娯楽として及第点
には達していると思いますよ。比較対象が上すぎるのでは?
>609
読書家にとってはその程度当たり前。自慢するだけ恥晒し。
だいたい社会科学系の板でお前の自称論考なんて見たことねえぞ。
あるなら言ってみろや。
どうせウソだろうがな。
>609
俺は君に加えて自然科学、哲学も読んでさらに君みたいな無職じゃないけど
嫉妬するなよw
ま、バロールって言ってたしなw
日本沈没2を買う買わないで小1時間悩む奴の審美眼ってどうよ
>609
ミステリ専攻ってミステリー板にお前の書き込みなんかねえじゃん
621 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/07/28(金) 19:23:04
>>615 そうかぁ??
全然怖くないじゃん。ラストの人体変形の設定なんかまるっきり非科学的なデタラメだし。
最初の方が面白くてよくできた設定に見えたんでラストで本当にガッカリしたよ。
622 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/07/28(金) 19:27:31
チャールズ・ストロウの シンギュラリティ・スカイを読んだ。
まあこの作品だけだと評価しにくい。
シリーズ化のようなので今後に期待汁。
だが2ちゃんのSF板でこの本の評価が出てないのはなぜ?
623 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/07/28(金) 19:54:58
ミス住の読書量は感嘆すべきものだな。教養に乏しい板住人は肝に銘じろやクソが。
625 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2006/07/28(金) 22:32:02
SFヲタの依怙地というか、狂っているというか…唖然とせざるを得ないものがある。
哲学や自然科学まで読破しているような者が、なぜ、世の知識人から糞と断定されている
2ちゃんねるにいるのか?
合理的・科学的な説明は不可能事であろう(w
小松御大の「首都消失」をゲットしたので、論考を準備中である。
各人、心して待て!
626 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/07/28(金) 22:36:37
>>577 > 21世紀も既に6年目、その年も半ばを過ぎた。
> 俺たちは、既にかってのSFが描いた「未来」の一部に住んでいるのである。
> そろそろ、俺のような読書人も満足させるアーサーの「幼年期の終り」、
> スタニスワフの「ソラリスの陽のもとに」、本邦の作なら小松御大の「果しなき流れの果に」クラスの作品が登場して来るべき時である。
> さもないと、SFはミュータント並の無気味なヲタがむさぼり読むような異本という
> イメージが定着してまうぞ(w
SFの未来がどうのこうのと言っているから、どれだけ最近の作品に目を通しているのかと思ったら、
>>593をご覧ください、質量ともに貧弱なこと貧弱なことw
21世紀云々ぬかす奴ならば今世紀に発表された作品を相当量読んでいなければおかしいのに、
また当然まだ翻訳されていない作品を、原文で読んでいなければおかしいのにw
それは当然スレ内でも大いにバカにされているのですが、それに対する反論が
>>609 > >この1年半ほどの間に俺が読んだSF
> と記したとおり、ここに列挙したのはSFの範疇にある作のみである。
> 私の読書は専攻であるミステリは勿論のこと、純文学、ノンフィクション、
> 社会科学諸分野等に及び、併せて論考の作成まで行なっている次第である。
他のジャンルの読書なんか関係ないということが全く理解できておりません。
その他の本を何千冊読んでいたとしても、SFを読まずしてSFは語れないってw
ミス住とクネクネが化学反応起こしとる
628 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/07/28(金) 22:39:40
SF板ってガチガチ理系の高学歴・技術者・研究者も多いのにね。
一見ヲタなネタスレでも科学的検証(ネタだからこじつけだけどw)してたり。
論考(プ なんて、真面目にいくらでもできる板だよ。
ミス住の知識じゃ、無理だろうけどね。
実はヲタが多いのはミステリってのも、どう思ってんだか。
知らないだけ?認めたくないから?
スルーしろよ、馬鹿
630 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/07/28(金) 23:11:24
/ ̄ ̄ ̄\
ミミミ 丶
ミミ /一◎-◎-)
(9 U (_ _) )
| ∴) 3 ) 各人、心して待て!
/ \_____/
ハルヒでも読んでみたらぁ
633 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/07/29(土) 00:14:15
石川誠壱(ミステリ板住人)さん自作自演はやめてください。
626も自演だったら
本気で凄いと思う、
ていうか、何か別の病気だな。
病気病気
>>625 >哲学や自然科学まで読破しているような者が、なぜ、世の知識人から糞と断定されている
>2ちゃんねるにいるのか?
その糞と断定されている2ちゃんで自称「論考」を書き込んでるお前は糞の代表か。
自分が糞だという自覚はあるんだw
>哲学や自然科学まで読破しているような者が、なぜ、世の知識人から糞と断定されている
>2ちゃんねるにいるのか?
>小松御大の「首都消失」をゲットしたので、論考を準備中である。
>各人、心して待て!
要するに自分が糞だと主張してるのですか、このヒトは?
ここまで矛盾したことを書けるのは一種の才能?
いや単なるバカかw
>哲学や自然科学まで読破しているような者が、なぜ、世の知識人から糞と断定されている
>2ちゃんねるにいるのか?
じゃあ↓はウソだったってことだな。自白乙!
>私の読書は専攻であるミステリは勿論のこと、純文学、ノンフィクション、
>社会科学諸分野等に及び、併せて論考の作成まで行なっている次第である。
>625 名前: ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 投稿日: 2006/07/28(金) 22:32:02
>SFヲタの依怙地というか、狂っているというか…唖然とせざるを得ないものがある。
>哲学や自然科学まで読破しているような者が、なぜ、世の知識人から糞と断定されている
>2ちゃんねるにいるのか?
>合理的・科学的な説明は不可能事であろう(w
>小松御大の「首都消失」をゲットしたので、論考を準備中である。
>各人、心して待て!
自然科学と哲学については「読んだふり」すら出来ないようですw
じゃあ自然科学や哲学系のスレが2ちゃんに存在してるという事実を「合理的・科学的な説明」してくれや。
しかし自分の自己顕示欲を満たすのに厄介な人物は存在しないとは、まさに狂人の理論ですなあ。
640 :
617:2006/07/29(土) 07:03:30
ハハハ、俺は存在しないことにされたよ。
ミステリ君必死過ぎw
自然科学の本を読むのがそんなに不思議?
ハヤカワでもいっぱい出てますが?
本屋で小一時間悩んでる間に目に入らなかったのかい?w
641 :
でへ:2006/07/29(土) 07:09:08
戦争を演じた神々たち[全] 大原まり子 ハヤカワJA
大原まり子が、こんな話をかけるとは予想だにしなかった
特に、「楽園の思い出」以降の話がすごい、
筒井の「旅のラゴス」や、作者は忘れたが「シュナの旅」
を思い起こさせる、架空世界の中のフィクション
大原まり子の今までの作品で楽しめた気持ちのいい
「気持ち悪さ」、大原まり子にしかかけないような
スプラッタシーンなども堪能できる。
今まで「ハイブリッド・チャイルド」が最高傑作だと
思っていたが、最高傑作はこれで決まり!
5年前の作品を、何を今更、と言われても仕方ないが、、、
8点
642 :
でへ:2006/07/29(土) 07:09:55
ストリンガーの沈黙 林 譲治 ハヤカワJコレ
ウロボロスの波動はいまいち面白くなかったが、
これは面白かった、相変わらずの設定厨ぶりに、
思弁的な要素も加わって、読み応えのある話に
なっていました。
最後のファーストコンタクト場面も面白かった。
期待してなかったけど、、、人物描写も、若干の
改善あり
8点
まさに狂人コテだな。
やれやれ。
かまってもらうと喜んで粘着するのでスルーしましょう。
クネクネのはしゃぎぶりが痛すぎる……w
おつむが同程度の仲間を見つけたのがそんなに嬉しいか。
ミス住のふりしてコピペまでしちゃって。
SF板の住人がもうおまえの手の内を読みきって相手しなくなったもんだから、
電波にからむしかない訳だ。
哀れだな
もう二人で手に手を取りあって無人島にでも行くといいよ
ていうか同一人物じゃね?
クネクネとミス住
この狭いSF板に狂人が二人もいるなんて考えにくい。
トンケ・ドラフト「王への手紙 上」 岩波少年文庫
5点
見開きの地図にひかれて買った。
想像上の土地を描いたものにしては上出来な部類に入ると思う。
主人公ティウリは騎士見習い。
騎士になるための儀式である徹夜の祈りをしているところから始まる。
そこへ助けを求める謎の男がやってくる。
男の望みをかなえるためにティウリは儀式を抜け出し、馬を盗んで旅に出る。
そうして「王の使命を果たすために下々に追われる」というありがちなストーリーが始まるわけだが、
これがまた面白くない。全然ワクワクが続かない。
道具立ては「お家騒動」「悪い騎士」「山の隠者」「主人公を助ける城主の娘」などと豊富なのに、
描写が地味だし、いちいち展開がのろくて切迫感がない。
一度わくわくしてから次にわくわくするまでかなり間がある。
このとろい語りは「ホビット」に似た感じで、おそらく子供向けのリズムなんだろうと思う。
子供のころに読んでいればそれなりに面白かったのかもしれない。
過去50年に出たオランダ児童書の中では一位だったらしい。
オランダの子供って地味好きなんだな。
>>648 >想像上の土地を描いたものにしては上出来な部類に入ると思う。
「ものにしては」はヘン。
「想像上の土地を描いた」作品は概して質が低いというわけではあるまいし。
「ものとしては」かな?
650 :
648:2006/07/29(土) 12:13:47
指摘ありがと。
>想像上の土地を描いたものにしては上出来な部類に入ると思う。
というのは巻頭の地図の話なんだ。言葉が足りなかったようですまん。
651 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/07/29(土) 13:00:44
ミス住はハヤカワで自然科学の文庫シリーズ出てるのをどう説明するんだろうね。
私も数冊読みましたが。
ミス住の知能じゃ「数理を愉しむ」なんてシリーズがあること自体理解不能なんでしょうねw
652 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/07/29(土) 13:01:59
ミス住はアシモフの科学エッセイなんか知りもしないでしょうねw
ミス住、年間で読んでいるの百冊程度だろ。
読んだ本をいちいち全部スレに報告しているようだしな。
しかも再読多いし、最新刊はまったくといっていいほど読んでない。
評価が定まった本でないと手を出さないという癖もあるしな。
だから読む作家も著しく偏っている。
・・・どんな読書人なんだよ!w
>>650 それは説明しなければ
多分誰も判らないと思うw
654 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/07/29(土) 13:56:31
狂人はむしろミス住叩きをしている連中だと思うけどなあ。
80スレも叩きスレを続けて粘着したり、いちいちレスの揚げ足を取って喜んでいたり、とてもまともな連中だとは思えない。
>>655 あんたも気違いに構わないでくれよ
何言ったって無駄なんだからさ
657 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/07/29(土) 14:33:01
だから最悪板からコテハン叩きを大義にして荒らしているのが真相なんですよ。
>>654 連中っていうか一人ですから
>>655 クネクネはどうして他板からのコピペまでしてSF板を荒らすの?
659 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/07/29(土) 15:49:57
最悪板の粘着荒らしがミス住のふりを装ってコピペしてるのが真相でしょ。しつこさとかメンタリティが似てるからすぐわかるよ。
最悪板の粘着荒らしっておまえ自身のことじゃないのか?
>>658 俺ミステリー板にもよく行くから知ってるのだが、この狂人コテは最近自分で最悪板から
自分を叩くスレをコピペしまくって住民に嫌がらせしている。
あっちではIDが出るのだが、コピペしたヤツとミス住が同一IDだった。
つまり全部狂人コテの自作自演なの。
クネクネがコピペ魔と堕して久しいが、
他人のコピペに手を出すほどには落ちぶれてなかったはず。
情けないな
>>661 つまりIDの出ないSF板ではクネクネもやりほうだい、と
なに、あそこまで粘着の激しいクネクネがことこの一件に関しては無実だっての?
>>643とか見るに、本来のスレの流れをさえぎってミス住叩きを執拗に再開しようとしている。
>>643の目的がミス住の弾劾より、このスレを荒らすことにあるのは明白
荒らしはおまえだ
>あそこまで粘着の激しいクネクネ
そのクネクネって何よ?
何でそのクネクネがコピペしてるって分かるの?
>>667 あれ?
>>643がスレの流れをさえぎってミス住叩きを執拗に再開しようとしたことについては否定しないの?
ていうかクネクネの手口そのものじゃん
ほんとに同一人物なんじゃないの?>クネクネとミス住
SF板にミス住が現れた直後にクネクネも出てきたし。
現時点でスレの流れをさえぎってるのはクネクネクネクネ騒いでる一人だけだわな
とっとと消えろ
流れさえぎってるのは最近SF読んでないからなにもかけないおれ(とその同類諸氏)だ
>>668 否定できるはずもない。まさにそれが目的なんだから。
>>643と同じく
>>651も
「スレの流れをさえぎってミス住叩きを執拗に再開しようと」したもの。
つくづくクネクネはしつこいというか粘着だね。
>>670 ミステリー板と同じパターン。
ミス住がアホな書き込みして、当然の結果笑い者になると、突然「ミス住を支持する」人物が
現れてスレに貼りついてミス住を叩くなって荒らす。
そうやって最近スレをひとつ潰したばっかり。
マジでミステリー板の害虫。
ホント消えて欲しいよ。
SF板まで荒らすなっての。
>最近SF読んでないからなにもかけない
だから感想も書かずにスレを荒らすの?
>>673 要するにコピペをバラされて逆ギレしてるってことか。
ウザイから消えろミス住。
>>676 ?
意味がわかりません。
バカにもわかるように説明し直してくれ。
つーかミス住叩きらしいコピペなんか昼過ぎで終わってるのに
ずっと貼りついてクネクネクネクネ喚いて必死でミス住擁護してるお前、
ジャマだから消えるか、スレタイにそった書き込みをしろ。
>>642が感想を書いているのに、
>>643が流れをさえぎってミス住叩きを執拗に再開
>>648-650が感想を書いているのに、
>>651が流れをさえぎってミス住叩きを執拗に再開
ま、ミス住を心の底から憎んでいる善良な一般人だというわずかな可能性が残るにせよ、
(それにしてもスレの流れを読めない阿呆だが)
これはどう考えてもミス住の荒らしに乗っかった二次荒らし。
図星を指されるとミス住の自演のせいにして、またぞろ二次荒らしを始める。
あんたの手口はお見通しなんだよ。
>スレタイにそった書き込み
してますが何か?
ただしすぐ流れをさえぎられますがね。
>(それにしてもスレの流れを読めない阿呆だが)
ご自分のことがよく分かっていらっしゃるようで結構。
じゃ消えてね。
>>681 それってまさにクネクネの手法
まだ生きてたんだ
>>681さんは
>ミス住を心の底から憎んでいる善良な一般人
なの?
あげつらうことはできても
>>679は否定できないんだ?
クネクネ騒いでる一人も2次荒らしの同類だなこりゃ。
>>685 >>679みたいなこと言われたくなけりゃ、感想だけ書いて黙ってろって話
まあそれができないんだろうけど
>感想だけ書いて黙ってろって話
他人に要求する前に自分から実践しましょうね。
>>679みたいなこと言われても、この人は何も感じないでしょ。
それこそ数年間に渡りSF板の各スレで同じようなことを繰り返してきたんだから。
ほんと一度病院で見てもらったほうがいいよクネクネ。
恥じゃないから。
単純にうざいってのはあるけど、一人のSF者が数年間に渡ってこんな状態に落ちこんでるのを見てらんない。
ディレイニー「ノヴァ」
6点
ディレイニーは「虎よ!虎よ!」のファンらしいが、
この作品は特にワイドスクリーンバロックというわけではない。
プレアデス連邦と地球の勢力争いを決する物質イリュリュオンの争奪戦。
コワモテ船長と吟遊詩人と小説家志望の若者を主人公にして話が進んでいく。
過去と現在が入り乱れる構成だが、それが特に効果を及ぼしているわけでもなく、単に読みづらい。
仇敵プリンス・レッドは仇敵というガラではなく、ただの気持悪いシスコン。
プリンスの妹ルビーの底意地の悪さは面白かったかな。
ちょっと書き割りっぽかったけど。そういうところだけワイドスクリーンバロック。
ノヴァを見てしまった老人、音響兵器?シリンクス、霧海の船。プレアデス方言などの小道具は面白いんだけど、
いまいちそれが大筋にからんでこない。
かと言って「虎よ!虎よ!」ばりに八方破れのエネルギーでもって散開してしまうわけでもない。
全体的にちょっとお行儀が良すぎて物足りなかった。
ストーリーとしては破綻がなかったので5点。
それに奇想を評価して1点プラス。
689 :
667:2006/07/29(土) 17:49:12
>>それこそ数年間に渡りSF板の各スレで同じようなことを繰り返してきたんだから。
>>ほんと一度病院で見てもらったほうがいいよクネクネ。
君の言いたいことは、ミス住を叩いているのが「クネクネ」なる一人の人物で、そいつが数年来ずっと
2次荒らしを繰り返してるってこと?
悪いけど俺にはそっちの方が妄想に見えるけど?
君の言う「クネクネ」の意味が正直わからんから
>>667で聞いただけなのに俺まで「クネクネ」に
なっちゃったし。
ま、スレタイに沿った話に戻したからこれ以上は言わんが、勝手にクネクネと決め付けられたままじゃ
かなわんからな。
じゃ。
>ディレイニーは「虎よ!虎よ!」のファンらしいが、
それは初耳。
どこに書いてあった?
691 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/07/29(土) 18:03:17
二次荒らしをしてるのはミス住を叩いている最悪板の連中だよ。
少なくともスレタイに沿って書き込むミス住は悪くないけど、アイツらはスレとは関係ない叩きしかしないしシャレになってないから。
有志諸君!!
もうちょっと待っててくれ。
『カズムシティー』を読み終わったら、感想書くので。
ファンタジー読みたくなって「サブリエル」読みました。
訳がイマイチで文のつながりがかなり悪く、最初は何度か挫折しかけましたが、
読み進めばかなり楽しく読めました。ダークな雰囲気がなかなか良かったです。
>>693 今日、よーやっと店頭にあるのを発見。
大笑いして投げ出した「ふざけんなぁ!(w」
一ページ一文字か?
読んでる最中の人がいるのに水を差すようなこと言うなよ
だからお前とミス住はウザがられるんだっての
少しは反省しろ。
小松左京 「SF魂」
-点(ノンフィクションの新書だから)
本日めでたく終了した日経“私の履歴書”単行本化刊行待ってる人は
これ買っとけば待つ必要無いと思います。両者間の差異は
同一口述データを日経と新潮社の編集者が別々にテキスト化したぐらい
の程度。逆に“履歴書”を本にまとめるなら新書がキャリア中心の記述
だったんで、バイオグラフィ中心に増補(加筆?)したら良いんじゃ?
ロイス・マクマスター・ビジョルド 「メモリー上・下」
7点
延期されてたマイルズ・ヴォルコシガンシリーズ待望の続刊。
今年出た本で「宇宙クリケット大戦争」の次に面白かったけど、
この面白さはたぶんシリーズ既訳全部読んでないとわからないと思います
(↑なにそのイヤらしい特権意識)。
アラは無くてもツッコミどころはいくらでもあるでしょう。
救われようの無い生まれながらの障害を背負いながら
機知と才覚で閉鎖的な封建社会の枷を打ち破って生き抜いてゆく、
っていうのがマイルズの(タテマエ上の)持分。
でも今回マイルズのアティチュードは才覚より権力、機知よりゴリ押し。
スパルタの貴族みたいなヴォルの特権を振りまわすだけじゃ済まない。
遠くの惑星に派遣されてるとはいえ前首相のパパは今でもゆるぎない
政界の実力者でしょ、CIA(兼FBI兼NSA兼DIA)長官はその家臣だし
叔母は帝国のファーストレディ格でその子つまり従兄弟の青年将校イワン
の馬鹿はブーたれつつ結局手足にも盾にもなってくれるし
なんたって現職の皇帝はぼくの乳兄弟だ、文句あるか。みたいな。
しかも本作はSFならではのストーリーってわけじゃないし。
創元ちゃんのタタキにシリーズのターニングポイントうんぬん
ってあるけど、そうか今後は障害をバネに、じゃなくて
権威をカサに渡世してくんだ…とか心配しちゃうほど。
でもこのシリーズ、もともと息苦しい封建制度とネポティズム、
身分制度とコネ社会を明るく楽しく描くところが魅力。
客観性を放棄してムキ出しの好き嫌いで言っちゃうと
読んでて良かった、生きてて良かったw。
でも客観的に言うと刊行を一年遅らせたうえ、
\1029/388p(上)、\987/366p(下)って価格設定は凶悪てゅか
反社会的。おまいはちくま文庫か。
その値段じゃ初めからいつ出るか分からない翻訳待たずに
原書読んだほうが、経済的にも精神衛生上もよさそうだな
そう、そして苦労して読み終えた頃に書店に翻訳が並ぶのさw
だがその苦労は無駄に終わったわけじゃない。
ほうら、次の本はもっとスラスラ読めるだろう?
>>704 低学力のひとにそんなことを求めても共感は得られないと思うの。
ぼっけぇ、きょうてぇ いわい しまこ
ぼっけぇ、つまんね。
エロ小説だけかいててください。
2点
このスレも夏休みか
グリュフォンの卵/マイクル・スワンウィック
ニール・スティーヴンソン風テクノゴシックを思わせる盗賊譚やイーガンばりのアイデンティティ問題を扱って見せたかと思えば、、
オーソドクスなタイムトラベルものや惑星=生物ネタなんかも描いてみせる。
ダンセイニやゼラズニィへのオマージュ溢れる小品なんかもあって、とても一人の作家の短・中編集とは思えないお得感一杯の一冊。
粒揃いの十篇ではあるが、特に印象に残ったのは、「犬はワンワンと言った」「世界の縁にて」「ウォールデン・スリー」の三作。
時に「世界の縁にて」は短編として完璧な出来で、鮮やかなオチに唸らされた。
9点
“SF読んだ”って気にさせてくれる良い本だよね。
日本で存在感薄いスワンウィックの短篇集が出たのは
小川先生のご尽力のお陰だけど、
訳者あとがきでことさら思想信条強調してるのは
かえって読者がひくと思う。
逆に著者がブッシュ支持だったらそれだけ熱心に
紹介する気にはならなかったんじゃ?みたいな。
あれが小川センセーの味なんだよ!
>逆に著者がブッシュ支持だったらそれだけ熱心に
>紹介する気にはならなかったんじゃ?みたいな。
むしろSFM上で批判すると思うよ!
ブッシュ支持者の書いた物が面白そうだとは
とても思えない
グリュホンの卵、良いねぇ。
なるべく早く読んでみたいが、読むべき本が山積みでねw。
まぁ頑張ります。
ウィリアム・ギブスンの『クローム襲撃』より、
ギブスン&スワンウィックの『ドッグファイト』の方が面白かったし。
同じ卵でも不測の事態によってなくしてしまった「竜」の方を何とかみつけにゃならん俺
宇宙クリケット大戦争
ダグラス・アダムス 著
安原 和見 訳
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4309462650/ http://www.kawade.co.jp/np/isbn/4309462650 「遠い昔、遥か彼方の銀河で、ギャクサツ集団クリキット軍の侵略により銀河系は全滅の危機に陥った。
封印を破って甦った彼らを迎え撃つのは、よりによってアーサー・デントとその一行。
果たして宇宙は救えるのか!?大傑作SFコメディ第3弾!銀河大統領の若き日日を描いた本邦初訳「若きゼイフォードの安全第一」収録。」
「アーサーは幸福だった。有頂天だった。これほど計画どおりに進む一日もめずらしい。発狂しようと決めたのはほんの二十分前なのに、いまはもう先史時代の地球の野原でソファ(チェスターフィールド・ソファ)と追いかけっこをしてるのだから。」
「ぼくにはやっぱりなんの関係があるのかわからないな」とアーサー。「巻貝はどこに行ったんだ?」だんだん手に負えなくなってきたのをフォードは感じていたが、ここまで来て脱線するわけにはいかない。
ルールその六「先に勝ったほうが勝ちである」
「これはもう手遅れってことなんですね?」アーサーが不安そうな声でたずねた。「そうだよ」
「サンタ・ザークアナ・ヴーストラ!!」
面白かったパーツを集めてみました。こうですか?
これが一番最低評価というのが良くわからない。多分にハードルが高かったということなのだろうか?この時期のダグラスさんのことを思うとグロバーしてしまうよ。
アホさ加減とインチキさでは多分前作より上なんじゃないか?特にアーサーの扱いの酷さには逆に愛を感じた。
これを映画化すればよかったんだよ。単品で。10点
厨房としか思えないガチャのレスについて↓
天のろくろ
著)アーシュラ・K. ル=グウィン
訳)脇 明子
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4835442210/ DVDも出てるらしい
http://www.so-net.ne.jp/SF-Online/no45_20001127/rensai_dvdclub-body.html#1 自分から見ると実にまっとうな、どんな逆境でもナチュラルなスタンスを保ちつづけてるというジョージ・オアが
西洋社会からみればまったく異質な「精神障害者」と観られる、ということが一番のショックだった。
それにしても各ブログその他で見ると、「オアはある日、自分の夢が現実を改変することに気がつく」と
まるで冒頭の話のように描くんだけど、自分の受け取り方はちょっとちがってて、
「オアは一度、世界を救っていたときから自分の能力に気が付いていたが、その重みに遂に耐えられなくなった」と
いうのが冒頭の意味なのだと感じたんだけどな。折れたんだ、心が。
それでも、魂が潰れても、心が折れても、それでもオアという主人公のなにかは決してめげない。
まるでタンポポのように草のように、踏まれても蔑まれてもまた生えてくるような”なにか”。
それが、イアークルに耐えられたオアと耐えられなかったヘイバー博士との大きな違いだったんだろうと。
また、全体を朗らかなものにしてくれるヘザーと宇宙人の存在は、きっとそんながんばり屋さんなジョージ君への
作者からのプレゼントだったんだろう。最後の最後に、ミス・ルラッシュとの関係を獲直すタイミングを与えるあたりが
優しさのSF作家だなぁ、と感じ入った。いい話しだった。10点
717 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2006/08/05(土) 22:48:54
小松左京「首都消失」 3点
「SF魂」(新潮新書)で作者自身が書いているとおり、小松作品中では
「日本沈没」に次いで売れた作である。
内容的には、「日本沈没」以上にシミュレーション小説といった色合いが強く、
その分、SF(サイエンス・フィクションとしてもスペキュレーティブ・フィクション
の意味でも)としては物足りないものとなっている。
結局、首都東京を襲った謎の雲の正体は最後まで明確にはされないし、
(エイリアンの仕業という仮説は呈示されるものの、その目的は不明のままである)、
首都が機能停止した場合における日本という国家及び日本人のあり方という問題も、
今、一歩踏み込みが足りないまま雲の消滅を示唆する中途半端なラストを迎える。
面白いのは、首都東京の機能停止で作者の故郷である大阪や母校である京大が
大活躍かと思いきや、その商都としての伝統と感覚が災いして、経済問題を優先したため、
名古屋に首都代替機能をさらわれてしまうこと、京大も目立った活躍はせず、
この辺に、自身も関西人でありその特質を良く知る作者らしいものが感じられる。
メーンをなす主人公も、冒頭から登場するS重工社の朝倉(妻子持ちながら若手の
女子社員にモーションをかけ、アルバイトのバイク好きのねぇちゃんとニャンニャン
してしまうモテオヤジだ)が、「日本沈没」の小野寺の役割を務めるのかと思いきや、
彼はじょじょに後景へと退き、では、これも冒頭から間もなく登場する朝倉の親友である
自衛官佐久間かと思うと、彼の出番も少なくなってゆく。
結局、全編を通して一番活躍するのは、朝倉の学生時代の先輩である九州男児の中年記者田宮だというのが面白い。後には、臨時政府の広報責任者にまで抜擢される彼氏だが、
小松御大自身を想起させるような陽性でバイタリティ溢れるキャラ、作者の思い入れの
ほどが覗えるものがある。
718 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2006/08/05(土) 22:50:21
首都機能移転問題はすっかり下火となったが、
道州制導入等の地方分権論議がかまびすしい昨今、
自治体連合による臨時国政代行組織の法的正当性を巡る議論等は、
参考として面白いものがある。
しかし、現時点においてこの小説を緊迫感を欠く過去の遺物としてしまった最大の因は、
作者自身も、まえがきで記しているソ連の消滅であろう。
日本列島名物である地震により、示威行動中のソ連艦隊が大打撃を受ける終盤は、
執筆当時は、モンゴル襲来時の神風(これも日本列島名物の台風)を想起させて、
ニヤリとさせるものがあったのだが、今となっては…という感が強い。
これが3点という評点しか付けられなかった最大の理由である。
どうでもいいんだが「のろくろ」ってなんだ?
のらくろ禁止
>「日本沈没」以上にシミュレーション小説といった色合いが強く、
>その分、SF(サイエンス・フィクションとしてもスペキュレーティブ・フィクション
>の意味でも)としては物足りないものとなっている
ひょっとしてスペキュレーティブの意味わからずに使ってないか?
723 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/08/06(日) 05:43:38
724 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/08/06(日) 08:08:17
リア鬼
日本の新しい古典
名作です
シオドア・スタージョン「時間のかかる彫刻」
5点。
短編集「時間のかかる彫刻」の表題作。
よくわからんかったー。
いかがわしい治療法で癌が治って、それでどーしたっちゅうねん。
盆栽ってどういう意味だろう。何かの象徴なんだろうけど。
以前読んだ「夢見る宝石」も解らんかったし、スタージョンはどうも俺には合わないみたい。
でもスタージョン好きの先輩から借りた本なんだよね…。
短編集のほかの作品も続けて読むか、「俺には合いませんでした」と返すか、考え中…。
アレステア・レナルズ 『カズムシティ』
どんなもんじゃいー!!
……はぁ〜。
ご都合主義と不可解な動機に彩られた、意味不明な展開。
一部は伏線として機能してるかもしれないが、その他の部分はちょっと。
2001年の英国SF協会賞受賞作らしいが、よほど凶作の年だったのでは?
『啓示空間』はバカバカしい展開の中にも愛嬌があった。
しかし、『カズムシティ』はダメだ。
読み易さは『啓示空間』並みだから、ツルツル飲み下せますけどね。
個人的には、次回刊行予定のレナルズの短編集、
『啓示空間』の続編『Redemption Ark』に期待。
評価:5点
コテはスルーで
>>725 >盆栽ってどういう意味だろう。何かの象徴なんだろうけど。
意味はちゃんと書いてあったと思うが。
>>725 俺も厨房のとき、国語の時間に魯迅の「故郷」を読んで
同じような感想を書いたことがある。
大人になってから読み返すとあれは名作だったんだなと
しみじみ思えた。
スタージョンも味わうには年輪を重ねることがが必要だ。
いますぐ分かる必要はないけどそのうちまた読んでみたら。
田才益夫訳「カレル・チャペックの愛の手紙」
-点(ノンフィクション;書簡集なので。てゅかタイトル恥ずかしすぎ。)
「ロボット」「山椒魚戦争」でおなじみ、ジャーナリスト作家の
妻への19年に渡る手紙を一挙翻訳刊行。本文二段組450p.
これを訳す方も訳す方なら、そもそも19年分の手紙を取っとく方も
取っとく方だと思う。ただし1931年の丸一年含め欠落も少なくないとか。
最初の方はとにかくひたすらタワゴトの羅列で、30男が18歳の女優
(てゅか同僚の娘だったりする)に熱烈なラヴレター送り続けてる時点で
うわ、どうしようって感じだけど、どうしようも無いまま読み続けてくと、
作品執筆当時の事情とかが垣間見られたりしつつ、最後は国家消滅直前の
文字通り断末魔的な調子で終わるというなんともマニア向けな一冊です。
SF史上無視できないジャーナリスト志向の非ジャンル作家として、
ジャック・ロンドンとジョージ・オーウェルとチャペックを比べてみると
面白いんだけど、世代的に前二者の丁度真ん中に来る人(三人とも40代で
死去)。しかし波乱と淫乱の生涯を40歳で燃え尽きた、というより
灼き切れた“水夫”とか、ビルマでは象を撃ちスペインでは打たれて
生死の境をさまよったりのオーウェルと比べて経歴的には面白みの無い人
なので(ギムナジウム中退経験有りとか、職場では快活な人気者だが
私生活では憂鬱症だとか幼時の脊椎損傷によりインポだったとか、
大統領から厚い信頼を得てた、ぐらい?←面白いじゃん)この本だけ
オススメは出来ませんが、図書館で「絶対子工場」と「クラカチット」
をみつけたらぜひ読んでください。前者はジャンル成立以前に
書かれてしまった史上最強のバカSFです。
しかし生前のオリジナルより没後のコンピが多いっておまいは
NIRVANAか。あと、この訳者は意図的に先行訳とか同業者?の
訳業をシカトしてるふしがあるけど、アカデミーとは距離をおきたい
アウトサイダー(演劇やってて戯曲を原文から訳したい欲求から
チェク語を習得されたそうです)のプライドみたいのがあるのかな?
ダグラス・アダムス 『ほとんど無害』
言うまでも無く銀河ヒッチハイク・ガイドの5巻にして最終巻だが・・・
・・・
・・・
・・・
・・・いわゆる「衝撃のラストシーン」とかいうものが読みたかったら文句なく
あなたの御期待に添える話です。
楽しみを分かち合いましょう。
0〜10点。
ところでゼイフォードはどこに・・・
ほとんど無害 ダグラス・アダムズ
シリーズ最終巻。
ラスト数ページは本を持つ手が震えた。
読み終わって悲しくなった。
本当に悲しくなった。
読み返すのが辛くなるほど。
9点。
…なんだなんだ?なにがどーなってるんだ?「ほとんど無害」でどーなるんだ?
宇宙破壊爆弾(つまりクリケットの赤い玉)を偶然踏んづけちゃうとかそんなオチか?
ネタバレだが
ほとんど無害
が
無害
になるのかな
おいおいネタバレは勘弁してくれよ、何年待ったと思うんだ?
量子宇宙干渉機 J・P・ホーガン
自分にとっての初ホーガン。有名な『星を継ぐもの』でなくこちらを選んだのに特に意味はない。
内容は、言ってしまえば並行宇宙を意識だけで訪れるって話だけど、前半は人間の早すぎる進化や、
飛躍的思考の理由として、人間は元々構造として他の世界からの情報をコミュケーションできるってのがあり、
DNAの構造がそのアンテナとなっており、それを模した機械で人工的に悟りとかを得るってのが面白かった。
後半はいかにも白人っぽい、アジアやアフリカの人々がかつての恨みを晴らそうとしてるって戦争を背景に、
錯覚に惑わされた人たちの思惑とかによる、小競り合いにもつれ込んでいく。
正直、主人公の『誰かが得をすれば誰かが損をする』というのがイヤで脱出しようとするわりに、その脱出によって元々
存在していた人がどうなるのを考えなかったりする態度が嫌いで、イマイチ好きになれない主役だった。むしろ、
その共同研究者のおじちゃんの回春とか、残る決断をしたときのかっこよさがよかった。
SFガジェットは面白くて、てっきり前半の進化の話とか、そっちのほうで行くのかと思ったら
異様にこじんまりと終わってしまった気がしたので
7点
いま読めよ
いまを生きろ
光あるうち、光の中を歩め。
い、ま、が、最、高、だと、こ、ろ、がって、いこうぜ
勝手に転がってろや、ボケ
ニュートンズウェイク
ケン・マクラウド
シンギュラリティスカイと被った設定だがあっちの方が面白かったな
循環宇宙論が事実という設定や変なアジア人勢力が暴れたりする所は
バカSFっぽくて良かったと思う。
ギャングを始祖に持つごろつきが主人公と言っても堂々とジャップと表記されると驚くな
宇宙船とSEXするオタク野郎が気持ち悪くて良かった。
6点
ストロス、ハミルトン、マクラウド、レナルズに順位をつけると
どうなりますか?
なぜその並びにハミルトンが、ピーター・F・ハミルトンの方?
ニュースペースオペラ色々訳されてるけど、結局ハイペリオンには適わないなという印象が……。
>>746 そりゃオールタイムクラスじゃ相手が悪すぎるだろう
749 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/08/10(木) 20:44:29
くだらんn
ピーター・ハミルトンは最初に訳されたのが
SF性の希薄な話だったからあんまり人気ないのな。
他の読んでないから知らんけど……
ハイペリオンは結構ヒロイックな物語だけど
最近のニュースぺオペってやつはもうちょっと肩の力が抜けてるって言うか
結構シニカルな作風が売りってのが多いんでないかい?
個人的には全く話題にならなかったエヴァージェンスの
皆殺しの富野もびっくりの人材一掃セールっぷりが面白かった
えー、あんだけ風呂敷広げといてあのオチは酷いと思った>エヴァージェンス
エヴァージェンスってオーストラリアでは人気あるんでしょ?
ディトマー賞とかけっこう取ってるんだっけ
大潮の道/マイクル・スワンウィック
『グリュフォンの卵』が滅法面白かったので続けて読んでみた。
南米マジックリアリズム+サイバーパンク、あるいはコンラッドとカフカの奇怪な混合。
魅力的なSFガジェットてんこ盛りな割りに、その印象はスタンダードなSFとはかなり異質で、
ジャンルに収まらない酩酊感を味わった。
大枠は作中でただ「役人」とだけ呼ばれる男が違法テクノロジーを盗んだ男を植民地惑星に追うミステリー仕立てだが、
変身の神話でもあると同時に、自己再発見の物語でもあるし、オカルティズムに性や植民地の問題も含まれている。
そんな錯綜した構造の上に、異様な密度で書き込まれたガジェット、キャラクター、背景も相俟って、
とても一読しただけでは全貌が掴めない。
ゴーメンガーストとバベルの図書館を掛け合わせたような星間政府の本拠〈謎迷宮〉の描写だけで十分長編5本分くらいのアイディアが詰まっているのに、
それをほんの1章の挿話に留めているストイシズム(あるいは贅沢)ときたら!
10点
我孫子武丸『腐蝕の街』双葉文庫
近未来ハードボイルドサスペンス小説。
SF的な観点からすると扱われている素材は古典的で新しさはないが、
殺伐とした近未来社会の描写はミステリ畑の作者らしい
地に足のついたものでリアリティがある。
何よりキャラクター描写とストーリーが巧い。一気に読ませる。
続編があるらしいが読んでみたい。
SFプロパー作家のコテコテのSF作品に飽きた人にはいいかも。
8点
>>755 それまでB級SF活劇かと思ってたら最後唐突にあの展開だからな
素朴なオージーには刺激的だったんじゃないの
760 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/08/12(土) 21:01:28
>>593 さてアホ君が「1年半ほどの間に俺が読んだSF」と称する作品数は、わずか38点。
しかしその大半は10年以上前に発表されたものであり、
今世紀になって日本で単行本で発売されたものに限っても(つまり「地軸変更計画」さえ含めても)わずか14点。
しかも「俺が読んだSFを列挙」と言っているのに、SFマガジンさえ含まれていないということは、
SF雑誌はまるっきり読んでいない、と。
つまりミス住君、君は最新のSFはほとんど読んでいないわけだ。
まあ単に本の感想を書くだけで終わるのならそれも構わないが、
ミス住、お前は散々SFの将来がどうとかほざいていたよな?
そんなご大層なことをのたまう人間にしては、これはあまりにも貧弱すぎる読書量だぞ。
感嘆するどころか、恥を知るべきだw
>>609 言い訳にもならないぞ、こんな妄言。
仮にSF以外の本を全て読破していたとしても、
肝心のSFを読まずにSFを語ることはできないのは理の当然。
> しかし、SFというジャンルひとつ見ても、あらためて自身の審美眼に
> 敬服せざるを得ないものがある。
読んだと称する本の題名並べただけで、どうして審美眼が語れるのか全く不明。
審美眼は、作品をどのように評価するかで語るべきであるからだ。
しかも自分の判断力を自分で評価するとは、まともな神経とは思えない。
自分を褒め称えるあまり、このような狂った発言をしたことは自明だなw
>> 756
大潮の道かー。発売当時に半分読んで挫折した。
ちんぷんかんぷんだった印象しかのこってないなー。
762 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/08/13(日) 08:31:24
そういやミス住、昔こんなこといってたんだよな。(SFオールタイムベストへのいちゃもんから)
>10 アンドロイドは電気羊の夢を見るか? F・K・ディック
> 映画化作品「ブレ―ドランナー」の方が面白い。
> 原作は、理屈に走り過ぎて、折角のスリリングなシチュエーションが十分に
> 生きていない。
退屈だったのにまた読んだんですかw
読書人で知識人でほかにいっぱい論考せにゃならん御仁がよりによって退屈な本を再読ですかw
こっちはその国内篇。M・広瀬というのはどうやら広瀬正を「まさし」とでも読んだのだろう。
>4 マイナス・ゼロ M・広瀬
> アイデアは良いが、いかんせん、もう古い。
> 本作が、いつまでもランキング上位に来ているようでは、
> SF界の現状、SFヲタの問題意識が危ぶまれる。
にもかかわらず再読し、これを読んだという審美眼に自分で敬服しちゃってるんだなw
そして極めつけ
>11 ゴルディアスの結び目 S・小松
> 読み始めて、つまらないので途中でやめました。
> 「果しなき…」と比較してしまうせいか、アラばかりが目に付きます。
> いつまでもS・小松頼りのSFヲタに、強い憤りを感じてしまう今日この頃です。
今回はちゃんと最後まで読んだのかなwwwww
「大潮の道」はダメだったな。
マジックリアリズムってんじゃなくて、
筋やSFガジェットを散りばめてただ混乱させただけに見える。
もっと力強くうねるような流れがないとマジックリアリズムとは呼びたくない。
『大潮の道』は、読み終わってから「何じゃこりゃ」と笑うようなふしぎ系
だったと思う。
まあ確かにストーリーが雰囲気に屈しているところがあると思うけど、
結構好きだな。
そういや大潮っていう相撲取りがいたね・・どうでもよいですねw
バカな奴がageてるねー。
神様のパズル(機本伸司・ハルキ文庫)
「宇宙を作り出す理論」という究極の命題に
天才美少女科学者とぼんくら大学生が挑む!
んなわけでベイリーばりのトンでも小説を期待していたのだが、比較的おとなしく
展開してゆく。少なくとも理論的には文系の人間には穴は見つけられなかった。
間に、少女の身の上だとか、大学生の将来への気持ちなんかが語られていく。
読みやすい小説である。
しかし、理論は作中では明らかにされず、関係ない落ちへと繋がっていってしまった。
いわゆる青春小説であれば、挫折とその克服という展開は問題ないのだが、
SFで有るだけに、あの落ちには「うまいこと逃げられた」と強く感じてしまう。
トンでもな理論を期待していたので10点中6点としたい
ついでゆうと「ムチプリ」なカバー絵につられた訳ではない(断じて)w
アインシュタインの夢/アラン・ライトマン(ハヤカワepi文庫)
アインシュタインが時間理論完成前に見た夢という形式で、
さまざまな異様な時間概念に支配された世界を素描した連作掌編集。
とにかく、よくもまあこんなに思いつくよといいたくなるぐらい
いろんな世界が、奇妙に、かつ、宝石のように美しく描かれている。
原因と結果が不安定な世界、終末を間近に控えた世界、
1日で一生が終わる世界、1日おきに記憶がリセットされる世界、
未来が存在しない世界、時とともに秩序が増す世界、
時間が静止する世界、時間のない世界、高速の世界、
人間が永久に生きる世界、時間が質である世界、
時間が目に見える次元である世界、などなど。
カルヴィーノの『見えない都市』『柔らかい月』とか、
ボルヘスの『伝奇集』などに通ずるものがある。
楽しめました。
9点
イリアム /ダン シモンズ (ハヤカワ)
何馬鹿やってんの!?っつーくらい荒唐無稽な設定、
SF的にどうよ? みたいな部分は多いのに、
そんなのを読み手に無視させてしまうくらい
ずんずん読ませてしまうあたりが、やっぱりシモンズ凄いのかも、と。
カナーリ楽しめたけど続きもあるようだから
続きの出来が不安とうことで-2点の
8点。
シモンズは近作があんまりなんでイリアム読もうって気が起こらない
「呪われた村」 ジョン・ウインダム
この時代。中絶ってNGなんですか?
時代というか、敬虔なカトリックの信者にとって堕胎は
絶対的な悪。なぜなら、「聖書がダメと言ってる」から。
ほんの10年くらい前にも、友達の父親にレイプされて
妊娠した少女の中絶を許可するか否かで、大論争が
起きてたところがあるくらい、信者にとっては禁忌な
事項のひとつであるらしい(あれはイギリスだったっけか)。
>なぜなら、「聖書がダメと言ってる」から。
これはカトリックよりプロテスタント、特にアメリカ合衆国、
それも福音主義系のプロテスタントが強烈だな。
カトリックなんてイタリアやスペインのド田舎でもなきゃユルユルだよ。
カトリックの言うプロテスタントの話とプロテスタントの言うカトリックの話は信用できない。
カトリックでもプロテスタントでもない人はカトリックについてもプロテスタントについても良く知らない。
……宗教って難しいね。
ニュートンズウェイク
作者の「人類以外の知的生命体を主人公が皆殺しにしたって倫理上の問題は無いよ」(大意)
という男らしい発言が気に入った
>>776 面白かった?
最近、カズムシティとかイリアムとか出費が多いから、買うかどうか迷ってるんだよね。
>777
イリアムはワクワクしながら読めたけど、コレは挫折しそう。
文章書くのが苦手なガジェットマニア設定フェチが、頑張って小説書きましたって感じ。
>>778 胴衣。俺は途中で投げた。
個人的には糞SFと断定。
もちろん、こういうのを面白いという人もいると思うよきっと
>文章書くのが苦手なガジェットマニア設定フェチが、頑張って小説書きましたって感じ。
*田センセーが頭に浮かびました。
主人公をプロフェッショナルとして設定してるのに、全然プロとして描写できてないのが萎えた。
28ページ目で、訓練兵なみのポカを早速やらかしてる。
このページまで立ち読みして特に不自然に思わなければ、きっと多分、最後まで楽しめる、筈。
782 :
777:2006/08/21(月) 19:33:53
皆ありがと。
なんとなく微妙な雰囲気を感じてたんだよなあ。
回避決定。どうせエルリック買わなきゃいけないし。
装丁がカッチョイイ早川SF文庫って、微妙以下が多い気がする。
今日はグリュフォンの卵買ってきた。
ブラックホールへの命名に「邪神」を採用する、っていう発想は
かなりエポックだと思うんだ
無理して小説書かなくていいから設定資料集だけ出してくれ、買うからさ。的な作家の一人、ケンは。
ディテールにこってる割には話がつまらなかった>ニュートン
結局ドンパチやっておしまいだし
ケンはSky Roadってのだけは面白かったよ。
ただし恋愛小説としてだけど。
政治的なディテール描写が好きな人だけど、
そのへんは退屈だから飛ばした。
>787
英語読める人キター
ダンのおりむぽすの感想聞かせて下さい。
空気読まずに
ケン・マクラウド 「ニュートンズ・ウェイク」
6点
読み終わったら特にどうという感想も無いけど、
読んでるときは結構楽しかった。ノリは「啓示空間」
に近い感じ。商魂たくましい金持ち一族の令嬢が主人公
なのは女船長カイ(のガラを悪くした感じ)みたい。
いまさらだけど
ダグラス・アダムス 「ほとんど無害」
7点
ストーリーもだけどピリオドひとつごとにいちいちオチが
つくような文章が面白いシリーズなので、
のんびりゆっくり読みました。
なんか自棄的厭世的パンクなアティチュードが
ジョナサン・スウィフトみたいで、奇想ぶりは
(棄教して中指立ててる)ラファティみたい。
アイルランド系じゃないのに。
ラストが暗いとか脅されてたら全然。
むしろ、らしくて豪快にキマったと思う。
\683って価格設定は良心的。創元ちゃんなら
余裕で900円台突破してまだ槍でも構えてそうなところ。
シリーズ全作刊行ともども河出ちゃんwell done。
byたとえ原書買っても結局読み通さない
無気力低学力貧乏ファン
エドワード・ゴーリー編・挿絵 「憑かれた鏡」
5.5点
超メジャー作品含む古典ホラー短篇集。
ゴーリー目当てで買ったら
挿絵てゅか各作品の扉絵だけ。
英国怪奇小説好きな人からは物足らないかも
しんないけど普段SFしか読まないので
ちょこっとまとまった雰囲気味わってみました。
ゴーリーによる作品選びのベタさについては
巻末で訳者必死のフォロー入ってます。
SF系の訳者さんだったら既訳作品は先行題とか
所載雑誌・アンソロジーとか解説してくれるのに
英(米)文学系の人にはそんな習慣ないのか。
12作品中W.F.ハーヴィ“八月の炎暑”が
幻想味+サイコでベスト。
ブラム・ストーカー“判事の家”はなんか特別
残虐。ストーカーだけアイルランド人なのは
何か関係あるのか?
てゅかアメリカ人のゴーリーが英国趣味なのも。
最近読んだのではなくて若い頃に読んだ「ユービック」
ウーム、面白さがわからない・・・・って感じだった。
筒井康隆だった?ベタ褒めしてたの。
うろおぼえで自身ないけど、
「火星のタイムスリップ」じゃなかった?
“頭の中がグルングルン回るほどの衝撃”とかなんとか。
…「発狂した宇宙」か。
筒井が褒めたというか、若いころはまったのは虚空の眼じゃない?
「発狂した宇宙」とどっちがいいかってよく書いてた希ガス。
ユービックってディックで一番分かりやすい
エンタテインメントだと思うけど。
「虚空の眼」=「宇宙の目」"Eye in the Sky"
そうだ、それでした!
読んだらディックで一番つまんなかった記憶が…
796 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/08/24(木) 20:22:25
筒井は「乱れ撃ち讀書ノート」で確かに「ユービック」褒めてるよ。「こういう
凄いのがあるからSFだけは読んでおかんといかんのだよな」とか書いている。
797 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/08/24(木) 20:27:16
PKDは高校の頃はまったはまった。
「虚空の眼」は星新一の某作品と並べて読むと面白い。
俺は逆だわ
虚空の眼は笑えたが、ユービックはよくわからなかった
あれは単純に楽しんじゃった。メタはわからんかったけど楽しかった。
構えるのは再読のときでいいんじゃないかな。してないけど。
死ぬ前に見た幻想世界の話でしょ?
ありがちな話だと思うけど
802 :
でへ:2006/08/26(土) 06:49:54
ティンカー ウェン・スペンサー ハヤカワSF
魔法の世界に入り込んだ現代の世界
魔法とテクノロジーが共存している状況
こういう話はわりと好きなんですが、、、、
(多次元宇宙物?)
コラプシウムとよく似た話、ただし、
コラプシウムのように、話の中の
科学理論に関する詳しい解説は無い
7点
以下、ネタバレ
人(?)とエルフのハーレクインロマンスのような
セックスシーン、それと獣姦、
特に獣姦シーンはげんなりした。
まあ、それが主体ではないし、ごくわずかしか
書かれてないのだけれど、、、
(主体なら、別分野の小説になってしまう、、、)
あんな可愛い表紙のくせに
そんな内容なのか……
ちょっと読んでみようかな
>>795 ディックの中では一番まとまった話だと思うが
そのせいであんましインパクトはないけど
806 :
でへ:2006/08/27(日) 10:08:40
メモリー L・M・ビジョルド 創元SF
多忙のため、なかなか読めなかったが、ようやく読了
マイルズ・シリーズを読んできた人は、必読ですが、
(言うまでも無い、、、)
読んでない人は、話の転回点となっているので、
他から読んだほうが良いでしょう
前作(ミラー・ダンス)ほど、自分のツボに
はまらなかったので 8点
マクラウドのFall Revolution4部作やっと読み終わった。
これを全部読んでから『ニュートンズウェイク』読めば
もっと面白かったかも(同じ歴史上の話なのかまでは分からないが、
設定がほぼかぶってる)。
ニュートン解説で出てくる<SF史上最も邪悪な登場人物>って、
多分"Cassini Division"の女主人公のことだろう。
こいつほんとにひどい。
沈黙の艦隊のキチガイ船長をさらに独善的にしたような、
暴力的キャラ。
AIやコピー人格が進化した後人類は知的生命か?
人権を認めるべきか?っていう議論自体は面白いんだけど、
この結論にはついていけなかった。
ケンとハインラインって、イデオロギー的には反対かも知れんが、
独善的に暴力を肯定する論理構造は全く同じだ。
アブナイから早く死んでほしい。
最初の3冊 平均5点
4冊目のSky Roadのみ9点
色々な感想を見るに、ケン・マクラウドはもうイラネってことで。
ニュートンズウェイクの解説を読む限り、細かい設定は違えど
<多数の精神から構成される神のような巨大知性と人類が戦う>
という、ワンパターンなアクション系の話が多いっぽい。
戦い好きなやつやなあ。
たくさん長編書いてるんだから、たまには違うのも描けよといいたい。
エラントリス上下
ブランドン・サンダースン
大筋は地味な展開で見せる異世界ファンタジーだが終盤になって急に威勢のいい殺戮展開が待っている
第三の主人公と呼ぶべきホラゼン大主教猊下のキャラ立ちぶりが素晴らしい
かっちょいい鎧を身に纏った、マーシャルアーツと剣術の達人にして策略家というお腹いっぱいな設定が楽しい
他にもよくある狂信者キャラと見せかけてその実態は無敵の殺戮マシンだったりする奴や
気功術みたいな精神統一法から繰り出すクンフーでそんな殺戮兵士をKOしちゃうイケメン貴族とか
バカバカしさ一歩手前の戦いが繰り広げられる終盤の展開を俺は支持する
なんとなく「帝国の逆襲」ちっくな続編が作られてもおかしくない終わり方だけど
この話はこれで完結って事にしてその後の展開は読者の想像にゆだねてもいいかなぁ
811 :
でへ:2006/09/02(土) 22:30:00
カズムシティ アリステア・レナルズ ハヤカワSF
やたら分厚いのですが、ハードボイルドSFとしては
結構面白かった。
内容については下に書きます。
評価は、話がやたら長いので−1点して 7点
以下少しネタバレ
ロバート・ラドラムの「暗殺者」(SFではありません)
を髣髴とさせる内容で、
終盤の主人公が記憶を取り戻すあたりや、
対決シーンは、結構唸らされました。
ラドラムの作品と思えば、1000ページ超えても
そんなに問題ないです。(笑)
手塚一郎『ワードナの逆襲』(JICC)
知る人ぞ知る怪作RPG「ウィザードリィ」シナリオ4のノベライズ。
「ウィザードリィ」の小説はほとんど一ジャンルを形成していると言ってもおかしくないくらい数が出ているが、これはそのなかでも抜きん出ている。
原作は「ウィザードリィ」のシナリオ1のラスボスだった魔術師ワードナがLV1、HP1の状態で復活して、モンスターを従えて地上を目指すという内容の言ってしまえば逆転の発想で作られたシナリオ。
ちなみに敵キャラはほぼすべてワードナ討伐にやってきた冒険者である。ゲームとしての難易度は非常に高いが、「ウィザードリィ」シリーズ独特の不条理感溢れるテイストは一層パワーアップされており、摩訶不思議な世界が堪能できる。それとともにオカルト度も増している。
で、小説のほうはこういうゲームの特殊な性格を生かすべく、ホラータッチの
群像劇という形で仕上げられている。
怪奇色が強められている代わりに、ユーモアは捨象されている。
個人的には少し不満があるが、まあ仕方がないかもね。
でも、オックおばさんの聖なる手榴弾とトレボーの亡霊がカットされているのは悲しすぎる。
ワードナの視点からは物語は語られず、ワードナに殺されていく冒険者たちの思惑が序盤のほとんどを占めているのだが、どれも悲惨すぎて笑える。
レイプされている女性を暴漢から救おうとして逆に当の女性とセックスしてしまう、などというわりと酷い感じのエピソードも多い。
ちなみに冒険者たちのキャラ造形は作者オリジナル。
中盤から、原作の重要キャラであるドリームペインターとホークウィンドが登場するが、
彼らの行動の動機付けもほとんどオリジナルである。
このあたりは賛否両論ありそうだ。
813 :
続き:2006/09/03(日) 13:39:46
元来WIZ小説というのは、ゲーム的な不条理さに対し、どう強引に理屈を付けているかを観るのが
醍醐味、というところがあったが、そのあたりの設定考証は練られていて良い。
D&Dが源流、というつながりでドラゴンランスあたりと読み比べてみても面白いかも。
特に、ラストのひとつ(そうそう、この小説マルチエンディングなのです)で明かされる、カドルト神の正体は秀逸。
また、含みを持たせた書き方をしているため、後半に行けば行くほど、叙述の密度が
意図的に下げられていくが、このあたりはかなり不満。
逆に安っぽくなっている。バラードの濃縮小説を研究して、もう少し工夫をしてほしい。
大司教ギズィと迷宮管理人ドワーフとの関係変化がやや唐突に思えたほか、キャラクターの背景の詰めが甘い気もする。
このあたりを書き足して、ハヤカワJAで復刊してほしい。
田中哲弥が入っているなら手塚一郎も入れていいのでは。
7点
ニール・スティーヴンスン 『ダイヤモンド・エイジ』
ブック型インタラクティヴ・デヴァイス、
<若き淑女のための絵入り初等読本>を強奪したハーブと、
それを貰った妹ネル運命が、後々大きく隔たってしまうことが切ない……。
「(前略)貴族が特に自分より賢いわけではないということだった。
二者の違いは頭脳にではなく、人格にあったのだ」 という文章が作中に出てくるが、
人格形成のための教育・教養の力というものを考えさせられた。
小説自体は、終わりに近づくにつれテンポアップし、
話の流れも急に変化を持ち、終局は呆気に取られる形で収束。
終わり方に爽快感は無かったけど、小説を読んだー!! って感じはした。
ちなみに、今回は『スノウ・クラッシュ』、『クリプトノミコン』を読んでから数年。
久しぶりにニール・スティーヴンスンを読んだ。
相変わらず、本筋を無視したディテールの凝り方が凄かった(笑)。
文章の表現は時に回りくどく、読み辛いこともしばしば。
この辺は以前に読んだときと変わらない印象。
あと伏線放置の傾向も見られるが、長所と短所が表裏一体で混在してるから仕方ない。
評価 6.5点
アレステア・レナルズ「カズムシティ」
啓示空間もそうだったけど、最後の方で明かされるSF的大ネタがサラサラッと流されちゃうのは
非常にもったいない気がする。
まあこの作者が書きたいのはそこじゃないのは明らかなので、訳者の人もいっている通り、素直
に物語とキャラを楽しむのが吉でしょう。
実際、世代間宇宙船+ポストサイバーパンクのなんかカッコよさげなSFガジェットを乱雑に組み
合わせた世界はアトラクションみたいで楽しいし、キャラクターも立ってます(口調でうまくキャラ
付けしてる訳者の功績もかなり大きそうだけど)。
ただ、ジッタとの出会いが全然書かれていないのはマイナス。
あれはちゃんと書き込まなきゃ駄目じゃないかなあ。
それにしても、虚無僧はこの時代まだ居なかったんだろうか。
7点
816 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/09/06(水) 08:43:02
age
817 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/09/06(水) 12:13:26
『魔の聖域』 楢山 芙二夫
全然怖くないホラー。作者が何を意図してるのかさっぱり判らない。
終盤に物理学者が「科学的説明」らしきものを披露するが、最低のトンデモで説得力ゼロ。
怖くないだけでなく読んでて退屈。別に面白い仕掛けや設定も無い。
1点
ティンカー/ウェン・スペンサー
表紙はそんなに嘘偽りでもなく女の子大活躍な話だが、
多分もの凄く女性の欲望に忠実に(それも赤裸々に)書かれてるので、萌え目的だとやっぱり精神的ダメージ受けそう。
黄禍論っぽかったり、主人公がエルフの王子様にされたことってレイプより酷くない?とかル・グィンが読んだら憤死しそうなくらい
色々PC的にどうかと思う箇所多々だが、設定とストーリーは文句なく面白かった。
決してユートピアでないエルフ世界にも色々秘密がありそうなので、続編に期待。
7点
サラ・ウォーターズ『半身』創元推理文庫
監獄オカルト純文学風ミステリ。いうほど面白くなかった。
面白かったのは脱獄駆け落ち計画の思惑がはずれ、
主人公が霊媒女囚に捨てられる終盤だけ。
とにかく序盤、中盤の冗長で陰気な女囚との会話や
主人公の鬱屈した家族間の確執のだらだらした描写が
あまりにも退屈。
要するにオカルト風味の監獄レズ小説に過ぎないのに、
やけにもったいぶって純文学風味にしようとしているのがつまらない。
最後に主人公が女中に意中の女囚を奪われるのは笑った。
やたら衝撃的であるかのように煽っているが、
ミステリ的などんでん返しとしてはぜんぜん意外でもないし、
主人公の考え方についていけないから衝撃というよりも笑激だった。
5点
萩尾望都の『半神』は傑作だよ。
まあアリじゃね?オカルト風味らしいし。
基本的に間口は広げた方が面白そう。
アレは幻想小説だからここでいいでしょ。
ケリー・リンクとかと同じで。
ケリー・リンクのは幻想小説てゅか妄想小説じゃ…
>>818 >設定とストーリーは文句なく面白かった。
俺には設定も駄目だった。多世界解釈みたいのを持ち出して
他の世界にエルフやら鬼やらがいるってそりゃお前いくらなんでも
あんまりだ……発狂しそう、みたいな。
あまりのひどさに途中で放り投げたんだけど、電車の中で何も
読む物がなくなったときに、やむを得ず読み通した、って感じ。
続編出ても買わない。まじめなSF者にはお勧めできない
まじめなSF者(笑)
まじめなSF者(苦笑)
まじめなSF者(突笑)
<タウゼロ>読了。
ウラシマ効果をテーマに、この世の果てを圧倒的リアリズムと筆力で描ききった作品。
まさにセンスオブワンダーな衝撃を受けた。
1970年発表作品とのことだが、古くささを全く感じさせない雰囲気(説得力)があった。
物語中、現象や状況にまつわる物理解説や専門用語が随所に出てきて、そういった講釈が苦手な私は
半分くらいしか理解できなかったが、それでもポイントとなる大筋はわかりやすく書かれていたので楽しめた。
後戻りできない底なしの絶望にどこまでも追い込まれていき、それでも諦めずに成しとけるというカタルシスの大きさが魅力だった。
ただ、一点だけ疑問に残るのは、船が最後に「あれ」の衝撃をどうやって耐えうることができたのか。
そこだけ?だった。
あとがきに、同年この作品を押さえて賞を受賞したのが<リングワールド>と書かれていた。
次はこれを読んでみようと思う。
ニーヴンは<無常の月>は読んだが、ユーモアと硬質な表現が絶妙なバランスで織り交ざって面白かった。
今「タウ・ゼロ」読んだりこれからニーヴン読むって
何だかうらやましいような可哀想なような…
大森望 豊ア由美 「文学賞メッタ斬り! リターンズ」
―点(ノンフィクション;対談、なので)
前作では大森さんが手綱握ってむりやりまとめてた感じだけど
今回はアホが一人でリターンしてきたみたい。
耐え切れないときだけツッコミ入れて後はハシャギまくるアホを
心中ひそかに冷笑してるってゆうか。むしろハナで嗤われてるのに
アホだから気づいてないだろ、かも。
それにしてもメジャーな文学賞とSFって永久に縁ないのかな。
古典を今読むと可哀相なのかな。
最近、ウェルズとヴェルヌを読みまくっています。
みなさんもどうぞ!!
>>832 >>833 空気嫁。
ここは古典なんてとっくに読んだ人が来るところだから、
そんな紹介や感想は必要ない。
空気読むべきなのは834のほうだったなw
ジェイムズ・P・ホーガン 『星を継ぐもの』
詰め将棋のような作品。
ただし、作品中盤に<ニューヨーク・タイムズ>掲載という形で、
ルナリアン惑星の位置を特定したのは、ちょっとだけ逃げだったと思う。
でもそれだって、その他の部分の完成度が高かったから目立っただけだし。
圧倒的な興奮やスペクタルがあるわけではないが、
確実に詰んでいく感じは、なかなか他の小説では味わえない感覚だった。
感慨深い終わり方も良かった。
評価 7.5点
>>838は間違えて書き込んでしまいました。
スイマセンでした。
ところで、
>>834の古典・名作の書込み禁止!! 新作のみ可」ってやつは、
テンプレやお約束のレベルで決まってる内容なんですか?
それならそれでここには書き込まないけど、ホントのところはどうなんでしょうか?
そんなルールはないし、また設定しても無意味だと思う。
古典とは概して読まれないものだという有力な説もあるし・・・
古典はとっくに読破したと豪語している人は、
「世界SF全集」くらいとうぜん全巻通読しているのだろうね。
ステープルドンもせめて翻訳されてる分くらいは読了したのだろうか。
このスレでそんな奇特な人を基準にする必要などまったくないと思う。
古典というものは、今の視点で見るとまた新しい発見があるものです。
みなさんどんどん古典を読んで感想を聞かせてください。
っていうか既出でも古典でもおでんでもなんでもいいから簡素書いとくれよ頼むよ
「テレパシスト」ジョン・ブラナー 創元SF文庫
あまりにも直球なタイトルからは想像できない豊穣な小説。
予想を微妙に裏切っていく後半の展開がスリリング。
提示されるイマジネーションは決して新しいものではないが
(むしろこの作品が古典なのか)、読後感が新鮮。
大げさな言い方をすれば、イーガンちっくなアイデンティティの危機や葛藤が描かれている。
古臭いタイトルで敬遠せずに、手にとってみてほしい本。
7.5点
ジョン・ブラナーは日本では不当に黙殺されていて腹立たしい。
「次元侵略者」「幻影への脱出」「テラの秘密調査官」と読んできたが、
どれも一筋縄ではいかぬ展開で面白い(一部翻訳には難があるが)。
おかげで残る数冊は老後の楽しみに漬け込むことにした。
ザンジバーの原書も買っちゃったし。どうしてくれる。
ブラナーは、ザンジバーと羊が好き。
変な造語が多くてやや読みにくかったけど、
頑張って読んだ甲斐はあった。
衝撃波を乗り切れも傑作なのに絶版ですね。
ザンジバーと善住坊(ぜんじゅぼう。大河ドラマ黄金の日々の川谷拓三)
って発音似てるね。
ザンジバーとザンジバルって似てる
さらにザンバ汁とも似てる
何か関係があるのだろうか
ザンバ汁煮立つ
実際に乳首をイジくる部分は、魚釣りで使うワームが
最適かも。
安いし、エロいし、クサい。
やわらかさもコンニャク並みだから、
ちょいと長めに切って回転させるとグニャグニャ動いてくれそう。
スタ丼善住坊
シープルックアップ→略称Cカップ
いーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーやっほう!!!!
今夜は乳汁ごっくんだあ!!!!!
遺す言葉、その他の短編
著)アイリーン ガン
訳)幹 遥子
某スレでも言ったが、とにかく早川が異常にがんがってる。なにががんがってるって、しおり糸がある(以下略
・中間管理職への出世戦略
マイケルダグラス主演の「ディスクロージャー」を思い出させる一篇。
企業内政治闘争を昆虫に戯画化する、その発想はなかったわ。
・アメリカ国民のみなさん
これってアメリカの近代史知らないとまったくわかんないんじゃないのか?
自分だってウォーターゲートくらいは知ってるけど、
一般の日本人はニクソンのLSDネタはわかんないだろう、普通は。
・コンピューター・フレンドリー
ネットワーク社会の説明ガジェットとかはちょっと無駄なような気がする、
それより「子供」の発想を子供から盗ってくる、っていう発想がいい。生き生きしてた。
・ソックス物語
ちょっと間違えるとコニーウイルス女史の「髪の毛が洗えない入院事情」ネタになる。
いまでも穴だらけのソックス履いてるのかしら…?
・遺す言葉
初出はS-Fマガジン。自分もそこで読んだ。そのときの印象とはちょっと違ってるのにびっくし。
あらゆるモノ、あらゆる場所にインデックス貼るっていう几帳面さがSFしてるんだと思う。
「ザルのように漏れる」
次のスレに続く
>>855の続き
・ライカンと岩
この辺からタッチが微妙に変わる。ファンタジーモノかコンタクトモノか。なんかちゅーとハンパな感じが…
・コンタクト
なんか人間男性よりも異星人のほうがより臨場感ある書き方になってて、
そっちのほうが感情移入しやすいのはなんでだろう?
コンタクトもの第二弾
・スロポ日和
惜しい気がするのは、これはもともとラファティだとかビッスンあたりがホラネタで扱うテンションだから。
最後の最後に、当のスロポが人間引っ掛けて楽しんでた、っていう絵がいいオチだったと思う。残念。
コンタクトもの第三弾
・イデオロギー的に中立なフルーツクリスプ
自分にはそんな力はないんだが、誰かやって欲しい。
『イデオロギー的に中立な冷やし中華』
…だめ?
さらに続く
857 :
◆GacHAPiUUE :2006/09/17(日) 21:41:03
>>856からの続き
・春の悪夢
ホラー。
たしか非常に似たシチュエーションがS・キングの「バックマンブックス」シリーズで出てたような。
あっちのほうが血しぶきは挙がるは、臨場感はあるは。まあ比べちゃダメなんすが。
でも好きです。ブロブものは。
・ニルバーナ・ハイ
超常能力者が普通に存在する現代アメリカでの高校エレジー。「X-MEN」か?
いやいや、もっと腹黒いです。真っ黒です。でも、先生の選択はかなりアメリカンです。
自分はボーリングコロンバインは想像できませんでした。でも、この短編集の中では一押しです。
・緑の炎
ハインラインが!アシモフが!世界最初の「コンピューターおばあちゃん」グレースホッパーが!
フェラデェルフェアエクスペリペント的に大活躍!しかもなんか書き方がえらい2ちゃんねるな合作方式。
描かれた状況そのものがSFです。おもしろいですよー。
あ、忘れてた、デイ・キャンプもおるでよ。
…結局一日で読みきったのでしおり糸使わなかった。それはともかく、しおり糸は大切なんだ。いやそうではなく
確かにすごい作家さんなんだと思うけど、自分はなんだか物足りない。
多分、血とか肉とかワンダーだとかがちょっと足りないからだと思う。でもSF。
9点。
>遺す言葉、
調べたら出てきた。
装丁のデザインとイラストが良いねえ。
1400円かあ
古書で出てくるのを待つか。
しおり糸へのこだわりっぷりにちょとワロタw
いやしおり糸は大切ですが
>フェラデェルフェアエクスペリペント
…なんかもうぐだぐだなんだが。
『イデオロギー的に中立な冷やし中華』は、
たぶん田中啓文あたりがやりそうな気がする。
フランツフェラディナント
コニー・ウィルス・・・
コニービールス
ジェニファー・ビールス
オッペケハイマー
……そろそろ本題に戻ろう
イアン・マクドナルド「火星夜想曲」
感想かけよ、ボケども
869 :
◆GacHAPiUUE :2006/09/18(月) 22:40:46
ベータ2のバラードは面白かった
あと他のを読んでないのでまだ感想は書かない。でも面白かった。
「殺戮者」がAEヴァンヴォークト風味
ガチャの感想はいろんな意味で支離滅裂なんで、もっと推敲したほうがいいよ
感じたものを感じたままに
「山椒魚戦争」8点
終わり方にエヴァのTV版を連想してしまいました。いや全然違うんですが。
何というか不幸なハッピーエンディングというか幸福なアンハッピーエンディングですね。最後もつけると。
全部通して業という言葉も連想されました。
破滅SFを読みたいけど少しは救いが欲しいとか、
言葉に言い表せないどうしようもない感じを味わいたいという人におすすめです。
結局人間の代理戦争だった、という暗示もあるしな。やるせないニャー
そうか、がちゃは遺言動物だったのか
>872-873
イアン・マクドナルドの「フローティング・ドッグス」が好きなんだけど
似たかんじ?
山椒魚戦争のオチって
話を考えるのがめんどくさくなって投げ出したような
酷い物だった気がするが……
でも話自体は面白かった。
佐々木禎子「ラストヘブン 生きて地獄を見た少年」
ホラー…らしいです。
まあありがちな、作者のオナニー小説でした。
狂気を描きたいのはわかるが、それが伝わりにくい。
著者コメントによると本作は“異界萌え風景フェチ”らしいが、
文章が上手くないというか自分の脳内だけで出来上がってて、
読んでいてさっぱりわからない。想像できない。
主人公たちも途中まではけっこう魅力的に書けていたが、
後半は全てを投げ捨てているような印象を受けた。
日本語表現の美しさについてもう少し学ぶべき。中途半端過ぎ。
評価 3点
>>875 検索して思い出した。ミサイル搭載バクが自爆攻撃する奴だろ?
まったく違う。
小泉一水 『天涯の砦』
狭い空間の中だけで話が展開するのだが、それが話自体にも影響して
いるようで、全体が非常にスケールの小さい話になっている。
狭い空間を越えて話を広げていくところが、作者の腕の腕の見せ所なんだが・・・
せめて、ステーションの親会社のゴタゴタ等を加えて、無理にでも話を
広げた方が良かったような気がする。
2点
任期満了乙。
2点かよw
町井の「血液魚雷」もつまらんかったし、早川のJコレクションだんだんしょぼくなってる?
ラノベなんて所詮そんなもんだ
>せめて、ステーションの親会社のゴタゴタ等を加えて、無理にでも話を
>広げた方が良かったような気がする。
お前本当に読んだのか?
メンバーに新鮮味が薄れてきたんだよなあ。
若手〜中堅はほぼ出尽くしたから、そろそろ、「ほう、この人がSFレーベルで!?」みたいな
サプライズが欲しいんだけど。いっそ西尾維新とか、そういう方面でもいいからさ。
なんか作家が受けてくれないっていうより、編集側がビビって声かけてねーんじゃないかとい
う気がして仕方がない。
吉村萬壱はどうよ?
ふ、る、か、わ、ひ、で、お、に、書、か、せ、ろ!!!
あり、名前間違えた。
ついでに言うと、小川さんは人物描写、というかキャラ立てが
イマイチ〜な作品が多いんだけど、今回のは酷かった。
極限状態を主題にしときながら、そのストリーの核になるキャラに
全く魅力が無いのが致命的かなぁ。
>>885 どこら辺に書いてあるんかな?
>>886 中原昌也、青木淳悟、打海文三
>>889 酷いか? 少なくても第六大陸よりかは大分改善されたと思うが
>>889 小川氏、読んだことないんだけど、マジに人物描写弱い人なの?
なんか群像劇っぽいのが、作品で多いような気がするんだけど。
>888
日本SF大賞受賞したのに、なんも執筆依頼とかなかった、と本人が言っていたらしいw
瀬名秀明とかも、最近色々ロボットSF書いてるのにイマイチSF界からの注目度が低い気がするから、
ここらで一冊出しても面白いと思うんだけどなあ。
古川日出男はちょっと前このスレで大プッシュな人が居たよな。
彼に釣られて文庫版「アラビアの夜の種族」読んで感動した。
日本人でも、ああいう理屈抜きのファンタジーが描ける人が居るんだね。
894 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/09/21(木) 16:59:27
>>885 >>889 >>891 あのさあ、小川スレにも書いたんだが、大島が田窪を大した理由もなく殺した事をなんとも思ってないのって不気味じゃなかったか?
強姦未遂の方はしつこく延々と後悔してたくせに衝動殺人は全く気にしていない。
登場人物もそうだが、作者の小川自身が衝動殺人をたいした事じゃないと思っている。
俺はあの辺、小川の感覚の世間との乖離が不気味だった。
ティンカーはエロすぎる
誰かキツネっ娘が獣姦されてる画像紹介してくれ
ティンカーって何?
初心者にもわかるように頼む。
そのくらいぐぐれよ
>>895 こんなのでよければ
パコ
パコ
∧ ∧
アアン♪ (゚д゚=)
. ハ,,,,ハ ,,とと !,〜 ) )
cミ゙∇゙*ミc,,ノ(__⊃ カクカク
ティンカーでググったら
最初にエロゲ会社が出て吹いた
>>898 貴様、あのスレの住人か!
ラギラギラギニャ
ラギラギニャー
902 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/09/29(金) 18:23:02
カート・ヴォネガット・ジュニア
「タイタンの妖女」
私には早すぎたかな…。
4点
みなさんはどうですか?
>>902 「スローターハウス5」を読もう。
それでわからなかったら、たぶん早すぎるか縁がないかどちらか。
いつか読んでみたくなるよ
大事に取っておこう
だいたいおれ、もっと青い頃は手に取りさえしなかったしw
「スローターハウス5」はあまりピンと来なかったな。
ヴォガネットは「猫のゆりかご」が極めて厭世的で素敵。
俺も「猫のゆりかご」が最高傑作だと思うんだけど、
SF畑でも現代文学畑でも今一つ人気がない感じなんだよな。
ヴォネガットの最高作は
チャンピオンたちの朝食
でしょ
SFより普通小説のほうが良さが生きる作家。
ジェイルバードが一番好きだ
俺の中ではタイタンの妖女が最高傑作。
割れるなあ
俺は「ローズウォーターさん」がダントツ、次点が「タイタン」だ
いいから簡素書けよ
いうと思ったw でも今日は寝る
寝ながらでいいから書け
ぐぅ〜・・・
フンガッ!
ぐぅ〜・・・
ぐがっ?? あ、よだれが
短編なんだけど書かせてください
SF THE BEST OF BEST上(創元SF文庫)収録
「隔壁」シオドア・スタージョン
恒星船乗組員候補生が、もうひとりの練習生と共に
最後の訓練航海へ。長い行程のなかでストレスを爆発させないよう、
彼らの間には隔壁が設けられていた……。
読み終わってみれば、どこをとってもスタージョンの小説なのに、
スタージョンがこんな小説を書くとは思わなかったという印象が強い。
同時に、この濃密な渇望と自己懐疑の物語は、
やはりスタージョンにしかかけない話だと思う。
そして静かに胸を打つラスト。
50年代のベストなんて・・・とお考えの方がいらっしゃる場合は、
悪いことはいいません、在庫があるうちに買っといたほうがいいです。
8.5点
無茶苦茶古典的だがシマックの泣かせる「孤独な死」、
ぬこ党の心をくすぐるライバー「跳躍者の時空」もツボ。
みなさんありがとうございます。
「猫のゆりかご」を読んでみたいと思います。
ライバーは「バケツ一杯の空気」「マリアーナ」「若くならない男」ガミッチシリーズと
傑作ぞろいなんだが、何故どこも短編集ださないんだ?
売れないから。
売れないだろ。
奇想コレクションとかのブランドで出せばちょっとはましだろうが。
ま、原書も絶版だらけだし、地道にアマゾン古書とかで
収集するしかあるまい。
「移動都市」フィリップ・リーブ
「逆転世界」+ラピュタっぽい話かと思ったんだが・・・正直ちょっと外した気がする。
>>555 >>556 ルーン杖読んで割とこの人も平凡なファンタジー書いてたのね、と思いつつ
先日「ストームブリンガー」を読みましたが・・・こっちの救いのなさは凄いね。
922 :
でへ:2006/10/01(日) 22:23:19
イリアム ダン・シモンズ ハヤカワ
前に読んだ、「夜更けのエントロピー」は
いまいちだったが、、、
コレは良い
ハイペリオンでも思ったが、
この人の筆力はすごい、
そんな人が、すべての物語の原型のひとつでもある
(フィクションの面白さの原型でもある)イーリアスを
基にして物語を作っているのだから面白くないわけが
無い
NHKの番組でイリアムを評して「よく分からない」、
の意見が評者全員から出たのは、(理解できないことに)
なんとも不思議な、かわいそうな感じを受けた。
考えてみれば、「夜更けのエントロピー」は
作者の有り余りある筆力をもってして目いっぱい
気持ち悪いホラーを書いているのだから、
ホラー嫌いの私が受け付けないのも無理なかった。
9点 今年の海外SFでは(おそらく)ベスト
シモンズは当たり外れが激し過ぎる。
オールタイムベスト級の傑作か犬も食わない駄作しか書かないのはどういうことだ。
そして大半が駄作の方だし。
シモンズの90%はクズである - スタージョン・シモンズの法則
カーリーの歌は酷かったな。
彼の中では、インド人は人間ではないらしい。
「捜査」レム、ハヤカワ文庫
邦タイトル、表紙ともにかっこよし
お話の雰囲気もカッコよし
ネタばれしないように感想書くのはムズカシす
警察小説とSFの間のヤジロベイみたいな感じか?w
8点
「サマー・オブ・ナイト」とか「夜の子供たち」もかなり酷い。
ホラーはダメな人かと思いきや「殺戮のチェスゲーム」は一級品。良く判らない。
物語のテクニックはあるけど、いろんな意味で浅いんだよな>シモンズ
くだらない内容を上手っぽく書こうとしてるやつは、
余計にくだらなく感じてしまう。
しつこいな、こいつ。いいかげん黙ったら?
こいつっていうか、おれは925と928だけだけど黙るよ。
へえ〜、俺は浅い内容やありきたりな物語を面白く書く奴は、
書き手として最高の技術を持っていると逆の評価をするがな。
人によってテーマの重みは変わるし興味も変わる、
だけどそれを面白く書ける奴は、自分が興味のないテーマについて
書かれた小説でも読ませてくれるし楽しませてくれる。
>>930 ちなみに俺は黙る必要はないと思うぞ。自分の得た感想を書くスレだろココは。
悪い評価でも正直に書けばよい。単なる罵倒はごめんだが
>>930には理由が
書かれてるならな。
何でそんなに必死なんだ
熱心なシモンズファンがキレてるんなら、自分のシモンズ作品の感想で応えればいい。
ウザイから止めようぜ。
自分はシモンズ自体が嫌いなわけではないが、
シモンズ作品だと何でもほめるやつは嫌い。
シモンズとイーガンって、
日本のSF界で、何かけなしちゃいけないみたいな
風潮があるのがすごく厭。
スレ違いなのでもうやめましょう。
↓読んだ本の感想をどうぞ
「永劫回帰」バリントン・J・ベイリー 創元文庫
ボアズはなかなかに偉いやつじゃ
ワイドスクリーンバロックにしては分かり易く面白い話であった
てゆうか、スペオペに軸足があるから面白いのかもw
8点
『移動都市』 フィリップ・リーブ 創元SF文庫
精緻なSF的仕掛けが好きな人はがっかりするだろう。移動する都市や世界に対する説明は不十分で納得できない。
この小説は、そこにある世界を読者に納得させるのではなく、受け入れる事をまず最初に要求する。
しかし、受け入れるなら、マッドマックスの世界のような血沸き肉躍る冒険活劇が好きならいけるだろう。
なにより俺がこの小説で評価した個所は、主人公の少年と共に冒険する少女が醜い事。
登場人物覧では「顔に傷のある少女」と書かれているだけだが、その傷は片目を奪い鼻をつぶし唇をひきつらしている。
当然「美少女」じゃないし、「普通の少女」(と書かれて普通であった例はすくないが)でもない。
顔が醜いからといって性格が良いわけでもない。どちらかといえば酷くゆがんでいる。
そんな少女と少年の冒険。少女の顔の傷は元に戻る事は無いが、心の傷が癒えてくれる事を切に望みたくなった。
あと、カバーイラストは納得できん。
>>935 そんなの初心者だけだろ。俺達のような様々なSFを読んで教養のある上級者は
イーガン、シモンズの浅はかな部分を突くことが出来る
これだから不勉強モノは困るのだよ
そうそう。SF1000冊以上読んでない奴に書き込む資格なし
しょうがないから釣られてやる
それにしても、しょうもない釣りだな。
>>938 そうでもないよ
O森さんとかO森さんとかw
>>942 SFの90%は屑と看破したスタージョンの全作品を褒め称えられる人だからな
何の矛盾もないことに気づかないのねw
矛盾するとは限らないような
スタージョンの全作品が屑でない10%に含まれると考えればな。
しかし実際はスタージョンも90%は屑だけどね。
初期のショートショートとかしょーもないのが多い。
全部が名作なんてありえない。
小松左京だってしょーもないのが結構あるし。
小松左京はしょうも無いほうが圧倒的に多いだろ。
駄洒落みたいなギャグ小説とか怪談とか粗製濫造している。
名作、傑作といえるのが5%ぐらいしかない。
5%あるのがすごいんだよ
↓感想どうぞ
う〜ん、やっぱりダメだね。
まあ確かに、大半の作家は100%駄作だからな
作品の水準がやたらに高い作家をさがすと誰になるかな? ディレーニあたり?
ジョン・クロウリーに1票。
うーん……ラファティ。
ちゃん
ティプトリー
ベイリー
やはり多作だとダメということのようだね。
チャンなんてひとつ傑作だったら「傑作率」異常な数値にw
実際にはあと一歩な作品ばかりだけどな
そういうくだらんレッテル貼りするようなのを皮肉ってるんだろスタージョンは
いい加減スレタイ読めよ
スタージョンが怒ってたのはSFつーとマルペだのローダンだの引きに出される風潮に、だろ
自分の90%の駄作は棚に上げてか。
個人的にはスタージョンはヒット率高いと思うけどな〜
今んとこ松井以上だぜ、短中長編それぞれでホームラン級のもちらほら
まあ全集読んでないからしらね
法則化されたスタージョンの言葉って、そのあとに
だが、わたしはSFを愛している
とかなんとかそんな感じの言葉が続いたと思ったんだがね
確かに90%のSFは屑だ。しかしどんなジャンルでも90%は屑なのだ。
そして残りの10%を比べれば、SFは他のどんな文学ジャンルにも見劣ることは決してない
こんな感じだったと思う。
>>971 *「ジョナサンと宇宙クジラ」
(あなたにはほかの人たちとひとつ違ったところがあるのです、
それは、物事をあるがままのかたちで愛し、それ以上の何ものも求めない、あなたの優しさです…)
SFはヒネた大人子供の巣窟で、どんなものにも変革を求め、変われないものを切り捨てて、生きつづけます。
それがあたかも正しいかのように、そしてそれは科学の真理だからだと言わんばかりに。
その癖、変わったものが変わる前のものとどれだけ違うのか、など気にもしなくて。
小川さん…あんた、これを…、いや、そんなことどうでもいいか。
カシオペアは待っている仲間のところに還れたんだろうか?
*「サンタ条項」
悪魔との契約があまりといえばあまりにサッくし出来ます。WEBブラウザだってもうちょっと複雑です。
あと、もうちっと疑えよ、ロス。オチを楽しむのではなく、多感な文章を味わうべきです。
*「ピネロピへの贈りもの」
イチ押し。
どんな願いも叶えてくれる、そんな機械の前で極々ふつうの「優秀」な少年オテリス君は銀河文明を震撼させる大革命を成し遂げます。意外な形で。
いや、ホント意外だ。しばらく本を手にとって笑ってました。
さらに続く
>>972 *「雪つぶて」
すみません、これだけはまったくわかりません。次の短編が期待大だったんですが、何度も読み返していました。
「わざとわかり難く書かれている」シリーズでしょうか?当時はそういうのが流行りだったのかな?
* 「リトル・ドッグ・ゴーン」
アル中で仕事吹っ飛ばした元役者。自分のことしか観えない役者。いろんなモノを踏みしだいて復活した役者。
そんな彼の胸に最後の最後に飛び込んできたのは愛の欠片でした。
”ぼろ雑巾”がなぜこんなのを好きになったのかよくわかりませんが、そんなことは瑣末なのです。大事なのは六千万キロです。
それはともかく、新版の表紙に居る宇宙飛行士はジョナサン、一緒に座ってる金貨のような髪の女性はミス・ジョーンズとして、その膝に乗ってるケロちゃんみたいなのがドッゴーンですか?犬っちゅーか猫っちゅーか…。
*「空飛ぶフライパン」
ちっちゃな神様、無茶をするでござる の巻。
仕事したいのかしたくないのかはっきりしろよ、ブラウニー。でもGJ!
*「ジャングル・ドクター」
転送機の誤謬で辺境の惑星、「地球」に墜落した超感覚を持つ超心理臨床医の駆け出し、サリス。
助けた男はよりにもよって、飲んだくれ(文系)。
ガテン系の飲んだくれってのはガサツだってのは大体知ってるんだけど、文系のはさらに悪い。のべつ幕無しに『ソネット』やら『失楽園』やら『シェークスピア』がなり散らすってんだからジャイアンの唄より始末が悪い。
そんな飲んだくれのリンゼイ、その悲しい心の「地下室」のために、そして、こんな「野蛮人」の世界のために、自身の職歴を投げ出して彼女は「来ます」。
彼女の持つ「愛」はなんて名前なんだろう?
クドイようだが続く
>>971-973 *「いかなる海の洞に」
みつけた、みつけた。『アバイヤのオダリスク』をやっと見つけた。間違いない。これが元ネタだ。
ちょっとでも脱線すれば、あっという間にコメディに、ホラーに、それ以外のなにか別のものになりかねない、
そんな危ういバランスを、文学的エッセンスと詩情たっぷりの文体で危なげなく進んでいく物語の語り口に
作家の並々ならぬ技量が見出されます。
自分の嫁を「衛星写真」で確認したくはないよな…。
全般を通じてヤングの手法には、「主人公」をスーパーマンにしない、という点があって、それゆえの限界を決して無理して超えようとしない。
だから、当然だけど当たり前の結論、当たり前の答えに行き着いてしまう。そして、それはすべての登場人物にも通じる。
そして、そんな世界だから、これを越えようとした「バー・ヘグ」への哀感が心に染みるのです。
また、主題が極めて狭い、つまりぶっちゃけて言えば主題は「愛」そのものだけ、という点などがその主題の狭さでゼナ・ヘンダースンやアヴラム・デイヴィッドスン に似た印象を持たせるのです。
そんなまるでSFらしからぬ「無茶」しなささこそが、最大の魅力であり、最大の欠点なのでしょう。
太陽はただそこにあるだけで光を照らし、大地はただそこにあるだけで光を映す。
このもっとも単純でもっとも簡単な働きを元にして世界は緑を育み大地を肥やし生き物を育む、
このもっとも単純な働きを壊すことなどできはしない、故に世界の富は無限であり世界は永遠でありつづける。
ただ、まっすぐな光のようなそんなSFでした。受け取る心もまた素直でありたい。
10点
ガチャの感想文って、痛々しくて目を覆うね。
感想を書こうという精神や良し。
まあ関係のない雑談してるやし(例=俺)よりはましでしょ。
挙がってる本があまり興味のないものだったりはするのだが。
感想書くのは大いに結構なんだが、
作者くらい書いてくれんと何がなんだかさっぱりわからんし興味ももてん。
調べるのもおっくう。
>>980 作者名で買ったりやめたりするならこのスレにいる意味ないだろうに。
>>981 普通は知りたい。感想だけで、興味を持てるほど若くないからな。